たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

『だんちがい』を読むと、勝手にセンチメンタルになってしまうのです。

だんちがい (1) (4コマKINGSぱれっとコミックス)
だんちがい (2) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)
だんちがい』という4コマ漫画がめちゃくちゃおもしろい、というかザ・理想って感じで、幸せで仕方ない。
「団地」マニアなぼくは、団地狙いで買ったんですが、そんなに団地してないです。
でもそこはいい誤算でした。姉妹と暮らす幸せな少年の物語(ハーレムにあらず)として、もう幸福の塊。
両親はいないけど、まあそこはマンガ補正であんまり気にならない。
 

間取りはこんな感じ。長女・長男・次女・三+四女(双子)。
一応長男の晴輝視点で進んでいきます。でも回によって目線は変わっていって、最終的に「うちの家族いいよね」となるほっこりストーリー。
あ、晴輝は重度のゲーマーでマイペースですが、割りと気の利く好青年です。そこもポイント高い。
 
長女の夢月は、超絶優等生。家族の大黒柱です。
ただ、晴輝の前ではなぜかだらしなくて、他の妹達の前ではキリっとしている。

このギャップな!
つまりだ。
いつもは気を張っていて「姉然」としている。だが晴輝の前では本来の姿を見せている、というだな。
この姉かわいい!

こんなだらしない姿も。
男の子って「だらしない女性好き」って絶対あるよ……あるだろ?ぼくはあるよ。
それは「だらしないのが好き」なんじゃなくて「気を許しているのが好き」なんだよね。
まさに理想の「できる姉」「だらしない姉」。
 
次女・弥生。この作品の核爆弾。

スポーツ万能のこれまたできる妹(勉強は壊滅的)。ゲーマーな兄にいつもイライラしている中学生。
もーね、彼女がお兄ちゃん大好きなわけですよ。
恋愛感情ともいえないような、なんというか、モヤモヤした、「好き」がふわふわっとね、もーね。
手が触れたら赤面したり、それでいて寂しいとしがみついたり、やたら意識しちゃう。

もう付き合いたてのカップルにしか見えない。
あれです、「男性を知らないから、身近な男性がかっこよく見えちゃう思春期」の権化。
彼女にときめかない男子なんていません!!!!!
 
そして双子。
羽月は元気ないたずらっこアウトドア派。
咲月はマンガ・アニメ好きなインドア系。
ものっすごい仲良しの小学生です。

彼女たちもおねえちゃんおにいちゃん大好きです。でもそれ以上に、このマンガのなかでは「羽月が好き」「咲月が好き」が強調されている。
ああもう、かわいいかわいい。双子愛しい。

咲月は趣味が晴輝とあうので、一緒にアニメみたり話したりするのが楽しい様子。けれどそれよりも羽月との時間を優先します。
このへんの小学生心理の描き方、特に咲月の心理描写は秀逸。
抱きしめたくなります。性的な意味じゃなくて。いや本当に。ロリコンのぼくが性的な意味を感じないくらい愛しいんだから本物。
 
こんな幸せな世界、永遠に味わい続けたいよ。
マンガでは二巻まで出ています。でもまだずっと春。しばらく時間は進まなさそう。
(進むと、弥生が受験生になるんだけど、今のところ何もしてない)
 

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マンガとしては、ものすごい理想の「姉」像、「妹」像、「子どもたち」像を描いていると思います。
 
あまりにも理想的すぎて。
ぼくはこの世界に「時間」が介入するのが、怖い。
 

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今この瞬間、自分と夢月が高校生で、弥生が中学生で、双子が小学生というこの一瞬。
この一番おいしいところを切り取った作品だから、読んでいて幸せなこと至上。泣きたくなるほど幸せ。
 
ただ、一瞬だからこそ、過ぎ去った後の虚無感は半端じゃなさそうで。
 
姉はあれだけ優秀なら、大学に行って離れていくかもしれません。
晴輝も進路選択をして別の道を歩むでしょう。
兄への恋慕を寄せていた弥生も、思春期のはしかから抜けた時に他の彼氏と付き合うだろう。
双子の妹も、それぞれ別の時間を持つようになるだろう。
 
家族の絆は永遠に変わらない。わかってる。
わかっているけど、外側から見た世界が変わっていくのは、本当に、辛い。
 

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尊い」って言葉を最近よく聞きます。
ぼくはちょーっと苦手なんですよね、「尊い」。
使うんなら、自然界とか神とか、もっとすごいものに使おうよ、マンガアニメに使うのはもったいないよ、って思う偏屈者なので。
 
でも、「時間」に関しては「尊い」って思う。
このキャラ関係が「尊い」のではない。
このキャラたちがすごしていて、消えていく一瞬があまりにも「尊い」。
 

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考え過ぎかもね。
大学いっても夢月は家族大好きだから家から通いそうだし、弥生もおにいちゃん大好きなまま高校生になるかもしれない。
(それはそれで心配だぞ!)
でも、今この瞬間は、二度と訪れない。
 

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だから青春ものが好きです。
最近だと「この時間尊い」と感じたのは、「幸腹グラフィティ」の4巻。
幸腹グラフィティ (4) (まんがタイムKRコミックス)
きらら系は時間進むんだよね……。
中学生だったこの子たちも、高2ですよ。進路に立ち向かう時期ですよ。
もー切なくて切なくて。泣きそうになる。
だから「けいおん!」も「ひだまりスケッチ」も好きなんだけど。
 

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ああ、お願いです。
だんちがい』の時間を、もう少し、もう少しだけ、味あわせてください。
もう少しだけ幸せに浸りたいのです。
でも、彼女たちが真っ直ぐに成長もしてほしいのです。
ぼくは晴輝の家の天井裏から、今この瞬間が「尊すぎて」泣きそうになるのです。
 
だんちがい』が好きです。