たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「尊敬する人」ってなんじゃろね。

よくさー。
面接で「尊敬する人」って聞くじゃん。
あれおかしくない?
 
尊敬する人ってそんな、一人とかなの?
ってか尊敬する人いないこともあるでしょ?
あれか、親か。親っていっておけばオーケーってか!
好かないわー。そんなんで人格はかられたくないわー。
 

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とかいいつつ、元教員としてはこう考えてます。
「いかにプレゼンできるかの能力を見る」
だからなんでもいいんだよね。
「好きな食べ物は?」
「好きな動物は?」
「最近何を読みましたか?」
「気になるニュースは?」
「面白かった映画は?」
これを説明できればいい。普段何を考えているか聞ければいい。
だから「尊敬する人は?」という質問自体は、そんなに意味が無い。
 

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面接以外で「尊敬する人並べろ」って言われたら、俄然テンションあがりますね。
ぼくはこの人が好き! 尊敬してる! 聞いて聞いて! ってなる。
 

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なので、尊敬する人を並べてみようと思います。
 

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宮沢賢治
ぼくが文章に触れるきっかけになった人物です。
小学校の時は正直、よくわかんなかったねー。何が面白いのか把握できなかった。ただ、やたら脳みそにこびりついていた。
大学に入って、それはもう「銀河鉄道の夜」にドはまりしました。
なにこのすごい世界観と、言葉と、宇宙規模なのに少年の繊細な心描いた話は!
本人の人生をたどって、もう魅了されました。純朴で、真面目で、土を愛し、妹を愛し、言葉を紡いでいった、強く戦う、優しい人。
賢治の言葉を見るだけで心が奮い立ちます。
岩手に何回いったか、わかりません。
いつも、お守りがわりに「銀河鉄道の夜」の文庫本を持ち歩いています。
 
大槻ケンヂ
ねじくれた灰色の高校時代、生きていたのはオーケンのおかげです。
ぶっちゃけ高校時代何をしたか全く覚えてない。勉強した記憶しかない。
友達なんていねえよ!
ただ、ぼくにはナゴム出身のミュージシャンたちがいた。音楽があった。歌があった。
初期筋少の猟奇的世界、中期オーケン鬱時代の優しくも哀しい世界、後期のヒリヒリしつつものほほんを混ぜ込んだ世界。全てに救われた。
一番心にキいたのは、「サボテンとバントライン」ですね。

映画館に爆弾を持っていく少年の気持ちめちゃくちゃよくわかる。
ぼくのかわりに自殺したり人を殺したり爆弾を燃やしたりしてくれたのがオーケンでした。
それにしてもこのPVは何度見ても素晴らしい。少年を演じる少女の美しさよ。
解散後もエッセイ・小説は何度も読みました(全部持ってるぜ!)
再結成後、今熟成し、多くの新規ファンが増えた。
オーケンの言葉一つ一つにも心救われるし、オーケンを通じて知り合えた仲間にも救われた。
ぼくの人生において、おそらく最も影響を及ぼした人です。
 
米光一成
やっぱりすぐそばにいて「尊敬できる」という相手がいるのは、いいですね。具体的な目標になります。
エキレビでご一緒させていただいている、「ぷよぷよ」「バロック」の作者。
ぼくは超絶ネガティブな人間で、一つのことをものすごくだらだら長く語ってしまいます。
しかし米光さんは、短く、端的に、わかりやすく、前向きに切るんですわこれが。
すげえ難しいよ! わかりやすくってのが何より難しい。
あと発想力がないとできない。
ネガティブとポジティブの差のひとつは、想像力。想像力をどう傾けるかの手段を知っていると、そこまでネガティブにならない。
(まあ、心は気まぐれだとはいえね)

この本を読んだ時、一番「すげー」ってなったかなあ。
もう、見ているものがぼくの目と全然違う。
違うんだけど「才能の差だよなー」で諦めさせない。
見ているものは変えることができる、世界の切り口はいくらでも広げられる、「特別」は手に入る。
影響を受けた、というか「まだ前に進めるんだ!」と感じさせられた人物です。
 
天野可淡
人形作家です。
ぼくが「人ってなんだろう?」を漠然と考えていた時に、天野可淡の人形を見てどれだけ衝撃を受けたか。
可淡は「神経に棲まう者」と言って独自の完成の人形を作る作家。
まさに神経なのですよ。優しい気持ちの時も、哀しい気持ちの時も、戦っている気持ちの時も、神経には何かがいる。
それをカタチにできることに、猛烈に感動しました。
同時に、なんで人形に惹かれているか目覚めさせてくれた作家。
ぼくが人間に対して抱いている不安や、寂しくて触れたい気持ち、全てを人としてのカタチで表現できるからなんだなと。
いろいろな人形作家を見てきて、今は大好きな作家さんいっぱいいます。
けれども、僕の神経にはずっと、天野可淡の人形が棲んでいます。
 
藤子・F・不二雄
尊敬する漫画家は多いです。けれどやっぱり、ぼくの人生を変えたのはF先生だなー。
ドラえもん育ちです。10分番組だった頃から見てたよ。
子供向けのマンガを描く、ということはそれだけですごい。
と同時に、科学に興味を持つようになったのは、確実にF先生です。
T・Pぼん」が大好きで、あの理論を見ていくうちにどんどん惹かれていった記憶があります。
性の目覚めはほぼ間違いなく、F先生です。「エスパー魔美」は今でも、いくらでも妄想できます。
あとは「SF短編集」の衝撃。もうちょっと前なら、永井豪手塚治虫だったのかもしれません。そちらはもうちょい大人になってから読みました。
ミノタウロスの皿、カンビュセスの籤、ひとりぼっちの宇宙戦争、ウルトラスーパーデラックスマン……。
小学生時代って自分のお金でマンガそうそう買えないので、親か、学校図書で読んでました。
そこで出会っちゃったもんだから、脳汁がっばがば出ました。こんなこと考える人いるのか!ドラえもんの人か!怖い!でもすごい!怖い!
人間の「ありうる」を、SFで見せてくれたことで、思考の幅は大きく変わったものです。
 

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いろんなジャンルから(小説・音楽・ライティング・人形・マンガ)尊敬する人挙げてみました。
きりないねこれ。
 
でもやっぱり。
父親
・母親
自分を無償で育ててくれるだなんて、ぼくにはできない。
尊敬の念以外に何があろうか?
世界で一番身近な人間だぞ。
ありがとう。
 

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もしかしたら、「尊敬する人は?」って質問は。
「お前、親のことどう思ってる?」
という意味なのかもしらんね。