たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

もう「gdgd妖精s」に勝てる気がしない件

まあ勝ち負けじゃないんですけど、「思考を放棄させられる」という意味では完敗。
ブレイク直前! アニメ「gdgd妖精s」はバカCGでぐだぽよ〜(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
エキサイトニュース書かせていただきました。
 
gdgd妖精sチャンネル - ニコニコチャンネル

いやもうね。
これが成立していること自体が面白い。
ニコニコで見ている分にはMADっぽいんですが(公式でも言っていたように「MMDっぽい」)、これがTV放映されているという驚愕の事実。
完全にノーマークでしたが、脳髄の奥底からやられました。
WEB拍手や友人達から勧められていていつか見ようとは思っていましたが、よもやこんなにフリーダムとは…。
この作品がどんなものか、というのはほんと説明のしようがない。どうしても「○○みたい」という比較しかできない。
そして百聞は一見にしかず。見てもらうしかないです。
ちなみに色々な人と話していて「○○みたい」としてあがったもの。
ウゴウゴルーガ
・するめいか
フロッグマンショー
スキージャンプ・ペア
・ゴールデンエッグス
などなど。
で、もちろんそれらとは全然違う。
むしろいいところを取ってミキサーにかけちゃった感じです。いろんな出汁の味がします。
こういうミニコントをエンタテイメントとして成立させたのがすごいんですが、ただ「すごい」でもいまいち伝わりづらいので、個人的にツボだった部分を書いていってみます。
 

●1・キャラクターによるハードルの低さ●

このアニメ、本質は「バカCGもの」なんだと思います。
企画・映像監督・キャラデザインの菅原そうたの味なんですよね。

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これもすごいですよね。なぜこういう発想になるのか。
 
ここに「かわいい」の薬味を加えたのがあまりにも見事。
シュールな映像を作りたい、というのが一番なんだと感じるのですが、それだけをいきなりつきつけられてもちときつい。それこそ「見る人を選ぶ作品」になります。
しかし妖精3匹だとこれが緩和されます。

うん、かわいい。
おっとり妖精のピクピク(三森すずこ)、元気系妖精のシルシル(水原薫)、不思議系妖精っていうかキノコのコロコロ(明坂聡美)。実にわかりやすいバランス。
 
いい意味でトラップなんですよね。
こうすること+「グダグダ」と最初から言うことで、すっかりこっちは警戒心を失ってました。
だって最初、単なるかわいいCGキャラ動きますよアニメだと思ってましたもの、特にAパート途中までは。
 
実際Aパートは良い意味でグダグダな会話になっています。4コマ漫画テイストというか。
もっとも「萌え4コマ的」かというとそうでもなく。

なんだろうねこれは。
キャラがかわいいだけに、リアルタイプバカCGがやけくそに目立ちます。
最初からリアル羊だけ出されたら構えちゃいますが、入り口になる3人の妖精がうまーいこと「萌え」の要素を調理してまとめているので、すっごい脱力して見られるのはほんと大きいです。
笑いのノリも、全員ボケにボケを重ねるタイプ。あえていえばツッコミ役なのはピクピク。うまく具合にツッコミゆるいです。
こちらの脳みそを緩和させまくった状態に意味のわからないCGを放り込んでくるんだもんなあ。
あざとい。
そこまで毒は強くないですが、本質であるバカCGのノリを見事に糖衣錠にしてくれました。
 

●2・声優さんの使い方の計算がすごい●

これは言うまでもないと思いますが、とーにかく声優さん3人の力絶大です。
Cパートなんて完全にプレスコですもんね。アドリブしたのにあわせて動画を動かしています。
声優さんのラジオを聞き慣れている層だったらもうドンピシャですよ。3人の個性を知っていると面白さ倍増です。
 
作品を世に発表するタイミングってあると思うんですが、やっぱり声優さんのラジオがかなり普及している今だからこそここまでツボに入る、というのはある、きっとある!
受け取るこっち側も聞いた瞬間から「あ、ラジオっぽい!」って思えるんですよね。
「台本に書いてないのにね」というセリフもそのまま使っちゃうあたり、実に気持ちいいです。わかってはいても潔いです。
しかもお題がシュールすぎてほんとどういう意図で作ったのかさっぱりわからないわけですよ。

