たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

今の楽しい時間のこと、大人になったら忘れちゃうのかな。「けいおん!!」第七話

けいおん!!」七話見たよー。
いやー、最高でしたね。

澪の写真写りの悪さな!!!
……どうしてこれ選んじゃったんだろうよりによって……。
というかこれ選んだの絶対律だろ。
まあそうじゃなくとも、澪はどうやら写真写りが悪いようなので、……いやこれは悪すぎだろ
撮り直してやれよ……だがそこがいい。
 
さて、今回はなかなか物語的に面白い構造の作りになっていました。
「笑いながら泣ける」
各地でそんな話を聞きました。
なんでだろう?
ではネタバレ有りなので収納。
 

ペロペロ(^ω^)
 
 
 
 

●曽我部先輩の思い出●

今回最大の面白さは、原作であったにもかかわらず、時系列的に飛ばしていた「曽我部先輩の卒業」にまつわるエピソードを拾い上げながら、そこを次につなげていくという変化球だったことです。テクニカルポイント10点!

このエピソードですね。
澪がストーキングされていると思っていたら、実はそれは生徒会長の曽我部先輩がファンクラブの部長をやっていたから、という話。
普段凛々しい曽我部先輩が、実は澪が好きで好きで仕方なくてヘナヘナだというギャップがたまらないんですが、曽我部先輩自体実は第一期ではほとんど登場しません。モブでちょろっと出た程度。
だから、原作読んでいない人には「なにがなんだか?」なエピソードではあるんですよね。しかも「けいおん!!」は三年生になった状態からのスタートなので、生徒会長がそもそも登場しません、卒業済です。
 
このエピソード、どう入れるのか?というのは各地で話題になっていましたが、今回は「和ちゃんが曽我部先輩から押し付けられた『澪ちゃんファンクラブ』のカードを見つける」という仕方で、和ちゃん主導で動いています。
そこから回想+ドタバタ劇が始まるんですが……実は今回通してみると和ちゃん視点なんですよね。

最初に出てくる生徒会室(?)の様子。一人きりなのが妙に寂しいですが、まあたまたまなのかなあ。
 
和ちゃんは、唯や澪の親友である、というポジションでありながらも、軽音部ではないという極めて特殊な立ち位置にいます。
しかも「生徒会長」って文化部マンガ・アニメだと敵になることが多いんですよね。「宙のまにまに」とか「究極超人あ〜る」など、生徒会長とめちゃくちゃな文化部がぶつかることは多いです。
ぶっちゃけ放課後ティータイムみたいなフリーダム部活(学校で飲食している等)は生徒会長にメタメタにされるパターンの方が多いはずなんですが、和ちゃんはむしろ協力者。
部長の律がだらしなくて書類提出遅れるとフォローを入れてくれる、様々なセッティングの手伝いをしてくれる、という徹底した味方っぷり。しかもさわ子先生も一緒にお茶しつつ黙認状態なので、死ぬほど恵まれている部活だというのが改めて良く分かります。
 
で。
曽我部先輩(前会長)もなぜ黙認していたかというと、澪のファンクラブだったから……というオチ。
まあなんとも美味しい上につじつまのあうエピソードです。

澪が二年生の時点で、どこまで成長していたのかも確認出来るんですよね。
・人前で歌うのはまだ恥ずかしい。けど歌えるようになった
・友達を積極的に作るタイプでは基本的にはない。
・でも人を思いやれるくらいになっている。いっぱいいっぱいではない。
ここで生徒会長の爆死があっても、フォローできる段階まで育った(第一期最終回や番外編の後)というのが見えてきます。
 
この「会長と澪を見ている」和ちゃん、という構図です。

ライブ後のこの構図なんかはまさにそのままですね。
視聴者は「和ちゃん」という、みんなのことを見守れる立ち位置で、一歩離れつつも密接につながった場所でやりとりを見ることになります。
 
和ちゃんから見た生徒会長、自分の先輩である曽我部先輩は、凛々しく、力強く、そして可愛い人でした。
ある意味、最後の最後の放課後ティータイム特別曽我部先輩ありがとうライブで、先輩の「かわいい一面」が見られたのはすごくでかいことなんですよ。

澪と和が見たこの笑顔。目に焼き付けておきたい笑顔。
まさに「よかったね!」な素晴らしいシーンです。
しかしこれが、この後の展開の見方に大きな波紋を立てる事になります。
 

