たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

異議あり!ムギあり!「けいおん!!」第11話

けいおん!!」11話みたよー。
いやーすごかったですね。

モブ子達のクオリティな!

山田「堀口さんはモブに設定をつけるのがお好きで、『クラスの中にこんな存在の子』とか『こういう立ち位置の子というお話』をするだけで、どんどん描いてくれて。」
ニュータイプ7月号、山田尚子・吉田玲子インタビューより)

いやはやいやはや。モブをキャラデザの堀口さんががっしがし描いてくれているようですが、今回のはクラスメイトどころか部長会議。おそらく今後そうそう出てこないキャラなはず(出るかもしらんけど!)。
そのキャラ達がこんなにも可愛く個性豊かなんだからもう出し惜しみないとしかいいようがありませぬ。
恐るべし堀口さん。
 
さて今回はいい意味でぐだぐだな回でした。
原作もいい具合にぐだぐだな回なんですよね。
まあ普通「ぐだぐだ」はあんまりいい意味で使わないですが、逆を返せばぐだぐだな日常の光景はキャラクターの個性をあぶり出す回であるとも言えます。
今回うまくそのキャラ性がピックアップされたのは、今回はムギと律ではないかと思います。
そんなわけで、特にムギと律に焦点を当てながら観てみようと思います。
 
 
ではネタバレ有りなので収納。

よさ・こい!
 
 
 
 

●ムギまっさかり!●


ぶっちゃけて言いますと、今まで毎話感想を書いてますがムギの話ばっかりな気がします。
そのくらい二期のムギはすごい!
どのくらいすごいかというと。

部室で水着になるくらいすごい!
いやー、むっちむちですなー、えへへー。劣情抜きで抱きしめたくなる柔らかさ。
唯にあわせたムギの水着モード!は原作でもあるエピソードなんですが、なぜ彼女らが、特にムギが水着を準備していたかは特に語られません。唯なら「なんとなくこんなこともあろうかと!」とか言い出しそうですが、ムギが、というのは妙な話です。
ギャグマンガだから、というくくりでいくとすんなりいくんですが、面白いことに今回ムギの「突然取り出しました」は何度も出てきます。
たとえばこのシーン。

かき氷のために氷をクーラーボックスにいれて持ってきているムギさん。
いやいやいや、それメッチャ重いでしょ!
こんなところでムギの怪力設定が生きてくるとは思いませんでした。そういやキーボードもいつも持って歩いてますが、アレもすんあんり持って歩けるようなもんじゃないですよね。
加えて、かき氷のためとはいえ氷をここまで大量に持ってきていること自体がかなり唐突です。
まだまだあります。

さわ子に冷たい飲み物をすかさず用意するムギ。
なんという用意周到!
確かに今までもお菓子をどこからともなく出したともさ。でも今は夏真っ盛りで、かつ軽音部には冷蔵庫なんていうイカシたアイテムはないはず!(いやあるかも……の割には暑い暑いと言って冷蔵庫の麦茶飲むシーンとかはないですね。)
これも全部「ギャグマンガだから」で収まる範疇ではありますね。特に今回は扇風機ブーメランのような、いかにもギャグめいたシーンもありましたし。リアルな話多いので忘れがちでしたが、「けいおん!」はギャグマンガでした。
 
しかし、ちょっと深読みしてみましょう。
今回は「クーラーがなくて暑い」という話なわけです。
ここまで用意周到なムギであれば「じゃあ私が買ってきて付けるね」って言えちゃうわけですよ、金銭面的にも。
ところが、それだけは絶対言わないんです。氷も持ってくるし、アイスフロートジュースもどこからともなく持ってくるけれども、余った水槽の寄付もするけど、クーラーそのものは買わない。
もっと突っ込めば、「実はうちに余っているクーラーがあるのー」とか言ってこっそり買ってくることも可能なんですが、そうはしないんです。口にすら出しません。
逆に、原作にもありますが「和ちゃんがパソコンを欲しがっていた」という唯に乗じて、律がムギに「パソコンを用意だ!」と言った時はすんなり乗ります。当然澪に、そのお金でクーラー買えるじゃん、と突っ込まれるわけですが……ここまでの流れを見てくると、ムギは多分それでもきっと「クーラーを買う」とは言わないでしょうね。
 
なぜか?
ヒントはここにあります。

律「バイトしようぜ、バイト!」

このセリフ、どっかで聞いたこと在るぞ!
そう、「けいおん!」一期の2話、唯の楽器を買う時に言ったセリフです。

律「よーし、みんなでバイトしよ!」
ムギ「バイト?」
律「うん、唯の楽器を買うために!」
唯「え、そ、そんな悪いよ……」
律「これも軽音部の活動の一貫だって!」
唯「りっちゃん……」
ムギ「私、やってみたいです!」
けいおん!第二話「#2 楽器!」より)

