たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

生まれ変わったら、静かに温度になりたい

天気悪すぎて辛いわー。

なにこの低気圧。邪魔! 邪魔ですから!
今日は北海道では、家が揺れるほど風が吹き荒れました。
気圧の変化でめまいに悩まされる体質なので、大変しんどい。
 

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まあ仕方ないけどね。高気圧ガールはどこかにいませんか。
冬にはいない? アッハイ。
 

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ぼくこの前線マーク好きなんですよね。
温暖前線って、丸いじゃん。ぽこぽこっと。
寒冷前線って、とがってるじゃん。ざくざくっと。
 
これ考えた人天才だね。
だって、「寒い」「温かい」を、万国共通のなんとなくわかる記号で表しちゃったんだよ。
学校で習った時は気にならなかったけど、「温かい=丸み」「寒さ=尖り」ってどうして考えついたんだろう?
確かに「刺すような寒さ」とはいうけど、可視化したのは、相当すごいよ。
誰も違和感感じてないですからね。
 

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中学生の頃から「温度」にとても興味がありました。
といっても分子の振動がどうこうとか、そういうのには全く興味はありませんっていうか物理苦手。
 
大好きだったバンドの「たま」
その面々にインタビューしているラジオ番組を聞いていたんですよ。
で、何を思ったのか「生まれ変わったら何になりたいですか?」という質問をパーソナリティがしていました。
90年代バブルで脳が湧いていたんだろう。突拍子もない。
 
色々あったのですが、ベーシストの滝本晃司が答えたのが「温度」だったのよ。
生まれ変わったら温度になりたい。
みんな頭に「?」(ラジオだからイメージだけど)。
 

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どういうことかというと。
温度というのは地球上の……いや宇宙、この世全てに存在する。温度のない場所なんて絶対にない。
温度になれば、どこにでもいける、というのね。
 
中学生のぼくはもう、ド衝撃でした。
てか今思い出してもこの発想はすさまじいよ。ちょっとシャレこかして出てくるもんじゃないよ。
理屈的にも、イメージで理解できてしまう。「どこへでもいける」という夢もある。
 
この発言が心にぐっさりと残って、「温度」という言葉についてしばしば考えるようになりました。
 

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「温度になる」なんて、もちろんできません。
概念かというと、うーん……実在はするんだよね。
 
正義とか愛とか夢とかは、形としてはかることができないので概念。
「温度」は、温度計でもはかれるし触ってもわかる。まあなんやらかんやらの機械ではかれると思うから存在している。
 
生き物でも物体でもないのに、なんか、なれる気がするんだよ。
 

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温度を擬人化したものが「雪女」とか「冬将軍」だと思います。
でもあれは「雪」という物体を伴っているので、やっぱりワンクッションおかないといけない。
冬の寒さを、冬の物体を使わずに表現するのって相当難しいと思う。
多分色くらいでしょうか。
ただ色も捉え方でかわるから、一定ではない。白にしたところで、夏の日差しを思い浮かべる人もいる。
 

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だからこそ、温暖前線寒冷前線の形はすごいんだよ。
何も物体を使っていないのに、暖かさと寒さの表現としての説得力がある。
 

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「温度」として生まれ変わった人がいてもいいんじゃないかなあ。
「神さま」という言葉よりもはるかに曖昧だけども。
 
たくさんの温度になった人が、気圧を変え、世界をめぐり、人の中を通りぬけ、海風に混じっていてもいいんじゃないかな。
寒冷前線温暖前線のあたりで、上昇したり下降して雲を作っていてもいいんじゃないかな。
 
まったくのリスペクトで、ぼくも「生まれ変わったらなにになる?」と聞かれたら「温度」と答えることにしています。
「少女」か「温度」。一瞬か、永遠かどっちか。
そんなこと聞く人、大人になったら全くいないけど。
でもそんなこと聞いてくるようなロマンチストなら、このワクワクは伝わるとは信じてる。
 
 
 
 
おわり