たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

幕末に少女はよく似合う『世界の終わりのコンチェルト』

 
「バイオリンを刀でひけるかーい!」とツッコミを入れながら気づいたらかごに入れていました。
個人的にはもっと表紙に幕末っぽさを出したほうが面白いんじゃないかと思ったんですが、バイオリンの音の調律と刀がテーマになっているので、これはこれで。
 
『世界の終わりのコンチェルト』はちょっと見ても何の漫画かわかりづらいんですが、かなりひねられたマンガです。
・舞台は、現代までどこかの幕府が統治している架空の日本。
・今の技術がそこかしこに出てくるけど、基本武家政権
・諸藩の反乱、列強諸国の圧力がきており、情勢は幕末と同じ。
・「器」と呼ばれる特殊能力を持つ少年少女を育てる「天隷武塾」という機関がある。
 
ちょっと読むとわかるんですが、背景の描写がえらい面白いんですよ。
パソコンがあったりコンピューターを駆使したりしている現代的要素がまずあります。
町並みは大正から昭和初期くらいの、木造のものが多い。
武家政治なので、一部の人間は帯刀している。
取り出す銃器は現在も使用されている近代兵器。
衣装は江戸・明治から、現代風まで様々。
江戸と明治・大正・昭和・平成をごっちゃまぜにしている。これがすごい楽しい。
 
さすがに現代兵器と刀じゃ、勝負にならんでしょうと感じるのですが、そこで「器」の出番です。
ようは能力バトル。
「共鳴」の器を持った使い手の少年は、刃のない「空蝉」という刀を使い、人々の怨嗟の念を武器に強力な攻撃を放つことができます。
「流転」の器を持つ少女は、自分の持つ武器を変幻自在に変えることができ、相手を翻弄します。
攻撃型だけではなく、探査型の器もあります。
ヒロインの音々の「器」は、「調律」。情勢自体は幕末と同じですから、そこで不安になった人々の心をバイオリンと刀で調律し整えます。
 
能力バトルものではありますが、本質になるのはこの乱れた世をどう納めるかの話。
しかも今主君になっているのは、幼い少女。
いつでも降ろせる人物として幼い少女花紗理が、大人の政治闘争の神輿として据えられます。
音々は彼女と共に歩むべく奔走するのですが、まあ簡単にいくわけもなく。これからどうしていけばよいのやらという展開になっています。
 
んで、本は「1」となっているので続くように見えるんですが、表紙裏には「全一巻」と書いてあります。
どっちー!?
もし続くのであればこの世界観はすごく魅力的なので楽しみなのですが、確かに綺麗に終わっている気もします。
続いて欲しいですし、もしやらないのなら別の形でこの世界観描いてほしいものです。
 
それにしてもこの作品のパンツは実にいいパンツですね。
ヒロインが白パン(万乗パンツ)で、ライバルが縞パンというのがいいです。
  
にしても、戦闘少女ものばっかり書いてますね。
好きなんですしかたないじゃん。