たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

早坂美玲が、ただひたすらに愛しくて

早坂美玲が好きです。
早坂美玲が、どうしようもなく好きです。
好きになってしまったんです!
ありがとう、ありがとうアイプロ!
 

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「なぜこのキャラが人気なんだろう?」
言葉で説明が出来ないキャラ、あるいは本当に理解ができていないキャラっているんですよ。
その代表が、早坂美玲という女の子でした。

魅力がわからなかった頃はずっと「タオカカ」って呼んでましたごめんね。
 
爪があるのにツメが甘いアイドル、なんて言われていることもあった早坂美玲。
好きな人に魅力を聞くと「かわいいじゃん!」。
そう、「かわいい」のだ。
全身ピンクの衣装。缶バッジのグルーミーみたいなフード、そこからのびるツメ、黒長袖Tに赤ジャケット、パンキッシュなベルトにシマシマニーハイソックス。
そして眼帯と首輪。
キュート・ポップ・パンクを地で行くようなこの衣装、死ぬほどかわいい。
 
新しい時代だと思った。
シンデレラガールズが始まった時って、渋谷凛という「今どきの女子高生」がいること、城ヶ崎姉妹という「ギャル」がいることにスゴイ驚いた。杏よりも驚いた。
ああ、これはギャルゲーの新時代だと。今までギャルゲーで出したらいけないキャラを多人数にまぎれこませて、しかもアニメ・ゲームファン向けにうまくアレンジしている。
やられたなと。衝撃でした。
 
で、早坂美玲はそのもうワンランク上に見えたんですよ。
ビジュアル面での、かわいさ、わからなさを基調とした奇抜なキャラクター。
ただもう見た目がひたすらにかわいい。「かわいい」という言葉以外彼女を表現できない。
これはすげえなと。
Pを「オマエ」呼ばわりで、ちょっと粗暴で「ひっかくぞ!」とはいうものの、ひっかくもなにもねえ。他のアイドルは働かなかったりボンバーだったり25歳児だったりドーナッツだったりする修羅道ですよ。何の武器にもならない。
 
「かわいい」が何よりも強いキャラクター。
まるでpixivの上手い人の絵から生まれたようなキャラクター、だけどいてもおかしくない、というのがぼくの最初の印象でした。
 

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しかし、人気の程がいまいちわからなかったのです。
かわいい。
でもみんなかわいいだろうよ。早坂美玲ほどビジュアルすごくなくても。

このへんがぼくの混乱の元でした。
「パンキッシュかわいい」。いやそうだよ。
でもそれだけにしか見えない。
んー……??? いや「かわいい」よ。だがそれだけで十分か?
 
早坂美玲はずっと人気キャラ。
イラストも多くあがるし、人気投票でもランクインしている。
なぜだ。
 
ぼくがシンデレラガールズにもとめているのは「人間性」でした。
渋谷凛がどんなに見た目が今どきで衝撃を受けても、彼女が真摯で、でも幼いから好きだったわけで。
早坂美玲は、なんだ? なにものなんだ?
「ガオー」とか「ガルルー」とか言われてもわかんないよ。
 

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しかし、最近になってあらゆるものがカチっとはまりました。
少女は、安定しないから少女なんだ。
 
早坂美玲を読み解くときに必要なキーワードを幾つか並べてみます。

・一匹狼
彼女は事あるごとにこの言葉を出します。特に初期は、孤独であろうと格好をつけます。
Pはそんな彼女に対して、アプローチをかけ続けるわけです。すると、「あぁもう!オマエといるとウチのペースが乱される!」と怒鳴ります。
ツンデレ? いや、ちょっと違うんだよ。これは孤高であろうとする自分と、アイドルとしてデビューし、プロデューサーといることに対する戸惑いなんだよ。
 
・センス
彼女、自分の着ている服装へのこだわりが尋常じゃないです。

まあここまでキュートパンクな衣装を着続けているとなると、そうだよね。
多分既成品じゃない。
今回のアイプロでも、ホームセンターの利便性のいい似たようなお皿ばっかり並んでいるのを見て文句を言っていました。なんで同じのばっかりなんだ、センスのいいのはないのか。
彼女のセンスはある意味、蘭子の「かっこいい!」に近い物があると思います。
生き方を守るための装甲ではない。だから割りと他の衣装も着ることが出来る。Pに「今度着る服、どんな感じがいいと思う?」なんて聞いちゃう。
ただ、その「かっこいい!」は譲れない一線。彼女のアイデンティティの一部です。
今は「センス」という言葉しか使いませんが、歳を経た時に、彼女は「センス」以外の言葉を使ってファッションブランド立ち上げるだけの信念があります。
 
