たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「メガネxパルフェ!」に見る、メガネ男子の性格とメガネの形状の関係

5、6、7月と、きづきあきら+サトウナンキフェアが行われているようです。「メイド諸君!」2巻、「メガネxパルフェ!」、「いちごの学校」1巻の連続リリース。
はて、きづきあきら先生と言えば非常に毒の強い人間関係を生々しく描くことでも定評があるんじゃないかなと思います。「ヨイコノミライ」でトラウマほじくりかえされたオタクは数知れず。でも面白いし気持ちいい、だけど痛い、自分もそんな中毒患者の一人でした。だから、きづきあきら作品には知らず知らずのうちに「生々しい痛さ」や「キナ臭さ」を求めているようになりました。実際、メイド諸君やいちごの学校はなかなかドロりとした展開になってます。
今月出た「メガネxパルフェ!」はそういう点でいうと少しライト。とはいえ一筋縄ではいかない部分多目の変化球な恋愛マンガになっています。
白衣を着るために実験する「白衣メガネ部」に、思い人を求めて入部を希望したみさお。そんなみさおに対して究太郎が出したのは「恋愛実験」だった…というのが大きな筋。
色々このへん面白いので書きたいですが、なんせ「実験」です。結果はもちろんのこと、過程も楽しんでナンボなので、ここでは書きません。実験の目的・内容・仮説・過程・結果、すべてふくめて楽しめる描き方がされています。
んじゃ何をここで言いたいかというと。
「メガネ」ですよ、「メガネ男子」ですよ。
3通りのメガネ男子による、メガネパラダイスが繰り広げられているこの作品、ちょっと性格とメガネの形状について思ったことを書いてみます。
 

●メガネ・ファイルその1。学者四角メガネ●


いわゆるメガネで白衣を地でいくキャラ、究太郎。
彼はかなーりアレな感じで価値観のズレたキャラクターです。マッドサイエンティスト風、とでも申しましょうか。
まずなんといっても、「白衣」と「メガネ」という記号の組み合わせで、性格がにじみ出ます。しかもそれが「その格好をしたいから実験する」ときたら、いかに変人なのかは一目瞭然。
ここまできたら、後は「実は有能」「ちょっと鬼畜」なんて言葉も彼にビシリと当てはめるのみ。メガネオブメガネ、メガネのために生まれたようなキャラです。
 
はて、彼のかけているメガネは、やぼったくて四角いメガネ。しっかりした形をしており、存在主張の激しいメガネです。いかにも「メガネかけてますから」という雰囲気が出ています。

ときどきその奥からのぞかせる、本気なのか冗談なのかわからない瞳が怖い。
実際彼は何を考えているのか、誰にもわからないようなキャラなんですが、それがメガネで見事に表現されています。ヒロインのみさおと一緒に、究太郎のメガネにクラクラと酔うのも、このマンガの楽しみ方。
 

●メガネ・ファイルその2。まじめ細身メガネ●


科学部の部長、吉野谷先輩。
非常にマジメで、超理系のクールな青年です。見てのとおりのイケメンさん。この人についていけばおかしな間違いはないだろうと感じさせる好青年です。
ちょっと気が強くて、負けず嫌いなところもチャーミング。
にしても、究太郎とは仲がいいのか悪いのかよくわからない微妙なバランスの関係なのがまた面白い。というかこの二人の関係怪しくて仕方ないと感じるのは自分だけでしょうか、すいません腐脳です。
 
彼のメガネは細身の楕円形。クールで知的な感じがにじみ出ています。やぼったさはなく、非常にオシャレで、センスがよさそう。かつ、実用的な感じもまたGOOD。スタイリッシュなメガネさんなのです。
それだけきっちりした青年だからこそ、究太郎に振り回される様がかわいらしいんだな。まじめ君がオタオタする姿って、なんだか愛しいです。
 

