たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

逸脱してサブカルし続ける勇気をぼくにください

ドラマ化・実写化に抵抗のある人って多いとおもう。
でも最近レベル高いよね。「ありじゃん」っての多い。
きっと、制作側にも、作品好きでしゃーないオタク世代が指揮取ってるからじゃないかなー。
とまあ、それはいいのね。
 

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問題は「アニメ化」が最近、あんまり嬉しくなくなってきている。
アニメだいすきですよ。今までどれだけのアニメに救われて生き延びられてきたか!
ただ、マンガやゲームのアニメ化って、怖い。
出来のレベルは高かろうが低かろうが構わない……うそ、高い方がいい。
 

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「インディーズバンドがメジャーになったら寂しい」理論は、ぼくよく使います。
売れると寂しいのよね。売れて欲しいけども、メジャーになるとなんかちょっとこう、ね。
独占欲かもしれないし、マイナーなものを知っている優越感かもしれないし。
 
でもそれだけじゃないのを、大人になった僕らは知っている。
インディーズ時代に攻撃的だった歌詞やメロディは、メジャーでは出すことが出来ない。
必然的に丸くならざるを得ない。
好きだったバンドが「このバンド丸くなったね」って言われた時の悲しみ、わかるか!?
 

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アニメ化も同じです。
昔……そうだなー、90年台くらいまでは、アニメは決してメジャーカルチャーではありませんでした。
オタク向けアニメはやっぱり、サブカルチャー。あるいはカウンターカルチャー
萌えとか、思想とか、性欲とか、破壊とか。色んなモノが渦巻くオルタナティブな場所な部分ありました。特にOVA文化は。
 
エヴァで完全に変わりました。
エヴァなんてもうサブカルの権化みたいな「逸脱」ですよ。
ここに、ザ・サブカルという人たちが一斉に食いついた。とくにマガジンハウス系のクイックジャパン
もうすぐ「スキゾ・エヴァンゲリオン」「パラノ・エヴァンゲリオン」のKindle版でるよ。あれはエヴァファンのバイブルだった。

庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン
太田出版 (2014-11-20)
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庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン
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エヴァンゲリオンは、「逸脱」と言う意味では間違いなくサブカルでした。
だから、心から楽しみました。俺の居場所はここだ! ここにいていいんだ! おめでとう! ありがとう!
日夜草の根BBSでケンカしました。楽しかったなー。
デスリバ、EoE。美味しゅうございました。テンポ正しく握手をしましょう。LCLになったマヤちゃんの手と。
EoEは傑作だと思います。でもTV版最終話二話には、今思うと叶わないなー。あの二話の素晴らしさは今だからこそ納得できる。
 

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あかん、エヴァ話ここまで、こーこーまーでー。
問題は、そのエヴァがね、ローソンとかセブン-イレブンで笑顔でキャンペーンやってることですよ。
 
ありえなくない!?
コンビニに、昏睡状態で倒れたアスカのおっぱいみてオナニーした少年が、にこやかに立っている絵を載せていいのかい!?
Qであんなにズタボロ状態で年齢も経たアスカが、気づいたら目も治っていてジュースとかパンとか差し出していいのかい!!??
ってかテレビのCM、破じゃねえか! Qじゃないのかよ! EoEとは言わないけど事実から目そらしておいしいところだけ持って行きやがって!!!!!!!
あとエヴァコンとかなんだよ!!!!!!!!!!!
 
いいと思います。
そう、いいんだよ。健康的だよ。エヴァキャンペーン。ぼくもクリアファイルもらったよ。アスカの。
エヴァコン。大いに結構。友達作ろう、恋人作ろう。部屋の隅でスキゾ読んでるぼくより健康的ですよ。失楽園や、オールライトウィズザワールド読んでるぼくよりも。
でも『RE-TAKE』は読もうね。
 
エヴァはサブカルではなくなりました。メジャーです。
アニメはそれに引っ張られて、どんどんメジャーになりました。逸脱はしていません。していても隠されています。
とてもいいことだと思います。みんなが見て、楽しめて、共有できる。素晴らしいじゃないか。
 

