たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話

メカクシティアクターズ」二話で、ついにでてしまいました。

磯臭えべに鮭ちゃんストラップ……の左側にあるどっかでみたワケガワカラナイヨ生物の野郎風のなにかが!
うおおおいシャフトぉぉぉぉ!
それ売ってください。
 

●自重しない、失敗を恐れない演出●

二話はもう、シャフトが自重しなくなりましたね。




Q.どこだよ!!
A.シャフト空間です。
 
先生とモモの会話でワープしまくるのは意味が無い。無い。
そのへんは「化物語」などで通過済みなので。空間設計は「まどか」に近いですし。カッコよさと見やすさ重視です。

八瀬 今回は「若い演出家がやりたがることをやってくれ」と言われたので、そのつもりで臨んでいますね。
───具体的にはどういった演出なんでしょうか?
八瀬 勢いがあるとか、失敗を恐れないこととかだと思います。じんさんとしづさんがとても若いので、「若さの勢い」というところも新房さんは意識しているのかもしれません。
アニメージュ2014年5月号)

演出面で今回ボクが大好きなのは、モモの決めポーズです。


何のポーズだよ。
元々モモは好きなキャラですが、これで魅力増しました。
今回ここまでキメてくれるのなら、今後彼女の活躍シーンでの決めポーズ集作りたいですね。
カノに並ぶメカクシ団のムードメーカーなので、「アイドル」という要素をあえて省いた場合、「決めポーズを取るポジティブなキャラ」にジョブチェンジしたのは個人的に嬉しい。
 

●より明るくなろうとしているモモ●

ん?ジョブチェンジ
そうなんだよ。楽曲ルートでは前向きなキャラだったし、小説ルートでも割りとおちゃらける楽しいキャラでした。
それをさらにブーストかけているのが、アニメルートのモモ。

テスト返却のシーンは、思いっきりルートチェンジしました。元々は「哺乳類に分類される動物を一種類あげよ」「A・カニ、鮭」で1Pで終わったのが、もんのすごくがっちり先生との話が引き伸ばされて、彼女の内面に迫る展開になっています。
個人的に引っかかったのが、モモがテストの答えを間違えたこのシーン。

先生「なんでここで無駄な想像力発揮してるんだ」
モモ「ふええ、楽しくなっちゃってつい」
そう、モモは単なるバカじゃなくて、より「楽しくなること」を求めるキャラになっています。
 
なぜそうなったのか。他の小説や漫画ルートでは明かされなかった彼女の周辺の出来事で、こってり描かれた二話。
ぶっちゃけ「こんなに話進まないの!?」と驚きました。
でも「それぞれのキャラに何らかの事情がある」というのを表現するには、特に明るいモモからそこを描いたのはいいスタート。
メカクシティアクターズ」は「アクターズ」とつくだけあって、キャラ個々がどんな気持ちなのかに鋭く焦点を当てる展開になっています。
 
(余談ですが、漫画ルートのモモは絵が下手くそ。小説ルートは美術部でそこそこうまい……のか、能力なのかは不明。アニメルートのモモは落書きを見る限り絵がうまいが……)
 

●アイドル稼業は楽じゃない●


今回ちょっと面白い演出で、「困っている時」はモノクロ強め(髪の毛はカラー)、楽しい時はフルカラーと使い分けられています。
モモの周りにファンが集まって困っている時、先生に叱られている時、過去の思い出で多く使われています。

なぜ困るかというと、目の能力が制御出来てないから。
それがなにかというのは、……次週ですね。

にしてもこれは……「困っちゃうよー目立っちゃうなー」だわあ。
AKBとかでもここまでいかないぞ。トップアイドルなんてレベルじゃない異常なモモだらけっぷり。
今までも「過剰」というのはわかっていましたが、動画になるとちょっと気持ち悪さすらありますね。

学校に行ってもこの有り様。自販機も、モモ、モモ、モモ。
気づいた人も多いと思いますが、そのモモの写真も凝ってる。

半目で写ってしまって、モモがあんまり好きじゃない写真すら使われている。これは他のルートでも使用されています。
もう「なんでもいいからモモ」状態は、モモの実力と関係ないレベル。
これでいいのか?これはアイドルとして頑張っているといえるのか?
彼女は言います。「呪い」だと。
 

●彼女は孤独だった。●


これはモモの妄想の「留年したらこうなってしまう」というシーン。
まあ、笑える場面です。一年生全員カセットテープ。
……ん? カセットテープ? MDでもiPodでもなくて?