●こられない先輩●

最高の笑顔と、「大好き!」という素直な気持ちを和ちゃんと澪は見ることになりました。
その後、先輩は卒業し、今回は「先輩も呼んで『澪ファンのためのお茶会』をやろう」、という話になります。

相変わらずこういう話だと食付きが早いというか食いつかないわけがない律と唯。二人いると「出来ないことなし」状態です。和ちゃんもこれわかって提案してますね。

だがしかし。ムギのやる気が一番本気も本気だったのだった。
充実眉毛登場回数、回を追うごとに増えてますね。
 
ところが。
曽我部先輩、あんなにいい笑顔で、あんなに大好きだったのに、サークルの旅行でこられないという返事が和ちゃんの所に帰ってきます。
(原作通りであれば、住んでいる場所自体は遠くないはず)
ここでの発言はちょっとよく聞いておきたいのでメモ。

いつもの遠くから眺める引きの視線。

「それじゃあ、意味ないですね……」
ムギ「日程ずらす?」
和「わざわざ告知までしたのだったら、日程まで変える必要はないって言われたの」
「そんな!」
和「曽我部先輩の望みは、ファンクラブを継続させて盛り上げることだから、って。お茶会でファンクラブの現役会員達が楽しんでくれれば、それで満足だからって」
「なんか大人の発言……」
ムギ「女子大生だものね」
律「卒業して大人になって澪ファンも卒業したってことかあー
「そんなことないです! きっと予定が重なって仕方なかったんですよ!」
和「私たちに気を使わせないようにって、思っただけなのかもね」

梓の発言を太字にしています。
残る梓、卒業予定の唯達、そして曽我部先輩の発言の温度差がものすごく興味深いところです。
和ちゃんは完全に傍観者視点ですね。

まあ、ここで深刻に考え込んでしまう澪を律が空気読みまくって茶化すわけです。
こういう時の律は本当にすごいよね……。
 
梓の発言、よく見てください。
そもそも梓って曽我部先輩しらないんですよ。*1
曽我部先輩がどんな人か、澪ファンクラブがどんな経緯で出来ているのか、さっぱり知らないはずです。そもそもファンクラブって、笑っていいところなわけですよ。実際澪はヘコみ、他の子達は茶化していますし。
でも、梓だけは全然違うんですよね。本気で「そんなことない!」って叫ぶんです。
梓が何を考えていたのかは、もうちょっと後ほど。
 
唯の発言も興味深いところですね。
番外編で唯は軽音部の面々にこんな発言をしました。

「私を置いて大人にならないでよ?」

そして今回は「なんか大人の発言……」
唯にとっての「大人」とは、今の自分達とは違う、距離のある遠い存在のようです。
 

●焼きそばパン●

さて、ここでキーアイテムが出てきます。

焼きそばパンです。
まあ、高校の定番アイテムですね。
落書きがSO CUTE。

ちゃんと食うてます。
これは後輩からの差し入れの分なんですが、実は澪、朝も焼きそばパン食べています。

髪の毛についていた焼きそばパンのシールを取るムギ。
ちょっと積極的でドキッとしますね!
 
焼きそばパン、二回出してくるってことは絶対意味があるはず。
自分はおそらくこれだと思っています。

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川本真琴の「やきそばパン」

今してることみんなずっと
覚えてられるかな
遊んで泣いてそんで知って
遊んで泣いてそんで知って 
川本真琴「やきそばパン」より)

仲良しの女の子たちが、彼氏が出来たり色々あってばらばらになり、なんだか様々なことがぐるぐる変わって置いてきぼりになり、気づいたら一人ぼっちになって。そして屋上でやきそばパンを食べたい。
そういう歌詞です。
上に引用した歌詞がものすごい染みまくりますねというか、澪の心理そのものだと思うんですよ。
もちろん、HTTに彼氏持ちはいませんし、歌詞のように保健室登校だったりしないのでだいぶ状況は違いますが、「今してることずっと覚えてられるかな」はそのままそっくり、曽我部先輩への澪からの思いと重なります。
 
澪は「ファンクラブ」というお祭り騒ぎを恥ずかしがって嫌がってはいたんです。
でも、嬉しくない訳ないんですよ。曽我部先輩が自分のことを好きだって言ってくれたことが。
だから曽我部先輩のためだけのライブもやったし、今回も呼ぼうとしましたし。
でも来られないから来ない。すごく「当然」のことなんですが、なんだか「モヤッ」が残る。
「今してることずっと覚えてられるかな」
 

