たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

アリスとエプロンドレスのあまーい関係

今日のアリス。

アリスネタが無くなったのはネタ切れですか?
んじゃちょいと投下してみます。こんなんはどうでしょ?
http://sourceforge.jp/magazine/08/01/04/0153255

…記事を読んでも良く判らないかもしれませんが、プログラミングの考え方を教えるための教育用ソフト「Alice」です。
実際にソフトを作ったりするためのものじゃなくて、CGのキャラクターをプログラム(っぽいもの)で動かして遊ぶことを通して、概念を教えるって感じですかね。
い、いやほら、対象にしてる相手には女子小中学生も含まれるって話ですし!(記事にはないけど)実際にいろいろな学校で採用されてるらしいし!

動かせるキャラクターにはアリス・リデル嬢もいるし!
http://www.alice.org/index.php?page=gallery/People/index
…身長162cmか…

背景オブジェクトには「Japan」もあるし!
http://www.alice.org/index.php?page=gallery/Japan/index
…Japan…

まぁ、Aliceネタというにはあまりにも微妙ですが、いつかたまごまごさんがプログラムなぞ学んでみようと思われましたら、こんなのはいかがでしょうか、と。(既にバリバリ組めるなら御免なさい)

Alice:3Dアニメーションを作成しながらOOPを学ぶ - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載

Alice.org
情報に感謝!
プログラミングはプの字すら組めないたまごまごです。文系にはキツイっす……。「理系の人々」を読んでいると時々感覚の正反対っぷりにニヤニヤします(メールの文面が無駄に長いとか)。
にしてもこれ面白いですねー。なぜ名前が「Alice」なのかという所も含めて面白い。つまり「アリスの世界=なんでも出来る世界」という認識なんでしょうかね。
しかし162cmか……ばりばり大人ですね。
ティム版アリスが大人なので、ある意味あっているの・・・かと思いきや宇宙飛行士129cmとか小さすぎだろ!
うーん、シュール。面白いです。
 

新訳、OKAMA先生イラストのアリス買いました。
うん。
これは素晴らしい。
いや、OKAMA先生を知っている人だったら「えっ!?」ってびっくりするかもしれないですが、この本しっかり児童書としての体裁非常にきっちり作られています。
字も読みやすいですし、遊びも多いです。イラストの差し込み方も子どもが興味を持てるように配置されている(1Pイラストだけではない)ので、どこをめくっても面白いという、まさに児童向けうってつけの本です。お子さんのいる方は迷わず買って読ませてあげてOKだと思います!(小学校3、4年生くらい向けかな?)
逆に大人オタクから見ての楽しみ方ですが、やはり「アリスと言うのは小さく幼いもの」というのを如実に描いたOKAMA先生の少女美学を堪能出来るのは至福。
そもそも「アリス」というキャラクターは多彩な視点で見ることの出来るキャラで、時には残酷だったり、時には気まぐれだったり、時には洟垂らしのガキンチョだったり、時にはお姉さんだったりしますが、OKAMA先生のとらえたアリスは、砂糖菓子のような小さくふわふわしたかわいらしさの権化でした。
クリーチャー達で面白かったのは青虫。このデザインはOKAMA先生にしかできないですね。いやはや、説明する言葉が見つからないデザイン。「キモかわいい」と言う言葉だと微妙に違う……。
 
それにしてもあとがき見ていて驚いたんですが、今の児童書ってこれに限らず、ラノベと並べても分からないレベルの作品山ほどあるのね。またチョイスがいいな!!
セーラー服と機関銃」にいたっては野上武志先生の漫画かとすら思いました。似てる気がする。(気だけ
 
「萌え絵」というのに反応するのは意外と大人だけで、子供の間では境界線はないのかなーとか、今の教科書や参考書、児童文学書を見ていて思いました。
 

                                                                                                                                          • -

 
はっ、アリスから離れた。
ここまでが前置きです。長いな!
 
