たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

昭和100年。

年末年始は「飯沼一家に謝罪します」「ミッドサマー」を見ていました。「ミッドサマー」は初見です。

 

TXQ FICTION/飯沼一家に謝罪します(@TXQFICTION)さん / X

https://x.com/TXQFICTION

 

『ミッドサマー』公式🌻💐☀️(@midsommarjp)さん / X

https://x.com/midsommarjp

 

こうやって書くと、うわーこのサブカル野郎年末年始から悪趣味モノ見て自慢してやがるぜほんとだせえ、って言われると思いますが、まあそれでいいです。テンション的にどうしても見たかっただけなんです(「飯沼一家に謝罪します」みたいな家族の残酷モキュメンタリーがクリスマスに放映されたのはほんと悪趣味!褒める!)。

 

感想から言うと、どっちもホラーとしてよくできていて最初は怖かったし、同時にところどころの演出を見ていてキャッキャと笑っていたり、うわーうまいなこの演出とかメタな楽しみ方もしていましたし、かと思えばやっぱり怖かったりしました。

ジャンプスケアがどっちもなくて、じわじわ怖いので大好きです。

 

んで、どちらも「悪趣味」と言われるジャンルに入るとは思うんですが、じゃあ悪趣味ってなによ、って話ですよ。

ぼくも大概どっちかというと悪趣味って言われる方ですが、「趣味が良い」と「悪趣味」ってあんまり逆じゃないなあと思ったわけです。だって「飯沼一家に謝罪します」も「ミッドサマー」も、主軸の映像づくりのセンスめっちゃいいですよ。でも「趣味のいい映像だよ!」と言っては勧めないと思う。「趣味が良い」と「悪趣味」は並列するんだよなあ。

(「ミッドサマー」のエログロシーンは、どうしてもぼくは見ていてキャッキャしちゃうので、あれはエンタメ的意識のある監督のイメージだと理解しています。楽しそうすぎる)

 

悪趣味、もうちょっと広げて悪い意味で言われる「サブカルチャー」の話もしてみます。

ぼくはサブカルを愛して生きてきた人間で、今もその熱量は変わらないです。個人的には「真剣にリアルを見つめ調べながら厨二病を考えている」という状態。ようは好きなものがたまたま「サブカルチャー」と呼ばれるジャンルだったから、ちゃんと愛そうと向き合っている状態です。

とはいえ「悪趣味」に駆け込むことでサブカルに飛び込んだ部分も大いにあります。

この場合の「悪趣味」は先程述べたセンスの話というよりは、生(性)と死、エロスとタナトスの話です。死体写真集とか、麻薬関連の書籍とか、危ない18号とか、BURSTとかのような、露悪的なやつ。

悪趣味ブームってのも平成にはありました。あれなんだったんだ、と当時は思いましたが、1995年前後から阪神・淡路大震災とか、オウム真理教事件とか、もうちょっと前に幼女連続誘拐殺人とか、もうちょっとあとに酒鬼薔薇聖斗とか、ノストラダムスの大予言に怯えたりとか。不安な情勢の中、隣に死があるんだ、という落ち着かなさが、開き直ることで生きる実感を得る悪趣味ブームを呼んでいた気がします。「完全自殺マニュアル」も持っていましたが、あれは死ぬための本じゃなくて、死を知ることで生きる感触を得るための本でしたしね。でも怒られるよね。

 

アニメ・漫画・映画などの中のサブカルチャーが大好きでした。主に当時だと「新世紀エヴァンゲリオン」の存在が巨大すぎるし今も引きずっているし「シン・エヴァンゲリオン」には割と心を閉じているんですが(できがいいと思うのと、気持ちは別です)、オタク文化的なもの、特に性と死が混入されているものって、本流から外れた「サブカルチャー」だから面白いんだ、という思い込みもあったので、あんまりメジャーの光が当たってほしくなかったところがあります。

もちろん大好きだからめちゃくちゃ売れてほしかったし、もうけて続編作ってほしかったりしたんだけど、メジャーがスポットライト当てると「悪趣味」「亜流」「サブカルチャー」がそうではなくなって、外部からの見世物になるのがいやだったんですよ。こそこそやるから好き勝手表現できるって思っていたし。このへん音楽もそうですね。

