たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

彼女たちが自転車に乗る理由?なんでだろうね?「東京自転車少女。」

ぶっちゃけ竹達さんが主役のドラマCDが付いてるから買いました。
仕方なかったんだ!
だって竹達・寿・戸松・能登だよ!?
あずにゃん×ムギだよ!
 
まあ、そんなきっかけのめぐり合わせもあります。
そこまで期待してなかったものの実際読んでみたらすごい面白かったので、大当たりでした。
にしてもドラマCD付き(そこそこボリュームあります)て安すぎるんちゃうの。
最初疑っちゃったよ。でも確かに最近雑誌でドラマCD付きもあるから・・・でも・・・すごいですね。
 
さて、自転車マンガブームですね。
最近だと「のりりん」「弱虫ペダル」などなど。老舗だと「並木橋通りアオバ自転車店」とか。
ただ、自転車マンガってほんと大変だと思うんですよ。
だって、自転車って描くのめちゃくちゃ大変だもの。
どのマンガだって大変っちゃ大変だけど、自転車ものは本当に好きでちゃんと知ってないと描けないという大前提あると思います。しかも人気出るとは限らない。
なので、同人とかで自転車マンガ描く人今多いですね。実はわだぺん。先生も同人で描いていたものが商業になったのがこれ。
自転車漫画は競輪や競技自転車を描くのか、それとも自転車の面白さを描くのかにわかれますが、この作品はもう一つのベクトルに行きました。
そこが、僕は好きだなあ。

こういうあざといシーンも含めてね!
釣られるぞ、全力で釣られるぞ!
 

●好奇心少女とクールビューティー●

この作品のテーマは、まあ自転車ではあるんですが「あえて自転車に乗ろうよ」というところです。
確かに、地方都市なら自動車のほうが断然楽ですし、東京都心だったら電車や地下鉄の方が楽。
でも、あえて自転車。そこにこだわる作品です。
 
ヒロインは現時点では4人いますが、メインになっているのはハイテンションなオバカの子いるかと、クールビューティー加藤さん。
二人の関係がわかりやすいのがこれです。

いるか(右側)はお上りさん。「本土上陸」って言ってる、島育ちっ子(どこかは不明)です。
見るもの全て新鮮で、楽しい、面白い、と無邪気にはしゃぎます。一応高校生です。
ほんとにいい意味でも悪い意味でもバカなので暴走しては周囲に迷惑かけ散らかしますが、常に新鮮な気持ちを持っている子です。
一方加藤さんは、東京が大嫌いな東京生まれ東京育ち。いるか曰く「東京ガール」。
いるかは彼女の美人っぷりと「自転車好き」の匂いを嗅ぎとって、ものっすごくなつきます。ええ、ワンコのように。
 
対比としては非常にわかりやすいんですよね。
 
加藤さん:都会っ子で人嫌い。東京の町の狭苦しさが嫌いでどこかに逃げたいと思っている。
いるか:田舎もので、人間大好き。楽しいこと大好きでポジティブシンキングの塊。
 
加藤さんのような「東京っ子=クール」というのは確かにベタなイメージ。それを払拭するために、ちゃんとちゃきちゃき江戸っ娘、人情味あふれる彩果が配置されているのがいいですね。
あくまでも、東京っ子だからクールなんじゃなくて、加藤さんの視野がクールなんです。
まあ、クールというと響きはいいんですけどね。
いるかも実際、自分にはないそのクールさに惹かれて加藤さんにべったりなわけですし、実際彼女のかわいらしさはとどまるところを知りません。
 
しかし、この作品いるかが主役のように見えて、本当は加藤さんが主役。加藤さんのモノローグで物語は進んでいきます。
まーそんな重たい話じゃないので、いるかがばかなことやっているシーン凄く多いんですが、少なくとも一巻の軸は加藤さん。
私は東京が嫌い。どこか遠くに行ってしまいたい。
それは間違いないけれども、何かを楽しむのは本当に悪いことなのかな?

自転車のサドル調整をする加藤さんの図。
そうなのよね。
自転車が大好きなんじゃない、加藤さん。
だったらそこからはじめようよ、斜に構えていないで、「楽しむこと」をさ。
 
「いるかの純朴さに触れて変わっていく話」とちょっと違うのです。それも0ではないですが。
どちらかと言うと、今まで見そこねてきたことを再発見する物語です。
物語・・・ってほど大げさじゃないけど、何かを見つけて心があったかくなるのは、とても楽しいこと。
 

●町を走ろう●

本作は2つのテーマで成り立っています。
一つは「自転車で町をゆっくり走ろう」

いるかと加藤さんが巻き込まれた「自転車天使部」(チャーリーズエンジェル)は、いわば「自転車でぶらつく部活」です。ごらく部みたいですね。
まあ、「何もやってないじゃーん」と言われたら、そのとおり何もやってないんですが、ひとつ明確な決まりごとが上にある「GPS禁止」です。多分地図も禁止なんじゃないでしょうか。
要するに「あえて便利にしない」ことで発見するための部活です。
今回の舞台は練馬でしたが、練馬の町をぐるぐると、時に迷いながら自転車で走ることで再発見するのが第一テーマ。
自転車や散歩が好きな人、あとカメラが好きな人は「あー、あるある」となるんじゃないでしょうか。
近所の道路でも、車で走っているとわからないものたくさんあります。
そこをあえて自転車で走ると、全く普段気づかないものでも「あれ、これなんだろう?」と気づくんですよね。ゆっくり走ることによる心の余裕です。
だから、この部は目的地に自転車で行くのだけが目的ではありません。その間を走ること自体が目的。
「旅行」とは目的地に行くこと、「旅」とはその過程を楽しむもの、なんてなあ。
 
もう一つのテーマ……多分サブテーマだと思いますが、ママチャリを改造していくことです。

いるかが加藤さんの自転車に乗っている(というか勝手に乗っている)図。加藤さんの自転車は本格的なロードバイクです。いるかのは普通のママチャリ。
やっぱりいきなりロードバイクは難しいもんで、いるかには金銭面的にも身体的にもついていけません。
そこで、徐々にいるかのママチャリを改造して乗り心地のいい自転車にしてしまおう!というのがこの作品の軸の一つ。
そのへんは多分二巻以降に描かれると思うので、ちょいと楽しみです。
 
女の子四人のゆるゆるライフマンガとしてみてもいいですし、自転車で町を走る楽しさを描いた町歩きマンガとして読んでもいいと思います。
それはそれとして。作者のわだぺん。先生は。

加藤さんが好きなんだろうなあーとニヤニヤ見てました。
もうね、とにかく脚描写のフェティッシュが半端じゃない。加藤さんだと黒ストッキング、部長のスパッツ。いるかはニーソ。彩果は裸足に雪駄
ぼくは彩果が好きです。裸足とかショートカットとか好きだから!
いやはや、それにしても自転車+少女の魅力は底しれず。

とりあえず、ピストは日本の公道で乗ったら道路交通法違反だよ!!とかそのへんのズレはいろいろありますが、そのへんはファンタジー扱いの様子(一応禁止と注意書きあります)。色々割りきって、「のんびり町を愛でようよ」という面白さは出ていると思います。
萌えキャラもの(自転車+美少女)としては抜群じゃないかと。