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素晴らしいじゃないか……。素晴らしい……。
 
ぼくがサブカルに傾倒して、アニメというサブカルチャーに思いを寄せたのは、それが逸脱していたからでした。
売れるのか売れないのかわかんないようなことでも、作家性がビリビリでていて、「お前にだけわかればいいよ」「お前にはわかんないだろうけどそれでいいよ」みたいな作りしてる。しびれた。
 
今はインターネット環境があるので、ニコニコのようにみんなで共有できる。放映中はハッシュタグTwitter実況できる。
 
アニメ>語りたい相手に飢える じゃない。
語り合い相手がいる>アニメがツールになる。
 
ぼくはどっちもすごくいいと思うのね。
そして商売的に成功するのは後者。
 

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で、アニメ化の話。
アニメ化する=無料で全国の人が見ることができる。
今までは狭い範囲で、お金を払うという敷居をこえて、好きな人がこっそり集まって楽しんでいた。
ところがアニメ化によって、一気に消費される。
怖い。
 

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杞憂です。
消費されてなくなるほど、原作は弱くない。
もっとタフ。アニメが終わった後に、原作も読んでみるかー、ってなるものだ。
 
わかってる、わかってるんだよ。
それでも、アニメ化されたときに「逸脱」は消えていき、メジャーカルチャーとして消費されていく。
この感覚が怖い。
 

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だから、来期の「艦これ」と「シンデレラガールズ」のアニメは怖い。
出来が最高でも怖い。
依存してたからなー。どっちもメジャーカルチャーじゃんっていわれた、そうなんだけどさ。
でもやっぱり、町中で見ると「ギョッ」とするだけの逸脱はしてたとおもう。
 

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一応、フォローみたいな形で書いておきます。
これはどうしても実写化、アニメ化してほしい!っていう作品、僕にもいっぱいあります。
特に実写化。最近実写化がいかに面白いかに気づいて、興味津々です。

ぼくの魂の一作品。今井哲也「ぼくらのよあけ」。
これは実写でお願いしたい。アニメ表現だと、人間関係のきつさ、いやらしさ、哀しさが表現しきれない。
 
鉄風(6) (アフタヌーンKC)
太田 モアレ
講談社 (2014-06-06)
鉄風」。魂の殺し合い総合格闘技
これ演じきれる女優さんいたら、もう全身つかって拍手します。
アニメでもいいけど、これは本物の人間が心折れることで、完成する作品だと思う。
 聲の形」。やりそう。できるのかな。
これは原作にまっ忠実にやってほしい。「泣けるなんとか」はやめてほしい。
よくなるとおもったら悪化してくのがこのマンガの魅力なんだから。
アニメより実写のほうが、逸脱度高い。でも感動作寄りになりそうだな……怖い。
 

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癒し系とか、ゆるふわ系はアニメがいいな。といかそもそも逸脱と真逆。最初からメジャーにいる。
もっともゆるふわ系は「メルヘン」なので、明日の活力になる薬物じゃないといけない。
合法ドラッグという意味では、逸脱の極地かもしれない。
 

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「逸脱にこだわりすぎだよ、面白いかどうかでしょう?」
そう、その通り。
ただ、儲かりもしないのに逸脱しようとする作家の、ミュージシャンの、漫画家の、クリエイターの心理がぼくをものすごく救ってくれる。
ぼくが、逸脱しきれていないからだ。
 

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だけど、好きなモノを共有したい。
アンビバレンツすぎて、自分が2つに乖離しています。
大変、疲れる。つらい。
 
でもね。
きっと「サブカル」と「メジャー」の間、グレーな部分はあると思うんだ。
特に、無意識な部分で。多分二次創作同人誌とかそのへんだと思います。
 

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アスカ「あんたバカァ? サブカルなんて、人のつけた言葉。あんたが何を好きか、それだけでしょう?」
 
そうだねアスカ。そのとおりだよ。
ただ、好きなモノが多くて、世界が楽しいから、ドロップアウトしたくなる思いって、あるんだよ。
 
アスカ「あっ、そう。じゃあそれを抱いて海に沈みなさい。断崖から落下しなさい」