たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

信長さんとこが女の子同士で夫婦生活とかなにそれかわいい『のぶながちゃん公記』

 
日本の歴史で一番好きな人物は、とアンケートをランダムに取ったところ、一位は織田信長だったそうです。二位が坂本龍馬
へー。でもなんかわかる気がする。
で。
僕が思うに、最も女体化された歴史上の人物は織田信長だと思います。
戦国武将女体化ブームですが、信長は知名度のせいか、おそらく飛び抜けて女体化されている、はず。
なんていうか、「凛々しさと力強さ」が信長のいいところのイメージなので、それを女の子に移植したら、そら素敵でよね、って話しですわな。うん。
最近だと『織田信奈の野望』とか。
あと『戦国コレクション』では主役でした。ソーシャルのほうでは別に主役じゃないし男版もいるんですけれどもね。
戦コレにおけるのぶながちゃんの浮きっぷりは、まったくもってモブでしたが、あれでこそ戦国時代に唯一戻ろうとする野心をもった、天下統一したのぶながちゃんだったなあ。とも思いますがどうか。
ちなみに僕は今『戦国武将姫MURAMASA』を楽しんでます。すごい凝ってて面白いよ。エロいし。
 
これはラノベやソーシャルの流れだけじゃなくて、歴史小説でも存在しています、っていうか元祖かもしれない。
2005年、佐藤賢一の『女信長』。今度ドラマ化しますね。
女信長 (新潮文庫)
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佐藤 賢一
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信長は実は女性だったからこそ、柔軟な発想で物事を切り開いたのではないか、という話。
面白いです。
 
で、今回紹介するのは、逃げちゃった信長の代わりの影武者として、女の子が信長として帰蝶姫(濃姫)と結婚する、という話。
その子はただのお手伝いだったのが、偶然信長が逃げたのを聞いてしまって、口封じの代わりに信長の代わりを任されちゃう、というのが理由。
基本的にはギャグマンガなんですが、それを史実を交えながらすっごい軽快に語るから、面白い、っていうかかわいい。
 
そう、かわいいんだよ。めちゃくちゃ。
まず、表紙にもなっている、信長ちゃん。本名不明、っていうか信長ちゃんです。そうじゃないとやばいです。死にます。
男らしく演じろ! 強くあれ! 凛々しくあれ! 絶対にばれるな!
意外と彼女真面目なもんで、しっかりこなすんですよ信長役を。
武芸の練習もきっちりこなします。たいしたもんだ。
しかし、彼女もお年ごろの女の子。
可愛い着物が着たい! 甘いモノが食べたい!
だよねー。そりゃそうだよねー。
あとはおっぱい。
彼女人一倍成長がよく、胸の大きさを隠すためにギュウギュウにさらし巻いてます。
贅沢な悩みなはずなんですが、この場合命がけ。
 
と、こういうのが基調になっているマンガなんですが、最大のポイントは信長が女の子だった、という部分じゃなくて帰蝶姫との幼い結婚生活がすさまじくキュートだというところなんです。
要するに、これは女の子同士のピュアでシャイな結婚生活マンガなんですよ。
最高じゃないか。
ちなみに、帰蝶姫は信長が代役の女の子だと知りません。
イコール、まだ性的な接触ないです。ここ大事ね。
「んなわけあるかー!」と思っちゃうところですが、当時の結婚って15とか16なわけですよ。
当時ならそれで結婚をして生活していたんです。
もちろん戦国時代は政略結婚も多々有りました。信長と帰蝶姫も、政略結婚です。
これを現代の感覚で捉えたらどうでしょう。
15・16ですよ。まだまだ幼いよ。
中学生?高校生? そりゃシャイだったりピュアだったりも、するだろうよ。
本物の信長じゃないんだしさ。
 
この作品のヒロイン自体は信長に化けた子なんですが、もうね、帰蝶姫がジタバタしたくなるほどかわいい。
おこちゃまなんですよ。南蛮菓子カステーラに夢中になったり、海の水遊びでおおはしゃぎしたり。
政略結婚で斎藤道三から嫁いできたというのもあって、気丈に振る舞ってはいるんです。
プライドが高く、意地っ張りで、強情で、気が強くて。
でも可愛らしいものを見たらもうネコのようにじゃれつきます。
信長ちゃんのことも大好きなんだけど、それをちゃんと言えずにツンデレります。
父の斎藤道三に口づけとかしたいじゃろうと言われると、顔を真赤にして「口づけはしたことないわ!!」と叫びます。
お姫様だっこをされたら、照れくさくて信長ちゃんをぶっ飛ばします。
 
なにこのかわいい生き物。
信長ちゃんと一緒の布団で寝てはいますが(夫婦だし)、手を出すとか出さないとか以前。
ピュアっピュアのピュアですよ。純白娘ちゃんです。
斎藤道三は超親ばかとして描かれるんですが、その気持もわかる。
ちなみに見た目はあんみつ姫みたいな、絵に描いたような日本姫です。
な! かわいいでしょう!?
すごいつり目なのに、よく笑い、笑顔がキュート。信長が大好き。
こんなかわいい姫久しぶりに見たよ!
 
帰蝶姫がときめいてしまうのも、仕方ないです。
というのも、信長が女の子なので、あんまり彼女を特別扱いしないからなんです。
ようは、友達とか、仲間みたいな感覚でいてくれる。
これが丁度帰蝶姫の立ち位置に合ってたんです。
求めていた感覚なんです。
と、同時に割りとこの子天然たらし。
「飛び上がった帰蝶様はまるで天女みたい」とか平然と言われたら、腰も抜けるというもの。
なんだよ!
お前らもう結婚しちゃえよ!
あ、結婚してるのか。
 
作中に出てくる織田家の家族や家臣は、のぶながちゃんが女なのはもちろん知っています、無理やりさせましたし。
美濃の蝮、斎藤道三はその嗅覚で彼女の正体を見抜きますが、その正体を隠す味方になってくれます。
加えて、尾張に人質として取られていた松平家の息子竹千代(徳川家康)も、子供だったがゆえに、正体を知っても命は助かりました。
この竹千代がまたいいキャラなんだなー。子供ながらにしたたかで、うまく取り入る術を覚えているんですが、実は密かに女である信長に恋をしているというね!
あー! あーもう! その恋はかなわないよ!
……あれ? 信長本人が帰ってきたら叶うのか?
 
正体がバレるかばれないか、という以前に、帰蝶姫と信長ちゃんの新婚生活が初々しすぎる4コマ。
女版信長というととんでもなく強そうなキャラばっかり見てきたので、新鮮でした。
個人的には女であることがバレても二人一緒にいて欲しいけど……戦国乱世だしなー。
まあ、今二人が幸せなら、それでいい。
史実通りにもしなるとしても、今、二人は幸せなんだから。