たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「私たちはその知性でエロスと向き合うべきなのよ!」

炭山文平先生の「プラトニックインベイド」というマンガがあります。

チャンピオンREDいちごに連載されていた、異星人侵略型の健康なエロコメディです。18禁ではありません。
非常にテンポがよく、芯のあるエロコメディなんですが、最終回がなかば打ち切り状態になっていて唐突に終わってしまうため、ちょっと無条件にオススメはしづらい、惜しい作品です。
 
ですが、これ描き下ろしで番外編になっている5ページの熱量が異常なんですよ。
本編がぶつ切りなので、そのフォローのためにテーマをがっちがちに詰め込んだ5ページなんですが、書かれている炭山先生の主張の温度があまりにも半端ないです。なのでちょっと紹介してみようと思います。

 
最初は主人公が自虐的に「まったくなんてヒドイマンガなんだ!」というところから始まります。
特に「チャンピオンREDいちご」系列のエロコメディはギリギリへのチキンレースみたいなもの(最近は突破しちゃってるけど)ですから、ヒドければヒドいほど面白いのもたしか。とはいえやっぱり「ヒドイ」という評価があるのもまたたしか。
そこで主人公のいう台詞がちょっと興味深い。

もっと高尚な作品をだな…

高尚。
難しすぎる言葉です。使うのは簡単。説明するのは難しい。
まあエロコメディは、一般的に「下劣」の方でしょう。親が子供に見せたくないゾーンです。
 
しかしそこに、アヤ・スミヤマというメッセンジャーの女の子が出てきます。
つうか「スミヤマ」って、作者ですよね。作者の代弁者がストレートに登場します。

23世紀、地球人類は「尊厳バブル」の崩壊により、かつてない衰退に追い込まれるの。
ヒトの自意識が本来の生命としてのありようを無視して膨れ上がる社会現象のことよ。
その膨張は、個々人の考える「人間の条件」を次第に狭め、あらゆるマジョリティーは分裂の果てに消滅…地球はいがみあうマイノリティーの坩堝と化す!

生きている、ということの根本からこのキャラは問いかけます。
23世紀とは書いていますが、今まさにその過渡期だと言わんばかりです。
生きるということを無視して、何か袋小路に行ってしまっているのではないだろうか。自分で自分の首を締める時代がはじまるんじゃないのか。
うーん、色々思い当たるふしがありまくりです。
 
実は「プラトニックインベイド」という作品自体が、生きるとは何なのか、子孫を残すとはなんなのか、性とは、恋とはなんなのかを裏で描こうとしている作品です。
なんで人を好きになるの?なんでセックスしたいと思うの?種族保存のためなら別の方法もあるんじゃないの?と。
ブツ切りになってしまったため最後まで描ききれなかったその主張が、ラスト5ページに濃縮されていると言ってもいいです。
アヤの主張は高らかにまだまだ続きます。

生命は”性愛(エロス)”という悦びを得た代償に、寿命という”絶対死(タナトス)”を背負った。エロスの司る多様化と、タナトスのもたらす淘汰。二つは進化を支える両輪だったのに……。
いつからか人類は己の中のエロスを抑圧しはじめた。まるでそれが恥ずべきもの…ケダモノの証だとでも言うように。

作者の炭山先生、多分ものすごく真面目な方なんだと思います。
それまではアメコミ調のアクションと少女漫画風の画質を意識したマンガを描いておられる方ですが、今回「エロ」メインの物語を作るにあたって、相当真剣に「なぜ人はエロを求めるのか」というのを考えたのではないかと思うんです。それがこの5ページに結晶になっているのかなと。
エロスを「恥ずべきもの」と見る考え方ははるか昔から存在しますが、たしかにこれは不思議なことです。エロスとタナトスの詳しい哲学的な中身は自分にはわかりませんが、人間が本来持っているものを抑圧することで狂いが生じること、ひいては「なぜ人間がエロを追い求め表現しようとするのか」をこのキャラの言葉は刻み続けます。
 
折り込みの自己紹介の欄にもこんなことが書いてあります。

エロス。
それは争い以外の形で生物同士を結びつける最も根源的な力。
それ故に私たちは一人で死んでいくことに寂しさを感じるのかもしれません。
生物としてのヒトの特性が社会性にあるのだとしたらエロスだけが浮き彫りにし得る人間の姿がきっとあるはず。
そう信じてこの漫画を描いています。

エロを求め考える思いは、文化の中で敬遠されることであると同時に、人類の話題の共通項でもあります。
必ず人間は種の保存だけではない部分でエロを求めます。いや、エロに対面しなければいけません。
この自己紹介と、5Pの番外編を読んでから再度、明るく元気なエロコメディを読むと、見方が一気に変わってきます。後半でそのテーマに入ったところで途切れているのが本当に惜しい!
 
はて、5P漫画のほうに戻ります。
アヤは力強く、こう言っています。

進化の果てにたどり着いた知性がヒトとケダモノの違いだというのなら…
私たちはその知性でエロスと向き合うべきなのよ!どんなに目を背けたってそれは私たちの一部なんだもの!!

