たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

BLや百合の「エロス」が、肉体を刺激するたあ限らない。

ちょっと面白いWEB拍手があったので紹介。

たまごまごさんはBLを読まれるようですが、BLはオカズになりますか?
自分はBLを読む男性ですが、残念ながらBLは物語としては面白いのですが、オカズにはなりません。

ストレートな質問でどぎまぎしましたが、これって結構気になるところですよね。
そして解答は「なりません」です。
ボケておきたかったところですが、好きな作品も多いのできちんと答えておきます。
 

●エロを感じさせるという力●

比較的ごっちゃになりやすい「エロマンガ」「百合マンガ」「BLマンガ」について、一男性として明確に区切りを置いてみたいと思います。
マンガ読み慣れている人には「違って当然だろう」となるかもしれませんが、意外とこれが混乱しやすいと思うんですよ。今でも「百合って基本エロあるんでしょ?」とか「BLって女性のおかず?」とか言う人も多いです。いやいやいや、それは一元的すぎる。
 
まずエロマンガ
エロマンガは「サブカルチャー的な面白さ」と「実用性」の双方が問われるため、「おかずになるかならないか」というのは男性にとって重要な問いだと思います。
下品な話に聞こえるかもしれませんが、これってすげーことなのですよ。
涙をさそうのも、笑いを誘うのも、感動させるのもマンガのテクニックですが、性的に興奮させるのはさらに難しい。
最初はヌードから入るだけかもしれません。しかしそこから始まって、性癖的なものと美しさ、時に卑猥さを越えて本能に訴え続けるのは至難の業です。
主に男性エロは視覚で訴えるわけですが、同時に身体感覚を描写することが多いと思います。ふたなりや断面図はその最たる例でしょう。
そこに心理描写を絡めたりしたらもうね。こんなに興奮させてくれちゃってもう天才!って思います。
このへんはもっと書きたいので作品感想の時にでも。
 

●百合で感じる、少女の宝石箱●

次に百合マンガ。
百合マンガには今のところほとんどエロはないです。「少女セクト」が一躍そのカベを破って話題になりましたが、その後あんまり出てきてはいません。多分今後増えるとは思いますが、思った以上に「百合にエロはいらない」という人は多いです。
少女セクト (メガストアコミックス)少女セクト(2) (メガストアコミックス)
今の印象としては百合は「保守的」。それがある人にとってはデメリットであり、ある人にとっては最大の魅力です。
あまり明確な受け攻めの関係がなく、むしろ「受け・受け」なことすらも多い百合。今でも女子高生が近づいたり離れたりの作品は連綿と愛され続けています。
もっと極端に個性的な百合作品も今後出てくるのだと思いますが、今はこれでいいのかもしれません。
関連・「百合的作品」で性的にドキドキする瞬間はありますか?
いやね、百合好きな人って百合であること以上に「少女幻想」を好きな人も多いと思うのですよ。これが他のジャンルよりもさらに濃度が高く、男性皆無の密室で円を描いてくるくる回る様を見たいのが今の百合作品をめぐる状態だと思います。
ならばムリにエロシーンがなくてもいいわけです。もしあるとしても少女幻想の「キレイ」を保存しつづけてほしい、という思いが集結していくのが百合でもあるからです。
もし仮にエロ分が増えても「実用」のためのエロにはならなさそうです。
むしろ、そんな幻想コレクション的な部分と、「かわいい」「キレイ」の中に眠る時間こそが一番エロいです。「失われていく」エロティシズムな作品もあるでしょう。
そして、向かい合って見つめ合う絵が描写するような、円のようなエロティシズム。
 
今後は個性的な百合作品や、リアルな女性を描いた百合作品も増えるでしょう。しかし少女幻想のガラス箱はおそらく数十年以上今後も幅をきかせる気がしてなりません。
そんな結晶を眺めるようなのも、いいよね。
 
余談ですが、エロマンガに百合ものが少ないのは、単純に「チンコがない」からだと思ってます。男性向けだと実は重要なんじゃないかな。
 

●BLは「二人の距離感」で感じたい●

んじゃあ男性視点でBLを見た場合はどうよ、となります。
基本女性向けに描かれたものなので、すべてを理解するのはむりです。でもね、よいBL作品は男性もたちます。もちろん、合う合わないは人によるでしょう。しかし、マンガ好きの人ならわりと受け入れられる作品があると思います。そのくらいしっかりした作品が無数にあるからです。
 
自分がBLで「エロス」を感じるのは、裸じゃないです。性行為じゃないです。残念ながらそのケはなかったんだ。
以前も書きましたが、どちらかというと「どうしても近づいてしまう葛藤」「触れたくて仕方なくなってしまう思い」の二点です。
 
そんなに詳しく読み漁っているわけじゃないんですけれども、BLって「男だから好き」じゃなくて「お前のことが好き」じゃないですか。もうその人のことが忘れられなくて!という感じ。一部の百合作品もそうなんですが「一時の感情」「はかない思い」な作品が多いため、今のところはBLの方がこういう傾向が顕著な気がします。
奥さんとか恋人とかがいるのに、もうどうにもならないくらい惹かれて惹かれて、ああだめだ、と分かりつつ手が触れて。ものすごい離れたところに置いた磁石がぐんぐん引き合うようなあの感覚が、自分がドキドキしながら「ああエロイ」と感じるところです。
まだ自分はガチエロなBLで興奮できる段階にありません。どちらかというとエロシーンをほのめかせるくらいがぐっときます。あ、こいつらもしかして・・・、くらい。すいませんこのへん甘ちゃんです。
あとは「さわさわ」するくらい。ほら手の平で。背中とかおなかとか。そんな距離感が心を経由して加速し、立たせられることもしばしば。不覚っ!
 
絵柄的にはそりゃ女の子がそうされているほうが自分は惹かれますが、男同士でもそのシーンに「ぐっ!」とくるものがあるのには、わけがあります。それは、心理描写が思い切りちりばめられているから。
「心のチンコがたった」なんて言う事がありますが、ほんとうまいことをいうなあと思います。心理描写で心が絡み合うとき、肉体じゃなくて心の部分が先に反応、しますよね。
 

●実用的な百合・BL?●

色々書きましたが、それをも越えて肉体的な興奮を呼び起こす力のある百合・BLは「すごい」と書き添えます。
最初にも書いたように、理解の部分ではなく本能の部分に触れるっちゅうのは、ものすごい技術です。それを描ける人は恥じることなんて一切ないし、むしろ誇れること。それはまた、読み手側もしかり。
性がどうのこうの、リアルがどうのこうの・・・というのはいったん放棄しよう。
その作品を読んで、自分の心にどんな刺激があった?
そこを素直に受け入れられようじゃないか、アンテナむき出しにして、どんどん吸収したいんだもの。
もしかしたら「実用的な百合・BL」って、「あるかないか」ではなくて、受け取り手がどこまで心開いて楽しめるか、なんでしょうね。
もちろんその「実用」ってのは、心の中で、というのも含みつつ。
 
〜関連?〜
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描く行為そのものが昇華(昇天?)だと思うんだ。
 
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正直、BLと百合はキスシーンのほうがキますよね。そしてキスから自然に、もっと触れたくなって・・・ああエロいっ。個人的にそこで、つなたい手でさわさわと!