ムギが、ある意味はじめて自分から積極的に「やってみたい!」を出した瞬間でした。
 
今回もほとんど同じなんですよ。
律が「クーラーを買うためにみんなでバイトをしよう」と言い出したとき、真っ先に乗ったのはムギでした。唯も乗ってますが、拳まであげたのはムギだけですね。
簡単な解決策は、ムギレベルの優等生でお金持ちで能力もある子ならいくらでもあるんです。だけどみんなと一緒に何かをすることで得るものが在ることをムギはもう理解しまくっています。2年超えの積み重ねでしっかりわかっているのです。

だから、唯と一緒にはっちゃけてみたりもします。暑い辛い……とはあんまりムギ自体は言っていませんが「机はひんやりしているんじゃないか体験」はしたいんですよ。唯と一緒に。
このあと澪と一緒に「着ぐるみでダイエット作戦」にも乗ります。もうなんでもありです。何もかもみんなと一緒に何かをしたいからです。
律が2話の時に言っていた「軽音部の活動の一貫」の言葉、きっとムギは覚えているんでしょう。
興味深いことに、後半唯がこんなことを言います。

唯「練習だけが部活じゃないと思います!共に友情を深めたり、他の学年の人とも交流したり!ケーキを食べたりとか、海に行ったりとか!」

後半のダメさ加減が唯らしいですが、言っていることは2話の律と同じなんですよね。いわばこれ、「けいおん!」と「けいおん!!」のテーマなんでしょう。
それを二期で特に体現しているのが、ムギなのです。
 
後ほど律の話でも触れますが、ある意味今回のクライマックスでもある部長会議シミュレーションディベートのシーンがあります。これはオリジナルですね。
当然こんな仲良しチームだったら、論戦をシミュレートするディベートと言ってもなかなか口火を切りづらいものですが、ここで最初にディベートの空気を作り出したのがムギだったのはひじょーーーーに深い。

ここです。
見て欲しいのは全員の視線!(梓が隠れちゃってるけど)。
停滞した「なんちゃって会議」で、きちんとしたディベートの反論を演じた瞬間、みんなの目が一斉にムギに向かうんですよ。
ですよね。だってムギってそういうこと言うキャラじゃないですもの割と。
むしろことなかれ的にふわーっと通り過ぎて、笑顔で包み込むタイプのキャラ、でした。トラブルはお茶とお菓子でごまかすキャラでした。過去形。
今のムギは違うよ!

見てくださいこの充実眉毛。本気です。
軽音部みたいな仲良しグループ、特に「楽しい」を維持するために全員が努力し、この空間を崩壊させないようにお互い気を使ってきた仲です。ここで「ごっこ」とはいえ、対立意見を言う空間ができたと言うのはものすごいでかい出来事だと思うんですよ。特に今回みたいなぐだぐだな空気がおいしい展開にあっては。
その中できっぱりと、いわばヒール(負けるのが前提の、軽音部の対抗馬役)を演じたムギ。
彼女の心中やいかに、ですよ。
ところがムギに関しては今まで一度もモノローグが語られたことがありません。
彼女の心中は、視聴者が理解するように目をこらすしかないんです。あるいは転じて言えば、ムギの行動が軽音部の成長の象徴になっているとも言えます。だからあえて、よけいなことは喋らせない。
 
これは私感ですが、ムギ相当ここ勇気出したと思います。でも同時に安心もしていたと思います。
自分の言った一言は、律を困らせることになるのは分かっているけれど、でも言わないことはさらに律のために、この部のためにならない。
笑ってしまうような「ごっこ」だけれども、私はここで本気で挑まないといけないんだ
そして、この空間は必ず、何があろうとも、ヒールを買ってでた自分を受け入れてくれる、と。
律に「とにかく何か反応しないと」とアドバイスすら出来るムギの成長は、軽音部の結束の生んだ一つのカタチ。
 

●ムギの夏、日本の夏●

さて、上ではムギの一生懸命さを取り上げましたが、同時に今回、ムギは思いっきり楽しんでいる回でもあります。
それが顕著に出ていたのは、さわ子の車に乗ったときですね。

ムギの家に水槽を取りに行かなければいけないので、車に乗る事になったムギ。
見よ! この満面の笑みを!
ああもうかわいいなあ。どうしてくれよう。なんという充足眉毛。
しかしこれ、唯や律は「乗りたい!乗りたい!」と騒ぐんですが、梓ですらがっかりするんですが、ムギは何も言わずにもぞもぞしているんですよね。澪は流石というかちゃんとわきまえております。軽音部の良心。

ここ!
個人的に今回のベストムギ。
ムギはもう乗るのは確定しているわけで(ムギの家に取りに行くから)唯みたいに「乗りたい!乗りたい!」ってはしゃぎたいわけですが、他の子に遠慮してこらえてもぞもぞしているんですよ。
なんだもうこのかわいいな!
 
