たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

まさかの単行本化、土俵様がみている、上連雀三平「やまとなでシコ」

ひさしぶりにエロマンガの話をしよう。
ひさしぶり「の」エロマンガの話をしよう!
 
 
 
 
 
 
 
 
 


いやあ、まさかの。ですよ。
茜新社から出るとか思わなかったですよ!

今出るの!?
えー、これ何かというとですね、2004年から2006年にほぼ毎月快楽天ワニマガジン)に掲載されていた「レズモウまんが」です。
それがRINコミックス(茜新社)からまさかの出版。
まさか!?すぎてびっくりしてひっくりかえりました。
 
で、ですね。上連雀先生作品ですが、おちんちんはでません。
男は一人も出てきませんし、ふたなりもいません。
では百合か? うーん、「ジャンル:上連雀ワールド」としかいえません。最近の作品もすさまじいですが、数年前のこの作品でも確立されているので、安心して読めます・・・安心? うん、安心。
どんな作品かを解説するキーワードを並べていきましょう。
 
レズモウ
どんな相撲かというと、基本は土俵の外に出したり地面に体がついたら負け、というスタンダードなものです。しかし技が違う。ようは相手を愛撫したりまわしを食い込ませたりして相手を「イかせたもん勝ち」の相撲です。
そんなの相撲じゃない!と突っ込む前に「女の子が全裸にまわしで相撲しているのがおかしい」んですが、そういうのはぶっちゃけどうでもよいくらい楽しいのが上連雀作品だよ!
 
名前に注目
上連雀先生といえばキャラの名前に声優さんの名前を使うことで有名でした。有名なんです。有名なんだって、少なくとも僕の中では。
2004・2005年の人気声優業界がよくわかるノリなので、是非見るといいのですよ。
誰が出ているかはちょっとここではかけないな!いろんな意味でね!
 
お姉さま
舞台は女子校。はい、そうです。タイが曲がっている某大人気小説(ヒント・うちがひたすらサイトトップでプッシュしているあれです)をおとしめる(上連雀先生談)にはどうしたらいいか、と作ったのが、このやまとなでシコ。
つーかですよ。お姉さま☆の世界を作るときにどうして女相撲になるんだという気がしますが、「女ズモウしかない」ってなるのかわからないですが、そこが上連雀クオリティです。
一応試合の後に上品にお茶会するあたりがなかなかです。土俵の横で。シュールなのが自然に見えてくる上連雀クオリティです。
 
おしっこ
この作品を一言で言うと、「聖なる土俵の上でおしっこを漏らすマンガ」だと思って8割あってます。
 
かなりキワモノに見えるかもしれませんが、キワモノです
ところが、クレイジーな世界の中で必死に生きて、性を謳歌している女の子たちをみると妙に熱くなるんですよね。
上連雀作品は間違いなくクレイジーな麻薬として描かれています。これが現実的だ、とは思って描いていないでしょう。いかに世界を楽しむかの方法論だと考えるといいかもしれません。
だから、一つ一つ常識を崩して、とんちんかんに壊れたものを世界の常識に置き換えていきます。「レズモウ部」の存在もおかしいですが、「ノーパンテニス部」などがいたって普通に存在しているおかしな安定感がすげー気持ちいいんですよ。
しかも笑わせるために出すだけじゃなく、むしろ真剣にレズモウをやって青春しているのが非常にすばらしいんです。
なぜレズモウに魂を燃やすのか、なぜ「ノーパンテニス部」に入ろうと思ったのか、なぜ土俵にあがるのか。それらが、現実とは違う理論で、しかしまっすぐにつきつけられているのです。
 
ぼくがいろいろな人に「上連雀作品面白いよ」とすすめるのは、確かに笑えるからというのもあるんですが、しっかりエロい上に、熱血的な思想が根底に常に眠っているからです。日常生活のなかにセックスが混ざりこんで、必死に戦ったり暮らしたりして、幸せを謳歌している賛歌になっているからです。
ああ、こんなに空想で楽しめるんだ、と。名前がアレなのも、イメージの世界でいかに楽しめるかを追求した結果の一つ。
 
数年前の作品ですが、最近の作品にまったく劣らない、ダイナミックな出来の作品です。
楽しいねえー、ほんと楽しい。