微妙にアリス話とずれつつ、いずれ別にまとめたいところですがメモ代わりに。
 
「アリス」と言うと先程のOKAMA先生版もテニエル版もディズニー版も、エプロンドレスが定番です。
切っても切れない……とつい思いがちですが、実はアリス絵自体色々眺めてみるとエプロンドレスじゃないアリスもいます。
とはいえやはり、逆に「エプロンドレス=アリス」というくらい服装は重要。
なぜそこまでエプロンドレスの印象が強いんだろう?
はて、ルイス・キャロルのいたヴィクトリア朝時代以前のことを考えると、アリスのようなエプロンドレスの少女像はあまり浮かんできません。おしゃれな特別なお洋服を着た女の子の絵の方が圧倒的に多いです。
ということは、キャロルの頃にエプロンドレスが発生した、という可能性も出てきます。
服飾学的には詳しく知りませんが、広まったのは間違いなくそこでしょう。
 
今だとエプロンドレスを着るとなると、ゴス系ファッションかコスプレかメイドさんウェイトレスさんくらいですが、この当時なぜエプロンドレスが広まったのか。
それは子供服の概念が広まったからというのを友人に教えてもらい目ウロコ。あーなるほど!
ようするに「エプロンドレス=子供服」、汚れてもいい服。
今となってはむしろ逆にオシャレでかわいいイメージですが、子供のための服が出来た=子供が子供として認知されはじめ、そのためのもので着飾れるようになった、というヴィクトリア朝時代の光の部分が見えてきます。
 
光と書いたのは闇の部分もあるから。ストリートチルドレンだった少年少女が多く、少女売春も盛んだったと聞きます。
しかしキャロルのいたのは光の部分でした。もちろん彼の中の闇の部分も0ではないとしても(これはまた別の機会に)、少なくとも目の前にいたアリス・リデルという少女を慈しみ、愛し、求婚しているわけです。
彼女を「女性の小さい版」としてみていたのではなく、一人の人間として認めていた。
これがうまい具合にテニエルの描くエプロンドレスの少女像とマッチして、「少女」の形を形成していくことになったのかな?と思いました。アリス・リデル自体は別にエプロンドレス着た写真残ってないですし。
 
気がつけば、「エプロンドレス」は普段着ではなくなり、記号化され、幻想少女のパーツとして変化していきます。

当時の人にしても「子供服を来た子供が主人公」と言うのは大きな意味があったと思いますが、後世の現在の方が「エプロンドレス=アリス=少女」という渇望が大きい気がします。
エプロンドレス自体が存在しないため、それそのものがファンタジーの引き金なんですよね。まさに「幻捜少女」なのを分かって、自分が、キャラクターが、人形が、少女を演じることになります。
 
服装はキャラクターの性格描写においてとても大きな役割を果たす一要因。
エプロンドレスが表す性格は、過去は「元気で活発な子供」であり、現在は「ファンタジーの住人」なのが興味深いところです。
この「幻想少女像」についても考えだすときりがないので一旦ストップしますが、「アリス」という語そのものが少女性を表す単語に変化したように、「エプロンドレス」という衣装そのものがイメージの連鎖を起こさせる引き金になっているのも間違いないんだろうなーと感じました。
 
キャロル時代の子供服の資料は、幸いなことにキャロルの趣味が写真だったので大量にあります。
そして不幸なことに、キャロルの真面目な性格によって「相手に迷惑をかけるかもしれない」と思われる写真が全部焼き払われました。
キャロルは特に、裸は子供の一番美しい「衣装」であると考えて写真を撮っていたようですが、そのへんは全部焼却されたようです。この「裸=衣装」という感覚が、少女愛ゆえなのか、子供の純粋さへの憧れなのかがまた、気になるところ。
もうちょっと文献を読んでみよう。
 
関連・たくさんのアリス達〜「アリス」という語が広げた、いくつかの視点〜