たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

アニメ制作の海外発注についてしらべてみた。

昨日に引き続き、アニメ制作状況についてしらべてみました。
現在は「海外発注があまりにも多い」と言われていますね。もちろん、国内で済ませているのが大部分です。それをおさえた上で、徐々に増えつつある海外発注の様子をちょっと追ってみます。
 
海外への委託はなぜこれほど増えたのか
あまりに暮らしていけない日本のアニメーター。そのためアニメーター人口は激減中です。そのため、動画や彩色なんかはアジア圏にどーんとまわすことになります。作業工程の80%が海外で行われているというのだから企画制作以外は外国なんてー話もあるそうで。それは、すでに海外アニメだナア。しっかしそんなのほんとにあるのかしら?
 

ありました。「MUSASHI-GUN道」の発注状況。まあ悪い例あげてアレなんですがw見てのとおり原画も動画も中国です、MUSASHI。中国産といっても過言じゃないんですネエ。
 
同じく極端ですが、「まもって!ロリポップ」制作スタッフ
うーん、韓国ですね。これは丸投げですね。もっとも、ロリポップは韓国の人にもすっかりあきれられてますが^^;こうなってくると、「日本の誇るアニメ文化」なんて言葉が使えないなあと思いました。むしろ、日本発というのをカットしてしまいたい。「日本のアニメもこのレベルなんだねえ」と海外で言われていたら、あまりにも切ない。
 
TVアニメは何時ごろから、おかしくなったか?(WEAPON X)
なんだかんだで、国内生産が追いつかず、海外発注をしていたのはかなり昔からみたいですね。でも、そんなにクレジットに海外の名前が出てはいなく、またアニメーターの実情も謎のままでした。最近はそれが一気に明るみに出てしまった感じがします。もちろんそれで「いやあ、海外との共同作業ですばらしいねー」となるのなら、まったくかまわないし、そういう作品もあるのですが、どうしても「ダメ」な部分が増えてきて目に付いてしまうのが事実。「あー、やっぱり海外発注か」と言われても仕方ないと思います。
 
しかし、すべてを「海外発注アニメだからだめだなー」というのは早計すぎそうです。丸投げの責任は日本にあるわけですし。では、実際のところ海外に発注されたアニメはどう流れてるんだろう?
 
驚異の中国動画 一晩10000枚の仕組み
いやはや、日本人のほうが生活が(物価的なことも考えて)貧しいというのは皮肉な話。
流れ作業的に行われ、アニメーターの多い中国では、実に1日1万枚は軽くこなすそうです。日本から夕方5時に届いた原画は、夜の9時から10時頃にはすべて動画になるっては驚き。チェックされた後、徹夜で色ぬり作業が行われ、次の朝には1万枚の動画が仕上がり、日本に送られます。
いやはやー、こんなシステムでやられたら、海外に頼るわけダ。日本の動画マンも減るわけだ。
なんか、このスピード感、以前紹介したフィギュア流れ作業を思い出しました。やっぱり中国すごいわ。
 
どうしても海外に制作依頼したアニメというと悪い印象な偏見がありました。しかし、最近は海外も少しずつレベルがあがっています。
ちょっと一部だけ見てみます。

今子供にも大人にも人気の「おねがいマイメロディくるくるシャッフル」。実は一部の動画は中国産。でも普通に見る分にはぜんぜん違和感ないですネ。ものすごくきちんと制作されています。

こちらは「ARIA」より。一部韓国の人かな?こちらもハイクオリティです。(と思ってたんですがコんな感じであやしくなってきました
このように、必ずしも国のせいで質がかわるということはないってことですネ。
それどころか「一部は海外の方が上かもよ?」なんて話も出てきています。
 
次世代「アニメ」大国 中国とインドの実力 急成長見込まれる「アニメ大国インド」
まだ目だって出てきているわけではないですが、中国やインド、フィリピン、台湾など、アニメーション技術に長けた人が多く出てきているのは事実のようです。
韓国も、「テコンV」とか「スペースガンダムV」はもう昔の話なのかなー・・・うーん、ちょっと微妙。
もっとも、中国なんかは規制が厳しくて、思うようにアニメーション作成できないようです。日本アニメの海賊版天国ですしネ。国に許可得てまで、っていかないらしいです。しかし、これで民主主義がドーン!と出たら、ものすごい勢いでアニメーションも作られそうです。国がアニメに力いれる宣言もささやかれているようですが、あながちウソじゃないかも。
 
大連レポート アニメ産業の振興戦略
中国では産業のひとつとして、アニメを見ているようです。もっとも今は制限が多すぎるし、アニメーターも育っていません。しかし、今静かに育成されている人たちが、どーんと現場に出たとき、かなりの技術クオリティを期待できるかもしれないです。
一方日本はというと、声優志望は増えているもののアニメーション制作希望者は激減中。そりゃそうです、食っていけないモノ。正直自分も、この状態でアニメの世界にはかかわりたいと思えない^^;
しかし、そのような「海外に任せて安心できるならいいや」という流れになってしまっていることで、さまざまな問題も生じています。
 
