「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」エヴァを知っている人もそうでない人も。
EVANGELION.CO.JP
見てきました、劇場版。激混みでした。一番でかい上映館ですら満杯の有様。
みんなエヴァ好きだな!そんなみんなが大好きすぎる。
とはいえまあ、成長した自分はエヴァグッズとかにはもう目もくれないぜ大人だな!
とか思いつつ、限定版の映画館の綾波ドリンクキャップを歯を食いしばりながら買わずに帰りました。
友人と別れた帰りに中古本屋によりました。
買ったもの。
アスカ・綾波・アスカ・マヤさん・アスカ。
影響受けすぎです。
映画を見に行く前日に、アスカが出ていないことに耐え切れず、「碇シンジ育成計画」を全巻買ってきたのは秘密事項です。
メタモルのアスカフィギュア買おうかな…。
●リメイク?総集編?新作?●
ここから先、ネタバレを避けつつ、感想を書いていこうと思います。
まず、「テレビの総集編なの?」と疑問に思われている方が多いと思うので、その点。
ストーリーの根っこは、基本的にそんなに変わっていません。が、映像はほぼ新作です。絵の書き直しとかそういうレベルではなく、今のアニメとして0から作り直した、という印象。
なので、あの名セリフの数々はしっかり聞くことが出来ます。ぱっと脳裏に浮かび上がる名シーンの数々もグレードアップしています。
しかし、かなり後半、エヴァをがっちり見た人なら気づくような大幅な変化が随所に見られます。また、前半基本的にストーリーが同じように見えて、細かなアレンジと新解釈が入っており、背景の描き方であまりにも印象が違う感覚が。
「新作」かと言われるとリメイク、「総集編」かと言われると新作、という感じです。
とりあえず不安な人は「映画館で総集編を見るぜ」という感じで見に行くと、あらゆるいい意味で裏切られるので、「とりあえず見に行く」というスタンスで楽しむとよいと思います。
かなりきれいなまとめ方になっているので、全くエヴァを知らない人ならば、それはそれで楽しめるのではないかと。
テレビ版第五話より。このへんのシーンの変化っぷりの執拗なこだわりがすごいオモシロイ。
とにかく詰め込んだ、「アニメでやってやるぜ」という映像の極みのようなこだわりと、劇場が揺れるほどの爆音のアクションシーン。
色々迷っている人は、それを見るだけでも価値があるので、文句なしにオススメしておきます。自分の視点はエヴァ厨なので+20点くらいしちゃってるのですが、それを差し引いても「アニメって楽しい」という部分はしっかり押さえられていますヨ。
●使徒たちの存在の大きな修正?●
さまざまなところですでに言われているように、カヲルくん登場します。
また、彼の登場シーンやセリフが意味深すぎて、10ウン年前に熱弁かわしたヱヴァ論議をしたくなるほどの謎っぷり。以下完全ネタバレ→*1
んで、エヴァにもシンジにもレイにも興味ないよ、オレ使徒萌えなんだ、という人は絶対劇場に見に行った方がいいです。なんせそこの愛情の注ぎ方も半端じゃないのです。
シャムシエルのこのシーンの威圧感もなかなかのものだったのですが、劇場ヱヴァのははっきり言って変態的。なぜそこまで動かすんだ!という気持ち悪さです。ソコガイイ。
また、ヤシマ作戦時のラミエル*2のおっかなさは、劇場だから味わえるんじゃないかと。あんなにあの正八面体が怖いとは思いませんでした。
テレビ版でのラミエルは、ビーム撃つだけの存在ですが、劇場ヱヴァのヤツの恐怖はガチで本物。素でかなう気がしません。あんなのと戦いたくないよ。あれで何人死んだんだ。
ヤツの変形っぷり、戦闘能力、アクション。後半はこれの壮絶さの描写に一点集中。とりあえず映画を見る前に5話を復習で見ておくと、30倍は楽しめると思います。そのくらい違う。あと音…鳴き声?が不愉快なくらい激しくて。あれが「生きているんだ」という描写が入っていることに恐怖を覚えました。
この戦闘シーン、様々な整合性のズレがテレビ版にはあったのですが*3そのへんもまたあわせて修正されているので、安心してアクション物として身をゆだねられるのも魅力。
いやあ、画面の中でロボットが全力で戦うのって、キモチイイよね。だからアニメって好きだ!