 

今でもここは悩ましいところで、例えばVTuberとかVRChat文化もメジャーの光がガンガン当たっています、すごく嬉しいです。もっと話題になってほしい。でもアンダーグラウンドサブカルチャーな部分はそっとしておいてほしい。珍妙な目で見ないで欲しい、というのはあります。

あと、DLSiteで育まれている情熱的な、個々の魂の咆哮を感じる文化はまさにそうです。昭和平成には流通がなかった部分です。

ぼくも仕事柄そこに光を当てないように気をつけています。さじ加減難しいですが…。

 

このあたり「飯沼一家に謝罪します」「ミッドサマー」はうまいなーと思ってみていました。テレビと映画なので当然出すのはメジャー文化。だけど多分どっちもゴールデンタイムには出せない。話題にするときもミステリー要素があるのでネタバレを避けて言えない。そのもやもやがSNSにあふれる。見た人だけでこそこそ話せる。タノシイ。

特に「飯沼一家に謝罪します」の大森時生の仕掛けるモキュメンタリースタイルは本当に気持ちが悪くなるものばかりで、とても気持ちがいいです。どの作品も物語とドキュメンタリー感がすごくよくできているのですが、「飯沼一家に謝罪します」はその両方のバランスがワンランクアップしたなと感じるくらいよくできています。

「行方不明展」とか目の付け所も表現も素晴らしい。そうなんですよ、死体が出てくるよりも、行方不明の方がわからなくて不安で怖いんですよ。深夜に行方不明情報が流れていた昭和のテレビマジで怖かったよ。このあたりは筋肉少女帯の「最後の遠足」を聞いてください。

 

 

ちゃんとメジャーでも、ちゃんとサブカルチャーできるしちゃんと悪趣味ができる、ということに幸福を覚えました。

うれしいなー。2025年も明るいです。

今年は昭和100年だそうです。昭和のエロ・グロ・ナンセンスまで遡りながら、ぴりりと辛いサブカルチャーを楽しんだり作ったりしていきましょうというのを今年の希望とします。

ハッピーなメジャーカルチャー大好きになった分、たまにサブカルで逆デトックスが必要なのです。

2023年、この年になってあたらしい扉と青春を開きました。VRDJバンザイ

2/16(木) #Invigorate_VR
2/28(火) refuge

3/18(日) 4人でDJやるってよ~ #3
3/23(日) Refuge
3/29(水) 突発イベント

4/8 (土) タイコたき火ダンスナイト
4/14(金) #DonkNight アフター
4/22(土) 4人でDJやるってよ~ #3
4/23(日) チェルシー誕生日イベント
4/26(水)  第28回広義民族音楽オンリーイベント「MYSNIC MUSIC OF THE WORLD」(VRC)

5/21(日) 4人でDJやるってよ~ #4(cluster)
5/24(水) 第29回広義民族音楽オンリーイベント「MYSNIC MUSIC OF THE WORLD」(VRC)
5/31(水) チャンネルキュレーション「ジャズで踊ろう」

6/4 (日) カレイドスカイ
6/10(土) タイコたき火ダンスナイト
6/18(日) 4人でDJやるってよ~ #5(cluster)

7/13(木) よるさんイベント(cluster)

7/15(土) PIXEL NOISE
7/16(日) 80~90年代Jロック
7/22(土) 4人DJ#6 cluster
7/28(金) アフロハウス企画 

8/01(火) MoshNite
8/09(水) VRDJに聴く! 音鳴つむぎさん
8/10(木) ダンスたき火ダンスナイト
8/14(月) VRDJに聴く! jentagawaさん
8/18(金) VRDJに聴く! 獅丸さん
8/30(水) VRDJに聴く! MAZZN1987さん

9/06(水) 推しの歌詞を聞け#1
9/10(日) カレイドスカイ
9/12(火) よるさんと突発
9/14(木) VRDJに聴く! とかげさん
9/23(土) 4人DJ#8 cluster
9/30(土) リアルTTD