海外発注の弊害
学校の宣伝ではあるんですが、ちょっとギョっとしたので紹介。
海外発注することで経費が安くなったり、海外のレベルがあがったりと、いい所は非常に多いのも事実です。
しかし、逆に言えば「原画・動画はどんどん送られてしまう」わけで、日本に残る絵が減ってしまうのも事実。日本でも数え切れないくらいのアニメーターがいるわけですが、そうすることで絵そのものと接する機会が減っている現実もあるようです。となると、「日本のアニメーション技術」が次の世代に伝わらないです。
なんだか、文化の引継ぎが断続的になりはじめちゃってるのかもしれません。
 
うーん。日本大丈夫か??ってやっぱり思っちゃいますね。
コンテンツ産業の人的基盤は大丈夫か
大きな目で見ても不安感を抱く人は多いようです。やはりなにか作品を造る基礎が揺らぎ始めてる、という見方でしょうか。映画にしろゲームにしろアニメにしろ、大事なのは人間から人間へとつながっていく文化としての基礎や、維持していく体制。コンピュータや機械にしろ、技術が引き継がれていかないことは、文化のゆらぎになっていくのかもしれません。もう「極論だから」なんて言ってられないみたいですね。
 

逃げようのないアニメ制作状況と今後。


アニメがお仕事」というマンガのヒトコマ。非常に面白いので、別の機会に紹介したいマンガです。
いわゆるヤシガニアニメになる過程が、エグいくらいに描かれていますネ。これを題材にしちゃうんだからすごいなあ。石田敦子さん。
(参考・ヤシガニアニメの歴史 MUSASHI -GUN道-までの流れ
    ロストユニバース第4話「ヤシガニ屠る」
MUSASHIヤシガニは作り手側の意欲が足りない」とつい言いたくなりますが、それどころじゃない、ってかどうしようもなさそうじゃないですか、この状況。どんなだろうと思ってネットをしらべていたら、こんなの出てきました。
ロストユニバースの製作者たちの絶望。
読むだけで、もうやりきれなくてしかたない気分になります。 

表でも書いたけど 投稿者:●●●●●
投稿日:4月22日 22時31分

 4話は、できれば見ないで下さい。無責任な言い方ですがあれは、
 わたしのキャラクターデザインしたものではありません。
 5話も知らないところでもう手のほどこしようがない状態になっています。
 もう最低の状態です。
 今、重大な決心をするかどうかといってもその旨は、もう上部の方々には
 伝えてあるのですが・・・・・
 それが決定するかどうか 今もめている最中です。
 実は、私達もまだ悩んでいます。このままやり続けるかどうなのか。
 でも4話を見た瞬間 心が死んでしまいました。がんばろうっていう
 気が萎えてしまったのも事実です。

何故破綻したのか?
結局「ロストユニバース」第4話は自主的な作り直しになったのですが、自分がこの状況に置かれた監督だったら、ほんと泣くことすら、絶望することすらできないんだろうなと思いぞっとします。もう出てしまった傷を消すことができません。
1週間に60本以上、制作の遅れ、資金難、知らないところで発生しているいい加減な作業、現場からの催促、食べ物も休日もままならないアニメーター。もう、どうしようもない。・・・あれ?今の状況と同じような??
もし今の低クオリティアニメを作っているスタッフが同じ気持ちを抱えていたら、と考えると、背筋が寒くなる。
 

アニメ業界の本当に細かい部分については、あまりよくわかりません。実際にいたわけではないですしネ。
ただ、どんな事情があろうと、子供達はこんな気持ちで見ていると思うのですよ。アニメや映画って。どんな人にも、幼いころのこういう経験あるんじゃないでしょうか。
今でも自分は「涼宮ハルヒの憂鬱」や、「ノエイン」、「ブラックラグーン」なんかを見ると、理屈じゃなく、その動きだけでも感動します。世の多くの子供達も「プリキュア」や「NARUTO」のような良作を見て胸を躍らせています。
おもしろいはず、なんだよネ。好きだもの。アニメ。アニメなんだから動いてほしいもん。
だからこそ、ムリな量産体制にして、ギリギリなものを増やしてほしくないです。せめて、アニメを本当に楽しみにしている子供たちにだけでも、感動するものを与えてほしい。
噂だとは思いますが、品質を下げることで話題性をねらっているのでは?という声もあがっています。
意図的な策略として品質劣化アニメを作っているのだとしたら、アニメを待ち望んでいる子供達の目の届かないところでやるべきです。これ本当だったら、恐ろしいなあ。
なーんてまあ、こんな風にかんぐりたくなるのは、「日本のアニメはまだ大丈夫!余裕こいてるんだ」と信じたいからでもあります。
(追記・結局のところ、予算どころか何もかも追いつかないでとりかえしのつかないことになっているそうです、ロリポップ。(コメント欄より))
 