案の定というか、みんなから離れて車に乗った後、ムギのハッスルっぷりはハイパーモードに移行します。

助手席。
それは憧れの場所。
しかも先生の車の助手席って割と学生に取ってはレアな位置です。一度は乗りたい、でも乗るには何らかの理由が無いと乗れない超レア。
満喫しまくりでございますムギお嬢様!

もうー嬉しくて落ち着かないんですよね。わかる、わかるよ。
それを隠そうとせず、堂々と「楽しい!」を体中から出しているムギのなんと輝いていることか!
ちなみにさわ子がびみょーな顔をしているのは、ムギが見つけたお守りが「えんむすび」だからです。さわ子モテると思うんだけどなあ……女の子に。
 

二期でムギがものすごいピックアップされており、しかも印象に残りやすいのはワケがあると思います。
もちろん物語的にムギが重要な役を担っており、暴走しがちな、あるいはどうもきちんと一歩進めない軽音部をうまく方向修正しつつ背中押押している上に、中心軸になっているから、というのはあるでしょう。
うわ、書いてみるとものすごい重大な位置ですね。無論全員がそのくらい重大、一人も欠けてはいけないのですが。
しかし同時に、ムギはこの今の瞬間を思いっきり楽しもうとしています。
何度も書いてきましたが、絶対今の瞬間の楽しさを逃そうとしない。非常に貪欲になっています。無論、褒め言葉です。
そして楽しい時に「楽しい!」と言えるし、体で表現します。眉毛で表現します。
 
高校生にもなって恥ずかしい。大人にもなって……。社会人にもなって……。親にもなって……etc。
こういう思い、持っている人多いと思います。別に恥ずかしがることじゃないのかもしれないと頭で理解していても、微妙な後ろめたさや「○○にもなって恥ずかしい」という困惑。人間だから、あっても仕方ないんです。
だけどね。ムギの顔はそれらを全部フッ飛ばします!
こんなにも全力で楽しんでいる子ですよ。見ていてこちらも、幸せになるじゃないですか。
そうなんだよ、楽しい!と思ったことは、些細なことでも楽しんでいいんだよ!
ムギは、自分を、軽音部を、最高に楽しんでいます。
それが、ぼくらに、ほんのちょっとの勇気を与えてくれる。
 

●律の弱さ●

話はがらっと変わって、律の視点になります。
ムギは、強さを身につけました。それがディベートごっこで立証されました。
ところが逆に、律が非常に打たれ弱いことも顕わになりました。
 
基本的にお調子者の律。


どや


どやっ!
 
はい、うっとうしいですね。かわいい。
この「余計なことしちゃう感」が律のかわいさ、魅力なんですが、今まで見てきた方ならなんとなく感じられると思います、律の大げさなアクションは、非常に脆い鎧でもあります。
 
確かに律は、明らかに相手に嫌がられるのを分かっているようなアクションを、意図してとります。
例えばこのシーン。
 
律の「さわちゃんだからこそのお願いがあるんでちゅー」のうっとうしさときたら、かわい!……おっと私情が混じるところだった!違う違う、どう考えてもさわ子に嫌がられるの分かってのセリフじゃないですか。
このさわ子の、素で嫌がっている顔がたまりませんね。
 
さわ子と律の関係は実は非常に絶妙なバランスを保っています。
さわ子は律に対してだけは、殴ったり技かけたりひっぱったりつねったりと攻撃出来るんですよね。澪もですが、それは幼馴染だからわかるとして、なぜさわ子が?
実はさわ子は一番律の本性を見抜いていると思います。
言葉にするのが難しいんですが、なんというんでしょうか……。
一番の寂しがり屋だったり。
ブルーになる時や、行き過ぎたテンションの波が押えきれなかったり。
大げさでハイテンションを演じていることでポジティブシンキングを持っているようでビビリだったり。
それでいて妙にヒいて見る瞬間があったり。
以前もちらっと書きましたが、さわ子は唯と律を足して2で割ったような性格の子だったんじゃないかとなんとなーく自分は感じています。
だからシンパシー的に律には接しやすいんです、さわ子。
このいかにもなアクションに対しても、きちんと嫌がるというお約束返しが出来る関係。ちょっと他の生徒にはとらない珍しいつながりです、さわ子と律。
 
