たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

歩こう果てない道、歌おう空をこえて「アイドルマスター」20話 その2

 
その1の続き、20話本編の感想です。
 
 
 
 
 
 

●折れていく心●

今回は千早視点というよりも、千早を見守る春香視点でした。
どちらでもあるんですが、やはり、ほっとけないという春香視点=視聴者の気持ちだからです。
 
だってさあ。19話の最後から20話の頭で、千早に同情しないわけいかないじゃないですか。
いや、同情なんていったらちょっと上から目線でしょうか。感じ入る、というか、感情移入するというか。
素直でストレート気持ちをくすぐります。なにが私にできるだろうか?

声が出なくなった千早。
精神的なものです。声帯には問題有りません。
精神的ストレスで声が出なくなるというのは割りとあるもの。場面失語、失声症……そこまでいかないでしょうか。
ストレスを発散できればなんてことないんですが、そういえば今まで千早は泣いていませんし、笑っていません。
全力を尽くせるようにはなりました、13話のように。
しかし笑ったのは15話の春香の箱のミスの時くらい。
大声で笑えない、思い切り泣けない。他の趣味はない。家でも歌の練習くらいしかしていない。
全く、ストレスを発散できていません。
それでもよかったんです。仕事が楽しかったから。
 
その唯一の仕事に、封印していた記憶がかぶさったなら。
もう彼女に逃げ道なんてないじゃない。

彼女は目の前で弟が死んだのを見ています。
どこまで見ているかは正確には描かれていませんが、出てくる絵から見るに相当近くで。トラウマといって差し支えないと思います。
記事にひどいことが書かれていて、みんなはそれに憤りますが、千早はここに対しては全然怒ってはいないんですよね。そっちじゃないんです。

これタイトルだけでもひどいゴシップもんですが、拡大してみるとさらに。

そこで4話の「ゲロゲロキッチン」蒸し返すのかよ!!!
これはなんというかさすがに見ていてこっちがイライラしてきます。
でもそれはいいの、焦点はそこじゃないの。
961プロはあくまでもトリガー。抑えろ抑えろ。
たとえ961プロをここで潰した所で、千早の声は戻らない。
 
千早の心は幼い時から止まったままです。
 
もちろん春香や仲間達を信じていないわけじゃない。
けれども、幼い時に歌を歌って笑顔になってくれた弟の優(ゆう)のことを忘れられません。
私のせいで弟が……。私がいなければ事故に……。
 
死んだから悲しい、というのは当然あります。辛いに決まってます。
でも彼女が自分で縛ってしまっているのは、もっと複雑な感情です。
弟のために歌わないといけない。私は歌わないといけない、歌い続けないといけない。
でももう歌ってあげられない。
私には、価値なんて、ない。
 
千早の心は、完全に折れてしまいました。
 
この二枚、全く別の日ですが、ベッドの様子から見るに、ちゃんと横になって入って寝てない様です。
傍から見たら「千早、考え過ぎだよー」なことかもしれません。
でもそれは傍から見たら、であって、彼女はこういうでしょう。
「私の、優の、何がわかるのよ!」
そう、ぼくには千早の心は推測はできても、わかることはできない。
それが、一番近い春香であっても。
 

●お節介で、いいじゃない●

折れた彼女の心理はモノローグなどで語られるわけではありません。
春香や、周りのみんなの思いを通じて語られます。
例えば春香の行動。
 
声の出ないレッスンの時も、病院にも。春香はプロデューサーと一緒に同行しています。
特に語れていませんが、他の子がいないということはおそらく自ら志願をして行っているんでしょう。
友達だから? うん、そうかも知れない。
でも春香はもっともっとストレートだと思います。千早のそばにいたいからです。
千早はここしばらくの出来事に加えて、ゴシップ記事で心労が溜まっている。声が出なくなってしまった。
私にできること、なにかないだろうか!?
まずは「そばにいること」です。

こちらはケータイの画面。
ずいぶん懐かしいタイプの機種を使っています。美希やプロデューサーなんかはそこそこ新しいワイド画面の物を使っているので、別に舞台背景が古いわけじゃなく、ケータイいじりすら彼女はしない、ということでしょう。
で、この画面見てください。

