たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

人生を謳歌する35歳独身OLはかわいいだろ?「たまのこしかけ」

●三十路ブーム。●

最近、地味に三十路女性ブームだと思うんです。
まあ女性を年齢でどうこういうのがアレなんですが、でもわかる、わかるよ。
たとえばエヴァミサトさんは子供の時には本当の良さはわからないけれども、同じくらいの年になるとあの良さがしみじみ分かるわけですよ。
つまり、オタク層がじわじわと年齢層の幅を広げ、生まれた時からオタクだった年齢層が大人になっていくことで「ちょ、30代いいよ、まじかわいいよ」と言う人が増えつつあるのは事実だと思います。
そんなこんなで色々な三十路女性キャラが愛されるようになってきました。
わかりやすいのは、「とらドラ!」のゆりちゃん独身(30)でしょうか。ゆりちゃん大好きな人はかなり多い様子です。みのりん一筋の自分ですが、ゆりちゃん好きです。結婚したいです。
あと「こどものじかん」の白井先生。あの漫画はどのキャラもかわいらしいのですが、白井先生のかわいらしさは別格。あんなに純朴で一生懸命で心に壁を持ちながら乗り越えようとがんばる30女教師を愛さずにいられましょうか。
少しさかのぼりますが、30girlが話題になったこともありましたね。

彼女もまたキュートなんだなー。既婚者ですがそのかわいらしさと生活感からにじみ出る幸せ感は折り紙付き。
その他にも、年齢がいわゆる「若者」ではない女性のよさを描いた作品は数多くあります。おそらく、世間一般にそれを知らしめるだけの作品が増えているのもありますが、実際意図的に三十路のよさをエロス以外の方法できちんと出されているキャラって増えているように思います。
 
そんなわけで今回は、ものすごくかわいい35歳のお話。
 

●かわいい35歳(独身)●

たまのこしかけ 1 (まんがタイムコミックス) (まんがタイムコミックス)
荻野眞弓先生のたまのこしかけは、主人公が35歳独身OLの4コマ漫画です。
まあ4コマ漫画でOLの出てくる作品は多いのですが、35歳という年齢を前面に押し出しつつ、そのかわいらしさを描いた作品はそうそうありません。
ちょっとどのへんがかわいいか見てみましょう。
 

1、おばちゃんくさい。
見ての通り、童顔でちんちくりんな彼女。見た目で得している部分もありますが、基本中身は若者ではありません。
たとえばこんなやりとり。

あー、若くないねえ。
この「おばちゃんっぽさ」が異様なほどかわいいわけですよ。
その他にも様々なところで微妙なセンスの古さがにじみ出る彼女。でもそれって全然マイナス要因にならないんですよね。むしろ明るくポジティブな彼女ですから、そんな感覚のズレすらもチャームポイントになります。
ようはあれです。人に迷惑なおばちゃんくささは困りますが、前向きでポジティブなおばちゃんくささはプラスなのです。

まあそんなせいで逆に気を遣われて、なかなか後輩の若い子にはちやほやされないというか、「あんまり言ったら失礼なんじゃないだろうか」というにおいが出てくるのですが。
年齢で距離ができちゃうのってそこなんですよね。別にそんなの気にせず無礼講でいいのにね。
 
2、鉄道マニア!
彼女、ばりばりの鉄子です。
鉄道好きな女性ってのは実は一部男性にとって大きなプラス要素になります。
だってね、鉄道好きですよ。旅行好きですよ。なんか話がはずみそうじゃあないですか!あ、これ自分の意見ですが。
実際、一人旅行できる女性はものすごい魅力的なわけですよ。その自分の芯の強さといい、前向きにどんどん動ける行動力といい、「しっかり自分が好きなものを持っている」ということといい。

そしてこのうっとりと電車の話をする様子!
さすがに「すげーわかる!」ってほどの鉄道知識を持っていないのが残念です。だが彼女の笑顔が見られるのなら、おれ、鉄道の勉強するよ。
彼女の鉄っぷりは筋金入りで、作品の各所で現れています。
もうね、日々の仕事が面白くないとしてもですよ。時刻表を見て自分旅行しながら、ビールを飲めれば人生は上々じゃないか。
ん?だから婚期を逃すんだって?
婚期を掴むことだけが人生の幸せではないよ。
 
3、純情無垢
おばちゃん臭さの一つのベクトルは「生活にくたびれる」というものがあります。
そうなってしまうと、人間の魅力って減ってしまいます。女性の、ではないですよ。男も女も、愚痴をこぼしている人よりも笑顔な人間の方が魅力的です。
彼女も愚痴を言わないわけではないですが、ほとんど自分で「まあいっか」で済ませてしまいます。そしてそれ以上に彼女は乙女な気持ちを保ったままなのです。

この左の男の子も相当にマイペースな人間なのですが、そこにキュンとしてしまう彼女のかわいらしさよ!!
決して恋愛にがっついたりしません。恋愛したくないわけじゃない、むしろ結婚だってしたい。でもがっつかない。
ときめきがあったら、素直にときめく。計算はしない。単純ストレートに恋をする。
そんな彼女がかわいくないわけがない。
 