●部活に入らない後輩達●

WEB拍手より。

けいおん!!の、「1年生の描写」(だと思います)というか、ビジュアルが
白目部分を描かない + まるほっぺ って感じが
すごい記号的で、すごく、"あるある"って思いました。
かわいいです。
あれってたぶん、唯達視点から見た1年生って事ですよね。
唯達もあんな風に見えてたんでしょうね、先輩達は。

  
はっ、となりました。なるほど!
ハウス名作劇場的な表現なのではなくて、これは「幼さの表現」なんですね。
和ちゃんやHTTのメンツ(除く、梓)からしてみたら、一年生はとても遠い、かわいらしい存在。
この子たちのコンパチキャラが5話でも出ています。没個性というよりも「みんなかわいい」という目線があるから、こう見えるんでしょうね。
おそらく、この子達視点だと違う顔になると思います。
 
ここで大きな疑問が浮かび上がります。
 
澪ファンの子めっちゃいるんですよ。
クラスメイトの佐々木さんまで!
いいことですなー。かなりデフォルメされた「先輩かわいい!」「かっこいい!」のノリがいい具合にギャグ回としてのブーストをかけています。
もう、澪の一挙一動に「かわいいー!」「そこが素敵ー!」と声が上がる様が、なんというか、変。
だがしかし「先輩への憧れ」は男女ともにあるもの。「あの先輩みたいになりたい!」「あの先輩かっこいい!」。高校時代の1年差はでかいのだ。
 
じゃあ、じゃあですよ。
そんなに好きなら、なぜ軽音部に入らないのか?
アレだけ頑張って、澪ファンクラブがここまでふくれあがっているのに、なぜ軽音部には一人も入部希望者が来ないのか?
 
答えのひとつは、以前純ちゃんが言っていた「結束力が固くて入りづらい」ということ。まあいいことです。後が続かないけど。
もうひとつは、みんなが好きなのは「偶像」としての「澪」であり、軽音とか、もっといえば「秋山澪本人」ではない、ということです。
和ちゃんやさわ子やHTTのメンツが見ている澪は、真面目でしっかりしているけど怖いものが苦手で割とドジで弱虫、という、特別でもなんでもない普通の弱い女の子です。
しかしファンクラブの子が見ている澪は、ステージの上でカッコよく決める澪、ちょっとドジでかわいい澪なんです。そこだけなんです。
決して、リアルな「好き」ではないんですよね。「憧れ」なんです。
これ、曽我部先輩にも同じことがいえます。
 
ちと話ずれますが、「青い花」でも似たようなシーンがありました。
女子校の憧れのかっこいい先輩。みんなが大好きで「先輩好きです!」と言ってくる後輩の女の子達。
先輩側はわかっていてみんなのかっこいい先輩を演じるんですが、それに対して本当に先輩を昔から恋している後輩は苛立つんです。
みんな「好き」っていうけど、本当の好きじゃない、と。
 
まあ「けいおん!!」はそんなに重く有りませんが、なにげにこの「笑いどころ」なはずのシーンがうまい具合に温度差を表現していました。

澪が読み上げた「とっておきのポエム」で、ドン引きするファンクラブ会員たち。
澪のやり遂げた顔+ドや顔があったが故に、このギャップが面白くてゲラゲラ笑ってみていたんですが、冷静に考えたらこの部分こそが、彼女たちが軽音部には入らない理由を赤裸々に物語っている気がします。
そんなに重くは考える必要ない笑えるシーンなんです。

空気の読める子チームな律・唯・ムギ。なんでムギこんな楽しそうなんでしょう。イイネ!
彼女たちは逆に言えば「澪はこういう子」という色々を知っているわけです。
ファンクラブの子は知らない。
そう、憧れ。
 
憧れが悪いわけじゃない。むしろ楽しいことだ!と7話が言い切ってくれたのはとても嬉しいところです。
そう、憧れでもいいんです。距離おいて遠くから見たい、でいいんです。
それもまたひとつの女子高生の関係なんです。
だけど、同時に「超えられない壁」でもあるんです。
 
曽我部先輩は来なかった。
じゃあこの子達も、高校を卒業したら、この楽しかった時間を忘れてしまうんだろうか?