10/06(金) 4人DJ#9 cluster
10/10(火) だまここファンミーティング
10/11(水) VRDJに聴く! 赤井世良さん
10/12(木) マゼンタショーケース
10/25(水) 推しがたり配信
10/27(金) Drum'n'Quest Ⅱ(EJ)

11/03(木) Moguliveトークショー
11/04(土) 4人DJ#10
11/09(木) VRDJに聴く! Bishamonさん
11/12(日) カレイドスカイ
11/16(水) DJなんもわからん
11/19(日) よるさん誕生日パーティ
11/23(木) ショーケース
11/25(土) ResoniteDJ CLUB
11/30(木) VRDJに聴く! 廻音あじおさん

12/02(土) 4人DJ#11
12/05(火) こはだちゃん誕生日会
12/12(火) asian music style
12/14(木) 僕らを作った漫画たち
12/20(水) Feel Free A-Remix vol.9
12/28(木) かわ音#4

 

 

 
結構出ましたね。
2023年のDJイベントやそれに類するもの出演一覧です。

VRDJをはじめたのは2023年に入ってから。それがこんなに出させていただけているというのはありがたいことこの上なしです。

2022年までは自撮りとワールド巡りとクラブ巡りだけしていたので、表現する側になったのはぼくの中での大きな変化でした。

今までもずーーっとライターという仕事をしているので表現作業は続けているんですが、掛け値なしに儲けもなしに「自分」を表現しながら「みんな」と共有してプラス方向に持っていく体験は、ブログ時代、バンド時代、もっといえば教員時代に遡るくらいに、まっすぐで純真で、ひねくれのない吐露のような行動。「この年になって」としか言いようのない、本音をぶつけあう青春を送っています。

 

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いきなり海外のイベントrefugeに参加したときのぼく。DJ中に撮影するという考えはありませんでした。それどころじゃなかった!

デビュー戦みたいなイベントが無くて、どこからはじめたっけ?くらいの感じです。まあいつでもいいかと思っていたんですが、今になるとちょっともったいない。

なんのジャンルでなにをやろう?というのは最初めちゃくちゃ悩んでいたんですが、とにかくワールドミュージックが好きだからやりたい、でもそれでDJ成立するのか?という思いがあって、最初はアフロハウス6割アフリカ民族音楽4割、というスタイルでやっていました。どっちも好きではあるんですけど、狙った割合じゃないので微妙な日和があります。

DJをはじめる前から「タイコたき火ダンスナイト」という、生演奏でジャンベとダラブッカを叩き、VRでダンサーがガチダンスする、最新で最古を表現する野生イベントがあって、それに心酔していました。VRで人間の歴史と生を表現するの、とてもいいわー。交錯するところで生まれる新しいものってあるのよ。

まずは少しはそこに近づきたいという思いが何より強かったです。

海外イベントでは勉強不足ながらも、ガムランとかタヒチ音楽とか打楽器もりもりにして、アフリカンを中心にとにかくハッピーにトランスにしていきました。ここでやりたいことの方向性がバンと出た気がします。

これが意外と、評判がよかった、というのがぼくのスタートライン。

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伝えたいものが伝わらないもどかしさがまだありました。聴いている人が「アフリカいいね」と言っているのを聴いて「違う、これは中東…!」とか、「チベットのホーミーいいよね」とか言うのを聴いて「ホーミーは平原!山岳部は違う…!」とか。

そこで「勘違いもったいない、もう全部言っちゃおう」と決めたことで、ぼくのDJのやり方ががっちり決まりました。
マイクの準備をして、スライドも用意して、曲をかけながら全部解説。どこのなんの曲でどういう流れにあるのか、無知ながらも必死に調べて紹介して、今回どういう意図で流すのかも説明。なんとか興味を持ってもらいたい。

全く粋じゃないんですが、まずぼくが楽しかった。世界史が大好きなので調べて話すのが楽しいし、聴いている人と会話するのも楽しいし、教えてもらうのも楽しい。世界史と地理の話をみんなでできるDJ。求めていたものでした。

タイコたき火ダンスナイトのMaru‐17さんのはからいで、DJさせてもらえるようになりました。完全に隅々まで民族音楽。来ている人も当然民族音楽大好きな人が多いので、とても幸福な空間です。またやりたいな、いつでもやりたいな。リアルDJデビューも「リアルタイコたき火ダンスナイト」でした。

