たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

チャームポイントは目付きの悪さです。「今日のユイコさん」

壁パン代行サービスが必要です。
……ってくらい甘々でキュンキュンな、不器用系ラブコメディがこの『今日のユイコさん』。
表紙が何もかもを物語ってますね。
すごく真面目そうな服装。実際とてつもなく真面目です。
そんなユイコさんには付き合っている……じゃないな、ほぼ付き合っているんだけどきちんと付き合った状態になっていないような微妙な関係の男子がいます。
割りと地味目でそれほどぱっとしないけど、誠実でとてもいい少年トモヤ君。
そんなトモヤのことを大好きなんだけど、はっきり言えない。一緒にいたいけどきちんと表現できない。
ツンデレっていうとちょっと違うかなーというかんじ。
コミュニケーションが苦手できちんとできない、が正しいかなと思います。誰に対してもそうなので。
 
短編のオムニバスで、ユイコさんがトモヤとの距離をはかりながら、好きの気持ちを出したり出せなかったりする作品です。
もーね。トモヤといたいけど、ストレートに言えないから、「どうやら私昼休みはトモヤとすごすべきね! トモヤがお菓子をポリポリ食べないか見張るために!」と大義名分つけて近づく彼女がかわいいのなんの。
デートの約束のはずが、旧校舎の掃除が突然入った。真面目なユイコさん、「私たちは学生よ、学業を優先するに決まってるわ」と言ってしまうわけですよ。
トモヤは一回くらいサボっても……と言うのですが、ここで柔軟な対応ができないのがユイコさん! 硬い!
しかしトモヤはすげーいいオトコでして、一人で黙々と旧校舎の掃除やってるんですよ。それを見てユイコさんが自分の言動とトモヤへの思いでぐるんぐるんになってこう言うんです。
「私……トモヤとなら……ルールを……破るわ……どちらかしか選べないのなら……私は……」
こんなん言われたらもうね!もうね! ほぼプロポーズみたいなもんでしょ!
でもそこは機転のきくトモヤくん。ユイコさんと一緒に片付けて、明日デートに行くという、一番いい選択を取ります。
がっちがちにコミュニケーションが苦手で固まってしまうユイコさんと、朴念仁で純情でちょっと不器用だけどやさしいトモヤの、相思相愛ゆっくりストーリー。
ええいなんだい!壁パン壁パン!と言いたいところですが、まーユイコさん大変なんですよ! 最初のうちこそ「あははかわいいなこいつめ」と思うんですが、読み進めるにつれて彼女の苦労がにじみ見えてくる。
なんとかしてこの子を幸せにしてあげたくなる。幸せになってほしいと心から願ってしまう。
それを叶えてくれるのが、トモヤくんなわけです。ほんとぱっとしないけど、応援したくなってしまいますわ。
 
さっき「ツンデレとちょっと違う」と書いたのは、基本的にツンからデレに移行するわけではない、と感じたからです。
大好きなんですよ。で、それを隠すわけでもない。ツンがあるっちゃあるので、ツンデレでもいいんですが。
彼女は的確な言葉を選ぶことができない。適切な選択肢を選べない。頑固であるがゆえに自分を曲げるのが苦手。
自己表現がとにかく苦手なキャラなんです。これ相当苦労してるだろうなあ。
汗をかいてブラが透けて見えるのがいやだからと上着を羽織ってしまうような子です。不器用すぎるにもほどがある。
 
トモヤが最終的にはうまくやってくれるんですが、その脇を固める友人がすんごくいいんですよ。
明るく元気な女の子赤崎さんは、トモヤとユイコさんの気持ちを見抜いている子。だからうまーいこと二人がくっつくように気を利かせたり、ユイコさんが言えないことを察してフォローしてくれたりします。
トモヤの悪友の青松は空気の読めないバカ。青松、赤崎、トモヤが幼馴染です。空気が読めなさ過ぎてトモヤとユイコさんの仲に突っ込んでしまうことすらあるんですが、基本は赤崎と同じ、二人が仲良くなって欲しいと願っているので援護射撃をします。これが男前なんです。
その二人のフォローに感謝をしつつ、トモヤがユイコさんの不器用さを支えてあげるから、最初は「惚気話か!」と思っていても、読むに連れてほっこりします。
 
で、ここからが本題なんですが。
目付きの悪い女の子はかわいいじゃないですか。
ぼく三白眼キャラが大好きなんですが、こういう三白眼っ子って自分の目付きの悪さもコンプレックスになってるんですよ。
実際そういう話もあります。
だが違う、そうじゃない。そこがかわいいんだ!
三白眼キャラのよさはなにかというと、表情のギャップがでかいことです。
基本的にムスッとして見えますし、実際人間関係うまく表現できず自分にいらだったりしていることが多いので目付きは悪い。
けれどもそれがみんなのフォローと自分のがんばりでうまくいったとき、最高の笑顔になる。
くわえて、これはぼくのエゴですが、三白眼キャラが慌てるとものすごく目が泳ぐ。
そこ、それがかわいい。
だからこそ、そこを見てください。ユイコさんの表情を見てください。
ああもうかわいいなあ。
ラブプラス的なものでユイコさんと過ごすソフト出してください。