影から支える人たち。「私があなたの騎士になる!」「プリキュア5第34話」
ミルクは無意識のうちに、かれんの胸を触って満足しているのでした。
しかしかれんにはあまり胸がありませんでした。
めでたしめでたし。
そんな回でした。
かれんとミルクは別にラブラブというわけではなくて、妹とかそんな感じです。というかロザリオ渡せばいいと思います。
そんなわけで今回は完全にかれんの心の動きを描いた回でした。ミルクにスポットが当たるのかと思いきや。そして後半はこれまた完全にかれんのアクションシーン一色に染まるわけです。なんとも見ていて爽快な!
プリキュアはこういうところ、理屈抜きで非常にまっすぐ描いてくれるからよいです。
そんなわけで、ちょっとかれんの心の動きを追いつつ、彼女の激情っぷりを堪能したいと思います。
●かれんがミルクに人一倍やさしいワケ●
今までも何回か書いてきましたが、ミルクに対してプリキュアメンツは、のぞみ以外異常なほど親切です。個人的にはあまりにも甘いので「もっとしかればいいのに!」とか思っていたわけです。りんちゃんかナッツあたりがビシっと言えばいいのになあーと。
しかし、回をへるごとにミルクの精神年齢的な部分や、見えない部分でのきまじめさが浮き彫りになってきました。特にのぞみとケンカした回あたりから、ミルクの根っこの部分がのぞみにそっくりなのも明確に。
そんな中、格段にやさしいのが、かれんさんでした。
ミルクが急に(といっても過労でなんだけど)熱を出して倒れた時、プリキュアメンツは当然大心配します。しかしその中でもかれんさんの慌てふためきようは半端ではありませんでした。
どうも様子を見ていると、今まで彼女は看病という行為をしたことがない様子。
ちょっと今までの回から、かれんさんの性格を整理してみましょう。
1、お嬢様で、変わった経験は多いけれど「普通」の経験は少ない。
2、今までは「してあげている」という感覚でいた。
3、自分の価値がわからず、孤独に責めさいなまれていた。
4、人を信じることを最近覚えた。
5、人に優しくすることが、自分のためではないことに気づいた
どのキャラも恐ろしく成長を遂げているのですが、対人関係でものすごく進歩したキャラは彼女かもしれません。
それは他のプリキュアメンツに対して行動に出ても、あまり目立たないでしょう。みんな成長してるし、お互い支えあえるのですよ。すでに。
しかし、そこで無償の愛を注げる存在としてミルクが登場します。
ミルクはかれんに対して、なんのお返しもできません。ただ笑顔でニコニコしているだけです。
それこそが、彼女が今まで「頼られていたから」「私がやるしかないんでしょ」といっていた彼女の大きな変化の証でもありました。
たどたどしいながらも看病するかれんの姿には、嘘も偽りもありませんでした。
ただ、この不器用ではっきり自分を表現できないミルクという子に対して、自分を重ね合わせたりしながら*1その笑顔が見たい、と言います。
そんな無償の愛も、彼女は両親不在という中で育ったため、経験があまりなかったようです。が、確かにそこに無償の愛を彼女に注ぐ人物がいたのですよ。このくだりがね…。秀逸です。
●じいやのごとく●
久々のロリかれん。眉毛なでたいです。
かれん父母は、決してかれんが嫌いなわけではない、と信じたいところですが、いかんせん忙しくていないので、彼女が激しい孤独を感じていたのは確かです。
それを、機械的ではなく、ただ何も言わずにもくもくと愛情を注ぐ存在が支えていました。
それが、じいやでした。
じいやはもう今まで何度も出てきており、準レギュラー状態。プリ5はいい大人がいっぱい出てくる良質人間アニメなのですが、その中でも最上級の大人だと思います。
じいやは、決して見返りを求めません。
じいやは、決して憤ることをしません。
じいやは、自分を目立たせることを決してしません。
この「プリキュア5」という作品のテーマは、ずーっと「夢」だと思っていたのですが、どうも違うようです。
かれんを支えるじいや、プリキュア達を見守るおたかさん、親として支えるりん・のぞみ母、こまちを影で応援するまどかさん、と、「支える大人」のオンパレードなのです。
そして、ヒロインののぞみも特別な能力があるわけではなく、トップバッターにはなりません。しかし彼女は確実に、皆をまとめ、バックアップするすぐれたヒロインです。
プリキュア全員の夢も、自分が勝利とかじゃない。ココとナッツとミルクの国を救う手助け、です。
そう、自分が前に出てヒーローにならなくてもいい、誰かの夢を支える人たちの姿が、そこにあるのですよ。
こんな大人たちに囲まれたプリキュアたちは、一歩ずつ成長しつづけています。
かれんの、隠すことのない心からの笑顔。
それは無償の愛を抱き続けていたじいやへの感謝と、ミルクへのひたすらなやさしい眼差し。
すいません…じいやさん…おいら、かれんお嬢様の体をふいたりプリキュアたちに「あててんのよ」されているあなたのことをずっと嫉妬していたよ…。
●そして、私は騎士になる。●
後半はそんな思いを一つに固めながら、一気に戦闘の激しさに力を注いだアクション作品へ。
いやあ、ハデーニャさんは見た目きっついなあと思っていましたが、純悪役としてここまで強いと、映えますね。
この、自分が目立てば、面白ければいいというハデーニャさんと、ただすべてを投げうってミルクを守らんとするかれんの対比。燃えないわけがない。
煽りも絶好調、感情の高ぶりも最高潮。
これはいい悪役ですな。
今までも結構かれんは本気でぶち切れていましたが、今回がキレっぷりとしてはマキシマムかもしれません。
それが、自分の感情じゃなくて人のためだというのがいいんです。
今回はコワイナーの変身やデザインも秀逸で、今まででも屈指のいいコワイナーでした。
そして、それに乗って疾走するというスピード感、キュアアクアをぶん投げる威勢のよさもなかなかのものでした。
もちろん、最初から飛び道具とか無粋なことはしません。
プリキュア5は、肉弾戦メインなのです。空中戦の舞空術っぷりと、ものともしないハデーニャさんの恐怖は必見。
そして、ここからがヒロインの見せ所。
そう、不屈の根性だ!
