たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

新雑誌「アオハル」は単眼少女雑誌だった!

日本にお住まいの、一億人の単眼好きの皆様、朗報です!
一冊に単眼少女漫画が二本も載っている雑誌が出たぞー!
ウォー!
 
いや、たかが二本かもしれませんが、そもそも単眼少女漫画なんて、一本でも載るほうがおかしいわけで。
それが二本!二本も載っている!
その雑誌の名は、「アオハル」!
ほんと、なんなのこれ。しかもめちゃくちゃかわいいんですけどー!
 
一本目は、黒咲練導先生。「放課後プレイ」でおなじみ。
タイトルは「reproduction」

もう見ていただければ分かると思います。
黒咲先生、単眼少女のエロスを描くためにこの作品描いてます。
間違いないといっていいです。単眼少女がいかに美しくエロティックかを描くためにある漫画です。
また名前がすごいよね。「蛆子(うじこ)」
氏子(氏神の子、氏神を信仰する人)と関係があるのかどうかは定かではありませんが、名前からしてヤるき満々。
で。
かわいいでしょう?
かわいいんですよ、単眼少女。
彼女がなぜ単眼なのかとかは一切語られません。父上に引き取られた少年が、この蛆子に出会い、どういう選択をするかの物語です。

この白と黒のエクスタシーは黒咲先生ならではですね。
男性側が三白眼なのも、単眼少女の眼球がなまめかしいのも、舌が軟体動物のようなのも、あまりにも見事としか言いようがない。
そもそもこの目のサイズだと眼球のサイズが脳みそをまるまる占領してしまうことになるんですが、そういうのはもうどうでもいいんですよ。そもそも単眼である理由が分からないんだから。
目の前にあるのは、最上級のエクスタシーを得たいと願うイノセンスだけです。
 
もう一つの作品は位置原光Z先生アナーキー・イン・ザ・JK」
個人的にはアオハルで二番目に好きな作品。こちらは底抜けに意味のない明るいギャグマンガです。

JKのヒロインたちがただファミレスでくっちゃべっているだけの話。変な子しかいないんですが、その中でとりわけ目立つのがこの単眼少女吉川っち。性格的には一番まともです。が、単眼。
しかも単眼であることにこれまた何の意味もないという。個性の一つでしか無いんです。髪の毛が金髪とか、その程度でしか無いんですよこの世界で単眼は。
またこの子がむっつりスケベさんで、真面目っぽいけれどもいちいちリアクションが面白くてかわいいんだわ。

最初「は!?」ってなりますが、これがどんどん自然に見えてくるから不思議。
「ファミレスでしゃべっているだけの話」をここまで混沌としたものにして、相手に理解をさせることを拒絶するような描写方法面白すぎる。つじつまとかもうどうでもいいんですよ。そもそも単眼だし。

個人的には蛍の尻ピカなうな設定も面白すぎてゲラゲラ笑いましたが、やっぱり吉川っち。
 
単眼少女は今密かな……本当に一部で密かなブーム中。
具体的に言うとpixivとか。
まあどう考えても日本でトップ級の人気が出るジャンルではないので、「え、なんで?!」くらいのインパクトだと思っていていいと思いますが、それにしても昨今のじわじわ広がる単眼好きの広まりは気になるところ。めちゃくちゃ好き!という人はそこまで多くないかも知れませんが「なぜか惹かれる」人は結構いるのではないかと思います。
なんでなんでしょうね。少し考えてみたいところ。
「アオハル」はそこに斬り込んでくれるんですか? そもそも1号でこの二本の続きが出るとは限らないのでなんとも言えませんが。
とりあえず言えるのは「単眼少女好きは『アオハル0号』買っとき!」につきます。
 

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で、ヤングジャンプ増刊「アオハル」がめちゃくちゃ面白いわけですよ。
いうなれば、「IKKI」と「アフタヌーン」と「ビーム」と「きらら」と「REX」と「つぼみ」と「LO」と……をミキサーにかけて出されたみたいな雑誌というか。
個性派じゃない作家がいない、個性派だけが集まっているような雑誌なので、一作一作を読んでからの頭の切り替えが全くできないくらいのパワー全力投球な一冊になってます。しかも第0号だから連載とか考えてない読み切りのみ。すさまじい投げっぱなしです。いやーお見事なまでのカオス。そのカオスがそれぞれ良質すぎて、キャビアのあとにフォアグラ出てきて次にトリュフ、みたいな「続けて食ったらわけわからないよ!」状態。
狙ってる層はほぼ間違い無く、20代以上の「マンガ好き」だと思います。かなり自主的に漫画を買って読む、ある程度作家さんの名前をチェックしているくらいの「漫画の読み方」を自分なりに持っている人向け。普段漫画読まない人にこの雑誌渡したらどんな反応するのかすごく見てみたい。意外とすんなり受け止められ……る内容じゃないよなあ。作家さんの名前を知っていて個性を知っている人が、それを目当てに買う雑誌じゃないかと思います。たまたま目にして買うタイプの雑誌と方向性・コンセプトが違う。
じっくり読ませる漫画から、本当にどうでもいい内容の漫画まで、幅広すぎてたまりません。
いくつか気に入った作品を紹介。
 

あいかわらずナチュラルに何か間違っている、ちょぼらうにょぽみ先生。
もうこのコマだけでどういう漫画かよくわかると思います。かたつむりまじすげえ。
 

こちらもあいかわらず平常運行な、F4U先生。
性欲旺盛な女の子ってかわいいよね!というのを描きつつ、白昼夢の独特な喪失感も描いているのがF4U先生らしい面白いところ。
面白かったけどこれは連載化できる気がしません。
こういう短編映画的なノリのマンガが多いのが今回のアオハル。
 

今回一番強烈な印象を受けたのが、武富智先生の「SUPER HEROINE」。
内容を詳しく説明するのは無粋だと思うのでしませんが、マンガでしか描けないものをがっちり詰め込んだ、心に残る力をもった完成度を誇るすさまじい短編です。これ見るだけでも買う価値あり。

解説はなくても、マンガが感じさせてくれる。
そんな作品です。予備知識なしでみたほうが面白いと思うので、是非手にとって確かめてみてください。
 
その他にも「スクールガールコンプレックス」の青山裕企氏の写真とのコラボで2.5次元になっている世界を突いているのも興味深い。
極めておしゃれなセンスと凝ったコンセプトでできている雑誌だと思います。
1は来年だそうですが、作家ラインナップ等も含めて楽しみです。
今回の0号は「雑誌という形のアンソロジー」だとと考えて、一冊買っておくのをおすすめします。
 
特筆すべきは背表紙。

このデザインは本当にいい! 作家の名前全部アルファベットにしてつめこんでるんですよね。
絵との重なりあいもうまいですし、白地に青を貴重としたデザインはまさに「アオハル」。表紙は暖色系が好まれること多いですが、しっかり「新しいものを作る」という力であふれています。
 
そんなわけで楽しみでしかたない本誌。
どこまで今回のお祭りっぽさ、パワーを引き継げるか楽しみ!