たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

貴音もアヤノもみんな、伝えたい思いは伝えられなかった。「メカクシティアクターズ」第七話

ぼくはですねえ。

裸足直履き上靴の女の子が大好きなわけでしたねえ。
ああもう、スパッツといい三白眼といい、どこまで貴音は好みなんだ!
はやく幸せになれ! ……この子が一番幸せと遠そうなのがなー。
 
メカクシティアクターズ」7話は、小説・楽曲組なら度肝を抜かれたはずです。
完全にルートチェンジした。もう絶対後戻りできない段階に。
起きた出来事は大したことのない、つなぎ解説回です。
けれども、Bパートで次々出てくる事実には「えっ!?」の連発でした。
心を落ち着け……られないですねえ。これどうなっちゃうんだろう?
 

●同じ日に死んだ二人●


貴音が目を離した間に、遥は急に体調を壊してしまいました。
もっともそんなの仕方ないというか、だからこその特別養護学級(貴音と遥は薬を飲まないと維持できないくらい体が弱い)です。
けれども、まあ高校生2年生です、自己嫌悪に落ちるなという方が無理というもの。

「最悪だ、私……」
合わせる顔がない。
本当に「合わせる顔がない」状態に陥ることって、人間そうそうありません。ガチで合わせる顔がないのなんて、闇金ウシジマくんレベルの世界くらいでしょう。
ここが貴音の弱いところ。彼女は自分の感情を真っ直ぐに表現するのが苦手です。
もうちょっと言えば、「嫌われるんじゃないか」という思いに常に押し潰されそうな子です。
ここは前回のゲームのシーンでも、自分の正体を遥やお客さんに隠していたことからわかります。
 
今回も、「遥に嫌われるんじゃないか」という思いで、遥にあうのを拒絶してしまいます。

それを引き止めたのが、アヤノ。
アヤノは全部見抜いているんです。
貴音が遥のことを好きなのも、正直になれないのも。
嫌われるんじゃないかといつも怯えていて、感情を表に出せないのも。

アヤノがシンタローへの好意を漏らして照れているのも、貴音が本音を出すようになってほしいから……なんてのは邪推ですかね。
アヤノも、まあ、色々あってシンタローに思いは告げることができません。正確には貴音と理由は違うんだけど。
 
ここで、アヤノのセリフがいちいち意味深になっていきます。

ダメなんですよ私じゃ。
シンタローにはもっとわがままで、自分勝手で、あの子のことを引っ張ってってくれるような子が必要なんです。
私なんて、あの子の後にくっついてまわっているだけですから

アヤノのこのセリフが、意外な伏線になります。おそらくアヤノ自体はそこまで深く考えたセリフではないはず。ですが。
詳しくは後述
 
もう一つセリフ。

ところで貴音さん、今学校に来たんですか? 
こんな時間から補習、ってわけでもないですよね。

まあ、そのまんまのセリフです。
同時にこのセリフ「じゃあアヤノは?」と跳ね返ってきます。
補習の帰り際だそうですが、どうもアヤノは補習については言葉を濁している。
アヤノと貴音がここで出会ったのは偶然じゃないでしょう?
 

貴音さんはもっと自分に正直になるべきです。本当は自分がどうしたいか決まってるくせに。
怖いから遥さんのせいにしてるだけじゃないですか。違わないです。ちゃんと遥さんに伝えたいことは伝えるべきです。
だって、伝えたくても、一緒にいたくても、間に合わないことだって……あるんですから。
勇気を出してください。

字面だけ追っていくと、叱咤激励しているいいセリフです。
この後「がんばってくださいね」と言ったアヤノの言葉が、最期の言葉になってしまうということを除けば。
「間に合わないこと」。アヤノは、間に合わなかった。だから。
 
ほぼ同じ時間に、遥も死に直面していました。
弱い体が限界を迎え、強くなりたい、こんな弱い体いらない、と言っていた時、あらわれたのは彼の作ったアバターでした。
 
しかし彼の「強い体」と、アバターの「コノハ」は別物でした。
「こんな体いらないよ!」絶叫の後、彼は死を迎えます。
どういうことだ?