もうなんなのこれは。
ムチャぶりもいいところですが、それがいい。
声優さんたちもこなすんだからすごいもんです。特に明坂聡美さんのオチ担当っぷりが見事です。
そして、キャラをぶんなげて素の部分が出ても採用しちゃうテンション、実にいい。
 
(おそらく台本のある)Aパート・Bパートもじわじわこみ上げてくるんですよねえ。
特に「らき☆すた」のみさお好きと、「ミルキィホームズ」好きは見て損なし。……というか声優さんの個性かなりつかんでキャラ設定されています。
特にシルシルの、日下部みさおのまんまの性格と声はたまらんですね! にやっにやします。
声優さんの性格を捉えたキャラ設定、声優さんを信じてすべて任せるCパート。
この2つが化学反応見事に起こしてくれました。
 

●3・どうでもいいことを本気でやる面白さ●

「ぐだぐだ」って、本当にぐだぐだだとあかんのですよね。
全力でグダグダじゃないとダメです。
Aパートのネタはホントそういう意味でグダグダなんですが、回を重ねるごとにネタはもちろん、リアルCGの方もソリッドになっていきます。
BパートのCGの無駄遣いっぷりも尋常じゃなくていいですよね。


「メンタルとタイムのルーム」のベタすぎるパロディもいいですね。名前名前!
一話の「じゃまばかりするカバ」と、三話のおじさんシリーズ、どう突っ込めばいいのかを放棄させられる勢いで迫ってきます。突っ込んでる暇を与えてくれないので、何も考えずにハイテンションに「www」と打ちたくなります。
ほんとネタのためにCGの苦労しすぎです。今後カバ出てくるんだろうか。
とはいえ相当計算してはいると思います。行き当たりばったりでここまで作れないです。
さすがにCパートの意味不明なCGはどういう意図で作ったのか見当がつきませんが、A・Bパートは「妖精はかわいい」「だから極端になにやっても大丈夫」みたいなバランスはしっかりとれています。
CGもリアルタイプですが、完璧すぎではなく、いい具合の不自然さが保たれているのもうまい。
人間じゃないんですよね、人間なんだけどぎこちなく動く人形みたいになっています。そのぶん妖精たちが二次元的な論法でなめらかに動いてくれるから、ますますギャップが。
 
絵のこの無駄なハイテンションを維持しているのは声優さん達の全力もあるはず。
演技そのもののハイテンションさ、Cパートの全力投球っぷりがもーたまらん。
結果として生まれたのは、キテレツな劇薬のような作品。深夜にこんなの見たら眠気と相まってアホな笑いが浮かびそうです。
 
アクセル踏みっぱなしの作品ではありますが、ちゃんとエンタテイメントしているのは、好感持てます。
ウゴウゴルーガは結構毒があって、そこが面白いポイントでしたが、基本的にあまり毒はないです。
何かを卑下したり傷つけたりすることなく、自分達側を「ぐだぐだ」と言い切ることで低めているのはうまい配慮。だからそこは安心してお勧めしやすい。
まあ、今後どうなるかはわかったもんじゃないですが、攻撃的なネタがきても割りと意味のあるセーブが効きつつ、歯止めを外す、というバランスは保ちそうです。
 
 
いやはや。さすが公式で「大穴」と自称しちゃうだけのことはある。
この作品がどういう風に見られて、どういう扱いを受けるのかわかっての犯行、お見事でございます。完敗です。
当然ですが「絶対見たほうがいい」とかそういう類のもんではないです。だらーっと見てだらーっと笑ってだらーっと見逃しても気にならないような、そのくらいのものです。
そこも含めて計算されつくされているなあ、と15回以上見て感じました。
中毒ですね。
「3人の住む世界は閉じられた楽園で、そこから別の世界を覗き込むという軸はぼくらの現状そのものなんじゃないだろうか」とか無駄に考え始めた程度に中毒です。

個人的に声はシルシルが好きなんですが、立ち位置はコロコロ好きすぎてどうしようかと。
不思議ちゃんキャラというのはともかくとして、えのき
菌類であることに何の解説もないのがいいですね。
くそう……公式のとおりだよ。大穴だよ。
 
ぼくが一番好きなのは毎回次回予告が「未定」なところ、かもしれません。
わざとなのか、それとも本当に未定なのか……。
 
追記。

本家提供おじさんモデル!!!!!