たまごまごごはん

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何かものを作って伝えるということ。「プリキュア5GOGO第20話」

今回、「憧れのキャンパス」にプリキュアたち中学生が乗り込んだわけですが、そのシーンでのモブキャラをじーっと見てみると…。

二人組みがやたら多いです。
おそらく男女カップルだと思うんですが、このアニメだとボーイッシュな女の子なんじゃないかと思わされるからまいる。
ほら、ラクロスのやつとか女の子に見えない?見えない、そうですか。
 
そんな回でした。
今回はガチこまち回。こまちの夢そのものとまどか姉さんの対比を描いた話でした。
しかしね、確かに姉が出来ると妹はうれしい反面複雑な気持ちになるのは、わからんではないのですよね。
そのへんの悶々としたものと、「何かを伝える」というこの作品のテーマ「手紙」についてちょっと考えて見ます。
 

●こまちから見た、姉の姿●

今まで見てきた人ならわかるのですが、こまちはすごい子です。
のぞみさんのように「特に何か出来るわけじゃないなあ」とぼんやり思っている子からしてみたら、こまちさんはとても出来る子なんです。小説をまるまる仕上げるなんてなかなか中学生ではできません。
ポイントになるのは「書くことができる」と「仕上げることができる」の差です。書こうとはみんなするんです。でも「完成させる」のは本当に難しいのです。
それをできるこまちは間違いなく、視聴者からしても「すごい子」なのです。
しかし彼女が決して超えられない存在がいます。

姉のまどか。
この作品では珍しい、まだ大人までいかない段階の年長者キャラ。貴重です。
子供向け作品だからなおさらなんですが、特に彼女の描かれ方ってとても大人びているんですよね。いかにも大学生風な自由さはありつつ、プリキュアたちが時々迷うような、ゆらぎが感じられません。


そんな風来坊なまどかさんが見せた、はじめての彫刻姿。
あまりにも急な設定に見えるのですが、これがしっくりはまっているから面白い。実際こまちにしても、まさかこんな姿を見るなんてという感覚だったようです。
 
身内がものすごくがんばっている姿を見るのって、うれしいんですよ。
しかし同時に、兄弟姉妹で多感な時期だととても複雑な気分になります。
ああ、あんなにがんばっている。それに比べて自分は。
 

●たくさんの言葉をつむいでも●


こまちはいつも悩む子です。特別なことじゃなくて、それは一人の中学生として、当然のこと。
あれだけたくさんの言葉をつづって、小説を何枚も何枚も書いて、それでも釈然とせずに悩みを繰り返します。
 
言葉って恐ろしいものなんですよね。そもそも「何かに伝える」ために書くじゃないですか。
相手は友人でも、家族でも、自分でも、不特定多数でもいいです。何かのために書きたい!と思うわけです。時には感情を吐露するだけのこともありますが、それはある意味自分の思考整理なので、自分のためです。
 
こまちはどうやら、誰かに伝えたいと願うタイプの物書きのようです。だから人の批評を積極的に受けます。少しでも楽しんでもらいたいと思っています。
そのとき、相手に伝わったという感覚がないと非常に不安になります。反応がないというのはとても不安で、恐ろしいことなのです。
ましてや、将来どうなるかわからないならば。どこに手をかければいいのかまったくわかりません。
だからどんどん不安を埋めようと文字をつづります。つづってもつづっても答えは出ません。
 
そんな中、着実に自分を固めながら、相手に伝える彫刻をつくり、お菓子をつくる姉がいる。
私は何を伝えられたのだろう?
 

普段は言葉なくしてすら通じ合えるかれんとこまちですら、この複雑な感情をうまく伝えられなかったのは印象的です。もちろんかれんさんは非常に心配して行動に出るんですが、やっぱり「うまく伝わらない言葉」は本当にはがゆいものです。
 

●たった一言でいい、伝われこの言葉●

はて、そんな中、GOGOになってからずっとテーマになっているものがあります。それは手紙。
シロップという配達係が中心になっていることからもそれはよくわかります。探せば探すほどたくさんの「手紙」が出てきます。
今回はその中でも、もっとも簡潔でもっとも大切な手紙が描かれました。

こまちがまどかに、幼いころに書いた手紙です。
姉がつくった白玉だんごがおいしくて、感謝の気持ちを書いた大事な、でも飾ることのない手紙。


中身がちゃんと現在になってから見せられるなんて!
おねえちゃんたらこれずっともってるなんて!
 
