『賭ケグルイ』の金髪ツンツンツインテール、早乙女芽亜里は本当にいいキャラ。
原作連載初期から、もう芽亜里一択でしょうみたいなところあったけど、声付いて動くとやばいですね。
こういうのも書きました。
金髪でツインテールって時点で、もう勝ちじゃん。
(この子、友達作るためにかわいくしようと意図的にしてるからね!)
さらに貧乳属性備えてますからね。作中で言われてますからね。 爆乳の蛇喰夢子と色んな所正反対です。
正反対といえば、蛇喰夢子は「勝ち負けどうでもいいからギャンブルでリスク背負って楽しみましょう滾ってしまいますわ」タイプ、生志摩妄が「勝負に負けて痛い目にあいたい」というドM体質、生徒会長が「面白いことをしたいわね」な享楽タイプ。
みんなと逆さまな芽亜里が「何が何でも勝ちたい」という、一周回って普通。頭がいいのは間違いないけど、夢子や会長がすごすぎて、全然目立たない。
そんな彼女が『賭ケグルイ双』で主人公になり、至極真っ当で面白い、勝つためのギャンブルマンガになった。
これ本編が『アカギ』で、『双』が『天』のようななもん。あっほら、天貴史も、人情味があって意思が頑強で、最初の頃人を騙して勝ってたし。
アニメだと原作の生徒会編までしかやってないので、まだ芽亜里の活躍は芽生えたばっかりのところ。こっから先の選挙編になると、途端に芽亜里が主人公になる。まあ夢子は生徒会長とかどうでもいいだろうし、下手したら悪役だし。生態系狂わせるキャラだからどうしようもない。てか彼女を負かせるには、ブラックバスを池の水抜いて駆除するみたいに、学校解体してギャンブル禁止にするしかないんじゃないか。
なので、今の生徒会にの狂気に対しての、平常な思考の芽亜里が、うまく拮抗するというのはわかりやすい。
芽亜里の「普通」のいいところは、こっちの希望する方向に行ってくれること。
彼女は「自分が勝者になれればいい」みたいな言い方をするけれども、そこまで冷酷になれていなくて、「双」だと幼いころから慕ってきていたつづらや、賭場の持ち主・雪見なんかを仲間として信じて救っている。対戦相手だった子が他のキャラに貶められた時も、正義感が吹き出してたんかを切っている。
「本人は正義のためにやってないけど実際は正直者」というのが、ただの王子様キャラじゃない。ひねくれてるんだけど、勝って正しいことを貫いてくれるのは、ほんと見ていて精神衛生上よい。
んで一部の人間に強烈に信頼されやすい、その他大勢には受けはよくない、というのもよくできてるなーと。生徒会長、副会長、聚楽、壬生臣、仲間の二人、夢子、鈴井、結、等々。なぜか彼女めちゃくちゃに主要キャラにモテる。夢子より断然ハーレムしてる。
主人公体質だからというだけでなく、夢子がまともに動かないので、芽亜里がガンガン動かないといけないから、というのは大きい。
そこのバランスもちゃんと描かれていて。たとえば人生を賭けたギャンブルが行われた時、生徒会長のジャッジだと芽亜里は現在の資産も将来の価値もないのでお金にならない、とバッサリ。そうそう、ヒーローでも金持ちでもなく、かといって負け犬でもない、ものすごい平民の位置。
もうひとつ、芽亜里はデレない。
金髪ツインテールがツンデレだと思ったら大間違いだぞ、彼女はツンしかないぞ。
時折優しく見えるのも、彼女が自分に正直に動いているだけで、デレ要素はない。そこ。そこがいいんですよ。
「ツンデレ」って、いわば最終的に人に流されている。素直になれずに隠している、ってとこもある。芽亜里は一切、本編も双も人に流されない。自分の道を真っ正直に歩いているだけです。だから負けても起き上がる。てか結構負ける。天才じゃないから。
このデレないし、元々親切でもないところが、むちゃくちゃかっこいい。なんかよくわかんない勢いで正論を言っても、つい信じてしまう迫力がある。
アニメ始まってから、やっぱりネットでの芽亜里人気がすごかった。いや原作連載時からそっか。どのキャラもよくできてるけど、芽亜里の造形はほんと凝ってる。
読者が一番共感しやすくできてるのが芽亜里で、読者が一番仲間にしたい気持ちにさせられるのも芽亜里。頼りがいがあるのも、やっぱり芽亜里。たまにひどい目にあってほしい気持ちもわいてくる。
ぼくは一発で芽亜里にやられたクチです。本編一巻で「うっかり惚れたなあ」と思ったら、最新刊でますます惚れました。
なので、是非芽亜里目当てで読んで下さい、って言いたい部分すらある。夢子の魅力は強烈なんですが、強烈すぎて苦手な人もいると思うので、そういう人は、芽亜里!
表紙を見る限り、会長、夢子、芽亜里は対らしいんだけど、ちょっとまだわからない。
にしても、「双」の芽亜里がヒーローすぎるので、本編1巻につながるときどうひねくれるのか、つづらはどこに行ったのか、だいぶ気になります。パラレルではない、はず。