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アニメ版「アイドルマスター」一話の、一瞬にこめられた千早の心理描写がすごい

アニメアイマス一話はまだキャラダイジェスト回で、特に物語は進んでいないんですが、すごいなーと思うコメントがあったので掲載させていただきます。
目からウロコでした。

早速ですが、
アニメ版アイドルマスターはご覧になりましたでしょうか?
 
キャラクターの絵やごく少数のキャラクターの特徴程度しか知らない、原作ゲーム未プレイ組の自分であっても、各アイドルの特徴と個性がある程度掴めることができて、とても良い作りだと感じました。
(見るまではキャラクターが多くて把握できないと思っていましたが、見た後は思ったより人数は多くない印象に変わった…といった具合です)
かなり、丁寧に作ってあるという印象をもちました。
 
特に一番気になったのは、(実はまだ名前を覚えていないのですが)歌にコダワリをもっている子をメインに画面に映しているシーンにおける、小物を使った人物の心情を表現している(ように思える)所です。
具体的には、mp3プレーヤーと、マイクが映っているシーンです。
 
彼女が触れている、もしくは触れたと思われるこの二つの道具は結構露骨に、コードでギチギチに縛られているんですね。
彼女の歌へのコダワリが、彼女自身を縛り付けているという印象を受けました(なんだか今後、自分は彼女の描写ばかりに目が行きそうですw)。
 
10名を超えるキャラクターそれぞれを、
たった1話で印象的に描写する丁寧さは今後の演出にも期待がもてます。

はっ、縛り!?
慌てて観直してみました。
 
まず、千早が持っていた、春香のmp3プレイヤーから。

がっちがちに縛ってますね。
まあ、自分もiPodのイヤフォンは巻きつけますが、ここまでガチガチにはあんまり縛らないです。
 
そして、千早と楽屋裏のマイクのシーン。

これは……。
こんな巻き方普通しないですね。かなり露骨に「縛ってますよ」を強調しています。
 
コメントを下さった方はアイマスを初めて見られたということなんですが、ものすごい細かいところを見ておられて驚愕することしきりです。
千早は恐らくアイドル達の中でも物語の大きなキモになるキャラだと思いますが、確かに第一話、彼女のシーンは異彩を放っています。
 
見直すほどに、他の子も「駆け出しアイドル」としての第一歩を踏み出している、キャラによっては非常にフレッシュな元気さ溢れる回なんですが、千早だけは異質。
ゲームでどうだったかの話をしてしまうのも無粋なので(エンディングも別個あるわけですし)、ちょっとアニメのみで話を進めてみます。
彼女の視線は最初非常に孤立しています。
凛として強いようにも、一見見えます。

人気バンドの前座として「蒼い鳥」を歌う千早。
数人しか見ていません。色も千早のカットだけ凄まじく色が暗いです。
普通であれば心折れそうな状況ですが、彼女は一切心折れません。
・・・心折れません?

9393・・・じゃなくて。
その後のバンドの盛り上がりを見ている千早の表情は、極めて複雑です。
羨ましい? 多少はあるでしょうか。
悔しい? 嫉妬ではこんな顔しなさそうです。
退屈? だったらなぜ見つめているんだろう。
このそこはかとなく漂う冷淡さ。「歌」を神聖視している彼女にしてみたらバンドのきらびやかなロックに対して感じているものが出ている気がします。
わざわざ前座という場を得ているのに、あえて空気に合わない曲を選ぶあたり特に。自分も最初アニメ一回目見たとき「なんでそこで『蒼い鳥』だよ!」と思わずツッコミいれてしまいました。が、そう考えるとなかなかどうして・・・彼女らしいチョイス。
何を思って彼女はバンドの曲を聞いているのか。彼女にとっての「歌」ってなんなのか。

「歌に対してどんな想いがありますか?」
千早「どのような歌であろうとも、常に真剣に取り組みたいです。私がそうでないと、歌に対しても聞いてくれる人にも失礼だと思うので」
「本当に歌が好きなんですね」
千早「はい、私には歌しか有りませんから。だから、遊んでいる暇はありません。あの・・・すみません、もういいですか?集中したいので・・・」

千早はいろんなものに縛られている・・・いや、自分で縛っているキャラではあります。

実際にそれがアニメで描かれるかはわかりませんが、この「私には歌しか有りませんから」は彼女が歌に依存しているのを表すキーワードにもなっています。
もっともわざわざ、全体的に明るい雰囲気の第一話でこの千早のカットを入れてくるくらいですから、おそらくそのへんは今後描かれていく・・・と思いたいところです。
 
彼女は別に心を閉ざしてシャットアウトしているとか、他人が嫌いとか、そういうわけじゃないのもさりげなく描かれていました。
歌にしか目が行ってないので興味がないだけ。

たとえば先程のぐるぐる巻きのmp3プレイヤーに関しての、春香さんとの会話のシーン。
春香さんは本当にいい子でねえ! 明るく元気にがんがん話しかけるタイプの子。
割と一話の時点で春香に話しかけられるんですよね、千早。
逆に言えば、春香以外と第一話本編では話していません、千早。
(EDではお姫ちんとあずささんの巨乳サンドになってますが、時間軸が分からないのでとりあえずおいておくとして。)
mp3プレイヤーも一瞬興味を持ったものの、ややこしいということを知ると一気に興味を失います。
 
友人ともこのへん話していたんですが、千早はようは「心を閉ざしている」キャラじゃなくて、寄ってくるものには普通に接する、自主的に興味を示すタイプではないので周りに目が向かないだけだろうなと。
「私には歌しか有りませんから」も、アイドルをやっていく上での引っ掛かりになるんですが(アイドルは歌手じゃないので歌だけとはいかない)、「歌」を何か特別なものにすることで依存しているのが一話のこの短い中だけでも見えるのがすごいですよ。
 
いかんせんキャラ数が多いので、千早のエピソードをどこまで掘り下げるのかはわかりませんが、少なくとも1話でその片鱗を出したということは幾らかはやることでしょう。
彼女は乗り越えないといけないものがある。
まだFランクですしね。

一方同じくFランクの春香さんのこの明るさには救われますね。
まあ、ちびっこチーム(現時点での伊織・亜美真美・やよい)同様あんまり深いこと考えていないだけ、かもしれませんが、この地道なビラ配りなんていうところからもポジティブにこなしている様子にグッと来ます。
このカット、声優さん達のニコ生の放送でも凄い盛り上がっていて「こういうの見ちゃうと受け取らなきゃって思うよね」的な話になっていました。すごくわかりますし、中には同じような経験している人もいたのかもしれません。
 
最初に頂いたコメントのように、物語自体はまだなにも始まっていませんが、キャラの魅力の片鱗を魅せるにはいい回だったなあと思います。
二話以降、キャラ達のそれぞれのエピソードがどうあぶり出されていくかが見もの。
そして何よりも、最底辺の駆け出し、まさにFランクな彼女たちが、いかにトップアイドルになっていくかが楽しみでなりません。
最終回が大ホールのライブだったら・・・と考えるとそれだけで泣きそうになるのはまだ気が早いですね。
 
『THE iDOLM@STER』登場アイドルの初心者向け一覧まとめ図 :Syu's quiz blog
キャラ多すぎ! という人向け。
 

DS組出たりするのかなー。出てほしいなー。