たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

コミックLOの新人さんたちが今すごい〜LOの求める少女道〜


最近の「コミックLO」は、かなり当たりが多いのですが、今月はハートにきました。どの作家さんもクオリティ高すぎ、全力投球のオーラを感じる月でした。
その中でもハートに来たのが、雨がっぱ少女群先生、緋鍵龍彦先生、鬼束直先生ら鉄壁の布陣だったのですが、それは明日書くとして今月は「新人さんがすごい」と激プッシュしておきます。
LOらしい、洒落にならない新人さんたちがLOから芽生え始めているんです。
 
まず「コミックLOってなによ?ロリ?」という人もいると思うので書いておきます。他にもロリ多めのエロマンガ雑誌は「コミックRIN」「少女天国」などがあります。それらもかなり作家さんたちの気合が詰まった面白い雑誌なんですが、コミックLOは「萌え」よりも「サブカルチャー」臭がする雑誌の印象が強いです。
なによりもエロさ分皆無のたかみち先生の表紙、サブカルロリ漫画家代表選手町田ひらく先生がいること、純ロリ鬼畜物も多いこと、ロリコンをまじめに考える広告の面白さ、などなど。一時期丸みを帯びた感じがありましたが、最近また尖り度を増してきました。
それらを担うのが、LO出身の作家さんたち。先ほども書いた雨がっぱ少女群先生や東山翔先生は、LOで育ち、いまやロリマンガのトップランナーの一人になりつつあります。
LOは新人さんを本気で、独自路線で育てていく覚悟のようです。そして、作家さんたちは「オレは少女を描く」という鋭い眼光でこちらに勝負を畳み掛けてくるかのようです。
LO、本気だ。
 

●生々しい少女を描くにまじ先生「となりの変質者」●

一人目が持ち込みで二回目の連載となるにまじ先生。レギュラー賞という賞金まで贈られていますが、ええ、これは読めば「がんばって育つためにぜひ!」と応援したくなる原石作家さんです。

なにせ描かれる少女の絵柄が、非常に血が通っており、「少女くさい」のです。キレイでかわいくて人形のような少女もいいですが、にまじ先生の描く少女は野暮ったくて、本当に幼い女の子の体温を表現しています。
これが「リアルで犯罪っぽい」んですが、「だからいかがわしいのが売り」なわけではないのが、この作家さんのすごいところなんですよ。
最後のオチまでまとめて読むと、エロマンガというステージの中のみでうまく組み立てられているのを読むことが出来ます。つまり、リアルであればあるほど、この作家さんはリアルを切り離して、迷走する性の想像遊技場の枠組みをつくることができるんです。
鬼畜寄りでも、ラブラブ寄りでもない不思議な空間。そこに描かれる体温の高そうなリアルな外見の少女。しかし中身は男性の遊戯のために作られた少女像です。
そこに秘められた、ロリマンガが隠された紳士の社交場(表には出さず、マナーは守る。想像の枠のみでの満足感を得る)であることを最大限に生かした、表現型エロマンガ家がここに生まれたのかもしれません。
 

●田舎の情緒、そして少女の思い出。千勢賢秋先生「寄り途」●

新人表記がないですが、掲載しているのは始めてみる上に、検索しても出てこないのでおそらく新人だと思われる千勢賢秋先生
これがまた方向性は180度違うのですが、日本の田舎情緒と少女の精神の機微を描いた見事な作風で堂々のデビューです。

なんせまず田舎中学校の日本らしさの描写の愛情たるや。これを見て擬似的に田舎の光景を体験できるのがまず見事じゃないですか。ぼくらの視線は一気に、田舎で自転車をこぐ少女を遠くから眺めるカカシのようになります。
通学は自転車ですが、そのときにヘルメットを被るこだわり。今でもかぶる地域は被るんですよね。
しかしそのシチュエーションや、「制服でこぐ自転車」を安易に卑猥なものとして描くのではなく、あくまでも日常の風景の、エロではない少女として描いているのが巧みです。
その後もちろんエロ展開に入ります。それは非常にエロティックなんですが、この作家さんは少女達の日本人体型をきっちりデッサンしているため、非常に(男性のイメージとして)生々しい上に、日常的な光景にすら映るんです。
そこに盛り込まれる、ささやかな少女の冒険心と心の細かな動き。男性に都合のいいだけではない少女像。
性の視線で捕らえながら、それを淡々と描く手腕には恐れ入ります。だからこそ、読者にはエロティックな心より先に、ノスタルジックな心がよみがえってきます。

二人の表情もすばらしいのですが、その二人の心を表現した小さなヘルメットの音に、この作家さんが目指す魂を感じました。
 

●「LOはリアルロリコン育成ではなく、脳内遊戯」●

自分もロリコンのケがあるのは認めざるを得ないところです。しかし中でもこの雑誌を好きなのは、LOが「まじめなロリコンを愛している雑誌」だからです。
ちょっとにまじ先生受賞へのLOの講評文から引用させていただきます。

リアルに13歳未満の少女とセックスすることしか頭にない性犯罪者のために、COMIC LOが存在しているわけではありません(たぶんそういう人はLOとか読む必要がない)。ロリコン的欲望はあるにせよ、漫画というフィクションの範疇のみで、頭の内側の王国のみで自己実現を行う「まともな理性を持っている」多くのロリ漫画好きのためにCOMIC LOがあります。

ロリコンは後ろ指をさされるかもしれない。一部の犯罪者とすべてがいっしょくたにされてしまうかもしれない。ああ、そういう誤解があるのはもう否定はしませんとも。メインカルチャーじゃなく、サブカルチャーだ。後ろ指さされるような獣を飼っているのを、否定はしない。だがそこに生まれる性的な、かつどうしようもなく純粋な感情は嘘じゃない!凶暴なのは分かっている。だから少女のイメージをこよなく愛するけれども、その渇望と一方通行の愛は、想像の中で十分ことたりるんだよ、それだけのことだ。
 
そんなLOの姿勢が、新人作家さんたちにも貫かれるこの雑誌。やはりソリッド。
また、恒例のLO理論武装広告もまた載っているので、今月はオモシロイの何の。
改めて、なぜコミックLOの表紙がエロ本らしくないのかを考えさせられました。あくまでも「忍び」「不快な思いはさせない」「閉じた空間の想像の箱庭の中だけでぼくらは静かに楽しむよ」という姿勢なのでしょう。
面白いなあ。最近は少女性だけが面白いんじゃなくて、ロリコン少女愛者の思想そのものが非常に心惹かれます。その激しくも祈りに似た感情が。
 

雨がっぱ少女群先生のとんでもない作品については、書きたい事が山ほどあるので、また明日。

コミックLO 下敷きコレクション 第1弾 BOX
コミックLO 下敷きコレクション 第2弾 BOX

こんなの出てたのかあ。ぽち・あぅ。(買った)
えーと…たかみち先生の画集マダー?