たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

全裸シャドウもいいけどさ、やっぱはにわルックだと思うんだよね。「コジカは正義の味方じゃない」

小原愼司先生は素晴らしいよ。
マンガが面白いのは菫画報の時から重々承知の上ですけれどもね。

略して「コジゃない」。(命名石黒先生)
表紙はね、全裸影娘で惹かれるわけですよ。
ところが裏を見たらですね。
ヒロインが、はにわルックなんですよ!
はにわルックなんですよヒロインが!
ジャージ&スカート、それがあるだけで「活発で大雑把」というキャラクター性がにじみでる素晴らしいスタイル。
足フェチ的には残念ですが、元気っ子好きにはたまらない素晴らしいスタイル、はにわ。
もっとはやれ!
 
すいません興奮しました。
まあ一言でいうと「小原先生の描く、元気系ショートカット少女の魅力は無限大」に尽きます。
本当にこういう地味ショートカット活発娘好きなんでしょうね。
 
さて、肝心の中身ですが、かなーりメタ視点で「超人」を描いた面白い作品になっています。
ヒーローとはなにか?悪とはなにか?
この二が善悪二元論で語れないものがあるのは子供向け番組ですらわりと描かれるようになっています。桃太郎と鬼、じゃないんですよね。敵側のドラマをきちんと描き、ヒーローとアンチヒーローの構図がさまざまな形で描かれるようになりました。
またヒーロー側も最近だと「タイガー&バニー」のように、お金の流れや壊したものの弁償など、「正義が絶対的ではない、その中での正義とは何か?」と変わった角度からアプローチする作品もあります。ほんと面白いですよねタイバニ。
 
では「コジゃない」はどうかというと、これがすごい変化球なんですよ。
わかりやすさで言えば限りなく「X−MEN」のミュータントの扱いに近いです。
「人間」と「超人」が違うんです。この世のものならぬ能力を持った超人が、人間の世界に実はたくさんいた、というのが浮かび上がり、物語ははじまります。

人々は初めこそ恐怖の目で見たが、やがて好奇心と慣れから自然と受け入れだした。
そしてその能力を私欲のために使う者が現れ、その行為をとめる為その能力を使うものが現れる。
日本政府はここに至って彼らを一般の人間と区別した 超法規居住人と分類された彼らは
超人とも略され
ある者は私生活を守るため、単に体を守るため、顔を隠し仮面をつけた。
人々は思った。
誰が正義の味方で、誰が悪の怪人なんだろう?

序文からです。
そうなのですよ。たまたま他の人と違う能力を持っていた。それをどう使うかでヒーローにも悪の怪人にもなる。
もっといえば、超人の場合「そこにいるだけ」で迷惑になってしまうことすらあります。
こうなると「虐げられている」のか「悪事を働いている」のか境界線超あいまいですよ。
 
この問題すっごい難しいんですが、「コジゃない」のノリは超軽いです。
この作品ならではのポイントをとりあげてみます。
 
1、ヒロインのコジカは能力をバイトにしか使っていない
コジカの能力はとてつもなく強力なもの。いわゆる「影女」です。
影のあるところなら自由に瞬間移動でき、高速で動くことが出来る。すごい!
でも高校生の彼女はこれを新聞配達にしかつかわないんです。
もっといろいろ便利だろ!とか思いますが、ほんとに新聞配達にしか使わないんです。なぜか、お金がないから。スパイダーマンがピザ配達していたのを思い出します。
もっとお金を稼ぎたい!といってなにをしたかというと新聞配達の仕事を増やしただけ。
もっとこう・・・なにか・・・。
でも高校生の思考だったらそうですよね。世界はその程度なのですよ。むしろ世界の平和より明日のご飯ですよ。
このこじんまり感が小原先生作品の独特さです。
 
2、超人だからといって便利とは限らない
人間と違う能力をもっていたら、超人。
なのですが。
そもそもそれが役に立つとは限らないんですよ。
出てくる超人たちでも、確かにすげー便利な能力もちもいるんですが、ほんっとどうでもいいのも出てくるんです。
首が50センチ伸びるとか。うっすらすけていて内臓が見えるとか。毛深いとか。
本気でなーんの役にも立ちませんが、人と違うから「超人」。
ヒーローになれないやつらのかなしさよ。
「人と違う能力=幸せ」じゃないんですよなあ。
 
3、能力も使いようすぎて。
もう一人超便利な能力もちの空気女(このへんが江戸川乱歩ですよねえ)のアリスという少女が出てきます。
この子の通常時がめちゃくちゃかわいくてねえ・・・コジカのやんちゃっぽさと対極のキュートさなので、見て!
この子の能力は空気なのでどこにでも移動できること。瞬間移動型ですね。コジカもアリスも防御面でいうと最強クラスです。
しかしコジカはまだ物理干渉できるので攻撃にも転じられるのですが、アリスは空気なので物体干渉能力がきわめて低いです。
だから、テレポートしたはいいけど、殴っても全然痛くない、というね。
役に立ってるけどたたない!
本当に「特殊能力」は使いよう。1巻では全然使えていないへっぽこぶりがすごい安心感をかもします。
 
いやー、超人って・・・なんだろうね。得してるのか損してるのかわからんよ。
こういう世界を見ていると、影女コジカの能力の最高の力の使い方は「新聞配達でいいんじゃね?」とミクロな視点になるから面白い。
 
まあ、個人的な欲望を言わせていただくと。
三話扉のはにわルックでちっちゃいコジカをぎゅっと抱きしめたいという思いでいっぱいです。
ちっちゃくて活発でさっぱりしていてまっすぐな女の子好きな人にはおすすめの逸品。
今後不穏な話もおきそうですが、マクロ化するかミクロ化するかさっぱりわからない、かなり楽しみな作品です。
 

おまけ。
あとがきより。

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