 

広義民族音楽オンリーイベント「MYSNIC MUSIC OF THE WORLD」というイベントに参加させていただいたとき。こちらもVRCでは珍しい民族音楽のイベント。アフリカをぐるっとひとまわりしてみました。次の月も誘っていただけて、そちらはカスピ海周辺の国を追っていく構成にしました。

呼ばれた時うれしすぎて、どういうストーリーを組んでどうルートを作ってどういう違いやつながりを聴いてもらうか、真剣に考えた結果はちゃめちゃに解説が増えた記憶があります。楽しかったなあ。

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解説好きなのは、学校の先生をかつてやっていたのが大きな影響あります、確実に。やっぱり人に話して知ってもらうのが好き。本来であればDJは音楽を流して言葉じゃないコミュニケーションをするのかもしれないなあと悩んでいたんですが「そういうDJがいてもいじゃない」「見に来た人はDJが楽しそうにしているのを見に来ているんだよ」というDJ仲間の言葉に助けられて、好き勝手やりはじめました。仲良くしていただいている、3Marcoさんなどの言葉の影響は未だに大きいです。

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5月のChannelCuration「ジャズで踊ろう」はぼくの中の節目のひとつでした。もともとここの主催の廻音あじおさんはぼくがクラブ通いを始めたきっかけのひとりで、VRのDJの面白さ、音の作りなどを教えてくれた人です。すごく刺激を受けたので感謝してもしきれません。

その方に、キュレーターとしてテーマを決めて3人チームを組んで、その日一日クラブイベントを担当してもらう、という特殊なスタイルのものに参加させていただけました。責任もあり、ワクワクもありでした。

MazznさんNIWAZOさんに参加していただいて、幅広くジャズを流すイベント構成に。ここではワールドミュージックよりもう少しポップなので、ラジオ番組形式を作りました。これもまた、今の活動に大きくつながっていきます。このときはネタだったんですが、ラジオDJ楽しいんだわ!

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並行してclusterの「4人でDJやるってよ」という月一定期イベントにレギュラーで出させていただいています。こっちはオールジャンルなのもあるんですが、出る人間が4人固定プラスゲストなので、自分の色を出しやすい、という強みがあります。

ここではワールドミュージックを好き勝手やっています。他の人につなぐとか考えて無くて申し訳ないのですが、やれることはここでやる!

解説もりもりでハイチやアゼルバイジャンやいろいろを紹介していて、現地の映像を素材サイトから持ってきて使ったり、食べ物を紹介したりと「旅行ナビゲーター」として音楽を紹介する形式でDJをしています。

clusterはコメントを書き込んでみんなが見られるので、質問とか感想が残るんですよ、YouTubeみたいな感じ。だから後から読み上げたりと意見交換ができるのは、VRCではできない。ありがたい。

これを使って、以前「どこの国の曲?」みたいなクイズ形式もやったところ、乗ってくれる人多数でした。楽しい!

現時点で、一番色々準備した映像を見せたり曲を聴いてもらうために話したりとバラエティに富んだことができているのがこのイベントシリーズかもしれないです。来てくださっている人もわかっているので、実験場的にできていて楽しいです。

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6月くらいには、PIXEL NOISEやKALEIDOSKYなどの大きめの海外イベントに呼んでもらえるようになりました。ありがたいことです。出番増えるのはやすぎるくらい。

それにどうやって答えればいいか?と考えて手を出したのが、英語による解説でした。圧倒的に海外の人が多い中、英語でかけている曲の国について説明していく…英語が極度に苦手なぼくの、新しい挑戦でした。

これに踏み切れたのは、またしても周囲の声でした。

「一生懸命話そうとしている海外の人を見てどう感じる?嬉しくないか?」

確かに!