不在着信20件。
よく見ると留守電とメールも入っています。
そして、電池残量1。
彼女は、電話に出る気はありません。メールを見る気もありません。
ケータイ電話を使う気が、一切ありません。
プロデューサーが、春香が、みんなが連絡をしようとしても無理でしたが、逆を返せばここまでみんなが心配しているということでもあります。

充電されることなく、ケータイは明かりすら点かなくなってしまいました。
 
こういう心理的な問題は時間が解決する場合もあります。
けれども、プロデューサーと春香は、そしてみんなはそうは考えませんでした。
千早は戻ってくる。

「生っすか!?」の司会のシーン。
普通なら千早の抜けたところに代役を入れるべきでしょうけれども、あずささんがおたふく風邪ひいたのとは訳が違います。
12話・13話で千早は、美希のことを信じて待っていました。
美希もまた、千早のことを信じて待っているのです。
この美希の心理は「NoMake!」20話分で語られています。
本編は、春香中心です。
 

●春香の挫折●

春香は一話目から、ポジティブで前向きで人当たりがよく、本当にみんなにやさしい良い子でした。
「優等生」という意味の「良い子」ではないです。「愛される子」という意味です。
彼女自身、まだまだ失敗ばっかりだなあと自信ないところ多いです。天才さでいえば美希の方が上ですし、歌唱力は千早が上、元気さは真が上。いわば中途半端。
でも彼女は誰よりも何よりも、今のみんなとの仕事を楽しんでいます。
ここ! ここは誰にも負けない……いや、勝ち負けじゃないな。誰よりも強靭、と言ったほうがいいですね。
「アニメ版の春香さんは天使みたいだなあ」と思ってましたともさ。
 
しかし、そんな春香も今回の千早の件では折れてしまいます。
 
電話に出ないなら、直接会いに行こう。
最高の笑顔で!

最高の……笑顔で……。
できるわけないよね。
千早の気持ちを知りたい、少しでも力になりたい、なにか、何かできることを!
見返りなんて求めていませんし、理由もありません。何かしてあげたい! ただそれだけなんです。
春香のこの気持ち、今まで春香自身も疑ってかかったこともありませんでした。
けれども、千早の一言で一気に自信喪失してしまいます。

春香「千早ちゃん、弟さんのために歌わなきゃ、って言ったよね。もっと簡単じゃだめ? 歌が好きだから。自分が歌いたいから歌うんじゃだめなのかな?」
千早「今更そんな風には考えられないもの」
春香「千早ちゃん、自分を追い詰めすぎなんじゃないかな。も、もっとこう、自分は歌いたいから歌うんだーって思ったほうが気持ちが楽だよ?」
千早「やめて」
春香「それで、また一緒に歌えたら私達も嬉しいし、天国の弟さんだってきっと喜んで……」
千早「やめて! 春香に私の、優のなにがわかるのよ! もう、お節介はやめて!

お節介。
春香の気持ちは急激にぐらつきます。
春香ってそもそも自分が「こうしたほうがいい!」というベストを常に探して、そうだと思ったら迷わず行動する子です。
時にはベストじゃないこともあるけれども、少なくともしないよりもいい。その道を選んだことでマイナスではない、マイナスっぽく思えてもどこかにつながる、くらいにポジティブな子です。
楽観的なわけじゃないと思うんです。アンテナが高くて、とにかく前に動こうとしている。
それでいいと思っていましたが、「お節介」と言われ、彼女は初めて自分の信じていた「前進」に不安をいだきます。
 
ちょっとわかりづらい上に、わざと隠されている春香が泣くシーン。
千早のマンションの帰りです。
千早の母に出会ってその動揺は輪をかけて大きくなります。
 
このシーンかなり変わってます。右側のカット、千早のお母さん透明になって消えて行くんですよ。
当然本当に消えたわけじゃないので、これは春香の心象風景。
千早のお母さんがいなくなり、スケッチブックを渡され、長い間呆然としていたのが示唆されています。
彼女がここまで衝撃を受けたことは今までありませんでした。
春香だって、完璧超人じゃない。楽観的の弾丸じゃない。
いつだって怖いんだ。
 
でも、これは外側から見た人間だからの言葉ではあるんですが……千早がここまで感情的に怒ることができるのは春香のことを信頼しているからに他ならないじゃないですか。
プロデューサーにすら怒ってないんですよ、彼女。
千早が怒りをぶつけたのは、お母さんと春香だけです。
 