けいおん!!」はそこを否定も肯定もしません。
あるのは「全力で今を楽しんでよ!」ということだけです。
あとのことは考えれば考えるほど不安になる。しかし今この瞬間楽しいのを忘れてはいけない。
面白いのはここで比較対象として、ファンクラブじゃない子がカットで入っていることですね。

ファンクラブじゃない子たちが、演奏が始まったのを聞いて不思議そうに首を傾げるシーン。
外側から見るとこういう視点なんです。どんだけ盛り上がっていても。
この「内」と「外」の切り替えを非常に「けいおん!!」二期は意識している気がします。
 

●梓と、曽我部先輩の思い●

ファンとは違う、でも憧れではある。
曽我部先輩は知らない。でも気持ちは分からんでもない。
そんなフラットな視点にいるのが梓です。
先程の「そんなことないです!」というかたくななセリフが尾を引きます。
今の楽しいを満喫しまくる唯・ムギ・律と違って、梓はこの会を少し真剣に考えて捉えています。
自分だったら、どうなんだろうか?

非常に印象的な、梓がケータイで「澪ファンクラブ集合写真」を写メするシーン。
相手は?
曽我部先輩です。
すごくないですか? 知らない先輩のために、写真撮るんですよ。あの和ですら「そんなの撮ってどうするの?」と聞いていたのに、「アドレスは生徒会で調べてください!」と梓超強気にゴリ押しします。こんな梓珍しいですよね。
 
梓にはきっと分かるんだと思います。
澪達が卒業し、離れた後、本当にバラバラになるわけじゃないこと。
だけれども、どうしようもない理由で距離はあいてしまうこと。
そして、それでもやっぱり「憧れ」だろうとなんだろうと「楽しかった」ことにはかわりがないこと。
 
ファンクラブの子たちと澪の間には温度差がありますが、少なくともこの瞬間楽しいことはできたんです。
それは消えてなくならないだろ!
もしかしたら気持ちは変わるかもしれないけど、楽しいんだよ。楽しかったんだよ。
それは忘れないだろ!
 
ある面において「卒業し時は変わる」という匂いを漂わせているこの回でしたが、逆に「変わらないものもある」というのをじっくり見せつけるシーンも入れてあるのがすごいんですよ。


律と澪の、高校入学までの写真。
結婚式バリに「澪の半生」をみせるというむちゃくちゃな企画(たぶん律の仕業)が出てきます。
ここなんですよ。
それぞれ小、中と卒業してきているんです。
だけど律と澪の関係、変わってないんですよ。
あ、変わってはいますね。いい方向に。
幼児時代に「楽しかった」ことは、事実としてこうして残っています。
今見たら「面白い」になっているかもしれませんし「恥ずかしい」かもしれないですが、かけがえのない「楽しい」です。

自分の写真を理不尽に公開されているシチュエーションですが、澪がそれを見てこみ上げてくる部分はかなりぐっと来ます。
「楽しい」は時を経ても、「楽しい」として残るんです。


高校入学後の、出会ってからの軽音部の様子の写真。
梓が入るのは後半からですね。海は一年時のもの。第一期を見ていた人なら「あー!あそこか!」とニヤニヤ出来る名シーンの数々です。
(ところで最後の写真撮ってるのってだれ? 現在「ムギがタイマーで撮った説」浮上中)
ここで、澪も梓も実感出来るんです。
ああ、確かに時間はたった、色々人間関係も変わった。
泣いたり笑ったりした。
だけど「楽しい」は事実で残っているんだと。
 
梓が写真をわざわざ撮って送ったのは、このシーンを見て形にして残すことの大切さに気づいたからだと思います。
そりゃ思い出って写真ばっかりが重要ではないけど、写真にすることで伝わるものもあるんです。

写真を受け取った曽我部先輩は、明らかに軽音部の面々とは違う、大人の女性として描かれていました。
北海道旅行中らしく、うん、こりゃまあ来られないですな。
化粧をし、イヤリングもして、見た目も「真面目な生徒会長」から変わっていますが、この写真を見た瞬間に女子高生だった頃の顔に戻るんですよ。
この時の曽我部先輩の気持ちははっきりとははかりかねます。
「こんな楽しい頃もあったな」という懐古なのか。
「やっぱり、楽しいな」というリアルタイムなのか。
 
変わらない「楽しい」の気持ち。
しかし、距離だけはあいてしまう。後はそこをどう個々が乗り切るか。
梓の決断は、自分と先輩たちとは距離が空きそうだと言う焦りにも似ていたんだと思います。
もし「やっぱり、楽しいな」が続いていれば、あるいはせめて思い出していれば、梓の思いは会ったことの無い曽我部先輩に伝わったはずです。

