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わたしは戦う、あなたと同じステージで!「O/A」3巻

定評に定評のある渡会けいじ先生の「O/A」3巻が発売されました。
意味が分からないと思いますが、pixivでの「定評」があとからついてくるくらいシチュエーションフェティッシュに強い作家さんなのであります。
Upper Ground
「わたらい」のプロフィール [pixiv]
うん。好きでしょうがない。
 
さてそんな渡会けいじ先生の「O/A」のはっちゃけっぷりは加速する一方です。
熱血ラジオアイドル物語としても十二分に面白いんですが、もう小ネタがいちいちしょうもなくて。

NEVER MIND。
このネタ前後のコマと全く関係ありません。さすが小ネタに定評のある渡会けいじ先生です。
まあそれはさておき。

なんというか、イラスト的な一枚絵の面白さと、マンガの熱さを両立しているんですよ。一つ一つのコマが本当にイラストとしてかわいい。センスが非常にポップで、こちらの求めているものを的確に突いてくる。上記の絵は扉絵ですが白黒だけでこれだけ描ける技量にはグッと来るですよ。
これはもう扉絵なので特別級ではありますが、その他のマンガのコマも一つ一つがイラストとして見てニヤニヤできるツボを突いているので、内容をまる覚えした後もパラパラみたくなるマンガです。
だけど「絵がうまい」だけではもちろんマンガとして成立しません。ところが渡会けいじ先生は物語づくりの山場の見せ方もうまいんだなー。
 

●らいばる!●

あらすじを簡単に書いておきます。
売れていたのに落下してしまったアイドルのゆたか。売れない少女芸人はるみ。二人は同じ声の持ち主。ということでまさかの「二人一役でラジオ番組担当」という発想で、ラジオ番組を盛りたてるハメに。
わがまま気味だけどやるときはやるゆたかと、ハイテンションでキレのいいネタを出してくるはるみのバランスが絶妙でラジオ番組は絶好調。
とはいえ問題もたくさんあるわけで・・・それを二人で乗り越えていく熱血ラジオ活劇です。
アイドルだって夢は見るし、毛も生えます!「O/A」
女の子は二人だ、二人で向き合うんだ!「O/A」2巻
活劇といってもアクションじゃなくて「活き活きとしたシモネタ」の方ですが。
もうねー。
マンガ本編でも「ラジオでアイドルがシモネタ元気にしゃべるというのは反則」みたいな言われ方をリスナーに言われてますが、マンガの中で女の子がしょうもないシモネタでアッパーに駆け抜けるのって反則だよ。
かわいすぎだろう。
 
さて今回話したいのはそのゆたかとはるみの話じゃなくて、自分が一番好きなキャラ海江田ミホの話です。

二巻のこれがもう最高に良くてね!
ツインテールツンツン貧乳スパッツ裸足というペンタゴンですよ。最強すぎだろう。
3巻でもちょっとだけスパッツシーン見せてくれます、イエススパッツ。
 
ゆたかとはるみの二人の凸凹コンビだけでも物語的な盛り上がりは十二分にあるんですが、この子がライバルとして存在することで一層物語として面白みが増しています。
というか「ライバルキャラ」がぼくは好きなんです多分。
だーってさ! ライバルキャラの持っている「嫉妬心燃やす=メッチャ気になってる」って、よすぎじゃあないですか。どっちにしても大好きなんだね!っていうさ!

「きゃは」だってさ!たっまんねっすな!
こういう蔑んだ目で見られたいですな!
いやまあそれはいいんです。
とにかくゆたか(アイドルの子の方)にしつように付いて回る彼女のこだわりっぷりときたら、それはもう「お前好きなんだろ」としかいいようがないんですよ。割と最初から。
典型的すぎるくらいによくできたライバルっ子なんです。素晴らしいですよね。
もうここまで来たら、ね。わかるでしょう。
 

●輝き●

海江田ミホは今、ゆたかより遙かにいい位置にいます。
ゆたかが失墜したからです。
全然嫉妬なんてする必要ないんですよ。相手にするまでもないんですよ。
でもわざわざ顔を出して嫌味を言うのはなぜか?自分の方が売れているんだからそれでいいんじゃないの?
違うんだよ。

何かを言いたくなるのは、気にかかって仕方ないから。
いや、気にかかるなんてとんでもない。
憧れているからに他なりません。
 
実際のところがどうなのかは、渡会先生流のコメディでうまーく描かれているんですが、海江田ミホの中にあるこの「憧れ」がいかに激しい力になっているかはとても鋭く描き上げられています。
単なる「面倒くさいライバル」ではなく、なぜそのような態度を取っているかにうまく落とし込まれているんです。
 
渡会先生流のシリアスは、ちょっと斜め上な切り上げがあるので合う人合わない人いると思います。重さと軽さのバランスがちょっと他の作品群と比べて変わっていると思います。まさに「渡会節」というスピード感。
しかししっくりはまると、軽さも含めてキャラの魅力がガッツーンとあがるんですよ。
少なくとも、もともと海江田ミホ大好きだった自分は、この巻で10倍好きになりました。

本当にいいキャラです、ミホ。
ただ、自分はミホのことを下からサイリウム振って応援する位置じゃなくて、マネージャーなり関係者なりで支える立場になりたいなあ。二次元に対して妄想するのは・・・いいよね!
こんな彼女だから、応援したいんですよ。
大きな声で言ってやる、がんばれ!
 

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にしても「アレ」の話で一話費やすとかやり過ぎだよマジで。
だが、そこがいい。
あと、あとがきのセリフに笑いました。
「ええい!!条例が怖くて事後が描けるかっつーーーのッ!!!」
それマンガと関係ないです渡会先生!
さすが事後に定評がある渡会けいじ先生でした。
 

ちなみに。
ゆたかが現実にアイドルとしてデビューして、CD出すそうですよ。
ミホも!ミホもお願いします!