ぼくは英語下手くそ外人として英語圏の人の前で、英語でワールドミュージック解説をするようになりました。今も努力中です。だって喜んでくれるんだもん。

自分をエンタメにしたい。

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夏からはじめたのが、インタビュー番組の「VRDJに聴く!」シリーズ。

VRChatで活躍するDJさんたちをお招きし、なぜVRでDJをしているのか、DJの面白さってなんなのか、などを根掘り葉掘り聴かせていただいています。

完全にぼくの興味から始まったシリーズなんですが、そもそもVRDJっていう文化、ほっといたらどこにも残らないんですよ。ネットの文化は往々にして記録されず消えていきますが、特にVRDJは凄まじい人がいっぱいいるのに、記録が残らない。もっと知ってほしい。

なのでアーカイブ化することを今は重要な目的のひとつとして行っています。まだまだ続けていくつもりなので見てね。

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おもしろイベントのひとつだった、タイコたき火ダンスナイトの盆踊り大会。有名ボーカリストSeenaさんに盆踊り曲を歌ってもらうという無茶なイベントでした。楽しいですね。

季節ものイベントってとことん苦手だったんですが、VRChatに入ってから、みんなでイベントを行い、衣装改変でハロウィンやら浴衣やら揃えるのが楽しくて、すっかり大好きになりました。いっぱい写真もとりました。ようは人と過ごすと、好きになるんだね、イベントって。

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10月11月は、自分のホームに近いところから離れて、新しいイベントへの参加を増やそうと頑張っていた、武者修行的な時期でした。

みんながぼくを知ってくれている場所なら、ワールドミュージックの解説をすれば「ああいつものやつきたね」で済むんですが、そうはいかない。0からのスタート。解説をして音楽をかけて、しらけないようにどうすればいいのか考えていました。もちろん微妙だったときもありましたが、だいぶ鍛えられたと思います。

このあたりから、ワールドミュージック、バルカンビートにくわえてロリコアというジャンルもどんどんやるようになりました。

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DJこはだちゃん、MCてつじんさん、VJnovuさんという面々にまじって、EJとして参加させていただいた「Drum'n'Quest Ⅱ」もぼくにとって大きな出来事でした。

DJイベントって楽しく何時間もーっていうイメージが多いですし、実際そうだとは思うんですが、これは一時間一本勝負、全員が力をフルに出し合うセッション作品を作るためのイベントでした。

そういうストイックな空間エンタメを作る向き合い方に、衝撃を受けていました。本気で挑むと、自分自身に対して見えるものが確実にある。相手と譲らない協力体制を組む必要がある。それは神経をすり減らす。

そこから逃げない。一瞬のためにやることはもったいなく見えるかもしれないけれども、その輝きは何者にも代えがたい。

このワールドKOHADA PRINT WORKSも最初このイベントでしか使わない、と聞いたときは仰天しましたが(流石にもったいないので止めた)そのくらいの精神ってぼくは持っていただろうか?と突きつけられたかのようでした。

お金とかが絡まないゆえの、純粋な自己表現とエンタメ精神。そこそこ生きて要領の良さを身に着けてきた中で、フルスイングについてVRで改めて考えさせられるなんて思っていませんでしたとも。いいかどうかは別としても、忘れかけていた感覚が刺激されました。

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11月12月は自分なりのエンタメをどう模索するかで、新しいことを常に取り入れていた時期です。

…が、この時期体調をやたら崩していて(たまごまごはめまい持ちです)、仕事も趣味もにっちもさっちもいかない、しんどい日々も続いていました。なにもできない日も多々。参加できなくなっちゃった日も。辛すぎる!

音楽を楽しむには、健康第一です!

KALAIDSKYでやっていたワールドミュージックセットリスト「祈りの音楽シリーズ」は個人的にもお気に入り。解説を入れつつ、世界の宗教宗派どころか土着の伝承までひっくるめて、いろんなものへの祈りの音を集めてみました。またやりたいシリーズです。

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12月には「asian music style」という、アジアの国の民族音楽からポップスまで幅広く扱うイベントを行いました。これがぼくにとって最初の、企画イベントかも?

THAI STREETという、タイを再現したものすごく高いクオリティのワールドがあって、そこをお借りしてやっと開催しました。

これが、想像以上に素敵なイベントになりまして!!!!