アニメは映画やドラマ以上に産みの苦しみがあるのが現状です。しかし、その中でも、数多くの良作も生まれ続けていると思います。そのような、愛と情熱で支えられてる作品たちを応援していきたいなーと思いました。まあ、MUSASHIは別格として(これだけは出来がよくなると困るw)。
とは言っても、それを実現するためには、ぶっちゃけお金かかるんですけどネ。
自分も好きな作品のDVDは買うのですが、そのわずかながらのお金が、実際に作っている制作会社に少しでも届く日がくるんだろうか?テレビ局ががっつきすぎず、制作のためのお金が支払われる日がくるんだろうか??ファンや子供を大事にし、時間に余裕をもってじっくりアニメ化できる時代がくるんだろうか???来てください。ほんとに。
無難なまとめになっちゃいましたが、心からそう思うのでした。
 
最後に感動した一言を引用。
「今日から使える『ぱにぽにだっしゅ!』」公式ガイドブックより。

理想は潤沢な予算と余裕のあるスケジュールという状況でやることですが、仮にそうでないとしても、それが本当にあるように思わせるのがメインスタッフの仕事ですよね。絶対的な安心感。作画なんてよくて当たりまえ。この作品は作画がいいというブランドを造るのが自分たちの役割なんです。『ぱにぽにだっしゅ!』はお話のレベルで無茶苦茶なことをするわけですから、作画面で先ず安心感を持たせないと。これでボロボロの作画でわけのわからない内容だと、バカにされる。笑わせることは好きだけど、笑われることは大嫌いなんですよね。「笑われるな、笑わせろ」とほかのスタッフにいつも言ってるんです。どの作品でもそこは絶対に曲げたくない(以下略)。

 
追記・アニメーターの世界でがんばっている人は沢山いる、この業界は好きだ、と言うアニメーターの方の声をいくつかお聞きしました。そういうのを聞くと本当にうれしいです。22日に紹介したこんな記事とかのようなのも、見て、本当にすごいがんばっているんだ、と思いました。アニメ、好きだから、がんばってほしいです。心から応援してます。7月23日記
 
おまけ
映演労連フリーユニオン
もともと組合のないアニメーター業界。そんなアニメーターのための労働組合です
アニメ産業振興でまちの魅力向上と活性化を目指す
町や国が支援してくれないかなー。ってのは甘いのかなあ。
展覧会などで作品の批判を許さない風潮が日本にはある
日本のアニメはすばらしいんだ、って外国に面と向かって言われると、やっぱりなんだかうれしいですよね。他の国でも愛されてる「ANIME」。海外の意見も取り入れて柔軟に、そして大きく育ってほしいデス。
アニメバブル期「アキハバラ電脳組」海外発注の大爆発
これも、ヤシガニってますね^^;海外発注が急増したときの弊害のようで、放送後リテイクされました。
OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)の興亡
そういえば最近は、一時期ほど出なくなりましたねOVA。関係ないけど、いまは「ビデオ」ではないよなあ。
「味楽る!みみかOP」
http://youtubech.com/test/read.cgi%3Fdl%3DtmELQUsLu2o%26ext%3D.flv
Flashかしら?こういうのは演出になっていて、いいかも。

よもやま日記

誰が作ったのかわからんけど、懐かしいなあアリーナ姫。これはジョルジュ長岡?

いーやーーーほーー!(こちらオフィシャル)出るよ出るよ、続きが出るよ!双子も出ていっぱい殺すよ!ヒョー!とはいえ、どこまで表現できるのかな?

そういえばアニメ系の言葉って外国ではそのまま辞書登録されてるらしいですね。いいことなのかどうかよくわからんけど、独自だってことだからいいか。そういえば「百合姫」よんでたら、「YURI」で通じるらしいですよ、海外でも。そのうち「MEIDOKISSA」とかも登録されちゃったりして。日本語変態的エロワードが海外でも通じるのは、ちょっと微妙だなあと思いました。

ようは頭にこれはめてお祈りすれば、アンテナ多いから電波も届くっすよ、ってことのようですが、どっちかってーと「ヘルレイザー」とか思い出しました。あ、なるほど、ヘルレイザーは神様にお祈りして電波飛ばしてるのか。彼はしがないアンテナ売りとして一生を終えた。こーのいくじなしがー!

http://youtubech.com/test/read.cgi%3Fdl%3Dcaf2hUQevU8%26ext%3D.flv
極限まで動きにこだわった戦闘シーン。背景もぐりぐり動く動く。アングルのすさまじい動きに興奮鼻血ブー。