たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

あー、こんなお兄ちゃん・妹いたらいいのになー。「メカクシティアクターズ」第八話

今回、コメント欄が揃ったのはここでした。

「でかい」
うん、でかい。阿吽の牛の部分が大変目立ちます。
じんさんお気に入りのキャラだけあります。でかい。
 
今回は解説回。会話メインで、今までの伏線を解き明かしていった話でした。
まあ、エンディングで恐ろしいことが判明するのですが、それは後で話すとして……。

能力がなぜ起きたのかという理由がメインでした。
簡単にいうと、死にかけた時複数人が裂け目(蛇)に飲み込まれ、吐き出されると能力を持つ、吐き出されない方はさまよい続ける……というもの。
「カゲロウデイズ」でいえば、ヒヨリは飲み込まれた側、ヒビヤは吐出された側です。
 
この話を聞いている時のね、モモとシンタローのやりとりが、すっごいよいんだ。
部屋が変わらない中での会話で、今まで「兄と妹」でしかなかった二人の根っこが描かれている。そう、それだよ、そこが見たかったんだよ!
なので、解説回であると同時に、他ルートでは曖昧だったキャラクター掘り下げの回でもあります。
 

●兄としての思いやり、妹としての思いやり●


如月兄妹は、いかんせん兄がヒキニートということもあって、力的に「モモ>>>>シンタロー」という部分が今までありました。
実質、描かれていないものの、シンタローが引きこもり生活しているお金は、モモがアイドルでしこたま稼いだお金のすねかじりの可能性は大です(お母さんは入院中、父は行方不明)。
妹に頭のあがらない兄ってのは、ネタ的にも面白いですしね。
 
しかし、ヒビヤと男の約束を交わし、それを頑なに守ろうとするシンタローは、ちょっと今までとは違う、自らの意志で動くキャラにシフトチェンジしています。
「お兄ちゃんってこう、誰かのためにーとか、そういうイメージ全然なかったから。うん、意外!」
モモがこういうのは全くそのとおり。意外といっておきながら笑顔で微笑んだりして、なぜだかとても嬉しそうです。
 
兄シンタローに対するモモの視点は、7話からの続きになっています。
モモとエネのセリフをほじくり返してみますね。
 
モモ「お兄ちゃんに友達がー!?」 エネ「いたんですかー!?」
そもそもシンタローは引きこもりなので、友だちがいるはずがない、というモモの意見。ごもっともです。
しかし、モモにも、能力ゆえに友達がいません。
なので、単にお兄ちゃんをバカにしている単語ではないのはわかると思います。過去をおもい出せば、アヤノという仲良しがいてー、くらいのことは知っていたはず。そんな彼女が死んだから……という意味も含みます。エネ=貴音も同様です。
 
エネ「それなのにアヤノちゃんを助けてあげられなかったの、すごくうなされるくらい後悔しているんです。放っておいたら簡単に壊れてしまいそうなくらいに」

アヤノが死んでからずっと引きこもってしまったシンタロー。これを一番側で見ていたのはエネでした。毎日漫才やっていたわけじゃあない。
じゃあモモはどうかというと、今回のエンディングの一瞬でエネ同様に、シンタローの心の中をちゃんと見ています。

中学生時代のモモが、引きこもってしまったシンタローを見ている図。
彼女もまた、エネ同様に傷ついたシンタローに何も出来ず、見守っている一人でした。
そこで、自分だって父親の件で傷ついているにも関わらず、一歩踏み出せるモモは本当にすごい子ですけどね。多分あの子目を惹く能力無くてもアイドルになれるよ。
 
エネ「私が貴音だって知ったら、また色々思い出しちゃうと思うんです。やっと友達ができて前向きになれそうなのに」
各々の孤独の深みが出るセリフです。
エネはシンタローに対して、心の傷を掘り返さないように、触れないように気をつけています。
同様に、モモもシンタローに対してトラウマに触れないようにしています。
そして、シンタローもモモの心の傷に、触れないようにしています。
 
モモ、エネ、シンタロー。
触れ合うべきところ、触れないようにした方がいいところで、3人はさまよい続けています。
 

●久しぶりの兄と妹の会話だから●

 
シンタローが割りとおどおどと気を使いながら話しているのに対し、キドは割りと、ズバズバと遠慮なしに話を切り込んでいきます。
「すまんが」とかはいいません。なぜなら能力の部分、それぞれのトラウマの部分は放置しておくわけにいかない、腹を割って話さないと「仲間」になれない重要な部分だからです。
心に傷のない人なんてここにはいない。
一度膿を出すことで、つながりを深めようという慮らいです。