プロデューサーは、それをちゃんとわかっているんですよね。
 
春香のいいところは、こういう時に素直に打ち明けられることだと思うんです。
お節介と言われて、ショックを受けた。だからPに聞きます。
私って、お節介ですか?
もしかしたらそれって余計なお世話で迷惑だったのかなって。
 
春香がお節介だなんて、当然誰も思っていません。
多分、千早も。
それを証明するには、プロデューサーと春香の思い出から証言して背中を押してあげればいいだけ。
 
ここで6話のキャラメルが出てくるとは……。
春香とプロデューサーもまた、たくさんの時間を重ねたから信頼関係が生まれています。プロデューサーは本当に、春香を信頼しているんです。
そして、プロデューサーは千早も強く信頼しています。

これは定例ライブの打ち合わせのシーン。
どうするかを律子と相談しているんですが、千早の部分をカットせず残しています。
春香が千早にした「お節介」は、決して無駄じゃない。
ここから先、プロデューサーは春香に全てを託して、全力でサポートに回るのが、いいんだなあ……。ラストシーンにつながる彼の、最大の「信頼」です。
千早の成長に、そして、春香の大きな成長に。
 

●春香よ、大志を抱け●

春香の二回目の千早宅アタックがすげーいいんですよ。
一回目はインターホン。
でも二回目はでないの最初からわかってるのででかい声で玄関で叫びます。
「春香です!」って。
この「春香です!」の決意のこもった声が、本当に素晴らしい。今回のクライマックスの一つです。
 
訪問のシーンは一回目と違って色々凝ってます。顔をあまりに見せないんです。
一回目の訪問のシーンは、後ろに何もない不安感が異常にでかいんです。

こっちが一回目。
不安で、落ち着かなくて、ぞわぞわする背中。彼女の中の揺らぐ心がそのまま画面にでています。
でも二回目は絶対に逃げない。
不安じゃないわけじゃない。けれども、もう引き下がらない。

「ほっとかない、ほっとかないよ!」
春香はこのセリフを言う時に、何度も力みます。
怖いんです。
「お節介だってわかってる」んです。正しいかどうか分からないままなのは変わらないんです。
でも、それでも。
彼女の動機は常に「そうしたいから」です。裏も表もありません。
 
プロデューサーは言いました。千早はちゃんと人の気持ちを分かる子だとおもう、と。
春香が言っていることがどこまで真意なのか、彼女がどれだけの勇気を出してきたのか、千早はちゃんとわかっています。
ほっとかないよ。
 

●思い出を愛に変えて●

 
ここまでは春香視点。
春香が投函した瞬間から、初めて千早が春香を見る視点に切り替わっています。
みんなの、春香の思いを、投函したスケッチブックと歌で、届け、受け取ったからこその視点の変化です。
圧迫感があった千早の部屋も、左のカットのように一気に開けます。
誰にも分からないつらい思いをしているのには変わりない。
けれども、すぐそばにこんな思ってくれる人がいたことに、気づいた瞬間一気に開ける。
 

歌のくだりは是非とも「NoMake!」を聞いて欲しいところです。
アニメ「THE IDOLM@STER」NoMake!
ノートの部分で読み取れたものだけを書き出し。

つながり 仲間
約束 誓い
 
みんなの約束
弟さんとの約束
プロデューサーさんとの約束
 
弟さんへの想い 思い出を力に変える
(優くん)   笑顔           LOVE
 
千早ちゃんの夢‐歌うこと
 
・夢をかなえるために歌いつづけること
・痛みを力に変えていく
・みんなと一緒に夢   こと
 
みんなの笑顔に感謝
Thank you for smile
 
☓涙を忘れるように ・いつだってひとりじゃない!
・涙をぬぐって
  いつでも思い出すよ
・いのりを届けるために歌う
 
○歌い続ける 生き続ける 空を見上げて
             空を越えて
 
痛みをのりこえていく気持ち
思い出を力に、光に変えて
みんなの思いが私を励ましてくれる
離れていても

歌詞は手作りです。
すっごいストレートです。
でもいい、それでいい。凝った表現よりも、今はみんなが思いを伝える事が大事。
基本的に前向きなノートなんですが、注目したいのは「涙を忘れるように」には☓がついていることです。
涙というのはもちろん、弟の死や家族の問題について。
最初は「忘れよう」と考えていた春香も、そうじゃないと気づいたんです。
 