じゃあさわ子は律のことを心配しているかというと、心配はしていないと思います。
澪は律のこと、常に心配してますけどね。いい意味でも悪い意味でも。そのくらいお互いが繊細な子だと思います律。
先程のディベートごっこのシーンに戻ります。

ムギの思い切った反論を受けて、律、びっくりするほど困惑します。
何に困惑したかは色々あると思います。
単に、咄嗟に言い訳が思いつかなかったから、とも取れます。
けれども彼女の横からつつかれた時の弱さは本物なんですよ。

「難しいなー」という困惑だけじゃなくなってきます。半ば涙目。このカットだけではわからないですが、ぷるぷる震えています。
笑うべきシーンなんですが、同時に律というキャラの本質が出ているシーンにもなっています。
 
律は基本ハイテンション&ポジティブシンキング+話題にすり替えテクニックで、あらゆる人と仲良くやってきました。多分唯と並んで、友人知人の多い子でしょう。澪はそれを以前渡り鳥と表しました
誰とでも仲良く出来る子、律。
そんな彼女が、ごっことは言えここまで困惑し動揺すると言うのはかなり注目すべき点です。

一度は言い返そうと必死になっては見たものの、やっぱりきちんと言い返せない。
実は彼女、お茶らけるのは得意だけど、おそらくガチの勝負事とか論議が滅法苦手じゃないかと思います。あくまでも推測です。
ごっこといっても、実際に部長会議に行って話すのは律です。本気で反論される可能性だって0じゃありません。
それを考えて彼女が言いよどんでしまうのは、おそらく彼女の本質の部分なんでしょう。
一期の11話(澪と律の喧嘩回)でも、自分の複雑な心境について言葉で明確に言うことが出来ず、逃げてしまう律の姿がありましたが、澪に見せた律の「本音を言えない」弱さを知っている視聴者意視点で見るといかに彼女が繊細かがどんどん浮き彫りになってきます。
これは深読みしすぎですが……部長会議にでなかったのは忘れてたんじゃなくて苦手だったからなんじゃないか……とすら思ってしまいます。いや、ずぼらだから、なんですが……でも、ね。
 
打たれ弱い。言い負けてしまう。
表現的にはあんまりいい感じの響きじゃないですが、律に至ってはその繊細さが彼女らしさ、彼女の個性でもあります。
だからその繊細さは、確かに「打たれ弱い」けれどもマイナスとしての「弱さ」ではない。
繊細だからこそ、この部の空気を、みんなの気持ちを分かって、場を作ることが出来る子だということなんです。
オチャラケながらも彼女が部を引っ張っているのは、彼女のアンテナが高いからに他なりません。道化を演じながら、部全体の雰囲気を常時汲みとって、あえて空気を読まないキャラとしてのムードメーカーになっている。前回の、さわ子のモノマネをしてみんなを笑わせていたあたり、彼女の「らしさ」が出ていたと思います。
彼女もまた、この仲間たちが本当に好きで、一生懸命なのです。
 

●ひとりじゃないよ●

それでも律は、確かに打たれ弱いのは事実でしょう。
人とガチで向きあうのが怖い。
だけど律は一人ではありません。澪と共に支え合って生きてきました。
そしてもう一人、今回強力な味方がいることを再度強調してきましたね。

唯「大丈夫! りっちゃんならできる! 部長だし、おねえちゃんだし、ドラマーだし!」

まー、笑うところですよね。ドラマー関係ねー。
でもね。泣けてならないよ。
 
いつもつるんでバカばっかりやってる律と唯。
シンパシーがあうというか、似ているようで似てないようで、似ている。
  
澪とは違った絆がある、律と唯。
やっていることは本当にアホです。差があるとすれば唯は割と素でおばかなことができる、律はわざとおばかになりきる、という差があることでしょうか。でも結果やるこた同じ。
おばかおばかとはいえども、戦友です。そして唯の言うことは本当の意味でポジティブです。
そうなんだよ。
律だってポジティブだ。だけど精神的脆さ、繊細さは人一倍大きい。一人で戦場に放り出されて生きていけるだけの力は彼女にはない。だけれどもその分、優しさがあり、ムード作りが出来る。誰かの笑顔のためにエンジンをかけることができる。
そのエンジンのキーになるのが、唯なんだ。
 