・気配り
彼女は非常に周囲のことに気を配れる子です。
普段はガオーとか言ってます。でも他の誰かが困っている時、頑張っている時、力を貸します。
その最たるものが、インディヴィジュアルズだよね。

森久保乃々と星輝子。個性の面ではもう手に負えないような子たちを、早坂美玲がいることでまとめてしまっている。
早坂美玲だっていわゆる「イロモノ」枠なはずだったのだろう。でもこの子すごい良心的。とにかく優しい。とにかく気配りができる。そしてそれを苦だと思っていない。
今回のアイプロでも、プロデューサーがお弁当作ったのを聞いて「大変だな」とさらっと言ったり、アルパカの掃除という罰ゲームも「あいつら掃除できないもんな」と答えたり。
あとこずえちゃんへの思いやりが半端じゃないです。これはアイプロやりなせえ。
 
・子供らしさ
芯が通っていて優しくて……なんていうと大人っぽく見えますが、彼女すげー子供です。
とにかく見ることすべて純粋に楽しんでいる。
「おっ、あれは○○だな!すごいな!」
「たまには、こういうのもいいな!」
彼女、裏表というものが一切ない。
だからあの派手な衣装も「彼女」だし、優しい気配りも「彼女」だし、一匹狼気取りも「彼女」。
バラバラなんだけど、全部彼女で、そのバラバラな自分に今ちょっとだけ戸惑うこともある。

この絵は非常に、人間「早坂美玲」を表現していると思います。
どんなに激しいレッスンでも、自分のセンスは崩さない。
でもきちんとレッスンはするし、楽しそうだ。
 
少女は、甘いものだけでなんてできていない。
少女は、バラバラでグチャグチャで混沌としたものでできている。
早坂美玲は、孤独と誰かといたい気持ち、芯の強さと優しさ、楽しい物を楽しいと思える素直さ、それに対する批判……もうめちゃくちゃな二律背反を全部抱えている一人の少女でした。
この混沌を、そこまで苦ともしていない。
ありのままに生きる子。それが早坂美玲です。
 

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今回のアイプロは、早坂美玲について「ぼくは何を見ていたんだ」とショックの連続。
さっきも書いたけど、ツンデレじゃないのよ。反抗期なのよ。
だから本人も戸惑いがあるけど、まあ親しいやつ(プロデューサー)には許してやろうと。
 
で、セリフの一つ一つはホームセンターでもアルパカ牧場でも、先ほどのキーワード「センス」「一匹狼」「気遣い」がアンバランスに交じり合っていて面白い。
中でも、注目したいのはこれ。

このセリフ見た時ちょっと衝撃だった。テキスト考えた人すごいと思った。
一匹狼なのに、寂しがり屋でみんなといるのが楽しい、というアンヴィヴァレンツを表現している部分もあります。
でもね、後半おかしくない?
「遠足に来たみたい…あッ! そんな感じがしたんだ!」
これは、なんだ?
すごい情報量ですよ。
彼女が今までこのキュートパンクにたどり着くまで、学校でどんな生活を送ってきたのか(遠足って言ってるしね)。
インドア派の彼女にとって遠足はいやな行事のはず。これが楽しくなっているというのはなんなのか。
素直に「美味しいな!」といえる彼女。「遠足」も素直に出てきている言葉のはず。これは何を指しているのか。
「そんな感じ」の「そんな」は一体彼女にとって、どのような感情をさすのか。
 
早坂美玲という子が抱える多様すぎる思いが、たまにこうやってポロリともれます。
カードだと漏れないけど、今回のアイプロはすごい。
彼女は、自分でもわかってないくらい、あまりにも複雑で、同時にあまりにもシンプルなんだ。
 

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彼女のゴテゴテの衣装も、「かわいい」だけじゃない。
早坂美玲という、混沌とした少女の内面が全部表に出ている。
優しさ、一匹狼、思いやり、センスへのこだわり、芯の強さ、気遣い、孤独。
もしかしたら、二律背反でも、裏表でもなく、全部並列しているのかもしれない。
 
もう、あらゆる自分を素直に受け入れている早坂美玲のことが、愛しくて仕方なくなっちゃったのよ。
抱きしめて頭なでて、で「うるさいな!ひっかくぞ!」って言われたくなったのよ。
眼帯のこと? いいじゃない。理由はいらない、これが彼女なんだよ。
 
「かわいい」
シンプルな褒め言葉。
でも「かわいい」って何さ。「KAWAII」って何さ。
「かわいい」の語のもつ、複雑さを、少女であり、人間である、早坂美玲は体現しているとおもう。
「かわいい」は混沌なのだ。
 
だから、改めて言いたい。
早坂美玲は、かわいい。
 
 
 
 
おわり。