●メガネ・ファイルその3。純情丸めがね●


究太郎の弟、欧次郎。みさおのクラスの委員長です。
子供っぽく、感情むき出しで怒ったり笑ったりする表情豊かな彼。しかし兄さんが鬼畜なので、振り回されっぱなしです。
それでも兄を慕っている様子も、また反発心でムキになるあたりもかわいいのなんの。もっともその性格を利用されて、トラブルに巻き込まれてしまうわけですが。髪の毛がボサボサなあたりは兄弟らしいのですが、性格的にはあまり似ていません。もしかしたら正反対かもしれません。
そんなわけで反応が大きいゆえに、色々なキャラに茶化されやすい欧次郎。照れるのも怒るのも全力なので、赤面シーンの多いこと多いこと。その純情っぷりにときめかないわけにはいきません。
 
彼のメガネは大きな丸メガネ。「O次郎」の名にかけているのかもしれませんが、素朴な丸いメガネは彼の子供らしさを強調してくれます。あんまりにもあんまりな兄弟関係なので、もしかしたら兄がコーディネートしたのではないかと思わせてくれます。そのへんの関係を妄想するだけでも楽しい。
彼の視線は兄と違ってまっすぐで一点のにごりもありません。そんなピュアな瞳を描くには、大きくて丸いメガネが必要だったのかもしれません。
 

●メガネ・ファイルその4。女の子だって負けてない●

はて、あまり大きく目立つわけではないですが、女の子たちのメガネもまた個性的です。

白衣メガネ部の先輩、謎のメガネ美女、ホリさん。なぜあんな変態的な究太郎と一緒に珍妙な部活をやっているのかもよくわからないです。ほんとに謎だらけ。気まぐれに付き合ってはいるものの、そんなに慕っている風でもないんです。
しかし同時に、彼女の存在は上級生3人の関係の中核にもある様子。描かれていない部分を想像するのが面白いキャラです。
彼女のメガネはインテリな楕円形。実際キレものな感じが漂っています。

友人のリコちゃん。とんちんかんで天然ボケなみさおのお守り役的なキャラクターです。彼女の暴走も、リコちゃんがいるから被害が広がらない、という感じのストッパー。彼女にとってみれば、みさおは「バカな子ほどかわいい」だそうで。
そんな彼女のメガネは、みさおも納得の知的つりあがりメガネ。「ダテメは邪道」というみさおにしてみれば、実際に賢くて眼が悪いのをコンタクトで補わない彼女のメガネは理想のようです。
 

●メガネという記号の宴●

ストーリー的には、それほどメガネが重要な位置をしめるわけではないです。いや、大きな部分ではあるんですが、さらに人間関係が複雑なので。
しかし、間違いなくキャラクターたちの魅力をひきたてているのは確かです。形状が異なることでキャラの性格を表現しているのは本当に見事。メガネの持つ記号的ないい部分を抽出しています。
ヒロインとその友人の一人以外、全員メガネという異常なまでのメガネ愛のこもったこのマンガ、きづき先生+サトウ先生の確信犯的な作為を感じます。でもそのメガネの海にあえておぼれて、彼女らの恋愛の渦に身を任せるのがこの作品の楽しさの一つだと思うのです。メガネ男子いいよね。ちなみに自分は吉野谷先輩のメガネが好きです。
 
余談。
にしてもサービスシーンがヒロインじゃなくて、

メガネ男たちの温泉シーンとは!
しかも3人ともメガネ取らずに温泉に入っているのが通です。だよねえ。メガネキャラはお風呂入るときはメガネかけてないとねえ。(しかし女性の温泉シーンは無し)
「ぴゅ」「バカやめろ」で余計なことを考えた自分は本当にダメだと思いました。
 

メガネ×パルフェ! (ガンガンコミックス)

メガネ×パルフェ! (ガンガンコミックス)

そういえばヒロインの紹介をまったくしていないですネこれ。
ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS) メイド諸君! 2巻 (ガムコミックスプラス) いちごの学校 (ヤングキングコミックス)
メガネxパルフェ!も怪しい人間関係が魅力ですが、ほかのきづき先生作品のキナ臭さは折り紙付き。7月発売の「いちごの学校」はかなり濃そうです。
 
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あにやってんだろうかしら (きづきあきら 缶詰の地獄)

『メガネ×パルフェ!』明日出ます。わあもうどうなのこれ。買う人いるの!?

毒少なめ、メガネ多め - メガネ×パルフェ!(真・業魔殿書庫)