たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

少女の心に悲しみと、少年の心にブレイヴと「メカクシティアクターズ」第十話

どうでもいいことなんですけど、映像化するとこういうこと気づきますね。

アザミ(化け物)がいたのって日本なんだなーって。
いやそりゃ、アヤカとケンジロウが研究していたくらいだから日本ってわかってるけどさー、なんかラプンツェルみたいじゃないですかーあの存在って。
ツキヒコも日本人だし、アザミも日本で暮らしてたんだなー、と当たり前のことをアニメになることで理解しました。
なんかフワフワした存在なので、架空の国で生きてたんじゃないかとすら思ってしまってました。
 
さて今回は今までCパートで語られてきた「化け物の物語」のシメにあたる回です。
ぶっちゃけ10話までCパートはとりあえず忘れて、10話見てからCパート見直すとわかりやすい気がします。小説読んでる人ならともかく、突然アレやられてもわかんないですもんね。
 
簡単にまとめると、今回までの化け物=アザミの話シリーズが、アヤノの母親アヤカが読んでいた絵本「シニガミレコード」。
しかし実際はハッピーエンドではなくて、アヤカが調べた「化け物は一人孤独になるのだった」という数百年前の事実を描いたのが今回になります。
 

●アザミとツキヒコ●


どちらもマリーに酷似していますが、黒髪のがアザミ、白髮がシオンです。アザミがマリーのおばあちゃん、シオンがお母さん。
状況をまとめてみます。
まずツキヒコが「祝言」をあげるため、里におりています。それを待つ二人。
ツキヒコは本気でアザミとシオンのことを愛していて、家族になる決意をしていました。その上で祝言なんて今更という気がしますが。

アザミだって女性です、嬉しいものは嬉しいさ。
しかしそれを忌む村人たちによって、ツキヒコは拷問。アザミの家に人間がやってきて射殺します。

鉄砲がある時代です(しかも火縄じゃなさそう)。おそらく明治初期でしょうか。
 
どのルートにもこのへんは描かれていないですが、風習風俗的なことを考えるのも面白いですね。
なんせ「蛇」というだけで色々な捉え方ができる。

ギリシア神話メデューサ、聖書創世記のたぶらかした蛇、日本や中国なら神としての蛇。
蛇・アザミの持つ能力が10+目を合わせる能力なのは、このへんを全部リミックスした表現のように見えます。
時に慕われ、時に忌み嫌われ。蛇はなかなか厄介な位置にいる存在です。
蛇として生まれてしまった時点で、アザミはやはり「化け物」と言われてしまう。
だから、自分で作ったもう一つの世界に、ひとりきりでいこう。誰にも迷惑をかけぬよう。

あんまりな話です。3人で「カゲロウデイズ(繰り返す、終わらない世界)」に行って幸せになろうねって言ったのに。
それすらも、誤りであるのがわかるのですが。

ツキヒコはお面をつけていますし、あの村人たちと同じ集落なんでしょうね。
ツキヒコは、ただ悲嘆しつづけることしかできないでしょう。
シオンがいるのが、幸いか不幸か。
 

●シオンとマリー●


シオンが産んだのがマリーです。
……ん? あれ?父親は?(バタバタと資料を探す)
えーと、一応人間の男性との娘がマリーです。なのでシオンがハーフ、マリーがクォーター。
なんかこう、ジョセフ・ジョースターのお父さんみたいな立ち位置なんでしょう多分。
でも「群青レイン」を聞くと、ひとりぼっちから幸せになったのは間違いないようです。

それよりマリーです。
シオンは本当にマリーを溺愛しており、その様は「群青レイン」で歌われています。

昨日を嫌った 世界を憎んだ
だけどもう変わった
明日も愛せる 
君も恋を知って 誰かに出会って
未来を作るのかな
ベットの上、嬉しそうに寝息立てて
(「群青レイン」)

アザミほど苦しい思いはしていませんが、シオンの考えは「静かに暮らせば幸せでいられる」というものだったようです。だから、外に出ない、出てはいけない。
ところがマリーがふと飛び出してしまった時、虐待をしりぞけんと目の力を使ったのが悲しみの始まりでした。

シオンは目の力を制御できているとはいえない。だから力に呑まれて、そのまま絶命してしまいます。

そしてマリーの殴られ続けて……。
あれ?このシチュエーションどっかで聞いたような……。

おそらくですが、この時絶命し、二人同時に「カゲロウデイズ」に飲み込まれたのがきっかけで、二人一組で飲み込まれるルールができたんじゃないか。
全員じゃないですけどね。キド、カノ、セト、モモ、ヒビヤ、ケンジロウ。
 
本来は蛇の10の力を統べるのはアザミの力でした。
しかしそれを使って。

マリーをカゲロウデイズから解放します。命が空になったところに、命がわりの蛇を、器である体に入れた。
これでマリーに全権を託したため、「8月15日に死んだ人間をカゲロウデイズに引き込む」という暴走が止まらなくなってしまいます。
それで、モモとかがたまたま死と接触してカゲロウデイズに飲み込まれ、命のかわりの能力を突っ込まれて吐き出された。