4、むちむち三十路
彼女相当無自覚ですが、むちむちっぷりがものすごく女性体型を強調していて、すごいかわいいんですよ。
いくつか見てみます。

部屋でくつろぐ彼女。かわいい!
何気ない下着や部屋着のチョイスもまだまだ若いのもいいんですが、なによりこのむちむち成熟した体のキュートなこと。おしりとかぷりぷりですよ。
まあそこでケータイふんづけちゃうあたりのおっちょこちょいぶりが三十路らしさでもありますが。
まだまだあります。

無自覚セクシーの決定版!
ひざの上のお肉。むっちりした太もも…。
やせていればいい?いえいえ。彼女は自分の均整とれつつ女性らしい魅力に気づくべきだと思うんだ。

お肉との闘いの様子。
ズボンが入らないというのはとてもよくわかるんですが、にしても彼女なにげに鍛えられた体してますよねえ。
推測でしかないんですが、電車好きでアウトドアな彼女が選ぶこういう下着にズボン類がまた、彼女の魅力の一つになっている気がするのです。そう、ファッションが年齢や流行に「流されていない」ので、時代の流れから隔世している感じがするんです。
いやはや、こんなスーパーむちむちタイムが本いっぱいに広がっております。作者様、大人の女性の「かわいらしさ」というのものをさすがよくわかっておられる!
 

●マイペースは一番の魅力●

彼女、あんまり積極的に友人を作るタイプではありません。
まじめに仕事はするけれど、そんなに出世するつもりもありません。
そこそこに仕事をして、就業時間が終わったら家に帰って、ビールを飲んだり時刻表を見たりして、人生を謳歌しています。
恋愛っぽいこともなくはないけど、生活の中心にはなりません。
そう、何かに振り回されるということが少ないんです。
だからこそ、自分でやりたいことをちゃんと選んで、自分らしく生きています。

まわりの子たちはみんな若いから流行の話題に流されまくります。食べ物やファッションやダイエットや云々かんぬんや。
でもね。それも楽しいだけれども、自分のペースで自分の好きなことを第一にして「まあまあ今の生活楽しいよなー」と思っている人ってやっぱり魅力的なんですよ。
「わたし気にしなさすぎなのね」と彼女が言っているとおり、実際気にしなさすぎです。その年齢のズレをギャグにする作品もあり、それはそれで面白いんですが、この作品はそこを「彼女の最大の魅力」として描いています。
誰かのために生きてるわけじゃあない。周囲に気を遣うためにがんばってるんじゃない。
わたしが楽しいことをして生きていければ、堂々と幸せだって言えるんじゃないかなー。
 
悩みがないわけでもないんです。

体の衰えは如実に出てきます。(正直そこもかわいいんだけどネ!)
特に贅肉や体力の減衰には彼女自身気を配ってはいます。一応。

嫉妬しないわけじゃないです。
若い男性は若い女の子ばっかりちやほやするし、自分は気を遣われるばかりであんまり相手にされないし。そりゃーちっとは寂しいです。
寂しいけれど「まあいっかー」って思えたらそれが一番。ちやほやされたいわけじゃあない。ちょっと寂しいこともあるかな、ってだけ。

そう、「まーどうでもいいかなって」思えるのが大人の魅力ってやつよ。
 
この魅力に気づくのって、自分たちが20代から30代になってからなんですよねえ。
若いときは「お姉さん的」魅力は感じても、やっぱり若い子に惹かれる部分ありますし、おっさんくさくビールかぱーっと飲んでるのはあんまりなあ、という人もいるわけです。
しかし自分たちがその年代になった時、いかに「自分」を保っていられるのが大変かを知ったときに、それを楽しみ、人生を謳歌する人間が魅力的であることに気づかされるわけです。
そこで恋愛にがっつくゆりちゃん先生もまあかわいいんですが、「でもまあ人生楽しいよね」って言ってくれる人に自分は強く惹かれます。
ああ、こんな人と一緒なら自分も人生楽しいだろうなあって。
年を経ると、激しい恋愛もいいけど、まったりそばにいて「なんか幸せかもね」ってお互いがそれぞれ自分を楽しみながらなんとなく一緒にいる様子の方がよかったりすることもある。
そこにキュートさを感じられるかどうかは、読者次第。
自分は何度でも言います。
自分なりに人生を楽しんでいる彼女は、最高にキュートな35歳だと!
 

人並みにへこんだり傷ついたりもするけれど、それでも前向きで「そこそこ」元気なのがとってもかわいいです。安定感あるんですよねえ。
安定感あるのに、ちょっとしたことで「キャー!」ってなる乙女チックさ。旅行大好きで鉄道の話をするとうっとりするその顔。
ああ、なんとかわいい彼女なんだろうか。
いいヒロインに出会えたものです。