たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「WORKING!!」のコマの使い方は凝ってますね!(山田葵の声で)

WORKING! ! (13)完 (ヤングガンガンコミックス)
WORKING!!」終わっちゃいましたねえ。
 
でも不思議と、そこまで寂しくないというか。心地よいというか。
ものすごく「円満解決」したからだろうと思います。
ここまで読者の「こういうのが見たい」を全部やりつくした作品は、なかなかないんじゃないか。
無論、読者の「こういうのが見たい」どおりが善、というわけではないけれども、この作品に関しては大成功していると思います。
今は、ファミレスの料理ひと通り食べて「満足しました、お会計ー」という気分。
 

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で、アニメもありますしまだまだ「WORKING!!」というか山田葵自体は楽しんでいこうと思っています。
 
高津カリノ作品って、とにかく言葉の使い方が鋭い。
特に「WORKING!!」は、そもそもキャラクターがそこまで動かない(ファミレスだし)、外に出ない(ファミレスだし)。
閉鎖的なコメディに特化するためにはどうすればいいか。
小さいコマの中でどう動かすかは、読みやすさ重視にするために必要最低限にしています。
右から左に読ませるというのは基準として、カメラワークもそこまで動かさない。
 
最も計算しているのは、多分キャラの手前と奥の関係じゃないかなと思います。

こういうのですね。まあ1コマ目は相馬さんが前に出てきているので当然手前になる。
2コマ目も相馬さんが戻ってきているので手前。なんですが。
キャラが多いため、誰視点なのかをとにかくはっきりさせている。
もちろん読めばわかるんですけどね。わかりやすさは大事。

これなんかは、かたなし君視点であることをはっきり押し出すための構図。
左側に視点の持ち主の背中、右側に奥にいるキャラクターのアクション、が多い。
 
ツッコミ(視点の持ち主) ← ボケ
 
という感じ。
「当たり前の構図だろー」と言われそうです。
けど結構これを統一するのって、読みやすくする上では重要だったり。
アクションの多い4コマ(「らいか・デイズ」など)や、一コマにはいる人数の多い4コマ(きらら系など)では、さらに構図が複雑になります。
本当に4コマ作家さんはすごいよ……1ページい8コマもあるんだぜ。
 
WORKING!!」の徹底した「読みやすさ」は結構すごい。
1本の4コマで登場するのは、9割がた二人
複数人出ていても、オチはほとんど二人。残り1割は「全員」。
とことんまで読みやすい。
 

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視点はともかく、力関係がわかりやすいコマも多いです。

こことかそうですね。
明らかに店長の方が奥なので、本来であれば小さくなるはずなのに、やたら店長の方がでかい。
威圧感のあるキャラは大きめになります。
一方で伊波さんや八千代さんのような奥まったキャラは、配置以上に小さくなる。
ぽぷらはもとから小さい。
 
あとは特別枠として山田。

彼女は無駄にでかかったり、無駄に小さかったりします。
こういうデフォルメもめちゃくちゃ多い。
多分作者の中では「マスコット枠」なんだと思います。
そしてぽぷらはもとから小さい。
 
てか、ぽぷらは「小さい小さい」とネタにされてますが、漫画内ではそんなでもない。
2キャラ会話がメインで、特にぽぷらの顔のアップが多いため、案外「小さい」イメージはないです。
並ぶとめちゃくちゃ小さいのが引き立ちます。それ以外は、存在感が、特に後半に行くに従って大きくなっているせいかも。
中盤は無視されたりしたせいもあって、小さかったなあ……。
 

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あとは、「WORKING!!」のみならず高津カリノ特有の、コマ斜め切り。

これ。他の作品でもやっています。間が開いたり、場所移動すると、だいたい入ります。
一回の連載分(6ページ)がひとかたまり、と考えて物語が一話構成されている。
6ページで物語一本。そりゃ情報量密度、尋常じゃなく多いですよ。みっちり。
なのでこの手法が使われるんでしょうね。
読んでいて、あんまり違和感感じたこと、ぼくはないです。
 

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アニメでは山田とぽぷらと伊波さんが大変よく動く作品でした。
でもマンガは、読み返すほどに動いてない、動けない。
よくここまで楽しませたなーと感心するばかりです。
 
コマの使い方以外の理由としては、言葉の使い方が巧みだからだと思います。
が、それはまた後日。山田の!話も!したいし!山田好き!!
時代がついに「WORKING!!」の山田葵に追いついたのだ - たまごまごごはん


そしてぽぷらは小さい。
 

「WORKING'!!」が2011年かー。すごい時間たったんだなー。