たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

由乃の一番怖いところ。 

角川は北海道でも遅れず出る本が多いので、うれしいです。買いました。
エースでもずっと読んでいたので内容はわかっていたのですが、あらためて読み直してみて一個気になった点。
 
由乃って見方によってはとてもヤンデレ(恋狂いという意味において)じゃないですか。それこそ今回も平気で人をばんばん殺してますし。銃を握ればまず頭を狙うあたりの躊躇のなさも怖いし、それを物ともせずに平気で人の家にあがりこむ様も恐怖です。
そんな近未来型モンスターなインパクトがある彼女ですが、何が怖いって。
 
彼女がかわいく見えるから。
 
結局由乃って、やることなすこと間違いなく、他人から見て極悪非道で狂気の沙汰ではありますが、なんせ悪意がまったくない。
いや無邪気すぎてユッキー以外に価値を感じていないのですが、彼女視点で見たら「ユッキーのためならなんでもする、それでいい」「少しでも振り向いてくれるならなんでもする」という価値観にどんどん閉じていきます。
はたから見るとクローズ過ぎてそこが恐ろしいのですが、彼女のテンポに巻き込まれると、彼女自身が「私はがんばってる」と思っているその価値観に巻き込まれてしまいます。
そうすると由乃が、かわいく見えてきちゃうんだもの。
 
6巻はどちらかというとユッキーや秋瀬視点が多いので、由乃の視野の狭さと死んでもそばにいそうな感じが際立っていますが、今やっている展開や5巻の由乃を見ていると「由乃かわいいよね?ひょっとして一緒にいていいんじゃね?」と思わされる。6巻でもパタパタのシーンはかわいく見えるから困る。あのシチュエーションでかわいく見えるなんて。
かわいいと思うってことは、完全に彼女ワールドの中に飲みこまれて視野が曖昧になっていく、描写のトリックの箱の中に入った状態でもあります。うまい。
 
彼女は邪気が無いゆえに、どんどん読者の感覚を曖昧にする不思議なキャラに思えてきました。
 
自分がユッキーだったら「怖い」「かわいい」のハザマで困惑するのでしょうね。あ、自分はみねね様が好きです。
 
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