あなたを大切なともだちだと思うから、殺します！『閃乱カグラBurst』

posted with amazlet at 12.09.30

マーベラスAQL (2012-08-30)
売り上げランキング: 163

『閃乱カグラBurst』やっとこさクリアしましたおっぱい。
友達が「なんでこのゲーム３DSで出したんだろうねー」って言ってましたが。
何言ってるの！　決まってるでしょ！
３Dでおっぱいを楽しむためだよ！
　
無印の時は３DS買ってなかったので、Burstになってから初プレイでした。
（無印のストーリーも、新規の蛇女のストーリーも両方入ってます、お得！）
ぶっちゃけおっぱいのために買いました。
貧乳派のぼくではありますが、ここまで突き抜けていたらそりゃやるでしょう。やるよ。
一番重要な、おっぱい＝健康美を満たしているのがいいですね。
もっともプレイしたら貧乳スポブラの未来ちゃんが一番好きになったのはしかたないことですが。当身楽しい。
　
さて、おっぱいおっぱいと、何かとおっぱいで話題のおっぱいですが、カグラの魅力はストーリーの濃度だというのはプレイした人の間では強く言われていると思います。
っていうかプレイしないとどのくらいストーリーに凝ってるか全然わかんないよ。ぼくもおっぱいだと思ってたもん。
特に今回は悪の忍「悪忍」を中心に物語が進んでいるので、なぜ悪を選ぶ人がいるのか、悪はなぜ必要なのか（注・必要悪とは別）、悪は善よりも寛容なのか、というテーマをかなりがっちりおさえています。
ピンときた方も多いと思いますが、女神転生のカオスとロウのテーマと同じなんですよね。
「善」は善であるがゆえに、守らなければいけないものがある。守らなければいけないものがあるがゆえに、世界の秩序は保たれる。
「悪」は悪であるがゆえに、どんなものにも寛容である。寛容であるがゆえに、混沌と破壊をも引き起こすが、それをも受け止め、すべての人を包み込む。

「善と悪、陰と陽、光と影、真影と紅蓮、男と女、左胸と右胸。世界は、”対”となるふたつの要素によりバランスが取られ、存在を構成しています」
（企画・原作・爆乳プロデューサー）

そっかー、だからおっぱいって２つあるんだね。べんきょうになった！
このテーマを背負って、自分達は善でいいんだろうか？悪でいいんだろうか？と自らに問い続けるのが、この閃乱カグラシリーズ。
結構ハードです。なんせそのために殺さないといけないわけですから。
善忍といっても、善のためなら人を殺すあたり、絶対善ではないんですよね。
悪も、悪であるがゆえにはみ出した人々を救うあたり、絶対悪でもない。
その先端かつ表の世界に出ない裏の人間だからこその生き方を、少女たちに託したのが閃乱カグラがただのおっぱいで終わらないところだと思います。
　
半蔵学園編の方は、序盤のんきな学園ものなので、日常系にも一見思えるんですが、中盤、とくに雲雀が編入するあたりから一気に殺しあう展開になっていくのはゾクリとしますね。
生きて帰ろう、オー！という元気の裏に、任務のためなら殺さねばならないというのはちゃんと描かれている。
蛇女学院編は最初から命がけですが、命がけであるがゆえに来た仲間に対しては厳しくもやさしいのがグッと来ます。
善忍もそうですが、特に蛇女は任務に失敗したら死ぬ。仲間であっても殺さねばならないこともある。混沌に受け入れられるというのはそういうことです。
だからこそ、隠しキャラでアレが出てきたときは、ゾクっとしたなあ……あの人についての部分、続編で描かれるの？
　

