たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

噎せ返るような、熱い夏は嫌いだな「メカクシティアクターズ」第四話


ん? 何のアニメ見てたんだっけ? 流れ星……
 
いや違う、「メカクシティアクターズ」です。4話です。
4話は物語の中核に当たる「カゲロウデイズ」でした。
物語が始まるトリガーにあたる部分なので、元楽曲も貼っておきます。

これを聞くと、4話の謎がいっぺんに……は解けないですね、はい、でも両方があって成立すると思います。
全体は大きくわけて「ラブコメパート」と「真相パート」にわかれているので、分けて見ていきます。
 

●ラブコメパート:二人は都会のどこにいる?●


二話でモモと接触したヒビヤから物語はスタートします。
モモと、ヒビヤ・ヒヨリは小説・漫画ルートでは重要な関係があります。
 
・小説ルート「モモに会うために、親戚のおじさん(ケンジロウ先生)のところにヒヨリが行くが、そこでコノハに惚れてしまう(モモには会っていない)」
・漫画ルート「モモに会うため都会にやってきて、モモとヒヨリ・ヒビヤは接触に成功している」
 
アニメルートは、全く別のものでした。夏休みに都会に行く、というのが目的で、ヒヨリが夏期講習にかこつけている感じ。
ヒヨリ「夏期講習にあわせて友達と遊びにおいでー、とか誘ったくせに、仕事から帰ってこないおじさんが悪いのよ」
このおじさんというのが、ケンジロウ先生(モモに説教をしていた先生)にあたります。
全くヒヨリとヒビヤの行動が違うのに、それがアニメルートでも間違いない、という理由が、これ。

ここに魚の骨格標本が置いてあります。
小説ルートでは珍海魚の標本を、学校のお金で買うようなダメ教師として、ケンジロウ先生が描かれていますので、まず間違いない。
あとはOPのカットにもありますしね。
 

そしてもう一つがコノハの存在です。ただこれに関しては今はなんとも言えない。
いかんせん彼がこの物語のループの中の、異物的存在だから。どうなるかがはっきりと言えません。
にしてもさー。
 
白いな!!
左がヒビヤ。右がコノハ。これ演出じゃなくて、ほんとこういう色なんです彼。
異質もいいところですが、ヒヨリはそこがいい模様。
そう、ヒヨリはコノハに惚れ込んでしまいました。
嗚呼、なんという神の悪戯。
 

●ラブコメパート:小悪魔な彼女●

ヒビヤのヒヨリLOVEっぷりは大変かわいいです。

妄想の中でヒヨリにプレゼントをしてラブラブになっているつもりのヒビヤ。
「絶対ありえないのに、好きな子とくっつく妄想」ってしたことない男子いないだろ?
ね?するって。しないわけない。

ああ、げに麗しきヒヨリ、君はなんて美しいんだ。
すべてのものが君のかわいさのもとにひざまずくだろう。
そんな君は、ぼくに心を寄せるのさ。

……ってほど現実は甘くないよね。

「でもまぁ夏は嫌いかな」
猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
(「カゲロウデイズ」)

この「ふてぶてしく」の一語が、彼女の性格を決定づけています。


声優の小岩井ことりの演技が、まーふてぶてしいのなんの。にゃんぱすー。
反応を見ていると「アスカみたい」というのが多かったのも面白いです。確かにエヴァのアスカ的ふてぶてしさ。
個人的には、ナディアのほうが近いかなと思います。
 
 
第三者視点から見ていると、このふてぶてしさは、かわいさなのか?という疑問はわきます。
でも身に覚えはないだろうか。そういう自由奔放で、めちゃくちゃで、気まぐれで、自分勝手な子に惹かれてしまう気持ち。
恋は盲目、ではない。それを知った上で、好きになっちゃうんだよ。
全部ひっくるめて、恋なんだよ。
……っていうヒビヤの気持ちに共感できる男の子・女の子は多いと思うんだがどうか。
ぼくはヒヨリめっちゃ好きです。
小学生だったら、

ヒヨリ人形を大事にするくらいに好きになると思う。
キモくないよヒビヤくん! わかるよその気持ち!
 