・遥、体調を崩し、先生に運ばれて緊急入院。
・遥、弱い体を憎む。
・強い体のコノハがあらわれ、遥の体が失われる。
・「こんな体いらないよ!」という遥の意志で、生まれたコノハのみが残り、遥の意識は消滅。
・抜け殻となったコノハができあがる。

もうこの時点でびっくりするほど小説ルートと違いますね。
加えて、貴音はこのことを知りません。「死んだ」という事実しか知りません。
 
貴音が出会った2つの死。遥、アヤノ。
漠然としていた死の物語が、具体的になってきます。
 

●エネ=貴音の驚きの事実●

じゃあ貴音は?というと、彼女もまた突然の死に至ってい……るらしいけれどもはっきりしません。

これはアヤノに言われて、心が軽くなり、急いで遥のもとに向かう貴音。
ところが、突然のめまいに襲われて彼女は昏倒します。

動くこともできず、周りにはケンジロウ先生しかおらず……。
ここが極めて謎の多い部分で、具体的に貴音が「どうなったのか」はアニメルートでは描かれていません。

「ヘッドフォンアクター」の部分は前回のアバンで入りましたが、あれがどうつながるかは推測するしかありません。
ただ、かなり記憶が削られている中、6話の破壊される町と今回の崩壊した町は覚えているあたりから、こう考えられます。

・貴音、昏倒する。
・貴音、ゲーム「ヘッドフォンアクター」の世界に呑まれる。
・「ヘッドフォンアクター」の世界が崩壊。
・貴音、死去。

・貴音、蛇に呑まれる。

・遥同様に、新しい体を入手。受け入れたため「エネ」として電脳世界の生命体になる。

あくまでも類推なので、真に受けないでいただければ。
 
問題は、エネの記憶の部分です。
エネは、大雑把な記憶をメカクシ団に語っていますが、まだ隠していることがあります。
それが、シンタローのことと遥のことです。
現時点では「遥=コノハ」というのは知りません(アバターを見ただけ)。今回事故を見に行かなかったことで、コノハとの接触がなくなりました。
 
かなり記憶は強く持っているようで、例えば。

エネがなぜシンタロー(年下)を「ご主人様」と呼ぶか。
これは6話で「シンタローに負けたらご主人様と呼んでなんでもいうことを聞いてやる!」と言ったからでした。
まじかよ!覚えてるのかよ!

ちなみにこちらが1話の、最初に出会った時のエネ。
貴音はこの時、シンタローにばれないようにするため、品を作っていたようですが、シンタローが会話なれしていないため、あっさり受け入れてしまったのが面白くて続けているとのこと。
しょえー。小説ルート5巻ではあんなことになってるのに、こちらのエネは完全に貴音のままなんですね。

彼女がわがままで気が強いのも、アヤノのセリフを反映した結果。
「シンタローにはもっとわがままで、自分勝手で、あの子のことを引っ張ってってくれるような子が必要なんです」

アヤノが死んで、引きこもり、壊れそうになっていたシンタロー。
黒パーカーを見て、「ロスタイムメモリー」を聞いたことのある人ならギクッとなったはずです。
はずですが、そっちのルートにはいかないでしょう、大丈夫!メカクシ団にもうあってるから!
シンタローはアヤノを失い、砕けそうだ。
なら私が。
今、一話見直すとずいぶん見え方変わりますよ。
 
結局、エネ=貴音はいまだに「自分を欺いて」生きていることになります。
アヤノの気持ちを引き継いでいるつもりですし、頑張っているのが今回わかるのです。わかるんですが、それが自分に嘘をついていることになってしまっている。
欺いているといえば、もう一人います。
カノです。
 

●カノの心の闇●

カノといえば、メカクシ団のムードメーカー。
いつもおちゃらけては、みんなに突っ込まれるおいしい役回りです。
しかし、彼には深い心の傷があります。
 
予告聞いてゾワッとしたんですよね。なんでカノが泣きそうなんだろうと。
カノはいつも明るくしていますが、基本的にはさみしがりやの弱い子です。
目の能力をつかって、人をだまくらかすのが得意な子ですが、同時に自分の本音をもいつも騙し続けています。
笑顔で、笑って、ふざけて、ばかにされて、また笑って。
そんなの嘘だ。
姉ちゃん、アヤノの死を、引きずり続けている。
 
