たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「恋忍」のD.T.力が半端じゃないんだぜ

 
とにかく「恋忍」(こいしのぶ)の濃さがすごい。
もともと別マガ本誌で読んでいた時は、いまいちなんの漫画か理解できない部分が多かったのですが、まとめて読んでみるといやあ、ひどい(ほめ言葉)。
どういう設定があるかとか、そういう問題じゃなかったのですね。
よく理解しました。
この作品は激しく強いD.T.力を称える作品なのですね!
 

中二病D.T.力はちょっと違う!●

まあほとんど変わんないんですけどね。
中二病D.T.力、微妙に違うと思うんですよ。行動に出て形に出来るくらいのパワーになって、妄想力高まればそれはまさにD.T.力。
宮沢賢治なら、少女に触れる資格があるのではないだろうか説

D.T.
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ようするに「童貞力」のことを、みうらじゅん伊集院光が「D.T.力」とよんだのですが、実際に童貞かどうかが大事なのではなくて、童貞の時に抱えている激しい情念、情熱を形に表出させることです。

これまでマイナスのイメージで語られがちなD.T.だったが、それこそが想像力を培い、創造力を育む「クリエイティビリティの源」なのだ。

中二病というと笑いの黒歴史的な、どちらかというとマイナスなイメージな言葉ですが、D.T.力はプラスな表現なわけですよ。
 
具体的に言うと、設定まで作って脳内で終わって諦めてしまうのが中二病
そのあと本気で最後まで完結させてしまうのがD.T.力。
いや、すごいことですよ。どんなものでも「完結させる」ってすげーーーパワー入ります。行動に踏み出すって大変なことなのです。それがいい方向に向かいさえすればD.T.力は、すごい力を発揮します。情念の核爆弾です。
 
たとえば「恋忍」だと友人の子はこうなわけですよ。

おう!
熱い男会議ですね!
だがしかし! これはまだ会議段階なのだ。
彼のD.T.力は非常に素晴らしいです。この「どうでもいいこと」を「どうでもよくはないレベル」に到達させる情念!これぞD.T.力。
でも彼の思いは主人公、栗乃花薫(くりのはなかおる)には遠く及びません。
つかひどい名前だな!(ほめ言葉
その差はどこかというと。


ええとこれ、わかりづらいですが「惡の華」という、同じ別マガでやっている漫画のネタのパロディになっていて、「好きな女の子の体操服を盗んでしまった」という「惡の華」に対し、自分で体操服を用意して、クラスの女の子の名前を書いて着て楽しむという高度極まりないプレイの最中なのです。
固いポリシーを持ちつつ、エロスについての妥協をしない。
ああ、なんと素晴らしきD.T.力!!
ここまで到達し、かつ人に迷惑をかけず、しかも芸術のように完成させている姿は、指差して笑えつつも正直すげーかっこいい。
だって、紛う方無きヘンタイだけどさ、誰も傷つけてない、自分の中で完結させて昇華させているんだぜ、しかもエロアイテムなしで!
かっこいい、すごいかっこいい。こうありたい。
まあ残念なのはそのD.T.力の向かった方向が狂っていたことですが。
それでも、これだけのD.T.力を持っていれば、世界を動かすことくらい出来る気がしてなりません。
彼のD.T.力はこんなものじゃおさまりません。

雪山で遭難したところでのシーン。
そもそもなんで遭難したんだよとか、そういうのは置いておきましょう。考えたら負け。
遭難したときに「オ○ニーだ!」という発想自体がおかしいんですが、ここで発揮されるD.T.力は命を救うことになるのです!

あふれる情念! ほとばしるパトス!
妄想が大地を踏みしめて行く時、生命の鼓動は大きく羽ばたき、過酷な大自然なんて乗り越えてしまうんだ!

思春期の僕らの想像力の無限大…大自然に見せつけてやろうぜ!!!

これを言って実践できるのなら(雪山で生き残るのは無理としても)それはもう立派な能力であります。
D.T.力は、極めれば軽いスタンド能力のレベルに達することが、出来る。出来るはず。
そんな力強さと励ましを、笑いながら与えてくれるのだこの漫画は!
少年だけではない、男性だけではない、人間よD.T.力を持て!
Boys Be D.T.力。
 
ちなみに薫がここまでD.T.力を高めたのには理由があるのですが、それは読んでのお楽しみ。
 

D.T.力は全てをエデンに変える●

薫の溢れ出るパトスはとどまるところをしりません。
そもそも「エロ本・エロ漫画」とか「AV」とかは、「エロのために用意されたもの」なわけですよ。
だが、そこでD.T.力を発揮させるんだ。
彼らは中学生、そう、中学校にいる。
それはどうだね。良く考えてみるんだ。