苦しい思い、つらい思い、それは決して誰かにわかるものじゃない。
悔しいかもしれないけど、春香にも、千早の本当の思いなんてわからない。
そして、「忘れようよ」なんていえない。
だって、絶対消えないもの。一生背負うものだもの。
でもそれは十字架なの? 
違う。
思い出は、力になる。
 
この春香の表情が素晴らしいんです。

優くんのスケッチブックを見ている春香。
弟が死んだのは悲しい思い出に違いない。けれどもスケッチブックの中の優くんは、千早は、全部笑っている。
悲しい思い出だから封印しようとしても、また今回のようにパンクするだけだ。
 
なぜ千早は歌っていたの?

優くんに笑って欲しかったからだよね。
私達も、千早ちゃんに笑って欲しいんだよ。それだけなんだよ。
忘れなくていい。
むしろ、それが幸せな思い出なんだって。
そして今は、一人じゃない、どんな時だって。

 

●そばにいるだけで●

千早は春香の、みんなの力に後押しされて、歩き始めます。
わかっていたんだと思うんです。どうするのが自分にとってベストなのかは。
してはいけないと思っていた。歌わなければいけないの自縄自縛から逃げられずにいた。
けれど今は「歌いたい」
 
一歩踏み出した時に、そばにいたのは友の笑顔でした。
もちろんみんなもだけど……何よりも彼女の心を動かしたのは決して諦めなかった春香です。
千早の視点がずっと春香に焦点が定まっているのは、致し方ないことです。
だって、だってさ。あんなに色々叫んで、ぶつけて、本人も凹んで(きっと千早はわかってると思う……多分)、けれども受け止めてくれた人がここにいるなんて。
最高の幸せじゃないか。
 
 
素直に崩れていく千早の顔。
今まで、みんなの前で出せなかった顔。
でも泣きたい時に、泣いていい場所なんです。

ここは、彼女の居場所だもの。
感情を顕に出来なかった彼女が、ここで一つ、心を溶かします。
 
2つ目のクライマックスだと思っているのが、このシーン。

「歌いたい、って思ったの」
千早が初めて、本当にここまでアニメをやってきて、初めて本音を吐露するシーンです。
今までのが本音じゃなかったわけじゃない。けれど、「自分の意志」を出したのは初です。
逆に、「あなたにひどいことを……」とかは意図的に春香が言わせません。
多くは語らなくていいんです。感情のぶつけ合いの会話は彼女たちには必要ない。
その一言だけでいいんです。
 
個人的な話で恐縮ですが、ぼくがアニメ版アイマスが好きな理由の一つは、春香が語り過ぎないことです。
このシーンもうめちゃくちゃ好きで……。
春香、千早がぼそぼそっと話すことに、「うん」ってだけ言うんですよ。
この「うん」にどれだけの思いがこめられているか! それが表情や間で伝わってくるんだもの。

「ありがとう」に対しては、目を伏せて首をふるだけ。
でも、十二分すぎるくらいに伝わるよ。
春香の思いも、千早の思いも。
お互いが、多くを語らずに、ただ傍に寄り添って「うん」っていうだけでいい。
「うん」ってだけ言ってくれる友人がいる。
 

●「約束」●

最後のクライマックスへ。
 
千早は、そう簡単に歌が歌えるようにはなりません。
律子はそれを見てすぐに中止するように言いますが、春香は何も言わず、ステージの千早の元に駆け寄りました。
もう、さっき、全て通じ合ったから。
二回マンションに行き感情をぶつけあい、舞台裏で「うん」とうなずいた彼女に一切の迷いはない。
プロデューサーも、止めません。
「信じているから」という表現は陳腐かもしれませんが、プロデューサーだって不安なんです。
下手したら一生もののトラウマをさらに作るかもしれないんだもの。大博打ですよ。
 
