たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ヤンデレを好きになるわけを考えてみる。

●「ヤンデレ」の代名詞、スクイズ、アニメ化。●

どうやら「School Days」がアニメ化するらしいです。しかもテレビで。
す、すごい時代になったものだなあ。
自分もこのゲームやったことないのでネタバレしか知らないのですが、今ではヤンデレの代表格としてあげられるエロゲのひとつです。フルアニメの作品だったのが、またヤンデレ力に拍車をかけた様子。それを考えると確かにアニメ化はしやすいかもしれませんが、どう考えても鮮血エンドのアニメ、ですよね。
あ、でも考えてみたらエルフェンリートひぐらしのなく頃にもアニメ化されてるし、まったくおかしな話ではないですね。「ひぐらしのなく頃に 解」もアニメ化するそうですし、今年は「ヤンデレ」にちょっとだけ火がつきそうな予感はしますネ。
とは言いつつも、大ブレイクするのかなあ、というとちょっと疑問。人を選ぶジャンルなだけにツンデレやメイドレベルのブームにはなりずらいですし。
ただ、今まであまり開拓されていなかった土地が開拓され、マンガ・アニメ・ゲームなどのオタク文化でさまざまなバリエーションを広げやすい、というのは感じます。
小説は…ミステリー小説は元々ヤンデレだらけなので、そうとうの「デレ」を見せてくれる作品じゃないと難しいかも?自分も知らない世界なのでここはよくわかりません。
 

●別に、ヤンデレが超メジャーになってほしいわけじゃないけど。●

以前の「狂気・ヤンデレ会議」からずっと考えていたのですが、なんで「ヤンデレ」なんて特殊なジャンルに自分は魅力を感じるのかなあ?と自分の中でぼんやりと疑問でした。
そもそも、かわいかったりかっこよかったりするキャラクターが「いやな思いをする」「痛めつけられる」のを楽しむジャンルですしね。見ていて安らぐタイプのものではないです。
あ、最近は安らぐようにまで成長しちゃいましたが。えへへ。
 
そもそも「ヤンデレ」ってなんだよ!、って方のほうが断然まだまだ多いと思います。
ヤンデレとは(はてな)
「ヤンキーがデレる」と思っている人がかなり今でも多いようです。でもそれはそれでいいよネ。
ようは、ツンデレのもじりで、恋愛絡みの嫉妬や怒りから、精神的に追い込まれていくキャラたちのこと。果てはストーキングや暴力行為に及ぶような情熱あふれるキャラの総称です。まあなんつーか、負の感情の塊ですよね。
また、天然に世界観が狂ってしまっているキャラがデレデレするのも、ヤンデレかもしれません。「わたしがいないとあの人はダメになっちゃうの!世界も滅ぶの!だから一緒にいるの!」みたいな。
で、ヤンデレ好きの人の間では「○○はヤンデレに入る」「いや入らない」という個人の趣向もよく会議されているようです。
もちろん、これと言った定義はなく、またそれにそったキャラを作るための物語が出来る必要もないです。
キャラの性格の魅力を最大限に引き出し、物語に深みを持たせる作品が生まれる手助けになる言葉、くらいに自分はおさえています。
 
とはいっても、そんな特殊な設定ですから、ヤンデレキャラをうかつに出すと、物語が全部持ってかれやすいという弊害も確かにあるんですよね。
また、どう考えても万人受けなんてするわけがない、というのは作り手とファンが一番よく知っている気がします。どんなに今年ヤンデレがブレイクしようとも、それがトップになるというはなかなか難しいのも承知の上。アニメ雑誌の人気投票を独占するなんてことは…あ、エヴァ関係があったか。(デレ?)
それでも、ヤンデレには何か、魅力があるのは一部の人はしんみり感じているとは思うのです。自分とか。
 

●「ヤンデレ」のサディスティック・マゾヒスティック●

と、書きましたが、それは読み手側の気持ちとして、です。
ヤンデレな作品を読むときの視点って、三つあると思います。

1、悩みもだえるキャラたちを遠巻きで見て、葛藤や苦悩を楽しむ。
2、嫉妬される側や被害を被る側のキャラになり、恐怖感や苦しみを味わう
3、やんでいるキャラに感情移入し、物語の悲劇性や世界観のゆがみを楽しむ。

基本的には1ですよね。キャラクターたちが恋愛かわからない感情に悩み苦しみ、自分でもどうすればいいのかわけもわからなくなってしまう、というのを第三者視点から見る。その世界や周囲の変化もあわせて、全体を推理するように見ることができるのがポイントじゃないかなと思います。
2は、「ひぐらしのなく頃に」で圭一気分になって、女性キャラ達のゆがみに追い詰められるのを「こわいよ!」と言う心境。その「こわいよ!」がついついクセになって、ぶるぶるしながら読み終えたあとにまた見たくなってしまうんですよね。その感情の変化が一番怖い。ところで圭一もヤンデレですか。あ、デレはないか。
あわせて、「ほのぼの純愛」なんかもコレかなと思いました。