軽音部の演奏披露のシーン。
実はここで歌わないはずの梓が、一緒に口を開いて密かに歌っているんですよね。
彼女の思いは、今回誰よりも強かったのではないかと思います。
もう、あらゆる方向に向かって。
 

●和ちゃんの眺める空●

さて、この一連の流れを、黙々と見ている和ちゃんです。
和ちゃんから言い出しっぺになって「お茶会をやる」と言うのはかなり変化球ですよね。そもそも生徒会が「先輩のファンクラブのためにどうこうする」というの自体がかなりアレなんですが、このへんの柔軟さが和ちゃんらしさであり、一歩引いているところでもあると思います。
 
そんな和ちゃん、空を何度も見ます。

これは、生徒会室(?)を片付けている時に見ている和ちゃんの視線。
真っ青な空です。

CM寸前。音楽室から空を見ている和ちゃんの視線。
少し夕焼けになっていますね。

ラスト。
梓が写真撮って送った後に、唯達の演奏を聞きながら見ている空。かなり夕暮れです。

拝啓
曽我部先輩
 
今度は先輩も是非いらしてください。
きっと楽しいお茶会になりますよ。

おそらく、梓から和ちゃんのケータイに転送→和ちゃんがメールで先輩に送る、という流れだったのかと思われます。
単なるモノローグかもしれません。ここは曖昧なままにされています。
 
ちょうど、同じ色の空を遠い北海道の地で曽我部先輩が見ているんですよ、和ちゃんと同じ角度で

物理的な距離で、卒業の持つ重み、どのくらい離れるのかを隠喩しているかのようです。しかし、同じ空、見られるんです。同じ「楽しい」は共有出来るんです。
和ちゃんは少なくとも「曽我部先輩と共有したい」と思っていることが最後の最後で明かされました。
「距離」と「思い」、それが寂しさでもあり、変化への楽しさでもあります。
 
そこで次回「進路!」だもんね。
けいおん!!」二期は、女子校の学校生活の区切りに向かって面と向かって、逃げずにぶつかっていくようです。
ただ、それを数多くのクッションを敷き詰めることでふわふわと笑えるからすごい。
笑った後、なんだか猛烈な寂しさ、切なさに襲われるからすごい。
 

                                                                                                                                          • -

 
余談コーナー。
 
余談その1。

おめでとうございます!!!!
あ、間違えました。これは拾い物のコラですすいません。
秋山澪と田井中律によるケーキ入刀 :Syu's quiz blog

超絶ドン引き澪&梓。どうしてこうなった。
というかムギが今回ノリノリすぎて見ていて幸せで仕方有りません。
久しぶりにムギレーダー(女の子同士が仲がいいとニコニコする)が発動しているように見えますね!
 
余談その2
 

しかし、お茶会を完全に結婚式の流れで組んでしまうあたりが乙女チックというかなんというか……間違ってるだろ
ウェルカムボードが完璧すぎて笑えます。あ、こっちは隠し撮り的な写真のせいか、写真写りいいですね。
あと、「律唯コンビにもみくちゃにされたい」と思ったのはぼくだけじゃないはず。澪になって律澪にいじられまくりたい。
 
余談その3
もう一個律唯。

このシーン、やべえ。あごをナチュラルに律に乗っけるんですよ。
こういう仲の良さ最高だね。律澪至上主義の自分ですが、律唯の別の仲の良さにニヤリングです。
 
余談その4

犯人は……この中にいる! 名探偵ムギ。
「やってみたかったのー」で済ませてネタにできるとは、成長したものです。
 
余談その5

さわ子の表情が最高にいい。
是非このシーンを見た後、DVDオリジナルの番外編「ライブハウス!」を見たい。そんなワンカットです。

今回は基本和ちゃん視点ですが、時折さわ子視点、時折梓視点と、「3年生ではない人」視点が入れ替わることでHTTをしっかり見つめた回だったと思います。
 
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あんまり嫌味のない感じで、むしろ「思い出の一ページ」として新曲を入れてきたのはナイス。
演奏部分が短いのでほとんど聞けない仕様でしたが、「ふわふわ時間」同様澪をみんなでいじる、というシチュエーションの「楽しい」の記録として是非とも欲しいCD。
にしても、今回はハスキー唯は……ないよねー。
 


 
※本感想は、本放送放送地域在住の友人が録画したものを送ってもらった上でキャプチャ・引用しております。
 

*1:一応追記。面識自体は第一期11話でありますが、「会長さんである」以外のことは何も知りません。先輩卒業の際の演奏のシーンも、原作でも梓は参加していません。