- - - - -

　
さて、ぼくが一番このゲームで興味を持ったのは、少女たちが殺しあうという部分です。
前々から「少女たちが殺しあうマンガが好きです」とプロフに書き続けてますが、そうなんよ。好きなんですよ。
悪趣味ではあるんですが、思春期の、自我がはっきり固まりきらない、迷いも悩みもコンプレックスも苦しみも抱えた少女たちが極限で殺しあう状態って、フィクションじゃないと味わえない究極なわけですよ。
少年もいいけど、少女のほうが不安定な分いい。
『魔法少女まどか☆マギカ』なんかはそのへんよく理解していて、神経ギリギリに踏み潰されるようなイヤな感覚がとても興味深い作品になりました。『ガンスリンガーガール』は自我を薬で半強制的に失い、それを上書きした少女たちが次々に殺しあうなかで自分が崩壊していく、やはり極限を描きました。最終回まだ見てないので楽しみです。
『閃乱カグラ』はこういう作品群と並べると、やっぱり明るく見えます。スコーンと飛び抜けているというか、そんなにギリギリした感じがないというか。でも実際プレイすると、結構えげつないんですよね。
まず、恐らくほぼ全員が人は殺している。
蛇女は特にそうでしょうね。というかプレイ中に、操られた学園の仲間たちを殺して前に進まないといけない場面があります。情けはかけず、正々堂々と止めを刺すのが礼儀だ、と。
善忍の方は殺人についてはあんまり深くは描かれていませんが、少なくとも「相手を殺して立ち向かわねばならない」という意識は明確にはあります。
　
ヒロインの飛鳥（善忍）と、今回のヒロインの焔（悪忍）は、お互いが認め合い、仲良くなった友人でもあります。
唯一の永世中立地帯でもある、飛鳥のじいさん、半蔵の寿司屋で一緒に寿司を食います。
仲良しとはいっても、笑いながら雑談する仲間というわけではなく、お互い認め合った仲、でしょうか。それが飛鳥側の観点、焔側の観点で描かれます。
おんなじなんですよ。こいつはすごいやつだ、という尊敬。できればまた仲良くしたいというほのかな思い。
そして、次に会ったら、殺しあわなければいけない、という思い。
笑顔で「またね！」と手を振る。またね、の意味は、次に会ったら殺し合い、という意味でもある。
　
ただ、この殺し合い、恐怖とか狂気とかはないです。
相手が最高を尽くしてくるなら、自分も最高を尽くすしか無い。
それが、相手への最高の敬意。
みんなで遊びに行ったり、彼氏を作ったり、部活に勤しんだり……という青春のすべてを捨てて、戦うことに自分の時間の全てを費やしたお互いが、自分の命の全てをかけて、一番大事に感じる相手と殺しあう。
残虐なカタルシスです。
　

- - - - -

　
実際たくさん殺しているだろうし、陰惨な関係で殺しあわねばいけないという重たい作品なのに、なんで明るく楽しく見えるのか。
それは一重に、おっぱいのせいだと思ってます。
いやほんとこれ、マジで。
これがお互い胸の薄い華奢な少女同士だったら、ぎょっとするほど凄惨に見えそうです。
そういえば虚淵玄氏が言っていたのを思い出しました。
貧乳の女の子が傷だらけになって必死に頑張っているのと、巨乳の女の子が殺されるのではちょっと意味合いが違うと。

虚淵　よく周りに冗談半分で力説するんですけど、胸の大きさはヒットポイントだって（笑）。デカイほど頑丈。
広江　なるほど（笑）
虚淵　だから（映画やゲームとかで）オッパイのデカイ女の子がモンスターに襲われても、ある意味安心して観てられるんですよ。ぶっ殺されても、あんまり心が痛まない。

ブラックラグーンの巻末対談から。
いろんなところで引用されてる言葉ですが、カグラに関してはこれが当てはまる気がします。
おっぱいが大きいから、彼女たちは強い。殺す殺されるの話になっても、なんとなく安心して見ていられる。
未来だけちっちゃいですが、彼女の胸のコンプレックス話もフォローされていて、蛇女編での未来の優遇っぷりはすごいのでなんか納得できちゃいます。愛されてるよねあの子。
任務的には邪魔くさそうなおっぱいですが、あの子たちは希望と根性と全力をおっぱいに溜め込んでいるから戦い続けられる気が、ちょっとします。
　

- - - - -

　
まー、ツッコミどころは多い作品なので、あんまり真剣になりすぎないくらいが楽しいと思います。
「忍び転身！」といいながら、「学生服より目立つやんけ！！！」とか言うのは無粋。
全部脱いで水着モードで戦うほうが攻撃力高いとか、ウィザードリィのニンジャか！というのはちょっと思った（陰乱だと防御力減りすぎですが）。
イベント以外の任務の雑魚不良は死んじゃったのかなーというのはわかんないけど、まあ考えないほうがよさそう。
自分が脱げるために敢えて攻撃を食らうのは、これは紳士なら当たり前。
大体笑って済ませられるんですが、ただひとつ、納得出来ない部分があります。
ほっこりタオル、下から覗いたら下着履いてるだなんて！！！！
そこはこう、見えないとか……履いてないっぽいとか……夢を！夢を！
もうこうなったら、PSPvitaで出る『閃乱カグラ　SHINOVI VERSUS -少女達の証明-』の「全破壊」に期待するしかないわけだな！
しかし、キャッチコピーがすべてを脱ぎ捨てても守りたい。って、期待させてくれますね。キービジュアル全裸だし。
『閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-』公式サイト
期待していいの？
　
PSPvita買ってこなきゃね・・・。
あとアニメなー。アニメ版どんなふうになるんでしょうね。
　