してやったりという蛇です。ようはこれで、マリーの元にバラバラになった10の蛇が集まって、マリーを女王の器として新たに化け物を作れば、創世記の悪魔サタンのごとくそそのかして世界を手に入れたことになる。
「この世界」じゃなくて「創りだしたもう一つの世界」なのがミソです。
 

●少年ブレイヴ●

そこから先、マリーが100年単位で一人ぼっちで過ごしていたことを考えると、やりきれないものがあります。
彼女は母親の力も知っていたし、自分が外にでると化け物扱いされる恐怖も体験している。
ただ、あの大きな図書館のような家にいるしかない。あんまりにもかなしいけど、そっとしているのが一番幸せだから仕方ない。
 
この「そっとしていれば幸せ」というのは、カゲプロのとても大きな思想になっている気がします。
「こうだからぶち破ろう」「これは前向きに幸せと捉えよう」という表現がない。
むしろ「結局こんな能力があって辛い」「早く戻りたい」とかなり後ろ向きです。キドとか案外そうですね。
ただ、「もうどうしようもないから前向いて見るしかないじゃん」というやけっぱちの思想があるのが、セトとマリーの出会いに表現されています。

セトも基本的にあんまり前を見ない、というか見てしまうと雑音のようにいろんな人の心が見えてしまって、ただひたすららに苦しい、辛い。
制御出来ない読心能力ほどしんどいものはないでしょうね。セトが雑踏を嫌うのはここにあります。制御はでき始めているとはいえ。
幼少期はそれが暴走していたため、強烈な人間不信に陥っていたようです。キドやカノは一緒に暮らしていても裏表なかったですし、同じ目の能力持ちなのがわかっていたので平気だったようで。ケンジロウとアヤカとアヤノは、善意の塊みたいな面々ですしね。

暴走しているがゆえに、聞こえるものもあります。
誰も聞こえない悲しみの声。

めちゃくちゃいいシーンですよここ! 「空想フォレスト」がばーんって入って!
今まで一人でいるように逃げ続け、来ちゃダメ!石になっちゃうから!と退ける少女の気持ちを読んだセトが、一歩、勇気を出して前に踏み出します。
ここで目の力を抑えこんでいるのもいいですね。あくまでも自分の力で彼女の寂しさに近づこうとしている。

会話よりも、音楽プレイヤー(MVだとiPhone)を渡して聞かせる、っていうのがいいですねえ。
そもそもこの作品が音楽から生まれた作品。
一つの曲が人の心を救うこともある。世界を開くこともある。


マリーの紅茶カップは4つ。
ん? 4つ? 1つがマリー、一つがセトとして、あとは表になっているのがシオン、伏せてるのがお父さんだろうか。ちょっとわからないですここ。

これもわからない。シオンとアザミのお墓って線が強そうです。アザミはマリーとあったことがむこうの世界でしかないので、シオンがもともと作っていたものでしょうか。
それの横にシオンのお墓を、ひとりきりのマリーが……なんだろう、むしょうにやりきれなくなってきた。
 
いやいや、今マリーはひとりきりじゃない。
メカクシ団がいるじゃないか。
 

●みんなどこだー!?●


現在に話が戻ると、なんとマリーがコノハを見つけるという展開になっていました。
えっここで出会っちゃうの!?
ってかさ、みんなどこだよ!ばらばらにもほどがある。
整理します。
 

マリー・コノハ:メカクシ団アジト
エネ・カノ:学校のケンジロウの研究室
シンタロー:アヤノの写真を見てから行方不明。蛇マリーと出会ってループの渦中?
ヒビヤ:ヒヨリを探しに飛び出していく
キド・モモ:まだ治りきっていないヒビヤを追いかける
セト:キドに責められて、カノを探しに逃げ出す。

ほんとばらばらですねえ。
OPのように「全員集合」ってのはあり得ない気がします。

深夜12時に、ものすごい人だかりができていて、マリーの話だとモモがいるらしい。うーーーん耳すませてみたけどちょっとわからなかった。モモかな?
 
とりあえず時間軸は深夜12時でそろいました。
この次の話で接触するのかしないのか……ですね。
接触して欲しい反面、カノが接触を意図的にずらしているのなら、そろうことはないはず。

ここまで一通り見たあとだと、もうCパート胡散臭さしか残らないですね。
マリーに語りかけた蛇はなんなのか。
幸せを与える世界というのはやはり「カゲロウデイズ」のことなのか。
あと二話でどうするのか。
あと!二話で!どうするのか!!!!!
 
今日のシャフ度。

今回は少なかったですね。



そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話
モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話
俺たちは戦いたいわけじゃないっす「メカクシティアクターズ」第三話
噎せ返るような、熱い夏は嫌いだな「メカクシティアクターズ」第四話
鳴り響くパンザマスト、思い出すあの人。「メカクシティアクターズ」第五話
友達とか、気になるヤツとか……どうにかしてよ神様。「メカクシティアクターズ」第六話
貴音もアヤノもみんな、伝えたい思いは伝えられなかった。「メカクシティアクターズ」第七話
あー、こんなお兄ちゃん・妹いたらいいのになー。「メカクシティアクターズ」第八話
真相究明、能力とは一体なんだったの?「メカクシティアクターズ」第九話

 

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