よく言えば小悪魔。
悪く言っても小悪魔。

このカットいいですよね。
ヒビヤ視点で見ているヒヨリです。うーん、かわいー。惚れるわー。ふてぶてしくても。
完全に弄ばれているんだけど、それすらも幸せに感じてしまう。ふたりきりになれたらいいなと思ってしまう。
手を繋げたら、いいなって。それだけで十分な小学生男子。応援したくなってしまう。

妄想の中のヒヨリ。ファム・ファタールすな。
 
ヒビヤの住んでいた地域では、「石を投げれば朝比奈(ヒヨリ)ファンに当たる」ほどのモテ少女、ヒヨリ。
とはいえアニメのキャラクター的には、ヒヨリは割りと地味め。
でもヒビヤの視線を通したら、田舎の小学生の視線でみたら、世界で一番の美少女がヒヨリなんだよ。
恋をしたら、恋をした相手が一番きれいなんだもん。

まあ、田舎田舎といっても、ヒヨリとヒビヤの田舎がここまで田舎だとは思いませんでした。そういや村だった。
もしかしたら「のんのんびより」級かもしれない。
ちなみに、さっきの人形を持っているシーンで、ヒビヤが携帯電話を持っていないことは確認できます。
(小説ルートではヒビヤの携帯電話を買うのも都会に行く目的になっていた)
田舎で、大好きな女の子に憧れて、手をつなぐのを目標に過ごしているだけだったら、どんなに幸せだっただろう。
 

●真相パート:一周目●

ここからが「カゲロウデイズ」の真相パートになります。

目が覚めると、そこは真っ青な世界。
ん?おかしいぞ? 
目を覚ますと真昼……夜じゃないのか? 寝ていたのか?

8月15日の
午後12半くらいのこと
天気が良い
(「カゲロウデイズ」)

よく話題にされますが、この文言ちょっと奇妙です。
午後12時半といえば、深夜になってしまいます。
でも天気が良くて外に出ている。日差しも照っている。
夜なのか? 昼なのか? 

アニメではその中間とも言えないような珍妙な空間に落とし込みました。
白昼夢、というにも目に痛い奇妙な世界。
一周目に当たる真っ青な時間、いるのはヒヨリとヒビヤだけです。

これまた、どこだかわからない場所ですね。
今回は、二話で言っていた「シャフト空間(演出重視の、サイズに合わない空間)ではありません。
これ以降、どんどん空間がねじ曲がっていくからです。

ヒビヤ「なにしてるの?」
ヒヨリ「別に」
ヒビヤ「暑いね」
ヒヨリ「そう?」
ヒビヤ「でも僕、夏は嫌いじゃない

ヒヨリ「私は、嫌いだわ

先ほどの「ふてぶてしく」の部分の歌詞でも、ヒヨリ側が「夏は嫌い」と言っています。
その後、彼女は「行かなくちゃ」と言って駆け出します。
おかしいですね。
行く場所ははっきりしていて、何か理由がある。

そして、一周目の惨劇は起こりました。
 
 
トラックが来ているにもかかわらず、まるで自殺するかのように赤信号の中飛び込むヒヨリ。
この時、何かをヒビヤにしゃべっていますが、クラクションの音でかき消されて聞こえません。
こぼれ落ちる涙。
ということは、彼女は死にたいわけじゃない。
けれどそうするしかない。
「行かなくちゃ」
どういうことだ?

ヒビヤにはショッキングすぎる出来事。
血しぶきが飛び散る、死亡事故。
ところが、ここで話がリセットされます。
 

●真相パート:二周目●


ヒビヤはすぐに目を覚まします。
夢のように見えます。でも夢ではない。
これが二周目に当たります。ヒヨリが死んだ瞬間、時間が巻き戻っています。
まどか☆マギカ』のほむらのループ描写にかなり近いです。
原理的には同じなのですが、問題は物理的に死なないとリセットされないということです。

注目したいのは、一周目は地面も空も青かったのに、二周目は地面が赤くなっていることです。
ちょうど、小説一巻、楽曲「カゲロウデイズ」のカラー(白・青・赤)でもあります。
 