カノとエネは似ている。
どうでもいいシーンだな、と思っていたカードバトルのシーンも、今だと「自分を欺いている同士」だと思い知らされます。
いつも優しいカノも、アヤノのこととなると容赦しません。エネに対しても心を抉る行動をとる。
カノの、本当の闇の部分です。

カノはエネに言います。

だからさー、もう一人死んだでしょ? エネちゃんにとって一番大事な人がさ。
まー怖いのもわかるけどさー。シンタローくんに他人の面影重ねすぎるのもよくないと思うよー?

えぐるね。えぐりまくるね。
でもなぜカノは、遥の死のことを知っているのか? ここは謎が増えた部分です。
カノいわく「遥のことを忘れようとし、シンタローにアヤノのことを忘れさせようとして道化を演じている」のがエネ。
逆にアヤノの死を引きずりすぎるくらい引きずっているのが、カノです。
 
 
こんなに怒り狂うエネを見ることになるとは……。
一連のお墓のシーン、カノとエネのシーンは、完全に他のルートにはない、オリジナルの展開です。
そして、恐ろしいことにここでの会話が、他ルートから大幅に逸脱していることを明確化しました。

・エネが貴音の記憶のままであること
・エネはハイテンションなのではなく、アヤノに言われたことを実践しているだけ
・遥→コノハの成立の違い
・カノの知っていることの多さ
・キドは元来弱虫だったが、メカクシ団団長を引き継いで、虚勢をはって強がって頑張っている。
・トラック事件にシンタローとセトが巻き込まれている。
・ケンジロウ先生の立ち位置がかなり違う(「デッドアンドシーク」が謎に)

エネをはじめ、ここまで根本から話がひっくり返ると、どう収拾がつくのか全くわかりません。
どうすんの!?
 
にしても。

モモがいると安心しますね!
今回の話で、モモ、マリー、セト以外みんな虚勢をはっていることがわかりました。
次回辺り、「ロスタイムメモリー」ってことは全員集合の可能性がある。
その中でカノとエネをはじめとして、どこまで皆が本音なのかはじっくり見極める必要がありそうです。
 
ちなみに、ぼくカノめちゃくちゃ好きなんですよ。
いや、貴音は女の子として好きだけど、カノはもう、抱きしめてあげたい。
あいつが素直になれた日こそが、カゲプロのトゥルーエンドだと思っています。
 

●化け物の物語●


ついにCパートと本編がつながりましたね。
Cパートはなんともわかりづらいのですが、今回は明快でした。

・化け物(アザミ)と人間(ツキヒコ?)が恋をした。
・子供が生まれた。
・しかし自分だけ長生きして、相手は死んでしまった。
・悲しみにくれ絶望。
・夢の中で蛇に出会う「主の願いを叶えましょう。主の頼みを叶えましょう。主が願う永遠を、叶える術を教えましょう」

蛇がそそのかした流れは聖書のアダムとイブを思い出しますね。
実際蛇がどう絡むのかは、他ルートと違うので一概に言えません。もっとがっちりCパートと本編が絡むことで、明らかになるはず。ならないと困る。
 
今日のシャフ度。

これはポイント高い!10点級。
あ、そうそう。学校の地図もありましたね。

なんじゃこりゃ、なんか意味あるのだろうか。
二話でモモがいた吹き抜けが一階だとしたら納得いきます。二階以上が教室とか。

でもこれはないよ! そんな強調しなくていいよ!
 
 
 
そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話
モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話
俺たちは戦いたいわけじゃないっす「メカクシティアクターズ」第三話
噎せ返るような、熱い夏は嫌いだな「メカクシティアクターズ」第四話
鳴り響くパンザマスト、思い出すあの人。「メカクシティアクターズ」第五話
友達とか、気になるヤツとか……どうにかしてよ神様。「メカクシティアクターズ」第六話
 

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