たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

個人製作アニメ「くっつきぼし」、いかに百合が好きかよくわかった(満足顔)

18禁じゃないよ、愛を描いた結果がこれだよ! 女の子同士でドキラブ!「くっつきぼし」(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
 
エキサイトニュース書かせて頂きました。

くっつきぼし(前編) [DVD]
株式会社プリマステア (2010-08-16)
売り上げランキング: 1215
くっつきぼし(後編) [DVD]
株式会社プリマステア (2012-05-11)
売り上げランキング: 531
 
いやあ。エロいです。
最初「セーフ!」と思ってましたが、どんどん「セウト」なって、後編はアウト通り越して「エロス!」でした。
性行為ありかなしかというと、ありです。あります。あれが性行為じゃなかったらなんなんだ。
 
リンク先の記事でも書きましたが、なんといっても巨大な話題になっていたのは「ネトラレ展開からどうするのか」でした。
前編がここで終わって、2年近く待っていたわけですから、それはもうハラハラですよね。
前編の最後5分前くらいまでは、キーコがアーヤに惹かれ、アーヤはキーコの超能力という秘密を握り。
秘密を共有する関係ってのがそもそもエロティック。別にSMものではないんですが、アーヤがわかってキーコに要求するのがいいんすよ。
よかったんすよ。
ところが最後5分でまさかの兄登場、そして驚愕のベッドシーン。
キーコならずとも、心折れます。
 
そこからの後半、どう持っていくのかとおもいきや……なるほどね。
個人的には納得いきましたとても。アーヤが本当に心の優しい子で、かつギリギリ限界表面張力で生きているような子だからこういう展開になったのねと。

このPVの雰囲気がもっともわかりやすいと思います。エロティシズムと勢いの描写のノリがこれでわかるはず。
展開としては「えっ?」「はっ!?」「えええ!?」って感じなんですが、すっごい心地よかったです。ぼくは。
「えええ!?」で笑うもよし。「うおお」と楽しむもよし。
カタルシスの弾丸みたいになって、はるか向こうまで飛んでいってくれます。二回、三回と見るほどに味がある。
いや、「そんなあほな!」って突っ込む人がいてもいいとも思います。それも解だろうなと。
 
ぼくがこの作品に魅力を感じたのは、その狭さでした。
アニメーションクオリティはやはり何十人がかりで作っているものと比べることはそもそも出来ないので、そこは頭に入れた上で。
入れた上ですが、同時に「ああこれは個人製作じゃないと出来ないよな」というのが魅力なんです。
 
ここでいう「狭さ」は人間関係と視野の狭さ。
出てくるのがキーコとアーヤとあとお兄さんくらいで、他は全部モブ。
キーコはアーヤしか見えてないし、アーヤはキーコしか見えてません。
後編の体育倉庫で何日も過ごすシーンや、電車の中のシーンとか、もうとんでもないわけですよ。どんだけ二人の世界なのと。没入しすぎでしょうと。
ところがその「没入しすぎ」の感覚って、一人で黙々と作業して一点を見つめている状態にすごく似ているんですよ。
キーコとアーヤは「そこしか見えない」と同時に「そこしか見ないように努めている」感があるんです。
そういう世界の、画面の狭さは、まさに個人製作ならではの味だなあと感じます。
二人の世界の外側をいろんな人が想像して作るとやはり動きや背景描写に広がりが出ますが、とことん狭さを感じさせる描写なんです。
その狭さが、最高に気持ちいいんです。
 
まあ「セカイ系」と言ってしまうと大雑把すぎる気がするのですが。なんて言えばいいんでしょうね。
このあと二人がどうなるかとか、他の人がどう考えているかとかは放り投げて、二人が「一緒にいたい」の一点で凝縮される感じ、フィクションならではの気持ちよさ満載です。
恋愛に盲目になっている状態は冷静になって遠くから眺めるのもいいんですが、盲目状態にシンクロするのが快感。酩酊状態に近い。
もういいんですよ。
酔いたくないですか。ぼくはたまには酔いたいよ!
 
作者の方がいかに「女の子同士」が好きか、本当に強く感じる作品でした。
その濃厚さがとんでもないので、個人レベルかどうかとかどうでもよくなるんです。煮詰めた雰囲気の勝利、だと感じたのは、僕だけじゃないと思いたい。
「百合」を蒸留して蒸留して、エロティシズムは愛情というアルコールになって。
多分アルコール度数70%くらいの、飲んだらガツンと酔えるお酒なんですよ。
百合アルコール。百合コール。あっはっは(百合酔っぱらい
 
あんまり考察とかする難しい類の作品じゃないと思います。
「女の子同士が最高に好きなんだ!」という熱い弾丸を受け止めてみてください。気持ちいいよー。酔うよー。
個人製作アニメで新しいことをどんどん取り入れた意欲作は大好きで、見つけるたびに追っているんですが、既にあるものを吸収して濃度をぎゅうぎゅうに高めたという意味では、非常に価値のある百合アニメだと思います。
次回作期待しています!
 
 
 
しかし、個人製作アニメかあ……。
それを作り上げる時間と労力と根気をかんがえると、なんかクラクラしますね。
あ。
今井麻美さんのえちぃボイスよかったです。フゥ……。