カノ=家族が強盗に襲われ刺される。
セト=犬と一緒に溺れる。
キド=姉と暮らしていた家が火事。
モモ=父親と海で遊んでいて溺れる。
 
小説ルートでいうと5巻の部分(カノは)。キド・セト・モモは小説では一行触れられた程度でした。
アニメルートでは2話でモモの話が大幅にピックアップされました。それだけのことあって、「死にそうになるのが引き金である」と言う設定解説では終わらず、各々の心理状態が描写されています。
 
やっぱ、全員トラウマなんですよ。
一緒に遊びにいった父親が行方不明になり、自分だけ助かってしまった。
明るく振る舞う彼女の心にずーっと眠っていたこのトラウマ、ひたすらに塗り固めて隠そうとしていました。
そこをキドにストレートに突き刺された時の会話。
 
シンタロー「モモ、無理して思い出すな」
モモ「うん、ご、ごめんね、……ありがとう」
 
ここの二人の演技だけでもうね……おっちゃん泣いちゃうよ。
泣くシーンじゃないけど、この会話のニュアンスを考えるだけで、何年間も孤独で、辛い中生きてきた二人の姿が頭に浮かんで、もうね!
おわかりいただけるだろうか!
 
「ありがとう」と言っているあたり非常に興味深い。
性格が悪いのは、「ヘッドフォンアクター」を見ればわかりますが、家族に対してはどうだったんだろう。
それをかいま見させるのはこのワンカットだけ。

シンタローは優秀で、モモはおばかさんでした。アヤノが亡くなるまでは、圧倒的にシンタローが大きな存在だった。後ろで見守るモモがいいですね。
 
これは推測です。
多分なんでもできたころのシンタローって、そこまで家族、特にモモには優しくなかったんじゃないか。
しかし、自分が傷つき、壊れそうになってから、「人も傷つくんだ」とわかるようになった。大きく成長をした……いや、痛みを知るようになった。
「意外」と言っていた以上に不意をつかれたので、最初に「ごめんね」(シンタロー>モモだった幼少期の関係)からの「ありがとう」(シンタロー=モモの現在の関係)というセリフが口から出たんじゃないかと。
今回のハイライトだと思っている重要なセリフです。
 
家族は、仲間より尊い。他ルートではほとんど描かれない家族の様子を描いている「メカクシティアクターズ」。
その家族表現の代表としてモモ・シンタローを描いているように感じられます。
 
なんかねえ、全然まだエンディングまで遠いんだけど、二人がこう支えあう関係なのみたら、もう安心してしまいましたよ。
やっぱ、家族は兄弟姉妹はいいもんだよ……たった一言でもさ。
 

●シャフト空間は、子供の感覚●

キドの火事の話が出たのはびっくりでしたねえ。
8話は完全別ルートであると同時に、今まで明かされなかったキャラの補完をしています。

おなじみ謎シャフト火事空間。こんなところに閉じ込められたら絶望だよ!
 
そう、絶望の表現なんだと思うのです。
例えば幼いころ見た木って、とても大きくて恐ろしいものに感じられます。
しかし大人になって見直すと、そんなに大きくない。
 
キドは火事の時本当にパニックになっていて、このめちゃくちゃな迷路くらい、逃げられない!と絶望に怯えていたのでしょう。
それを、シャフト空間として表現している。
 
キドがお姉さんに脱出させられるシーン。
光の中に逃げていくキドと、炎に包まれるお姉さんのこのカットも、幼い時の恐ろしいトラウマとしてのキドの心理描写なのがわかります。
キドがお姉さん然と振る舞うのは、アヤノの影響だけじゃなくて、キド姉の影響もありそうです。
 

●今、ループのどこにいる?●


今回の核心部分にちょっと迫ってみます。
アヤノの家族の集合写真。冗談左から、アヤノ、ケンジロウ、アヤカ(アヤノの母)、セト、カノ、キド。
キドまじお嬢さんな。セトが気配りマンすぎて横に目をやっているのは芸が細かい。
それはさておき。
 

これ見て、シンタローの目赤くなるんですよね。なんで!? それで能力発動するの???
何が起きたのかはわかりませんが、ここからシンタローの脳内フラッシュバックがはじまります。
 

これは楽曲「ロスタイムメモリー」の最初の部分ですね。
この時、この選択肢を選んでいれば……という取り返しがつかない分岐点の一つです。
 

構わないでよ、どっかへ行ってくれ、
君の手を払った。
「行かないよ」なんていって
君は僕の手を掴んだ。
「五月蠅いな」ちょっと先を
僕は振り返らずに歩いた
(「ロスタイムメモリー」より)