女「ねぇ、開けてくださいよ男くん。今日はせっかくの休日ですよ。家に籠もってないでお外に行きましょう?」
男「……」
女「いるのは知ってるんですよ。男くんは恥ずかしがり屋だから、きっと返事するのを躊躇ってるんですよね」
男「……っ」
女「ふふふ……可愛い男くん。大丈夫ですよ、私は男くんが出てくるまで、ず〜〜っと、ここにいますから」
男(もう嫌だ……!)

3は、たとえばBLのキャラが恋愛か何かわからないような感情に責めさいなまれて、悩み苦しみ、自分をうまく保てない様を「ちょっとだけわかる…苦しいゼ!」とか言いながら、悲劇に転げていく様を楽しむ感じでしょうか。
これに関しては、先ほどもあげた「School Days」にまつわる話が面白いなあと思って読んでいました。
日本の名(迷)作?ゲーム  その1 School Days(徒然なる読書の日々出張版)(ネタバレ注意)
ヒロインが狂っていく様や、暴力に出る様子を、嫌う人ももちろんいるけれども、そのカタストロフィに大喜びした人もまた多い様子。自分もムービー見たときは「うぉぉ!」とかのけぞりながら喜んでいました。
 
2が、恐怖を楽しむホラー作品的な「マゾヒスティック」な楽しみ方だとしたら、3はある意味サディスティックな楽しみ方かなと思いました。
 

●自分にできないことをやってくれるのがヤンデレ

ある人は「こんなに狂ってしまうほど愛されたい!」というのがヤンデレキャラの魅力、と捕らえるかもしれません。
そこまで愛されたらね。冥利につきるというものです。「かってに改蔵」の羽美ちゃんのように、それが自己愛の発動であるキャラもたまにいますが。
 

未来日記」より。
自分は逆に、こんなふうにかっとんでみたい、という思いで見てます。
ガンパレードマーチ」で原さんに嫉妬させて刺されるとき、自分の意思を反映しているのは実は刺されるプレイヤーじゃなくて原さん側なんですよね。
また、「ひぐらし」だったら詩音が攻撃的になるシーンをどうしても思い浮かべてしまいます。
かってに改蔵」や「絶望先生」だと、羽美や千里が追い詰められることで、逆に追い詰めていくシーンがあるから変に安心して楽しめます。くるぞ!という待ちの感覚です。
実際には自分には、出来ないじゃないですか。だけどそのくらい開き直って暴力を働くシーンを見ると、胸が苦しいってよりも爽快感のほうにつながるんですよ。俺たちにはできないことを平然とやってのけるゥ!そこにしび(以下略
とてもサディスティックな楽しみ方ですねえ。そういう意味では、ヤン:デレ=8:2くらいが理想です。個人的にはですよ。
 
もちろん、キャラの苦悩を楽しむのもいいのですが、あくまでも「ヤン+デレ」。デレ分の爽快感がほしいのです。
実はそれって、ちょっと逃げ腰なところもあるかなとは自分も思います。だってね。本当にキャラの狂気を味わいたかったら別にデレなしの狂ったを見ればいいわけですよ。ガロ系列とか。
だけど、デレがある分、なんらかの爽快感を得たいとどっかで考えているんですよね。悲劇的爽快感かもしれないし、カタストロフィな爽快感かもしれません。
あるいはアニメ版「NHKにようこそ!」の岬ちゃんや、「かってに改蔵」のラストシーンのように、どこかで救われて、関係も保たれて、みたいなのを望んでいるのかもしれません。
恋愛ゆえに追い詰められて、恋愛ゆえに爽快感がある。この苦悩ループが物語のスパイスになっているんじゃないかな、と思いました。
あと、このへんは「未来日記」でも強く感じるのですが、いろいろ書きたいので後日。
 

ヤンデレは終わらない、いや、はじまったばかりだ●

東京では「病み鍋party」という、ヤンデレオンリーイベントも行われ、しかも11月にまたあるという話。元気なジャンルになってます。
ミステリー要素も強いですし、画一化せずに多様な表現の手法の一つになったら、楽しいだろうなーなんて思いつつ、今年のオタク世界の「ヤンデレ」の流れに浸ろうと思います。
 
あなたの好きなヤンデレキャラは、なんですか?よかったら教えてください。できればマンガ・アニメで。自分もいろいろ教えていただきたいです。
 
ところで、ずーっと前もちらっと書きましたが、今年は「破壊デレ」がくると思うんだけどなあ。どうかなあ。
 
〜関連リンク〜
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