●第三新東京市の印象●
これから劇場に行かれる方は、この第三新東京市の描写をよーく覚えておきましょう。
いかに劇場版ヱヴァが、この町を執拗なまでにこだわって描いているか実感できます。
町自体が大きなギミックを持っているというのはテレビ放映当初から面白い部分だったのですが、あの当時では「できなかった」こともいっぱいあると思うのです。CGを活用した動きもそうですし、細かく描きこむ労力もそうだろうし。そのへんのできなかったことを「今だからやらせろ!」という意気込みを感じます。
確かに細かく描く職人技的な迫力もあるのですが、制作スタッフのノリノリ感があるのがイイ!
電線の描きこみ、町のギミック、エスカレーターとかの溝に至るまで、とにかく一分のスキもないくらいにがっつり描きこんでいるじゃあないか。このへん、メカフェチな人なら、町に萌えられます。
また背景が流れるシーンがとても多いのも印象的。特にミサトさんの背景がずいぶん変わったなあ、という感じがしました。
色彩もかなり意識されており、今後の作品の空気をどうもって行くかじわじわ感じさせられます。
●シンジの印象●
ここから先、エヴァを一通り見ている人向け。
微妙にネタバレ的な要素を含みます。
・・・・・・ここから・・・・・・
詳しいネタバレや考察はこちらが詳しいです。
エヴァとヱヴァは別物のようだ(最終防衛ライン2)
自分は、素直に感想を書こうと思います。
まず主人公シンジの印象。描き方が相当変化していました。
友人と見に行ったのですが、このへん感想が全然違って面白い。
自分は、「シンジってこんなにポジティブだったっけ!?」という感想。
友人は、「シンジってこんなにウジウジしたセリフはいたっけ?」という感想。
割とどっちにも取れるんじゃないかと思います。
自分がシンジをポジティブに感じたのは、強烈な環境にありつつ「これなら逃げるよ普通」という環境でも立ち向かう、という感じに描きかえられていたから。また、宇多田さんの歌が以外にマッチしているんですが、これを聞くと「あ、なんかシンジがんばっちゃうんじゃない?」という印象を受けました。
実は正直、心の中でずっと「シンジくん逃げて!!!」っていう気分でした。とにかくシンジの戦いの苦痛っぷりが尋常じゃないし、それ以外にいい方法があるとも思えません。
DVDの第五話より。
まあこれでも相当きつそうなんですが、映画版のシンジの苦しみっぷりはこんな比じゃありません。
サキエル*4・シャムシエル*5の時も「それは逃げ出すよ」という追い詰めっぷり。シンジが暗いから、というよりも、避けられない運命をどう認めるか、という流れにシフトチェンジしている気がします。
家に帰ってきてからDVD版見直しているのですが、「綾波のふくらはぎー!」*6とかのようなコミカルな部分を全部排除しているので、シリアスさがパワーアップ。それに連なって「世界の命運を背負う」、という重みが一気に増しています。
14歳であの環境は苛酷なんだよ。責められないよ。
同時に、シンジが決意する方向性を、全く別の解釈でアプローチしているので、そのへんの心境も見所。あの中でがんばろうとしているんだからたいしたもんです。しっかりとミサトさんと手を握り合うシーンは非常によかった。そういうがんばり感がどの人間にもにじんでいます。がんばらないとしんじゃうんだよ。
しかし一方、皮肉や愚痴っぷり、また逃げ出した後に監視していた人々への読みっぷりなど、細かい部分でのシンジの陰湿さがまた印象に残ります。
テレビでは後半に出てきた、心理描写のシーンも結構組み換え描きなおしてちりばめられているので、なおさらシンジの心の闇が浮かんでくるようです。それでもまだ序盤だから同情程度ですむのですが。
これから、シンジの心に芽生えてくる鬱憤は、テレビよりもはるかに早い段階で画面いっぱいに広がるだろうな、という不安にとらわれるような描写とセリフ多め。
シンジのその心の動きは、運命に押されてなのか、若いからなのか、うじうじしているからなのか。テレビとそのへん比較してみるとかなり面白いのではないかと思います。