ヒビヤが、これはなにかおかしい、と気付き始めている。
ヒビヤには、ヒヨリがトラックにはねられた記憶がある。その上での二周目です。

だから、まだ詳しくわからない彼はヒヨリを止めようとします。
このまま行ったらまたトラックにはねられて死んでしまうだろう。
 
ところが、今度は落下してきた鉄柱がヒヨリを貫いて突き刺さります。
この周回でもヒヨリは涙を目にためています。
 
……って、鉄柱多すぎない!?
ここで、アニメルートは楽曲ルートと同じ方向に入りました。
(ただし、楽曲ルートは他にも人が出てきますが、アニメルートではヒヨリ・ヒビヤ・猫のみです)
小説ルートでは、トラックに一度ヒヨリが跳ねられたところまで。二周目はありません(現時点では)。
薄々わかりはじめます。「ヒヨリが死ぬと、リセットされてぼくが生き残って、また繰り返すんだ」と。
 
真相パートのヒヨリは、ある程度のふてぶてしさはありますが、ヒビヤのために死んでいるようにすら見えます。
ここに、ヒヨリの心理の、真実がおそらく隠されているのかもしれません……が、それが全くわからない。

イメージは”ちょっと元気なしずかちゃん”。しかしじつを言うと、あえてまだ人物像を固めていません。今後メカクシ団とどう関係していくか、ぜひお楽しみに!
(「カゲロウデイズ解体新書」じんコメント)

これは小説3巻が出る前のコメントです。3巻がちょうどヒヨリとヒビヤの話になっており、ふてぶてしくて小悪魔なヒヨリ像が出来上がっています。
いるんですが、彼女の本当のところは小説でも描かれていません。
ヒヨリがこの時何を思っていたか、今回のアニメで初めてその一部がかいま見えた状態です。
 

●真相パート:三周目●


これはもう気持ち悪い。もう時間もわかりません。
一周目が「空:青、地面:青」。二周目が「空:青、地面:赤」。三周目は「空:赤、地面:赤」です。
ヒビヤが気づいている世界です。記憶もバッチリ残っています。
 
今までの二回は「ヒヨリが意図的に死にに行っている」。
それを阻止するため、トラックにもぶつからず、鉄柱も降ってこない横断歩道に手を握って走っていた。
にもかかわらず、謎の空間消失によって、ヒヨリは落下死します。

あんまりにも突然で驚いてしまった。今回は飛び込んでないからね?!(わんにゃんぷー版独自解釈動画(非公式)で歩道橋落下のシーンはある)
ヒヨリは涙を流しながらも、笑顔で何かをヒビヤに語りかけます。
一周目と同じ。つまり「結局こうなるのはわかっている」。何度もそれを繰り返してきた。
これは楽曲にも小説にもない新しいシーンでした。
ちなみに、現実(?)の歩道橋は工事中なのが序盤のシーンで描かれているので、この空間は別物だというのも示唆されています。
 
ここでヒビヤがわかったことをまとめます。
・ヒヨリはこの狂った空間で、死ぬことを自分で理解している。
・ヒヨリが死ぬと、ヒビヤはヒヨリが生きていた時間にリセットされて強制的に戻る。
・ヒヨリは毎回死ぬときに涙を流していることから、何かを知っている。
・ヒヨリはヒビヤをかばうような行動をとっており、何かを伝えようとしているがわからない。
・ヒヨリが死を回避しても、強制的な死が理不尽に訪れる。
・ヒヨリが何度も死ぬことでループしていた可能性がある。
 
そして残りは、猫です。

これは一周目の猫。

これは二周目。
三周目にも出てきます。
この黒猫が何を示唆しているのかは全くわかりません。
ただこのループ上にいるのが、ヒヨリ、ヒビヤ、黒猫だけなのは重大なポイントになります。他に人間は見える範囲にいません。
曲の通りなら「カゲロウ」になりますが、それもなんなのか……。
 

●真相パート:四周目「ざまあみろよ」●


目覚めた時、もう覚悟を決めたヒビヤ。
だいたい分かった。やることは一つだけ。
四周目も三周目と同じで、空:赤、地面:赤です。加えて、上下に黒いラインが入っています。
ここで「カゲロウデイズ」の歌が入るのが、彼の決意の証。
かっけーんだよ。
 