けれど、やっぱりそこは「信じている」んです。
春香は真っ先に飛び出しました。これが彼女の最高にいいところです。
その後、みんな飛び出しました。
単純に順番でいえば、真、美希が続いたんでしょう。けれどもおそらく、みんな一気に出てきたんじゃないかな。
だってこの子たちは、そういう子たちでしょう。
「約束」は全員で作った歌。みんなが覚えている歌だもの。
プロデューサーは、それを信じてた。あとは千早が踏み出す力にかけるしかない。

今までトラウマになっていた、優の姿は、今度は消えません。
忘れる必要はない。思い出は、大切なもの。そう、みんなが教えてくれた。
優くんは語ります。声はありません。
でもきっと、こうでしょう。
「歌って」

「歌おう!」
 
歩こう。

ねえ、今見つめているよ離れていても
もう涙をぬぐって 笑って
一人じゃない どんな時だって
夢見ることは 生きること
悲しみをこえるちから
 
歩こう 果てない道
歌おう 空をこえて
想いが 届くように
約束しよう 前を向くこと
Thank you for Smile
アイドルマスター20話「約束」より聞き書き

めちゃくちゃストレートな歌詞です。
必死に、春香やみんなが考えた歌詞です。
見つめているのは、みんなが、千早を。千早が優くんを。
悲しみは、悲しみ。消せることはない。けれどもこえることはできる。
歩こう。果てない道。一緒に。

彼女が、笑顔で歌った瞬間。
最高の笑顔!
今までは「歌わなければいけない」だった。笑顔ではなかった。
これからは「歌いたい」です。
歌える! みんなと!
夢が、ここにあった。みんなの中に。
 


優くんは、かつての自分は、幸せな思い出として残り続けます。

ねえ、目を閉じれば見える君の笑顔
聞こえてるよ 君のその声が
「笑顔見せて、輝いて」いてと
痛みをいつか勇気へと
思い出を愛に変えて
アイドルマスター20話「約束」より聞き書き

「君」は色々な取れ方ができると思います。千早かもしれない。優くんかもしれない。
あるいは、ファンとアイドル達の間柄かもしれない。
見つめているのは優くんで、千早を、かもしれない。
春香が考えた歌詞ならきっと、千早に対してと、優くんへの思いを重ねている感じでしょうか。
いや……難しく考える方が野暮ってもんでしょうか。思いをそのまま歌詞にしたんだもんね。

今度は、横断歩道を渡ることのできた千早と優の二人。笑顔で駆け抜けていきます。
千早も、笑えるようになりました。
後ろに光る「765プロ」の窓が素敵なカット。
 
これから歩む道は、果てのない道。
でも千早は見つけました。
「歌いたい」
だから歌う。もう戻れない道だから、祈りを響かすように。
一人じゃないから。約束しよう。
千早も、春香も、みんなも。
前を向こう。
つらいことがあっても、笑えることは、夢見られることは、最高に幸せなことだから。
 

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積み上げてきたものを一話で解決したのは、作品の作り自体もそうですが「早い内に解決したい」というプロデューサーや春香の願いだったんだろうな、と思います。
961プロについてはほんと二の次で、あくまでも千早の問題昇華に絞ったのが見事。それが春香の思いそのものだからです。
個人的にグイグイくるのは、さっきの「うん」のシーンと、ここです。

「やった!」
千早が歌える様になった瞬間、プロデューサーが叫ぶんです。律子が泣くんです。
ここ。もう、だめ。
今回はプロデューサーは徹底して保護者視点です。主観になりませんし、積極的に動くのはみんなと春香に任せています。そのほうがベストだから。
そして、リスクを理解しながら、全力で春香の支援をします。春香がすぐプロデューサーに相談して、その作詞にあわせて作曲家を連れてくるあたり相当頑張ってるはずです。
千早と春香を心から信じて。心の底からでた「やった!」なんです。
歌っている千早の顔も最高に素晴らしいんですが、その他の語らない春香の表情など、細かなシーンの作画が恐ろしいほどよくて。どこをとってもものすごい回でした。
そしてそして。

あれだけゴシップ騒ぎになっても、ちゃんと信じていたファン達。
サイリウムも全員持っています。心配してくれるファンもたくさんいます。
プロデューサー、アイドル達、そしてファン。
この3つがちゃんと主役になっていることが、たまらなく大好きです。
 

はやく、「約束」のCDが欲しいです。
切に。