とりあえず、自分はこのへんを捕らえて、ヱヴァンゲリヲンは別の軸の物語、として今後見ることにします。
●そりゃエヴァはブームになるわけだ。●
なんだかんだ書いてきて、確かに今回だけいきなり見ても全然ありなのですが、やっぱりテレビ版+劇場版を一通り見てから見た方が面白い、というのは変えようがないと思います。
深く深く設定を探って遊ぶのが面白い、謎だらけのエヴァですが、完全なる娯楽アクションとしても昇華されたなあ、という印象も持ちました。
カヲルくんのシーンと次回予告で劇場がどよめくほどとんでもないことになり、自分のハートはわしづかみ。くそう、エヴァ…じゃなくてヱヴァはどこまで自分を振り回すんだ!あんなん見せられたら次の「破」も見たくなるじゃないか、っていうか3月後くらいには公開してくれませんか。じゃないと悶え死んじゃう。
このへんの「観客がいかに楽しむか」「アニメとしてどんなものを見せたいか」が明確になっているのが心地よい。今後はどう展開されるのかさっぱり予測つきませんが、間違いなくなにかしでかしてくれそうです。
しかし、自分ほんとエヴァ熱が抜けないまま大人になってしまったなあ、というのが一番の感想。そりゃあラミエル戦はすごくてハラハラドキドキしましたが、正直一番強く感じたのは、昔の熱狂していた自分をたどっている感覚でした。それが、今もこんなに楽しいんだから。
見終わった後、友人に言った言葉は「オタクって楽しいな!」でした。かなり本音。このへん書きたいこと多いので、感想とはまた別のところで。
あと今日会話していて「レイ」って言ったのは2回くらい、「アスカ」って言ったのは50回くらい。出てないのにアスカアスカ言いすぎ。くそう、「碇シンジ育成計画」読んで寝る!
〜関連リンク〜
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「高度な技術による裏切りを、いつだって観客は心待ちにしている。」同感。
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昔からのファンだとしたら、やっぱり+20点くらい。すごいエヴァが劇場で見れる、ってだけで脳内麻薬でまくりますよそりゃ。
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確かに批判意見少ないです(ないわけではないけど)。だからこそ「次なにかまされるんだろう…」という不安と期待でwktkさせられてしまう。それすらも楽しさ?
超映画批評『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
ちょっときびしめ。しかし「違和感」というのはまさに言いえて妙。そここそがキモかしら。
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ネタバレあり、かなり細かい部分の変化も考察されている。
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ネタバレあり、考察。UCCはともかく、YEBICHUビール好きのミサトさんがキリン派になっていたのが。
今回各所の感想を見ていると「面白い!」が9割、うち「だまされないぞ!」が5割という感じ。やはり身構えをする気持ちはなんかわかる。けど今回は自分は素直に釣られて、手のひらの上で踊らされようと思っています。なんか懐かしさもあって、ね。
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まあ、100万は多いし、「思いを寄せている」かどうかはわからないですが、自分にとっては「アニメキャラを見る基準のひとつ」になったのは間違いないです。
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やはりあれは「現象」でした。
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何度見ても名スレ。おめでとうありがとうきもちわるい。