たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

幕末太眉砲術乙女マンガなんて、そりゃ買うよ『八重の桜』

 
表紙ずるくね。
いや違うな、キャラデザがずるい。
『八重の桜』はNHK大河ドラマになっている、山本むつみ原作の物語を、大胆に改変してコミカライズしたものです。
主人公の少女は山本八重(のちの新島八重)。男装をし、会津藩砲術を習い、若松城籠城戦で銃と刀を持って自ら戦った、ドラマチックすぎる人物。
表紙には「幕末のジャンヌ・ダルク」なんて言われてますが、まさにそのくらい凛々しい女性。あ、戦死や殉死はしてないです。
 
これをコミックにするということで、どう描くのかとおもいきや、もう一回言います。
キャラデザがずるい。
ただでも、戦国乙女は映えるんですよ。着物着てさ。タスキかけてさ。それで銃とか刀持つでしょ。最高じゃないの。
しかも、銃マンガなんですがすごい勢いで動きまくるので、裾がヒラヒラするのね。
八重は本当に元気で怪力。赤ちゃんが生まれそうだと聞いたら産婆さんおぶって走るし、銃をぶん回して木刀とはりあったりするし、そもそも銃を撃っても全くブレないし。
 
特に見どころの一つなのは、与七郎という少年と八重が、木刀と火縄銃で試合をするシーン。
それ銃の勝ちじゃね?って思うんですが、そうじゃなくて「二人が近づいた状態で、銃を構えるまでの動作をとって撃つ状態でつきつけられたら勝ち」という、どう考えても火縄銃側がムリな試合。
この時、銃を剣のように振り回しながら(重いです)木刀をさばきつつ、火薬詰め、弾込め、突固めと、左右に回転、上下に逃げつつ装填状態にし、銃を少年に突きつける。
この一連のややこしい流れを見事に描いています。すげえ!
そして重要なこととして。
動けば動くほど、八重の裾がヒラヒラする。
これが、エロい。
躍動感のあるシーンが多めのマンガなので、太ももの深いところまで着物がはだけるんですが、当時パンツという存在がなかったことを考えると、これはものすごく興奮しますね。
現在でいえば小学5・6年生くらいの少女がぱんつを履かず着物で駆けまわって裾をヒラヒラさせていると考えたらもう最高です。
しかも武術・砲術の天才ときたらねえ。最高です。
 
さて、八重の身体は、特別なくらいにぷにぷにに描かれています。
ある意味この身体の描写が、男になりたがっている八重がものすごく女性的だというのを匂わせています。
描かれている年齢は12・13歳なので、とてつもなく幼いから、というのは多分にあるでしょう。
むしろぷくぷくした指や脚を見ていると、もっと幼くすら見えます。
 
そう、八重は幼い。これが一巻で一番描きたかったことなんじゃないかと思います。
八重のデザインが「ずるい」と言いましたが、あれだけ砲術のためなら男装も厭わないと言っていたのに、でっかいリボンしてるじゃないですか。
この子がかわいいというのは、思いっきり前面に押し出されているんですよ。
スタート地点が「かわいい」。次に「凛々しい」とか「強い」。
 
加えて、重要なパーツたくわん眉毛
以前、つか何度も書いた気がしますが、太い眉毛って感情をものっすごく表しやすいです。
たんぱくな子は太眉にならない。
熱血漢だったり、元気だったり、感情豊かだったりする子ほど太眉です。
そして、太眉はあたたかさの表現でもあります。
ホッとするんです、太眉の顔って。多分表情がわかりやすいから、って理由からきていると思いますが。
 
八重はこの太眉で、マンガを「かわいい」+「凛々しい」ものにしました。
題材としては、非常にキャッチーであるがゆえに、なかなか難しいと思うんです。
歴史物としてヒロインを「凛々しい」に寄せるのか。はたまたマンガに寄せて「かわいい」にするのか。
太眉だと、キリっとひきしまったとき「凛々しく」なります。
そしてやわらかなタレ眉になりやすいので「かわいく」なります。
歴史物っていうことを全部忘れて、八重の表情と脚を見ているだけで、楽しくてしょうがないんですよ。
本当に、漫画力もあるけど、この作品はキャラデザがずるい。
 
さて、後に現実の歴史では結婚することになる川崎尚之助も出てきていますが、今後どうなるんでしょうね。
もうちょっと幼少期を見ていたい気もしますし、オープニングに出てきた会津の戦いに参戦する大人の凛々しい八重も見たい。
とりあえず、ところどころに見えそうで見えない(はいてないを入れる竹村先生、ずるい(褒め言葉