そりゃもうね。手紙でもメールでも、大事に持っていることがわかったときほどうれしいこたないですよ。
だって、一番読んでほしい一人の人に伝わっているんですもの。
 
言葉は本当に難しい。いかに喜んでもらうかを考えるといろいろ手間どって小手先のテクニックを入れてどんどん長くなって…。
でも実はなんてことはない、どれだけ相手にその思いをこめることができるかが一番大事なんだなあ。
 
結局風来坊な姉が選んだのは「和菓子屋」の道。きっかけがこの手紙で「喜んでもらえた!」という記憶からです。
そう、何かを作るということ…絵を描いたり、演奏したり、料理したり、歌ったり…全部メッセージです。誰かに何かを伝えたいからやります。そしてひいては「喜んでもらいたい、楽しんでもらいたい」につながっていきます*1

人生で何かを伝える機会って、山ほどあります。
いろいろ知恵がついちゃうと難しいんですよね。形式とか。
でも伝えないより伝えることに価値がある。たった一言でその人が一生ものの元気を得ることもあるし、忘れない感動を持つことだってあります。
 
まずは「夢をもとう」だった前作、そして「伝えよう」な今作。
そしてそれを「伝えよう」としている作品全体のつくり。
どの子もいろいろ悩みの面で感情移入しやすいんですが、そういう面においてこまちとうららは特に中心的存在かもしれないです。
 

●一方大人は、伝えたくないことをやらざるをえない●


それにひきかえ、書きたくもない始末書を延々と書かされているネバタコスさん。
ネバさんは根っからの悪党ではありますが、さすがにこの立場におかれると哀れに見えてくるから不思議。ああ…やりたくないのに、言いたくないのに言わなきゃいけないことって、あるよね。あるある。アー。
 
もっともそれが「悪」かといわれるとそんなことはないです。だって仕事だもん、それも誰かがやらなければいけないもん。
とはいえ、それに押しつぶされてしまって形式にはまるのが、一番怖い。パターンにはめた文書に、自分がはまってしまうのが怖い。
何か伝えることを、自分はちゃんと探して迷わないようにできているんだろうか。
 
加えて余談ですが、「伝えるすばらしさ」と同時に「伝えてはいけないこと」「相手を傷つける言葉」もそろそろテーマとして扱ってほしいなあと思いました。
乳薔薇が良かれと思って言ったことが誰かの心の傷になったり、とかそういう展開も見たいです。
ほんと言葉って難しい…と思わずまず言葉を紡げ紡げ。
 

●こまち赤面祭り●

姉の前だとテレテレな妹モードなこまちさんがかわいい今回。
今週の見所。
 
その1

借りてきた猫状態のこまちさん。二枚目なんて姉に対してなのに、テンパってお辞儀をしているヨ。
人一倍感受性の強い彼女、人一倍コンプレックスや不安も大きいんですが、それを乗り越えようとする姿がかっこいい…と見せかけて赤面しているのが単純にかわいい!かわいい!

反則的ですね。赤面する女の子はなぜこんなにかわいいですか。これは本能ですか。
 
その2

ザ・ベストショット。増子さんはこのシーンを撮れず涙したという…。
普段お姉さん係りなこまちが、まどかの前だとすっかり子供になるギャップがいいですなあ。
 
その3

もいっちょこまちさん。
なんだか、体は大きいのに妙に軽そうに見えるミントマジック。そしてのぞみ×こまちもありかな、と思いました。
 
その4

夏服がやけにみんなかわいいです。(りんちゃんはノーマルの方が好き。)
特にデザイン的には、乳薔薇とうららが秀逸。あとシロップな!

しっかしあいかわらず、うららはこういう時に空気読みますなあ。プリキュアのムードメーカーはまさに彼女。YES!
 
その5

あいかわらずプリキュアはよくたべます。豆大福出番多すぎ。
とりあえずナッツが素で「うまい」と感想をもらしたときはちょっとときめきました。
 
その6
出番あんまりないけど今後りんちゃんをひいきすることに決めました。自分が好きだからです。

りんちゃんの笑顔はかわいいよ!そしてそのひきつったまゆげがいいね!りんちゃんかわいい!

突っ込みコンビ。この組み合わせはちょっと意外だけど、これはこれでありだな!りんちゃんかわいい!
 
その7

次回。まったく学習能力のないこまちさん。
これまた懐かしいネタを引っ張り出してきました。この子の脳みそは半分あんこなんだと思います。
 
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*1:自分の心を表現する!というのもあるので、全員がそうとは限りません