たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ナディアは私の大切なものを盗んでいきました。


●今こそ、無料でナディアを見よう。●

GyaO、テレビアニメ「ふしぎの海のナディア」を順次配信。ネットでは初
おおお、ほんとですか。無料でナディア見られるなんて眼福すぎる!いい時代になったなー。

『ナディア』から放たれたもの。そして『電脳コイル』へ(きなこ餅コミック)
ゆすらさんも書かれていますが、自分もアニメの道に転がり込んだのはまぎれもなくナディアがきっかけでした。これは断言できる。まだ子供だった自分の心に、大きな爪あとを残していったのです。
同じタイミングでアニメにころげた人はかなり多いのではないかと察します。
 

●「NHKなのに!」と口をそろえて僕らは叫んだ●

それまでのNHKアニメに詳しいわけではないですが、幼い頃の自分は「NHKアニメはまじめだろう」という印象がありました。「スプーンおばさん」とか大好きでした。
しかし、アニメージュの表紙を見たときに衝撃を受けたわけですよ。
黒人の、肌もあらわな、しかも死ぬほどかわいらしい女の子がいたわけです。いかにもアニメ調な。
子供の自分には、刺激が強かったです、ナディアの服装。そしてぶっちゃけ、今でも刺激強くないですか、この服装。他にそうそうないですよ、こんなにイキイキとしていて、エロくて、かわいい褐色の子。
髪型も初期設定ではちりちりだったりと相当悩んでいたそうですが、おかっぱなのは日本人としてツボでした。ちりちり髪だったらここまで人気出なかったかもしれません。差別じゃなくて、単純なイメージ。
 
そして、「海底二万マイル」という原作を全く無視した展開、ぎりぎりなサービスシーン、衝撃的で残酷な運命の描き方、音楽、動画のクオリティ、島編の狂いっぷり、すべてが強烈でした。
テレビの前で、多くのアニメファンが叫んだでしょう。
「NHKなのに!?」と。
 

●今だから思う、ナディアの革命●

なけなしの小遣いでアニメージュを読みふけり、「ロマンアルバム」を買い、グッズを買い、CDを買い、フィルムブックを買いました。ビデオは擦り切れるほど見ました。
ほんとときめいていたなあ、あの時は。そして今も。

1、シリアスな展開とギャグのバランスが整っていた。
2、リアルなシーンでは、とことんまでそれを追求し、印象的な見せ方を徹底している。
3、ナディアの魅力と、性的な感情を抱かせるセリフの連続。
4、ノーチラス号の戦闘シーンや、キャラクターのアクションにスキがない。
5、パロディネタをふんだんに盛り込んでいるので、オタク要素として楽しむ部分が多い。
6、島編の抜きっぷりに中毒患者続出
7、ガーゴイルという独裁者の独特の哲学性
8、アニメ的なかっこよさの結晶、ネモ船長。
9、グラタンの愛らしさとロボっぽさが、タツノコファンのハートを釘付け
10、MAD的な演出のみでまるまる1話行った、その演出の妙。
11、なにはなくともフェイトさん。

1,2あたりはもう言うまでもないとして。
3はとにかくトラウマです。エロい意味で。ほんとアニメに転がり込んだのは、ナディアがかわいかったからといっても過言じゃないです。加えて、エレクトラさんの存在はあまりにも性的でしたね。お姉さんとしてもそうだし、ネモ船長の子を身ごもるときもそうだし、グランディスさんとの女バトルもやたら性を感じさせました。名前のなかった褐色看護婦さんが人気投票で上位になっていたのも懐かしい。その後イコリーナ・エッチーノさんと名前が判明してファン大喜びだったのが思い出されます。気分はファンクラブ会員。そして、最終回で衝撃をよんだ、マリーでしょうか。もうとにかく女キャラは性的。
男性キャラも、サンソンはガイナックスの「男」の象徴な気がします。エヴァの加持さん、フリクリアマラオ、そしてグレンラガンのカミナ兄貴。…兄貴…。
 
