たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

女の子がなぐって蹴ってなぎ倒すんだぜ!「チョコレート・ファイター」


体に炎がともったので、ものすごい勢いで「チョコレート・ファイター」見てきました。
「チョコレート・ファイター」公式
もうね、ストーリーとか二次的なものですよ(大事っちゃ大事だけど)。
かわいい女の子が、殴る!蹴る!
それが見たいなら速攻で見に行くべきです。
タイならではの「ワイヤーなし、CGなし」。トニージャーの「マッハ!!!」や「トム・ヤム・クン!」同様、ガチバトルです。
さすが同じ監督。「愛」と「とにかく殴れ!」の美学の徹底っぷりにはゾクゾクします。
しかもだ。屈強な男じゃないのよ。女の子だよ女の子!ヒロイン役のジージャーがこれまたむっちゃかわいいんだもの。
ジージャーちゃんのコメント
やっべえ、かわいい・・・!
 
「人はなぜ戦うか」を描く場合、「理由ありきで戦闘シーン」が基本なんですが、映画館に行く人が求めている物ってそこだけじゃないわけです。
「戦闘シーンが見たいから見に行く」わけですよ。
撮影現場でも台本らしい台本がなく(大筋とアクションの動きのみ!)、その場で試行錯誤しながら台詞をいれていくので、まさに「アクション>>>ストーリー」。
かわいい女の子がまるで蜂のように跳びまわり、蹴り刺しまくる!
その理由として、ストーリーが必要だから入れる・・・ということなのです。
全編を通して家族愛が込められているから、さらに物語は面白みを増しますが、確かに揚げ足をとれる突っ込みどころも満載。
「なぜ出てくるチンピラはみんな屈強なファイターなの?」
「なんでこの女の子はこんなに強いの?」
「どうして?どうして?」

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  /   ,i   ,二ニ⊃{ \  、/_  {    `丶、
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    ,イ「ト、  ,!,!|/: : ハ. Vリ   弋ソ 人   l: : く⌒
   / iトヾヽ_/ィ"/ : ( 〉 ''   '    '''   rヽ l: :/⌒
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いやもうほんと。こまけぇことはいいんだよ!!
ファイナルファイト」とか、一応目的があるけど基本、いろいろなステージでいろいろな敵をなぎ倒すじゃないですか。あれですよ、あの快感!
「なんでそんな人のとこに乗り込むの!?」と思うくらい、舞台がこれまた個性的。製氷屋さん、工場、精肉場、日本料亭、バーの雑居ビル等々。
それだけ場所がばらばらだと、おいているアイテムも種々様々。それらをこれでもか!ってくらい駆使して、少女が殴る!蹴る!ぶん投げる!
おいてある物を利用して敵を追い込むのはもちろんのこと、地形を利用した戦闘方法もユニーク。壁も机も木箱も全部彼女にとっては味方です。
敵の屈強な男達も、これでもかと武器(当たったら即死!)を駆使してくってかかるんですが、そこをめきめき、鬼神のごとくなぎ倒す。
もうこれは「タイ無双」です。
ゲームをたとえに出していますが、ゲームなんですよ作りが。
ゲームは危険なことを、キャラクターで死なないから、という理由でえらいひどい目に遭わせるわけですが、それを実写で、フルアクションでやるってことに意味がある!
なんで精肉屋かとか考えるな!精肉屋で肉切り包丁持った男達を可憐な少女が蹴りでなぎ倒すことに興奮すればいいんだよ!
 
また技が特殊で、ムエタイじゃあないんですよ。いろいろな格闘映画を見て吸収しているため、トニージャー風のムエタイも使えば、ブルースリーなマーシャルアーツもコピーします。戦闘中の相手の技すらも覚えて使いこなします。またハイキックがえらい高いところに行くので、爽快感スピード感も抜群。
よくこんな技思いつくなあ、という思いがこみ上げる前に、彼女はそれをぶっ倒して次の敵に殴りかかるわけですよ。四方八方の敵を次から次へ。なぎ倒した後の追い打ちすらも個性的。
アドレナリンは出っぱなしです。
ほんと何度も言おう。こまけぇことはいいんだよ!
少女が徒手空拳で敵を倒しまくる!それを手に汗握って見ればいい!
 
