たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

タカハシマコ「青年のための読書クラブ」ニ巻と、言霊が壊す少女の世界

で、今更ながら二巻目を読んでいるわけですが。
原作もすごかったですが漫画版のタカハシマコ先生の味付けは格別ですね。
一つのコマではとても伝わらない、ひと通り覚悟して読んで、読み終わってからぐわーっと波が押し寄せてくる、そんな一冊になってます。
もちろん一巻から読むのをオススメ。ただし連続した話ではないです。
 

                                                                                                                                          • -

 
で、思ったことがあるわけなのでメモをしたいのですよ。
一言で言うなれば言葉の力ってすごいなと。
 
たとえば占い。
気にしない人は全然気にしないかもしれないですが、自分信じてないのに気になるので見ないようにしているんです。
その日運勢が悪かったらそりゃーもー気になって仕方ない。いいことがあっても不安にしかならない。
そのっくらいなので、読書したあとの飲まれっぷりもすごいんです。バリッバリに影響受けまくります。
怖いこと書いてあったらおっかなくなるし、絶賛を見たらワクワクするし。
 
で、二巻は100年スパンでの話が描かれているんですが、その引き金になっているのは本に載っているたった一つの言葉なんですよ。
その本の内容は全部は出てきませんが、その子はその文章にであってしまったが故に人生がおかしなことになります。
人生どころじゃない、この少女世界の秩序がそれで狂うのです。
 

                                                                                                                                          • -

 
この作品はまさに、少女世界の物語です。
桜庭一樹節ですね。少女による少女のための世界なんです。そこに、老女になろうと少女のままであるという思想をもったタカハシマコ先生(短編「タイガーリリー」参照!)がタッグを組んだら、そりゃあ少女の世界が誕生するってなもんですよ。
でもここにあるのは、破壊される少女世界。
 
少女性ってある意味において、消失する儚さを持っています。最高に輝く一瞬、かつ無くなるもの。
その引き金になるのが何かはわからないけれども。
大きな事件なこともあれば些細な事件なこともあるけれども。
この作品で、それを開いたのは一冊の本。
そしてそこに書かれた言葉から様々なものが連鎖し、がらがらと崩れていく。
成長かもしれない、崩壊かもしれない。
 

                                                                                                                                          • -

 
言霊、なんて言葉がありますが、あるよなーと思いますほんと。
強烈に心に残る言葉って、色々な形で人生を変えるんですよね。
ものっすごいプラスなこともあれば、ネガティブの極みになることも。
どっちに転ぶか分からないし、それがハッピーがアンラッキーかもわからないけれども、あるんです。
今回二巻で描かれていた少女達の動きの引き金になった言葉、そしてそこから起きた事件は果たしてグッドエンドだったのかバッドエンドだったのかも分かりません。いや、全然エンドじゃなくて、他の少女がまた別の言葉を読むことで形を変え、変化していく。
文字ってのはやっぱりすごいよ。
町を捨てよ、書を読もう。
 

                                                                                                                                          • -

 
小説もマンガもそうですが、ある一つのことをしなければいけないときに読むのが怖いことがあります。
すっごい色々感情が持って行かれるから。
でもそういう時こそ、飛び込んで読むことで刺激を受けまくって活性化したほうが得なんですよね。
自分の知らない「自分の人生を左右する言葉」がどこかの本にあるんだろうなあと思うと時々ゾッとするのですが、それがまた……海を漂って辿りつくみたいでたのしかったりするのも事実。
明日出会う言葉がもしかしたら人生を変えるかもしれない。