ヒビヤ「なにしてるの」
ヒヨリ「別に」
 
ヒヨリ「何よ」
ヒビヤ「別に」
ヒヨリ「暑いわね」
ヒビヤ「そう?」
ヒヨリ「でも私、夏は嫌いじゃないわ
ヒビヤ「ぼくは、夏は嫌いかなあ

一周目と会話が反転します。

ヒヨリが一周目に言っていた「行かなくちゃ」を、今度はヒビヤが言うことになります。
何をしに行くのか。もちろん、自分が飛び込んで、ヒヨリを死なせないためのことを。
 
運命の連鎖をどうやれば断ち切れるんだろう。
その末にとった行動が、ヒヨリではなく自分が死ぬということ。

ざまあみろよ。
 
だけど、それがケリをつける行為じゃないのを、残念ながらぼくらは知っている。
あんまりにも、残酷だけども。
 
反転についても比較しておきます。
 
左が一周目、右が四周目。
ヒヨリ目線が青、ヒビヤ目線が赤なのがわかります。
 
これも同じく、左が一周目、右が四周目。
空と表札の赤と青がさかさまです。
問題は、演出上のこととはいえこんなに簡単にひっくり返るものなのか、ということと、記憶を持ち続けているのなら、どこがスタートラインなのか、ということ。
真っ青なヒヨリの世界では、ヒヨリが「行かなくちゃ」と言っていることから、既に知っていることがわかります。
しかし、ヒビヤはそれ以降、ヒヨリの死の記憶を持ち続けている。
これはどういうことなのかは、今後明かされていくのかしら。
 

●真相パート:アヤノとの邂逅●


四周目の後でしょう。ヒビヤは目覚め、アヤノと出会っています。
ヒビヤは「なんで僕なんでしょう」と絶望を抱えたような口調。
それに対し、アヤノは明るく「君にしか出来ないから君なんだよ」と返します。
 
アヤノが何度もループの中に入っているのは、一話冒頭で語られています。
というか「アヤノ」って名前自体まだ出てないですねそういえば。
ヒビヤが一周目以降記憶を保持しているように、アヤノはループの中で記憶を保ち続けている存在のようです。
シンタローですら、忘れていたようですが……。

ヒビヤ「必ず戻ってきます」
アヤノ「うん、絶対忘れちゃだめだよ」
このセリフもわからないですね。
 
考えられるのは、この世界がもう何十周もしている、生でも死でもない狭間の世界だということ。
「やっぱり君になったんだね」というのが、メカクシ団のメンバー同様何らかの能力を手に入れた、選ばれた、ということだと辻褄があってきます。
しかし「やっぱり君に」ということは、アヤノはヒビヤのことを元から知っていたことになります。これはどういうことなんだろう?

アヤノも目が赤く光っているので、能力が発動しています。
ここはネタバレになるので一応伏せておきます。
 
アニメから入った人には謎だらけの回だと思います。
同時に、小説ルート、楽曲ルート、漫画ルートを追っている人でも、これどうなるの!?という展開です。
そもそもループの中で何度も死んでいたら、ヒビヤはメカクシ団と会えるのか。
コノハはどういう立ち位置になるのか。
ループ内の記憶の保持はどうなるのか。
ヒヨリはヒビヤが死んだことでどうなっているのか。
そして何より、アヤノの存在は今、何になっているのか。
Cパートの「シニガミレコード」がどこでつながるのか。
 
本当に1クールでまとまるのか!
ヒヨリの「あんなかっこいい人が死ぬわけないでしょ!あんたみたいなちんちくりんとは違うのよ!」「来世に期待するしかないわね」すら意味深に聞こえてくるから困る。
いや待てよ、やっぱり意味が……。
少なくとも、EDでヒロイン役がヒヨリなので、この回の謎解きが今後に大きく関わっていくのは間違いなさそうです。
 
今日のシャフ度。

今回は多かった! さーて毎回入るかなー?
 
ここで、カゲロウデイズにおいてもっとも悲しい運命をたどってループから抜け出せない一人の人物を見てみましょう。

 
そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話
モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話
俺たちは戦いたいわけじゃないっす「メカクシティアクターズ」第三話
  

カゲロウデイズV -the deceiving- (KCG文庫)
じん(自然の敵P)
KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 116
タイトル未定(初回生産限定盤A)(DVD付)
じん
ウルトラシープ (2014-06-18)
売り上げランキング: 115
タイトル未定(初回生産限定盤B)(DVD付)
じん
ウルトラシープ (2014-06-18)
売り上げランキング: 154