本当に力強い!
わかっていてもなかなか言えないことを言ってくれました。
 
エロスに向き合うことで、見えてくるものがある。目を背けてはならぬ。
もちろんエロスについては色々な解釈の仕方があり、それが人類の歴史を築いているため一概に言うことはできませんが、これは一つの考え方の掲げ方としてしっかりしたモノだと思います。
正直、この文章を読んで「炭山先生、エロ漫画描いてください!」と心から思いました。
これだけ熱い気持ちでエロスに真剣に向かっている作家さんなら、18禁の枠で性に真っ向〜立ち向かう何かを力強く描いてくれるのではないかと、一エロ漫画ファンとしては願ってやみません。
 

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キュートでホットなガールが好きだって?OK!だったら「バーニングベッキー」だぜ!
「バーニングベッキー」をはじめとして炭山先生の絵柄が好きだったのですが、今回の主張で炭山先生の熱さも好きになりました。真剣に自分の思いや主張を叩きつける作家さんが大好きなのです。
重ね重ね、最終回の唐突さと終わり方が本当に惜しい。もっともそれあってこその5Pではあるんですが、エロを舞台にこのテーマをとことんまで突き詰めて描いた作品も見てみたいのです。
 

私立桜が丘高校軽音楽部日記

今日のマイマイ新子
マイマイ新子と千年の魔法@山口県防府市 - 人は島嶼にあらず
13日に舞台になった防府市で、監督と一緒にロケ地をまわると言う豪華極まりないツアーがあったそうです。うらやましすぎるから!
その時の様子の写真がふんだんに載っているので、特に映画を見た方は是非見てみてください。思い出してニヤニヤできます。ネタバレはないです。
貴伊子の社宅のあたりなんて、そのまんまなんだなー。
「マイマイ新子」片渕監督が防府に ネットでの感想にも言及
こちらは12日に資料館を訪れた監督達の様子。諾子の立て看板かわいすぎです。

最後に吉瀬館長は、「いわゆるご当地映画という危惧を持ってたんだけど、それは杞憂に過ぎなかった。逆に全ての世代の人に伝わる名作が防府であったというのが有り難かったし、幸せを感じる」と締めくくった。
「むしろ他所の地域の人たちの方が、本当に深く見てくれてる。逆に私たちが地元だからということで構えてしまっている。純粋なアニメ映画として見て感動できる」。

あんまりご当地映画という感じではないですよね。
ただ、見終わったら山口県に行きたくなるのは間違いないです。
監督のtwitterで初めて気づいたのですが、二枚目の写真、ちゃんと諾子いますね!
 
映画「マイマイ新子と千年の魔法」を見てきました。 帰ってきた、水池屋無呂具堂。/ウェブリブログ

個人的になんですが、「マイマイ新子と千年の魔法」は「点」と「線」の映画だと思いました。
新子が線で紀伊子が点、そして受け手の自分自身も点のような気がします。

まだ見て無い人向けと、もう見た人向けの感想が書かれています。点と線という描写はちょっと興味深いですね。
 

新子イラスト徐々に増えているようです。
「ほら、何か通った!」想像力さえあれば、世界はこんなにも楽しいんだ!

マイマイ新子と千年の魔法 オリジナル・サウンドトラック
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アニメージュの片渕監督インタビューの充実っぷりがすごいです。
 
「マイマイ新子と千年の魔法」個人サイト感想リンク集〜なんでぼくは泣いているのか教えてくれ〜 - たまごまごごはん
ばりばり追加中。
 

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スパッツ とは - ピクペディア | ピクシブ百科事典
詳しすぎですがな!
素晴らしいです。スバラシイ。
個人的には境界線、縫い目、あとシワに萌えますね。興奮しますね。
書き始めたらきりがないので、とりあえず紹介までに。
 

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ASCII.jp:「私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない」 本人に聞いてみた

平沢 だって大体そういうコメントって面白くないに決まって……。
 
―― ……ると平沢さんがおっしゃるだろうと思い、本日は馬の骨からの質問を預かって参りました。Twitterで募集したものですが、これから馬の骨の一員として読み上げます。
 
平沢 いいですよ、それなら私はTwitterのキャラで答えるようにしましょう。

平沢師匠も軽快でかっこいいのですが、なんといってもインタビュアーが良く分かっている感じで、読んでいて楽しくて仕方ないです。知っている方も知らない方も是非。

まあ、平沢師匠とかきふらい先生の間は線を保っているんだろうなあと思いつつ、二次創作は見ていてなんだか楽しいといういいとこ取りで。

シーケンサー募集。2分50秒から神演奏。
 
唯が噛んだ、歯型が痛い。(爆発するわよ)
和ちゃんのなまめかしすぎる背中、そして歯型。
けむ子さんの「直接エロを描かないけど、ほのめかす姿勢」には感嘆するばかりです。なんでそんなの思いつくの!
「ROCKei-ONろっけいおん!」の告知もしてたいだいています。

きっと読んだら疲れる本です、いい意味で。
エネルギーがぎゅうぎゅうにつめこまれてますよ、それこそライブのような熱気をプンプン感じます。

多分読んだら疲れる本だと思います。いい意味で。詰め込める限界まで詰め込みましたよー!
濃厚な一冊だと思いますので、是非! 自信を持ってお送りします。
「ROCKei-ON」
 

6巻は、「あの」11話収録。好きすぎて見のが怖い。
  
私たちはいつも、綱渡り〜律と澪の方程式は答えなんてないから〜 - たまごまごごはん