見づらいんですが、「二回目通ります」と書かれています。
これもモモの妄想なので笑っていいシーンです。けれどもなんだろう、胸に引っかかる。
だって、この「カゲロウプロジェクト」は、何度も繰り返す物語だから。
そもそも小説ルートに「留年」の話がでていないので、それがあえて追加されているのはこの世界がループの一部なのを暗喩しているようです。
露骨だもんね、二回目ってわざわざ書いて。カセットテープぐるぐる回すのアップにして。
 
このルートが小説ルートとがっちり違うのは、モモの過去設定で明らかになりました。
ちょっと彼女の過去を追っていきます。
 
モモが水難事故に会い、それを助けにいった父親が行方不明になったのを示唆するシーン。
これはぼんやりしか小説ルートでは表現されていませんでしたが、ここで明示されました。
シンタローがちょっとわかりづらいですが、一応一緒に座っています。
(現時点で、アニメルートではモモとシンタローが兄妹なのは描かれていません)
 

小説ルートは、ほとんど「家族」について触れられていません。アヤノと、ヒヨリと、マリー関連くらいでしょうか。
カノやキドについてはネタバレすぎるので言えないですが、子どもたちだけの物語になっています。
しかし、アニメルートでは如月家(モモとシンタローの両親)の事情を相当細かく描いています。
父親を亡くして、モノクロで悲しくなっていたモモとお母さん。
でも、ささやかな幸せを、モモは一生懸命探していました。

絵が最優秀賞に選ばれて、お母さんに喜んで伝えにいったモモ。
(これも理由があるのですが。小説ルートでは本の表紙にまで抜擢されている)
少しだけ幸せだから、色は薄めです。
お母さんといられれば、幸せでした。

でも、学校では嬉しくもなんともなかった。
先ほどのカセットテープのシーンはギャグめいていましたが、こっちは心が沈み、全く喜んでおらず、クラスメイトは全員生花で死んだよう。
カーネーションですかねこれ? だとしたらなおのこと「自分にはお母さんしかいない」のが強調されています。
 
メカクシティアクターズ」は、自分の認識にある人間と、認識にない、あるいは自分を拒絶する人間をはっきり描き分けています。
認識にある人間は、きちんと人間として表現されます。ケンジロウ先生、お母さん、メカクシ団の面々などなど。
一方通行人は灰色で表現。クラスメイトはシンタローのときもモモの時も、花瓶でした。

アイドル勧誘に来たプロデューサーも、オルゴールにクマのぬいぐるみ。
この時は「得体のしれない存在」として、拒絶しています。

拒絶しているがゆえに、折角色のついた世界もまた灰色に。
幼いモモには荷が重すぎます。
 
ここが既にルート分岐点。
小説ルートは、町中で中学校に入ってから勧誘されています。しかしアニメルートは家にわざわざ来て勧誘をしています。
 
アニメルートのモモの経歴の方が、不遇で苦しいものでした。

彼女が入った美術部では、彼女の描いた絵が目を奪うがゆえに賞をとってしまった。
しかし特段中身があるわけではない。他の先輩の頑張りも水の泡。
……まあ、ひどい言いがかりじゃないかな。気持ちはわかるけどさ。モモの能力のせいとはいえ、自分の負の感情をただぶつけるのは、モモのことを考えなさすぎる。
 
モモは、そこで「私のせいじゃない!」って言わないんだよ。
そこがすごいんだよ、モモは。
だって、彼女自身のせいじゃないでしょう? 怒ればいいんだよ。
けど、彼女は全部自分のせいだと受け止めてしまう。
だからクラスでは友達が一人も出来ず、美術部でもハブられる。みんな人間じゃなくて無機物になって見えてしまうほどに心に壁ができている。
あんまりにもかわいそうすぎないか。
 
彼女がアイドルになったのも、自分のその苦しい「呪い」をわかった上での行動でした。

お母さんまさかの入院。小説とマンガルートでは「仕事がうまくいかない」からでした。
これを見て、お母さんしか心の中にいなかったモモは、決意をします。

アイドルになる決意。カラーですね。
それがたとえ自分の力じゃないとしても。お母さんが助かるのなら。
お父さんがいなくなったのは自分のせいだという負い目もあるでしょう。
 