5のパロディは、当時のアニメをあまりしらない自分としては非常に斬新に映りました。ああ、ここまでやってもいいんだ、と。ノーチラス号なんてヤマトそのもの。そんなあからさまなリスペクトっぷり。「オタクとして本当に好きなものを好きと叫ぶ姿」が、かっこよく見えたのはこの瞬間でした。
 
6は、今になってやっと面白さが分かった感じです。正直子供の頃はしんどかったです。アニメ夜話で「1年あのクオリティはムリ」とぶっちゃけていたのが痛快でした。でも、あそこで息抜きがあったのは正解だったんだろうなと思います。その分、後半えらい面白かったですし。それに、あの島編のゆるゆるっぷりと、ナディアのかわいさっぷりは異常でした。あの空間にいたいですもの。
そして、おまけ劇場の中で、ナディアの隠し撮り写真に怪しいしみがついていて、泣いた。ジャン、男だね。
 
7のガーゴイル美学には、自分も酔わせていただきました。最初はなんだかわけのわからん組織だなあと思っていましたが、だんだんジャン達側じゃなく、ガーゴイル側にほれ込んでしまうから怖いのなんの。もちろんいいわけではないんですが。ムスカを好きになる気持ちに似ているかもしれません。
 
10はMADというものの存在を知らなかったからびっくりでした。

これはサンソン・ハンソン・グランディスのですが、マリーの「どうしてそうなの」のMADは今でも大好きです。ビデオしょっちゅう見直します。「ABC,覚えられないー」が性的な意味でよかったあ。こういう過去フィルムを面白おかしく編集する、ってのは、今の自分のMAD好きの芽を間違いなく生んだ気がします。
 
11はトラウマになっている人が多いと思うので、もう特記。なのはの金髪の子ではないです。
明るくてジャンと仲のよかった黒人の乗組員が、脱出しきれずにノーチラスの中で隔離されてしまうんですよ。それで、もうどうあがいても死ぬしかなくなってしまいます。
んで、彼は「生きるんだぞ」みたいな明るく前向きなことを泣いているジャンやナディアに壁越しに伝えるのです。ものすごくかっこいいんです。しかし、いざ死が迫ってくると「いやだ!死にたくない!」と絶叫しながら死んでいくわけですよ。
子供には強烈でした。とにかくこのへんは、無料放送で見てください。
 
ここまでやられて、自分がアニメが好きにならないわけがない。絵が動くって面白い、リアルとファンタジーを描けるってすごい、こんなに心躍るものができてしまった!
ナディアを見ていたときの自分の興奮、今でも思い出せます。
 

●ナディアが刻んだ、アニメの嗜好●

ナディアとエヴァンゲリオンは、いまだに心に大きな爪あとを残しています。どんなに後ろ指さされても、やはりこの二つの作品がこの後のアニメ・マンガの好みを決定した、と胸を張って言えそうです。
どうしても、この二つと他の作品を比べるクセついちゃうんですよ。強烈すぎて。いや、他にもっとすごいのいっぱいあるんですが、基準線がそこになっちゃったんでしょうね。いい意味でも悪い意味でも。
 
しかし、何度も見て楽しめる、そんなアニメの面白さをしっかりと受け取ることができたのは、物心付き始めた頃に見たアニメだからかもしれません。ガンダムイデオンの頃のことは知らないけれど、ナディアで色々考える楽しさを知るようになったのです。元々ジュール・ヴェルヌは大好きでしたが、ナディアで引用されるような豆知識とかを漁りだしたのもこの作品のせいです。
今後もすごく大好きな作品にたくさん出会って、あのときのようにワクワクした気持ちを持っていたいなと思いますが、一瞬頭をナディアとエヴァがよぎるのは、一生続く気がするのでした。
でも、後悔はしていない。大好きだもの。

ふしぎの海のナディア オリジナル・サウンドトラック(Forever NADIA) ふしぎの海のナディア DVD-BOX I
 
〜関連リンク〜
GAINAX NET
ふしぎの海のナディアリファレンス