守るもののあるヒロインは、決して倒れません。
どんなにボロボロになっても、どんなに痛め付けられても、立ち上がるんだ。立ち上がってにらみつけるんだ。
その眼光、子供の心を沸き立たせ、大人に熱い心をよみがえらせる瞬間。
戦え、そうだ、愛する人のために戦え!
●笑顔は、誰かのために、自分のために●
プリキュア5としては異例の一騎打ち。
しかし、今回はありです。かれんの心がまた一つ、大きくなる重要なエピソードですものね。
彼女の怒りが、よどんだ嫉妬や憎しみではなかったのが爽快さの一つでした。愛してくれたじいやの気持ちを、ミルクヘ注ぐ純粋な愛情を、自分でも感じてかみ締めていたのではないかと思います。
だから、今回のアクアトルネードは。
普段の威力と比べ物にならないよ!感情で増幅されるんでしょうか。
水で出来た核兵器…いや、水素爆弾?
誰かのために、全力を尽くして、そして守れたとき。
最高の笑顔で迎えたいですよね。
ミルクに別に「ありがとう」とかいってほしいわけじゃあない。ただ、その笑顔が見られれば、自分も笑顔になる。
これが、これからのかれんの大きな一歩なのかな、と感じるのでした。
ヒロインには、笑っていて欲しいですよね。
●今週のカポエラ●
今週のみどころ色々
その1
華麗なるりんちゃんのカポエラ。この戦闘シーンはなかなかプリキュア5においては異色な感じなので、必見。
プリキュア5の蹴りって、見た目そんなに派手じゃないんだけれども、妙に一撃一撃が重いです。すごい「重いものを蹴り飛ばしている」感じ満載なんですよねえ。
その2
あいかわらず悲しきサラリーマン街道まっしぐらのブンビーさん。
ミルクと対比で風邪ひいているのですが、「永遠に休んでいいですよ」と冷たい言葉。
ほんとこの会社いやだ…がんばれブンビーさん。
その3
ナッツさまとココさまのおやつタイム。
偏食すぎだろう。
その4
アホの子のぞみの、ハクバの王子様ドリーム。
いやね。好きな男が白馬でって、いいんだけどさ。君は大事なことを忘れているのではないですか。
マンガ版でも同じ間違いをおかして、へこんでいましたが。答えは考えましょう。
その5
のぞxりん派のわたくし、大喜び。彼女らはナチュラルに頬を寄せるんですよー。そのままナチュラルにチューくらいしちゃうんですよー。
うらxこまは珍しいですね。
その6
君達。
投げただろう。
その7
次回予告のココのおかしさもアレなんですが、それよりこまちさんですよ。なにこのかわいい恋人状態。根岸になって「代官山オシャレファック決めやがって!」とか叫びそうですよ。予告のセリフでもフラグがっちりたててるし!
というのはさておき、この二枚だけ見て推測しましょう。
ナッツxこまちにココが嫉妬して潜入(起承転)。その後愛を確かめる(結)。
もうすぐDVD−。二巻ずつ発売になるみたいです。
Yes!プリキュア5 Vocalアルバム2 ~VOCAL EXPLOSION!~
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新作フィギュア。可動はしませんがこれはいい出来かも。私服がほしいなあ!
Yes!プリキュア5 企画ミニアルバム ココ(小々田)&ナッツ(夏)
以下過去記事
*1:このへんは全員そうだと思うのです。通過してきたものをミルクが体言しているのかも