楽曲ルートではちょっと欲目もありましたが、基本的には「お母さんのため」「仲間のため」に動くのがモモ。
けど、2話の段階ではお母さんは入院、仲間はいない。あんまりにも不遇です。アニキはヒキニートだし。
上の方で、彼女がテストでもなかば遊んじゃえるのは、明るく楽しくしよう、と前向きな意識を持っているから、と書きましたが、それ自体が彼女の苦しい今までの状況の中で培ってきたものに思えてならない。
普段はおちゃらけて、明るく楽しく元気にしゃべって、アイドルやって、近所に愛想よくて。
でも、友達は一人もいなくて、大好きなお母さんは入院して、アイドルもおかしな方向に動いてしまっている。

彼女が流す涙は、我慢をする子であるモモの本質だよ。
彼女の笑顔が辛い。
 

●出会っちゃうよー、出会っちゃうよー●

ルート分岐で度肝を抜かれたのは、ヒビヤの登場でした。
ごく自然に出会ってしまいましたねえ。

ヒビヤの目的は、モモと同じくべに鮭ちゃんストラップを手に入れる……というパシリ。
これでわかることががっつりあるので、整理します。
 
・べに鮭ちゃんストラップはヒヨリとヒビヤの共通アイテム。入手していないので、現時点ではヒヨリは健在。
・ヒヨリがヒビヤを連れて、アイドルのモモに会いに来ているという設定が共通しているなら、今後ヒヨリとモモが接触する可能性がある(マンガルート)
・元々田舎から都会に出てきたヒビヤとヒヨリ、まだ着いたばかり。
・パシリに出しているということは、ヒヨリがコノハに出会っている可能性がある。
・「カゲロウデイズ」事件の際、モモはヒビヤと「再会」という扱いになる。
・「オツキミリサイタル」ルートに行く可能性が浮上。
 
ヒビヤとヒヨリの話は確実にやるはずなので、その伏線がはられました。

ここで「如月アテンション」歌うとは思いませんでした。まあアイドルだしね、いいよね。モモかわいいよね。
じん(自然の敵P)お気に入りキャラなだけあります。とてもいいヒビモモPVでした。
この二人が駆けていくシーンの色が鮮やかで、大変美しい。
今までのグレーな世界が開けていく感覚は非常にキモチイイです。
 
誰かのために動くモモが、ヒビヤにふざけながら助けてあげるのは、彼女がここまでためてきたものが解放されるシーンでもありました。
今後、彼女がヒビヤやメカクシ団のために動きながら、自らの幸せを掴んでいくシーンが細かい部分で描かれるのを、このシーンを見て期待しました。
モモは頑張ってきた分、幸せにならないと、絶対だめだよ。
 

にしてもこのシーン、「アイドルマスター」のあずささん回思い出したよ。
どっかに石油王いないか。
 

●OPの変化●

ちょっとだけ重箱の隅つつきます。
OPが1話とえらい変わっているので、驚きました。
まあ背景なんかは後付だろうなーと思うんですが。

ここ。明るくなったなー!?
一話は暗めのトーンだったから暗い入りでしたが、メカクシ団が外でのびのびしている感じがしてびっくりしました。
これ3話でどうなるんだろう?

アヤノの後ろには電柱が。意味があるのかないかはわかりません。
  
さすがにここは意味あるでしょう。アザミのシーン。左が一話、右が二話。
アザミがよくわからない世界から、人間の世界に降りてきています。
「シニガミレコード」(小説ルートだと4巻)の展開はCパートで追っていくようなので、こういうところで見せていくのかも。

これもびっくりしたなあ。EDのヒロイン扱いになっているヒヨリ。
こりゃ、やっぱりヒビヤとヒヨリの話(「カゲロウデイズ」)を軸に、マリーやコノハの物語を絡めて、アヤノでまとめていく展開なんだろうか。
……本当にワンクールで終わるの!?!?!?
 

貴重なお色気分を吸収できたので、割と満足ではありました。モモかわいい。
そういや、8月14日なんだもんね。暑いよ。メカクシ団見てると忘れてしまう。

そして取ってつけたようなシャフ度。
いいぞもっとやれ。止まるな突き進めシャフト!
 
ところでさ。
お母さんが入院してしまっているとなると、シンタローってヒキニート生活しているあのお金、モモのアイドル活動資金からもらってるの?
わあ、ダメアニキもいいところじゃないですかー!(エネの声で
 
 
そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話 - たまごまごごはん