で、この監督さんの映画は何もかも痛そうなんですが、実際この映画大怪我人出まくりです。
撮影中に打撲やら切り傷でナチュラルに担架で運ばれていくのがエンドロール前に流れるんですが、痛くて痛くてもうもう。
クレイジーすぎるよ。なんでそこまでして・・・ばかじゃないの・・・ほんとにもう痛いをかえりみずに少しは考えながらやればい・・・大好き!(堪えられなくなって叫ぶ
 

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で、こんなに熱く激しく、「少女が戦う!」というキャッチーな内容なのにあまりにも知名度が低いこの作品。
宣伝もほとんどされていませんし、日本公開もやたら遅かったです。
なぜかしら?と思ったら映画を見て納得。
 
主人公の少女ゼンは、知的障がい者なんですよ。
これだけ聞くと「それはまずい」と反応する人が日本人だと半数以上ではないかと思います。恥ずかしながら自分も「だいじょぶなの?」と一瞬思いました。そもそもフィクションである作品に対して考えても仕方ないんですが・・・日本では体の損傷はそこまで敏感には扱われないですが、知的障がいにはやたら過敏なんですよね。
ちゃーんと見ればわかるんですよ。この少女が強いのは、極めて純粋な母親への愛一心であることと、見た物をコピーし、身につけ動く反射神経があるから。それが作品のテーマの一つでもある「人間は誰しも欠点があるが愛で補うのだ」という部分につながっていくわけです。必要な設定ではあります。「なぜ小さな少女が大きな男を倒せるか」の理由としての設定、と本人も言っています。
が。そうなると「障がいは欠点なんですか?」と言う問いも出るはず。もうぐぅの音も出ないですよね。むしろ「身体能力に恵まれているぜ!」と見た方が話はスムーズなのですが。
これはマスコミも扱いが苦しいわあ。
下のレビューでも同じことで、すっごい作品を褒めてるけど内容を宣伝出来ず苦しんでますね。
超映画批評『チョコレート・ファイター』60点(100点満点中)
「すばらしいから見ろ!タイと日本の文化の違いで戸惑っても見ろ!」とは言いづらいし、そこを論点にしたくない。だってこの作品は「少女が敵をなぎ倒す」のが楽しい話なんだから、障がい云々でもめてる暇なんてないからスルーするしかない。
これは相当日本ではマイナスになってしまわざるを得ないのも分かります。
いやもう・・・面白いんだよ!ピュアな少女の強烈なファイトっぷりは戦乙女の名にふさわしいんです。体中の血が沸き立つこと間違い無しなんです!
が、時折起きるフラッシュバックや、片言しかしゃべれない彼女の状態を見ているとヒいてしまう人がいるのもまた確か。敵のボス級に強い用心棒も知的障がい持ちなあたりがまたなんとも。
もちろん障がいを笑う内容でもばかにする内容では決してないです。これが文化の違い、自由の違いなんでしょう。仕方ないです。なのでそういうのが気になる人、心に引っかかる人にはおすすめできません。そこについて論じ合う映画じゃないと思いますので、スルー推奨。
 
つまり、「フィクションはフィクションだから!」と割り切れる人には絶賛します。
少女がひじ打ちとひざ蹴りで、敵をがっつんがっつんのボッコボコに倒す快感を味わっちゃえ!
あ、そうそう。阿部寛が死ぬほどかっこいいです。ところどころ福岡が舞台です。うーん、そのへん考えても、しがらみがなければ日本でもっと大々的に宣伝できたんだろうなあー。
 

こちらは同じように、テーマ性はあるんですが「それよりいいからムエタイ楽しめ!」が全面にでているので素直に楽しめます。しかも戦う理由は「象を取り戻せ」「像を取り戻せ」と単純明快。トニージャーも作品内では英雄級の人間なので安心して見られます。
次回作なら、ジージャーちゃんが活躍する、今度はいろいろなしがらみがなさそうな、すっきりしつつもバカみたいにすっげえアクション映画を期待しちゃうよ!
あ、そうそう。ジージャーちゃんのアクションで一番の見所は、すねとふくらはぎです。キュート。