このムギの笑顔と、唯・律の真剣な顔の対比が本当に素晴らしい。梓も一瞬、二人が決意を固めながら目を合わせた瞬間、微笑むんです。律と唯の絆を、梓とムギは分かってる。
確かに「ごっこ」なディベートですが、彼女たちの絆はここで固く、強く、確認されたと思います。
無駄に見える時間ではありますが、律が2話で言ったように、これこそ「軽音部の活動の一貫」なんじゃないかな。
りっちゃん。
ひとりじゃないよ。
みんなの力を得て、一歩前に進んでいいんだよ。
りっちゃんだからこそ、部長になれるんだよ。
 
今回のとっておきのシーンはここでしょうか。

まーなんてことのない、クーラー入ったばんざーい!というだけのシーンです。
でもこれこそ、軽音部をよく表している構図だと思います。
今回は澪の心情があまり深く描かれていなかった(多分次回濃く描かれるための前振り)からここでも目立っていませんが、腕を組んで船頭を取る律、素で大喜びする唯、便乗して笑顔で両手を上げるムギ、それについていく梓、と、まさに彼女たちの立ち位置そのものを描いた構図です。
 
どうしても律が愛しくて仕方ないので贔屓目な文章になってしまいましたが、今回ムギの成長に対しての位置として、律の心情が丁寧に描かれていたのは本当にグッと来るものがありました。
いやほんと、大げさに書いてますよ。笑って済むようなシーンなんです全編。
でもその細かな部分に紛れもなくたくさんの心のフックが用意されていて、一人一人のキャラの性格をうまく表現している回として見ることが出来るとも思うのです。
 
ああ。
改めて唯の「大丈夫!」がじわじわ染みてくる。
笑えるシーンのはずなんだけどなあ。なんで泣いてるんだろ自分。
ぼくも言おう、届かないけど。
りっちゃん、大丈夫!
 

                                                                                                                                          • -

 
 
余談コーナー
 
余談その1。

今回は話が混乱するのであえて入れませんでしたが、梓にとっても重要な回だったと思います。
唯達と同じレベルで遊んでみたり、ムギにあわせてディベートごっこの反論側に回ってみたり。
それでいて唯に対してものっすごく優しい笑顔を向けるんだものなあ。
 
余談その2。

トンちゃんが脱皮して成長していく、と言うのを入れたのは象徴的ですね。
やはり毎回なんらかの「成長」の臭いがどこかしらに潜んできおる!
ほんと、いい意味でぐだぐだな回だからこそ、こういう山椒の小粒みたいなシーンがピリリと効きます。
しっかし、水槽でかくしてそのぶんトンちゃんでかくなるって……でかくしていいのかしら。
一番世話をしているのが梓なのは注目したいところ。
 
余談その3。

超熱気の中の軽音部。なにげに胸の差が……影で……。りっちゃんつるぺったん。
このカットのポイントは、唯のYシャツが中途半端に出ている所だと思います。
半端なんだよ!出すか入れるかどっちかにしようよ!
でもそこがいい。
 
余談その4。

想像の世界の唯とりっちゃん隊員。
けいおん!!」のこういうぶっとんだ構図はとぼけた笑いを引っ張ってきてくれて、ゲラゲラ笑えるというよりじわじわ後からくるので好き。なんでマンモスなんだよもうめちゃくちゃだよ。
それにしてもここでもことさらにりっちゃん隊員の胸の無さが強調されていてぼくはうれしいです。唯は日光でおっぱいの影ができるのに……、りっちゃん、つるぺったん!つるぺったんりっちゃん!
 
余談その5。

チーン。
紙には「ありがとうずっと忘れない」との文字が。いや、別に忘れてもいいんじゃね。
けいおん!!」にしては珍しい、いかにもギャグチックなアクションのあるシーンでした。
いやー、けが人が出なくてよかったよかった。
しかし、マーブルチョコ、きのこの山パイの実、サクマドロップ、ポテチとよくもまあこんなにざらざらとお菓子が出てくるもんじゃのう。
なんですぐ扇風機死んじゃうん?
 
今日もやられやく 『けいおん!!』第11話 唯ちゃんの水着にスク水回と最高でしたね
クーラー完備の学校ってあるんだなあほんとに・・・。
  
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コメントでKISSのパロではないかとのことだったので調べてみたところ。
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うちにもりっちゃんのfigma届きましたが、hipgigがパないです。
特にhipgigのバスドラってやけくそに長いので再現しづらいんですが、まーうまくできてます。
今机の上は、あずにゃん以外の初代軽音部が演奏中。しーあわせー!むぎゅううううう。
アルターのフィギュアは、楽器の出来が非常に丁寧なので好感が持てます。
 


 
※本感想は、本放送放送地域在住の友人が録画したものを送ってもらった上でキャプチャ・引用しております。