実際にタイのVRChatユーザーが来てくれたり、ワールドの街の色々なところでくつろぎながら音楽を聞いてくれたり(このワールドはどこにいても同じ用に音楽が聞こえます)、DJのかけるアジア音楽のタイトルに興味を持って聞きに来てくれたり。

アジアを味わう音楽の街を作ることができた、というのはとても幸せな体験でした。参加してくださったDJのRobinikiさんとぬこぽつさんのおかげです。ぜひまたやりたいですね。

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12月28日(木)。「かわ音」への出演。

これはぼくにとってめちゃくちゃ大きなポイントでした。

まずぼくは「かわいい」がなんだかわからなかったのです。ぼんやりとはありますけども、説明できないんですよ。説明できないと表現なんてできないんですよ。

「かわいい」を音楽で表現する「かわ音」は、そういう点でものすごい壁が大きく、憧れの場所でした。

半年以上「かわいいとはなにか」を考え続けた結果たどりついた地点を、エンタメとして表現する。約1年のDJ活動の集大成をぶつけるつもりで挑みました。多分これまでのDJの中でいちにを争うほど緊張していました。

形式はラジオDJ型。トークを中心にかわいいをおたよりのネタに絡め、最終的に自分の考えるかわいいへと昇華させていく。

バラバラに聞こえやすいように、あえてDJ的なつなぎのテクニックとかは一切使っていません。それよりも選曲と曲の本質の紹介に全振りしました。

こういうエンタメDJがいてもいいじゃないか、という思いもものすごくあるプレイでした。AIイラストを駆使したVJも悪くなかったと思います。

個人的には、自己表現できたことでひとつ大きな山場を越えた気がします。次の山に向かう準備ができました。

もちろん「かわいい」の深淵もまだまだ追いかけ続けようと思います。

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仕事じゃないからこそ手を抜けない、自分と向き合うことになる趣味がある。大人になるとできなくなることも、身近でできるVRの強みがあるからこそ、改めて体験できた一年でした。家でできる、という一点だけにおいてもVRは本当にすごい。やらないともったいない。

人の前に立って見せる側になると、自分の考え方がむき出しになります。自分って何が好きだったっけ、という疑問と直接向き合うことになります。これは結構しんどい。

しんどいからこそ、ハッと気づいたときの感動は別格。

やみつきになります。好きなものを聞いてくれ、一緒に共有しようよ!

音楽かけるよ、いっぱい話すよ、聞いてくれよ、教えてくれよ。

 

やってることはブログとあんま変わらないですね。

VRChatという場で、音楽の新しい体験だらけだった2023年。来年は自分からもっと新しい体験をし、聞いている人に楽しんでもらえるようがんばりたい…のですが、とにかく体調!! 体調崩してできなくなるの本当に嫌!

来年の目標は「健康」です!

 

かわいいってなんだ、かわいいって心だ。clusterイベント 10月14-15日「かわ音秋のスペシャル」に期待

10月14-15日に、clusterにてVRCのDJイベント「かわ音 秋のスペシャル」が開催されます。

ぼくは今回は「速報」として、広報番組のお手伝いをさせていただきました。動画はこちら。

 

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KAWAII」をテーマにDJ12人がずらりと登場。VR空間で音楽を繰り広げてくれるパーティーです。海外の有名DJも参加。この日のための新ワールドも制作されたとか。すごい力の入りようです。

 

DJイベント慣れしている人なら言うまでもなく「行くべし!」なんですが、そうじゃない人に向けて書きたいです。

DJが「KAWAII」をかけて、何をするんだと。それは面白いのかと。

ここに関しては、「かわ音」はコンセプトがはっきりしているので、「面白い」とぼくは思っています。

 

「トランス」とか「テクノ」とかの場合、ある一定の音楽的なルールや方向性があるので、ジャンル分けしやすいです。だからイベントもそのジャンルのファンに対して訴求力があり、楽しいものになります。

 

しかし「KAWAII」って音楽の性質としてのジャンルじゃないわけです。

音楽を作る側、かける側、聴く側のメンタリティで決まるものです。

 

たとえば中田ヤスタカの楽曲は「KAWAII」を意識して作っているので作り手のメンタルが反映されている顕著な例かもしれません。

じゃあアニソンは?アイドルソングは?ニューウェーブは?シティポップは?