起きていることは、少年少女の些細なやりとりだったのに。
これで、楽曲MVルートにピンが刺さりました。




胎児になるまで巻き戻ります。順に、アヤノの死後、アヤノの葬式、貴音とのバトル、アヤノとの下校、勉強をするシンタロー、モモの誕生、シンタローの誕生。
まず一旦、これがこのルートの中の彼の半生、とまず考えてみます。
 

この曲はルートが1番と2番でわかれています。
先ほどの歌詞のあとにアヤノが死んで、そのあとどうしたのか。
メカクシティアクターズ」は「1番歌詞ルート=メカクシ団と合流ルート」に似ています。でもちょっと異なりますあんなに明るくない。コノハとピシガシグッグッやってほしかったなー。

ところがエンディングの中に、MVの2番、「黒シンタロールート(ルートXX)」とよばれるものも描かれています。
これは「メカクシ団に行かずに引きこもり続け、エネを殺し、自殺するルート。
先ほどの「このルートの中の彼の半生」ではないルートが混じっている。
他にも「アウターサイエンス」のカットが混じっており、「終了したMVルート」の後の話だという示唆がされています。
 
それどころではありませんでした。


これは小説ルート。
しつこく書いてきていますが、アニメルートは小説ルートと全然別物です。
しかしここに小説ルートをあえて、しかも文字部分までメタ的に引用している。
ピックアップされているイラストも、あえてアニメルートでは描いていない部分がチョイスされています。マリーの家のシーンとかですね。



こちらは漫画ルート。結構クリティカルにヤバイ部分見せてますね。
まるまるカットされた遊園地のシーン、ヒヨリとモモが出会うシーンをあえて入れています。
漫画は、大変困ったルートに足突っ込んでいるのが、これらのカットだけでもわかります。もうバッドエンドって言っちゃっていいんじゃないかしら。
 
なぜこれらを全てシンタローのフラッシュバックに持ってきたのか。
これは小説、漫画、MVのルートを既に経験して、また繰り返しているシンタローがアニメのシンタローだからではないか、と僕は考えています。
アヤノは、向こうの世界で「もう何回目だろう」みたいな事を言っています。
アヤノ「もう一回話そうよ、君の出会った物語を最初から」(第一話)
 
少なくともMVルートは終了し、ラストを迎えてリセットされています。
他の小説、マンガのルートもリセット済みの世界なら、頭の片隅にこれらの記憶が残っていてもおかしくない(実際ちょっとずつ忘れたり、覚えていたりする)。
 
じゃあなんで赤目なの?

かなり邪推の域に入ります。
このカットを敢えて使ったことに意味があるのなら、黒コノハ・黒シンタロー・シンタローが記憶の中で邂逅して、その中で死にかけて発動した、と言う可能性があります。
信じちゃダメだよ! 法螺話だよ! オーマイダーティー。

ただ、「チルドレンレコード」の「少年少女前を向く」が挿入されているあたり、ここがフラグ分岐の重要なポイントになるのは間違いなさそうです。じゃないとこれはあえて入れる必要ないもんね。
にしても、ほんとバラバラ向いている集団だよなあ。孤独な人間の集団、それがメカクシ団。
 
 
ここでシンタローがアヤノと邂逅しているのにはどんな意味があるかは現時点ではわかりません。
ただのイメージシーンかもしれないですし、ヒビヤ同様能力発言の瞬間かもしれない。
どっちかというと問題はこちらでしょうね。
 
マリーが蛇化してシンタローに何かをしている。何だ?
 
今回のEDは見れば見るほど謎の多いものなので、これは解答編を待ちましょう。
あと失礼ながら。

「踏んで下さいマリー様」にしか見えない。orz
 
 
今日のシャフ度。

一部屋の会話劇でもシャフ度する! ジャスティス!
次回が「アヤノの幸福理論」なので、過去話に戻りそうですね。おいおいカノとエネどこいった?
 
そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話
モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話
俺たちは戦いたいわけじゃないっす「メカクシティアクターズ」第三話
噎せ返るような、熱い夏は嫌いだな「メカクシティアクターズ」第四話
鳴り響くパンザマスト、思い出すあの人。「メカクシティアクターズ」第五話
友達とか、気になるヤツとか……どうにかしてよ神様。「メカクシティアクターズ」第六話
貴音もアヤノもみんな、伝えたい思いは伝えられなかった。「メカクシティアクターズ」第七話
 

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