たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「女子高生 Girls-Live」女子高生は最強教。

大島永遠先生の「女子高生」が帰ってきたぞー!
わー!
鈴木由真が大好きでした。桃香との一連の話は最高でしたね。

今見ると由真のノリと衣装も時代を感じるなあ。
それもそのはず、2001年から2007年まで連載、元々は漫画アクションに載っていた作品ですもんね。
時代がひとまわりしちゃったよ。10年だ。
 
今回の「Girls-Live」はそれから数年後という設定。
前回の高橋絵里子たちバカ軍団は出て来ません。
とはいえリンクしているのが面白い。先生たちはそのまんまですし。
アイドル小田桐はてっきり絵里子と付き合っていい仲になってるかなーと思ったらそうでもなかったっぽい・・・いやまてよまだわからん。とりあえず三十路ですっかり落ち着いた様子。
それよりなにがびびったかって、スクールカウンセラーにあの人がいるってことですね。
どうしてこうなった!? いや適任だけど!!!
 
内容的には、「Girls-High」の時の初期に似てます。中期以降はキャラクターごとの物語が、女子高生あるあるネタかぶっていて面白かったんですが、最初の頃の女子高生生態観測、夢見てるんじゃねえぞゴルァ!のノリを見事に踏襲。
うん。
ファッションは時代が変われば形が変わっていくものですが、「女子高生」という存在は時代を超えても基本変わらないぜ、ってのをガンガン打ってくれるから楽しいのなんの。
まあ、あるあるネタといっても「いや、ないわー」というネタの方が多いんですが。
重要なのはそこじゃなくて、女子高生最強だよねというこのシリーズのテーマの部分だと思います。
 

●THE・バカ●

「女子高生 Girls-High」からそうですが、スタンスが面白いですよ。
女性向けの女子高生あるあるじゃなくて、あくまでも男性向けの女子高生あるあるなんですよね。
だから、読んでも「あー、あるある」って言えない。だって男だったら女子高生経験ないもん。
ただ言えるのは、少年漫画だったらご褒美になるお色気シーンも、この漫画ではご褒美にならないということ。
こんなにうれしくないパンチラ、なかなかありません。大島永遠先生は微エロまんが描いていたくらい絵がかわいらしい作家さんなのに、このシリーズに関してはそれを逆手にとって武器にしているんだもんなあ。

一番露出度の高いはずの香田(前作の暴れ役)が一番エロくないという大問題。
と、同時にですよ。
一番左側の新キャラ、田中花子が露出度最弱なのに一番エロい。
まいったね。
この下に何も着ていないのがこんなにエロいなんて……!
……エロいよね? あれ?
 
田中花子他、合計3名のトンチキ軍団、現時点では正式呼称なしのダメ少女集団。
まだ人間関係の云々やら、女の子同士のドロドロを抱えていた「Girls-High」と比べて、ほんっとに何も考えていなくて潔すぎです。気持ちいいです。
いやー、「バカ」って褒め言葉かもしらんねー。
この巻にも収録されていますが、まったく住む世界が違う(「Girls-High」では存在していたスクールカースト)人間だろうが、すぐに友達になっちゃいます。なぜか! バカだから。
超生真面目お嬢様だろうが、ばりばりのギャルだろうが、「友達!」です。
うん。そういうバカはとても素晴らしい。
 
このネタも面白いですね。

あー、わかるわー。これは女子高生じゃない自分でもわかるわー。
確かに「Girls-High」のセレ部はまだ男子への免疫がないだけで、人前ではそこそこの歯止めは効いていました。香田以外は。
正しいオシャレをしようとしていたし、学校内ではめちゃくちゃでも外に出る時はそこそこでした。香田以外は。
しかし今回の「Girls-Live」はそれ以上とな!
うん。そうだね。
街に出ても学校となんらかわってないもんね。
敬意を込めて言います。
バカだね!
 

●女子高生は最強伝説●

前作は割りとマリみて的女子高生像へのカウンターみたいな感覚で「現実の女はこうだー!」という面白さがあったのですが、今回もそれ自体は顕在。
ただし、ちょっとベクトル変わって来ましたね。
香田なんかは本当に真似したくないタイプのダメっぷりだったんですが、今回のヒロイン田中花子達は、それはもうものすごくダメでだらしないんだけど、ダメでだらしないのがやたらかわいいんですよ。
たとえばこれ。

「ダサかわぇー! ぶははは」と書いてますが、これ……ぼくは可愛いと思うんですがどうか。
え、かわいくない?
ありじゃね? あれ? 絵のせい? いやかわいいって。
 
そりゃもちろん、ありかなしかといえば、なしです。常識的には。少なくともこれで表にはでない。
けれども、女子高生が太ももあらわにして活き活きとした色気を持っているのに、無駄に廃棄しながら元気よくはしゃいでる、ってのはめちゃくちゃかわいいんですよ。
しかもこの子、ぱんつはいてないですからね。ふんどしですからね。
常軌を逸したバカなんですが、でもやけくそなまでにかわいいんですよ。
いや、常軌を逸することができるから、かわいいというべきか。
 
「女子高生」ってタイトルにつくくらい、女子高生を特別扱いした作品です。
生態をリアルに描く、とはいっても視線は小動物を愛でる視線です。
あれですよ、「バカな子ほど可愛い」
大島先生の目線が完全に今回はそちらへの比重がでかくなっているので、ことさらに突き抜けたバカさ加減がうまいさじ加減で「許せる」レベルになっています。
ツッコミがいないのもいいですね。途中から出てくるきしめんこと田中カナがツッコミにまわりはしますが、ツッコミが追いつかないどころか生真面目だった彼女すらも、バカオーラに飲み込まれていきます。
でも許せちゃうんだなー。なんせ女子高生だからね。
女子高生は最強教です。
 
多分リアル女子高生が読むよりも、大人になって大分たった年齢の人が読むほうが面白がるだろうなあと感じます。
もうね、「女子高生」であること自体が輝きであり武器なんですよ。

これとか、ドキッとするでしょう。初恋気分になりませんか。
相手はふんどしだけどね。
色気づいてこの格好じゃないのよ。ネクタイしめてないのも、靴下はいてないのも、おしゃれとかじゃなくてめんどくさいだけです。ズボラなんです。
でもそれすらもね、可愛く見えちゃうから女子高生という存在は恐ろしいですよ。
 
結論:女子高生は特別。
なんでしょうね。この3年間の謎の輝きは。
上品に過ごしても、下品に過ごしても、もうキラッキラですよ。バカでもなんでもキラキラだよ!
いい漫画です。大好き。

バカ少女描かせたらほんと天下一品ですね、大島先生。
田中花子ことお花は、ウザカワの極地みたいな子なので、ウザカワ好き必見。
そして僕は思いました。お花ときしめんさんは、二人でいいプリキュアになれる。