ここは選び手が「KAWAII」と感じるかどうかにかかってきます。作り手が「かわいくつくってないよ」と言おうとも、その人の選曲で「KAWAII」ことを表現していいはずです。

「私の感じる『KAWAII』はこうなんだ!」というDJ側の研究発表会、またはバーチャル青年の主張。

よって、かけるDJの辿ってきた人生遍歴、音楽経験で「KAWAII」は12通り異なるはずです。ここが、面白い。

「かわ音」は千差万別の、普段はトランスやハードコアやヒップホップなど別ジャンルで活躍している人に「KAWAII」を表現してもらうことで、新しい体験をして楽しむのがテーマのひとつのようです。

 

もう一つ、観客もまた「KAWAII」の表現者であるのが、このイベントの大きな売りです。

DJは自身の「KAWAII」を選曲とテクニックで見せるわけですが、それを受け取る側も「ぼくたちわたしたちの『KAWAII』はこうです!」と向き合える場です。

いわば舞踏会。

バーチャルとはいえ、普段は人前に出ることを考えてアバターの服を着るものです。

しかし、ここではそのブレーキは取っ払いましょう。

 

あなたの考える「KAWAII」ってどんなものなの?

あなたはどんな「KAWAII」が好きなの?

 

それをこの二日間、思いっきり着飾って、参加してみましょうよ。

DJも、周りにいる人もみんな、かわいく着飾って、かわいいメンタルで来ているからさ。

「かわ音」は「KAWAII」の表現の場です。

 

参加するDJについては最初の動画を見てもらうのが早いと思います。ジャンルバラバラなんですよ。

特に海外からのふたり。日本文化の詳しい人たちですし、音楽ジャンルもなんでもこなせるとはいえ、視点は全然違うはずです。

どんな「KAWAII」を持ってくるのか考えるだけでも、ワクワクします。

もちろんその「KAWAII」には、聴く側も「KAWAII」で受け止めましょう。

たとえ自分の「KAWAII」と人の「KAWAII」が噛み合わなくても、尊重しあえるのがこの空間になるはずです。

 

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自分語りです。いやなひとは飛ばしてね。

ぼくは「かわいい」「KAWAII」がなんなのかわかりませんでした。

かわいいは正義」と「苺ましまろ」めいた発言をしてきたけれども、その「かわいい」がなんだかよくわからないから「正義」すらもわかりませんでした。

女の子がかわいい。でもぼくのそれはただの性的な欲望ではないか?

幼いものがかわいい。それはぼくが優位に立っていることに満足する図々しい自己満足ではないか?

ディズニーキャラはかわいい。それは世間一般の声に流されているだけではないか?

角度を変えると「かわいい」ってすごく自分の暴力な気がしてならなかったのです。

同時に「かわいい」ものも暴力的で、かわいければ他のものの力を奪うことができる暴力だとも思っていました。かわいいは怖いし、怖いはかわいい。

 

あと、自分のかわいいが世間一般の平均の「KAWAII」と噛み合わない気がして、なかなか言えずにもいました。

たとえばぼくは戸川純がめちゃくちゃかわいくてたまらなくて好きなんですが、それが否定されたらやだなあという思いはどうしてもあります。同時に「そんなサブカルぶって逆張りかよ」って言われそうなのもやだし、そういう風にサブカルと「KAWAII」を分けて考えている自分もいやだ。ついでにいうと「かわいい」と「KAWAII」を分けて書いている自分もいやだ。いやしょうがないんだけども。

 

だからこそ「かわ音」みたいなイベントにはちょっと、いることへの申し訳無さすらありました。何を考えてこの空間にいればいいんだろう。

 

でも逆でした。オーディエンスもDJも、人の「KAWAII」を否定しない。ここでは自分の「KAWAII」を認めていい。どんなものであろうとも。

(もちろんエログロ等、見たくない人が見ないようにする法律にのっとったレベルのルールはあります)

とたんに「かわ音」はぼくの居場所になりました。

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ちょっといつもと違うアバターの衣装で着飾って、むずかしければアクセサリを追加して(clusterではアクセサリを買ってその場で付けられます!)、おしゃれして参加してみよう。

いつもかわいい人は、もっとかわいくなってみんなと交流しよう。

かわいいを、解放しよう。