たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

謎の出版社ライスリバーから出ている百合とロリのアンソロジーが、結構頑張っているのに情報なさすぎなのよ!

ライスリバー、という謎の出版社から、立て続けてに「RICE RIVER COMICS」としてアンソロジーが出ています。
一冊は百合一般向け。
一冊はロリエロ。
一冊は戦国ネタ。
ほぼ同時発売です。
 
ところがどっこい、ライスリバーって検索しても全く引っかかりません。発売が文苑堂さんなんですが、書店じゃない方、出版社側だとこの有様でさっぱりわからない。
ぶっちゃけマイナーオタク系マンガを扱う書店(とらのあなとか、メロンブックスとか)で一見買いをするか、画像のないオンラインショップで博打買いしかない、という状態になっています。ハードル高すぎるよ!
 
これ、存在が話題にならないのはもったいなさすぎです。
もちろんアンテナの高い方はたくさんいるので各地で話題にはなっていますが、いかんせん宣伝されていなさすぎる。
隔月刊らしいんですが、三つ並べて見て分かるようにジャンルのチョイスかなり頑張っているのですよ。どれも挑みがいがありすぎるジャンル。志の高さが見て取れるじゃないですか。
とりあえず百合アンソロとロリエロアンソロを買ってきたので、微力ながら紹介してみます。
 

●百合アンソロジー「Lily」●

一般向け、百合アンソロジーの「Lily」
見ていただくと分かりますが、そう、「百合姫S」の表紙を描いている椿あす先生が表紙絵なんですよね。
いきなりの刊行で頑張りすぎだろう…。気合い感じます。
大事な点はヘッドフォン百合だということです。ここテストに出ます。
 
内容は、男性向けの百合、という方向性みたいです。なのでリアル風味よりも、メイド服だったり珍しい女子制服だったりと見た目華やかめな作品が多いです。エロは一切なしです。
一つ一つの作品は、8ページや12ページという短い作品もあります。なのでちょっと物語的には尺が足りない感じがする作品も幾つか。逆にその短い中に詰め込んだ!という作品もあるのであなどれません。でも…もうちょっとページ数があったほうが個人的にはいいな!
 
作家陣は、

TSUNE 楽時たらひ いずみやみその
山斗 剛田ナギ 沙垣長子 柊圭
こもだ おこさまランチ 内村かなめ

内村かなめ先生の百合ときたか!
それが見られるだけでお得な気分なんですが。

内村先生のは百合らしいほのかな切なさに包まれつつも、いつもの独特なライト変態性もあって、安心して読めます。変態的暴走もあるけれども、内村ワールドだとそれが微笑ましいから素晴らしい。キャラも分かりやすい上に、見ての通りえらいかわいいので、出来れば続きの物語を読みたいところ。
CANCER.02(内村かなめ先生のページ)
 
後、個人的にとても気に入ったのが楽時たらひ先生の作品。トップバッターで24ページ、そこそこボリュームもあります。

めちゃくちゃ明るい祭さんが、クラスで一人浮いていてほとんど誰とも話したことがない沙良にちょっかいをかける話なんですが、沙良の気持ちが痛すぎて読んでいて苦しい!
人に気持ち悪く思われたくない、という感情が高ぶってしまって、いつもちょっかいをかけてくる祭に対してすら、迷惑をかけてしまいそうだからと近寄れないヤマアラシさんなのです。
でも沙良は祭の笑顔が気になってしかたない、しかたないのに自分から近づけない。私なんて近づいたらだめなんだ、空気を乱してしまうから、と。
絶妙な距離感の取り方が上手いんです。完全に沙良視点で話が進むのですが、ちゃんと読み終わると祭視点も分かる仕組みになっているのがこれまたいいんだなあ。

PANTA RHEI(楽時たらひ先生のページ)
 
12ページの短い中で、ストーリーを切り捨てて「キス」だけに焦点を定めた、沙垣長子先生の作品もこれまたいいです。

キスの前、キス中、キス後。徹底してキスだけにスポットON。
百合作品としては、物語をあまり重視しないで、そこで起きた出来事だけを辿っていく描写方法は極めて珍しいと思います。感情と背景ありきのジャンルなので当たり前といえばそうなのですが、こういうアプローチの仕方から逆にキャラを辿っていくのはなかなか魅力的。
ng-co(沙垣長子先生オフィシャル)
 
その他にも、おこさまランチ先生のネット恋愛の話もよかったです。ネット恋愛の距離感を描かせたら本当におこさまランチ先生はピカイチすぎです。
 
全体的には「今一歩!」な感じがします。というのもおおまかな方向性はある物の、作品それぞれの見ている「百合」がバラバラだから。
百合姫」のように編集側が方向性を作っていくのか、「つぼみ」のように個性の強い作家さんを集めて化学反応を起こすのかが、まだ見えない感じです。
とはいえ、百合ジャンルはまだまだ未開の地でもあります。その裾野を広げる場として百合アンソロジーが一つ誕生し、これから成長していくというのは百合ファンには貴重な出来事のような気がします。
とりあえず巻末で隔月っぽいことは書かれていますが、ちょいと不明。2は12月下旬予定らしいです、が、作家さんも把握していない、告知サイトもない、という確認できない状態。ここがもったいない。
 

ロリアンソロジー「MUKU」●

こちらがロリエロアンソロの「ムク」。
表紙がLOでおなじみのらする先生。デザインがすごくいいので、めちゃくちゃ書店で目立ちます。
実はこれ折り込んでいる部分までつながっている大きなイラストになっており、裏も同様に裏表紙+折り込みサイズのイラスト。
今まで同人誌商業誌のらする先生の作品ほぼ追ってきたんですが、自分の見た範囲内だと最高傑作級のすごい絵なのですよこれが。唇の柔らかさ…ふくらはぎのぷっくり感…。エロなし表紙ですがロリコンなら超余裕で反応するレベル。白い歯も眩しい。
 
