たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ページがどんどん迫ってくる「白球少女」の描写方法

●スパッツ、ニューカマー。●

WEB拍手より。

オススメのスパッツ漫画はなんですか

うほ!それはもうあれやこれや・・・!といってもなんなので、「ギャラクティックマンション」と「白球少女」2巻をオススメします。
ギャラクティックマンション(1) 「HXL ヒーロークロスライン」003(マガジンZKC) 白球少女 2 (Flex Comix)
前者はまじめなめがねっこスパッツ、後者は暴れん坊元気スパッツです。スパッツのなんたるかを理解しつくしたような作者さんの描き方がたまりません。
スパッツを履いた女の子が走り回るのって、いいよね!
 
特に、白球少女の新キャラ、ハナビは「スパッツとは少女がイキイキと動くためのもの」を体言したようなすばらしいキャラであります。

ダイナミーック!
ん?パンツが見えたほうがいいだろうって?違うそうじゃない。
確かにパンツ見えても気にしないくらい元気な子もいますが、ぼくらには合言葉があるじゃないですか。
「スパッツだから大丈夫」
そう、スパッツだからこのくらい元気に動けるのです。それを忘れてはいけません。
あと、彼女は靴がはだしに直ばきなのがさらにすばらしいですね。スパッツから伸びる脚は筋肉を感じさせる美しさが重要ですが、裸足靴であることでその比率がアップ。なんとも見事なキャラクターです。

またこの子、やたら性格がカッコイイ。100%裏表無しの直球少女でございます。
一部東北の漁村では全力を出す事を「ほすぺ」と言いますが、まさに彼女は日々ほすぺな人生を送っていると言っていいわけです。
なぜ全力で生きられるかって?スパッツだからだよ。
 

●「白球少女」の読みやすさ●

はてこの「白球少女」という作品。じわじわとあちこちで話題になっているようで、多くの書店で平積みになっていたりします。
とはいっても題材はかなり変化球で「野球をしない野球マンガ」です。1巻では、まあ導入だしなあなんて思ったんですよ。しかし2巻になってもやらないとは何事か。このまま永遠にやらないつもりでしょうか。いいね。
 
そんな変り種なんですが、個人的にはこのマンガ非常に人にすすめやすいです。自分の直感でしかないんですが、とにかく誰でも読みやすい気がするんですよ、好みの差異はあれども。
絵が独特でかわいい、ポップなのに田舎っぽい、少年少女の全力があふれている、など色々要因があります。
そして最大の要因として、この作品のそれぞれのページの構成が非常に目に入りやすいんです。
 

●ページを遠くから眺めてみる●

たとえばちょっと1ページ引用して実際に見てみたいと思います。

2巻123ページより。
3コマ目のように、この作品はカメラのアングルがかなり特殊なところにおかれている場合が非常に多いです。そうすることでそれぞれのキャラが動いていなくても躍動感あふれるように見えます。
しかし、それ自体は多様しすぎると読んでいる側が酔ってしまいます。なのに、この作品はほとんど酔いません。
 
ここでこのページを少し離れてみると、実は絵の中に大きな○があることに気づきます。

こんなかんじ。何気なく描かれている左側の松が円にはいるのがポイント。
 
このような円を意識したページが随所に見られます。
ダイナミックな動きを意識したシーンでももちろんそれは使われていて、

2巻26ぺージより。
キャラクターをつなぐとちょうど○ができあがります。
ぱっとみて、円になっているので二人の視点が一発で目に入ります。だからコロコロ視点が変わっているのに疲れません。
 
また地味な会話のシーンでも、キャラクターの視点がぱたぱた切り替わることが多いのもこの作品の特徴ですが、これまた円で明快にされています。

2巻102ページより。
2コマ目の傾いた配置が、なにかいわくありげな二人の関係をよく描いています。
こんなアクロバティックなアングルでも、ページ全体が円なのでするっと目に入ります。時計回りに追っていくと非常に読みやすいです。
 
全部のページが円なわけではなく、要所要所にそのようなトリックが挟み込まれています。それによって、人数が多いながらも人間関係は明確に出ますし、白黒のバランスもとれているので目になじみやすいです。目に入りやすいほど読みやすくなるので、作品そのもののスピード感も増します。ああ心地いい。
 
白球少女」はとにかく少女達の疾走感とぐるぐる回る視点がウリ。かわいく元気な少年少女たちを思う存分色々な角度から見られたら、明日の活力もわくってものよ。

白球少女 1 (Flex Comix) 白球少女 2 (Flex Comix)
個人的にはスパッツを筆頭に、なんだかごわごわした感じの女の子たちのファッションがすごく好き。はにわルックもかわいいじゃん!