題名は「無垢な女の子」から取ったので「ムク」。このご時世にロリアンソロに挑んだ勇気と、クオリティの高さに拍手をしたいところです。
 
作家さんは、以前もかきましたが、

草壁レイ 一本杭 高永浩平
まゆなゆうま 凪妖女 松波留美
西北々 奏亜希子 大庭佳文
由河朝巳 ほげろー

となっています。
 
ここから18禁ですよー。
 
 
おおまかに見てみると、リアル路線ではない、萌え寄りの絵柄が多いです。でもRINの雰囲気よりはヒット出版寄り。
ただ、0から作ったロリエロアンソロだと考えると、このレベルの高さはすごい。有名な作家さんも結構いらっしゃいますし、「ロリ」の枠ではあるけれども幅が広く、気の強い女の子ものから触手ものまで、まんべんなくおさえられています。
 
個人的に最高によかったのが、一本杭先生。

屋上にあるえっちマットを、休み時間に奪い合いをするという、発情した女の子が好きならもうたまらん作品です。
男の子は一応引用した画像程度の登場はしますが、ほとんど出てくることはないです。かわいい女の子が「私がここでえっちするの!」と元気よく騒ぐ有様が本当に心地よすぎて。それだけで十分すぎですよ。最高ですよ。
どのページを開いても淫乱な女の子がニコニコしているので、とても「無垢」じゃないですが、それでいいです。うふふ。
■一本杭■

内容としてはこう、学校の屋上でいちゃいちゃリア充なさる漫画というかそんな感じです

そんな感じです! ごちそうさまでした。
 
ヒット出版から単行本も出ている、高永浩平先生の作品も明解に「女の子かわいい」が出ていてステキ。

ちっちゃい男の子をちっちゃい女の子がリードする、というのが大好きなのですよ自分は。
何かものすごい事件が起きるわけではありませんが、安定したエロ度を誇った作品だと思います。抜き特化なので女の子が非常に都合のいい感じなのも、安心です。
 
個人的に「これ目当てで買った」と言えるのが、大庭佳文先生。普段は久保書店の「貧乳シリーズ」「ぺたふぇちシリーズ」で少年少女の恋愛を描いている作家さんです。
エロというより、とにかく出てくるキャラクターの関係が甘酸っぱい!

しかも今回百合だよ! Lilyの画像じゃないよ!
どうしようもないくらいのニヤニヤの中に、ほんのり切ない風味が漂う作風はこちらでも健在。物語重視のエロマンガ好きさんには是非とも読んで欲しいです。エロあるけど冗談抜きで「Lily」に載っても遜色ないくらいハイレベルでした。
大庭先生が継続して描いてくれたらムクは買い続けちゃうなあ…。
へろへろ亭(大庭佳文先生のページ)

 

ベテラン作家の奏亜希子先生も描いてます。
見てのとおりの、安心のエロリクオリティ。積極的な女の子ものが割合として他のロリ雑誌より多いと思いますが、うまいこと今の需要のバランスを突いているなあと感じました。
unsigned entrance(奏亜希子先生のページ)

 
「ムク」はロリアンソロとして相当頑張っていると思います。
今まで何冊も出してきている、と言われても分からないくらいに。0からのスタートとはとても思えません。そのくらい安定してます。マンガとしての出来もいいし、ロリ好きの人なら十二分に使用にも耐えうるのではないかと。
この作家陣、このクオリティで今後も隔月で出るのならすさまじいのではないかと。今はロリマンガはLOトップ体制ですが、そこにこういう良質なロリアンソロが入ってくると切磋琢磨が始まってお互いよいものが生み出されそうな気がして、ワクワクです。
べたほめですが、そのくらい「アンソロジー」というのを加味しても(アンソロジーは当たり外れの幅がでかい!)この1巻はきちんと作られています。
難点をあげるとしたら「Lily」同様、一話一話が短いことでしょうか。でも抜き特化のエロリマンガだと短くてもあんまり問題がなかったりしますが。
 

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もう一冊の「戦国美将女」は読んでません、というか売ってないヨ!
いずれにしても、いきなり3冊のアンソロを同時創刊、しかも隔月刊でやる予定、かつレベル高めと来ているのに、出版社ライスリバーの情報はネットに無し。
ライスリバーさん、もったいないよ!
もったいなさすぎですよ!
公式の宣伝サイトに表紙載せるのと、アマゾンに表紙画像載せるのくらいはしてください!
特に「Lily」と「ムク」は表紙で売れると思いますもん。表紙だけでも十分価値があると思うくらいの質ですもん。
百合もロリエロも、ジャンルとしてはまだまだ育つ余地があり、需要もある舞台です。
そして、なんといっても参加している作家さんでこれからまだ伸びるであろう方もいっぱいいるのに、宣伝告知がない(誰が載っているかもわからない!)のは本当に作家さんにとっても不幸です。
ライスリバーさん!!!!
もっとがっちり宣伝して、ガンガン話題にして、じゃんじゃか売って、長く続ける下地を作ってください!
応援してますよ!
 


しかしいっぺんに創刊、12月末に3冊って、ハードな気がするんですが大丈夫かしら。
 
F.S氏が表紙イラスト!大人向けコミック「戦国美将女 Vol.1」発売 - moeyo.com
こっちは読んでないですが、戦国物エロマンガっぽいですね。