彼の超越した発言、重みがありますね。
そうだよ、大人になった僕らにとって「中学校」というのは憧れの場所じゃないか!
え、ロリコンじゃないから興味ない? NO! 違う!
自分が中学生男子で、中学生女子のいる空間を想像するんだよ!
ほら、もう毎日が、コインだらけのボーナスステージじゃないか。
一挙一動がボーナス。一緒に吸う空気すらボーナス。
ああ、なぜぼくは中学生の時、D.T.力を発揮してこのボーナスステージを満喫しなかったのか!
まさに血の涙。ああ……今の少年達よ、背伸びしてエロ本見てる場合じゃないよ。
もっとすごいものが身の回りにあるんだぜ。
スク水とか(ほぼなくなりかけてるけど)ある学校の少年よ、目に焼き付けておくのだ!

なんとなくここでマイナスでネガティブな方向に行くと「中二病」的ですが、全てを楽しみ、満喫し、妄想力を生きる力に変えて、しかもそれを達成してしまうのであれば、それは魂のエネルギー、クリエイトする力、D.T.力」だ!
逆に言えば、D.T.力は全てに対しての「リアルを超越したリアル」を生み出します。
確かに中学校は、彼らの目から見たらボーナスステージでしょう。
しかしふと冷静に冷めてしまった目で見たら、それはただの中学校です。なんだこの当たり前の文章。でもそうなんだもん。
スイッチを切って冷めてしまうか。
スイッチを入れっぱなしでD.T.力の熱を放出するか。
 
ぼくなら迷わず後者を選ぶね!
だって楽しいもん。
この「興奮覚めやらぬ熱意(性欲ともいう)」を妄想の力を高め続け、結晶化するD.T.力を保ち続けるのも、一つの苦労。自分との戦いでもあります。
だが、そこで突き進んで欲しい。そこであきらめないで欲しい。
仮に大人になって童貞を失おうとも、18才を越えて手軽にエロ本が買えるようになろうとも、この情熱、身の回りはエロスであふれたエデンであるという「愛」を持ち続けて行きたい。

ふと、「裸が出てないなんてだめだ」とか「もったいぶって見せないとかないよな」とか思いがちな心があるなら、この本を読んで自ら叱咤激励しよう。
そう、世界はエロスで満ちている。満ちているんだ。
ただし人に迷惑をかけてはいけない、自分の中で充足し、昇華させることが絶対条件。
誰が決めたわけでもないけど、たとえそのパトスが負に向かおうとも正に向かおうとも、人にぶつけてはならねぇ!
ぶつけるなら、文字や絵にしよう。それが作品になるのだ!
というか右端にブッキーとmktnがいるんですがどうか。
 

●真実を見抜くD.T.力●

ぶっちゃけこの漫画主人公が一番面白いので主人公のD.T.力の話にばかり目が行きますが、ちゃんとかわいいヒロインもいます。
いるんですが、ねえ。
違うんだよ。
そうじゃないんだよ!

そんなとってつけた属性じゃだめなんだよ!
いや、とってつけた属性はいいものですよ、だけどそこに真意はあるのかい、そのシチュエーションに対する愛はあるのかい。
このヒロイン、此花恋華には、それが足りていない。
だから薫はすぐに見ぬくのです。
こんなラブコメの恵まれたシチュエーションでも、食いつかない。
 
この漫画、特に彼のD.T.力がエロスを見抜く力をかっこよく、本当にかっこよく描いています。
憧れるほどに。
見てくださいこのシーン。

ちょうかっこいい。
ちょうマガジンっぽい。「!?」とか。なんか懐かしい。
 
まあ、その「とってつけた感」に激しくのめりこめるD.T.力もありますが、彼の場合はそちらの方面ではなく、現実の中にあるファンタジーを愛するD.T.力使いのようです。
そんな真剣に考える部分ではない? うん、そうですね。うん。
いやいやいや、そこは真剣に考えよう。D.T.力を発揮しよう。
妄想は「与えられるもの」じゃない。「自分で生み出すもの」だ。
生み出したからこそ、結晶になるんだ。

だからだめなんだよ、とってつけたんじゃだめなんだよ!
普通でいいんだよ! 普通こそがエロスなんだよ!
 
此花恋華は薫の元に「妹キャラ」として、まさにとってつけた感じで入り込んでくるのですが、これが本当に胡散臭い。
それでも傍目に見ると「ハッピー」なはずなんですが、D.T.力あふれる彼は「そうじゃない、そうじゃないんだ」と見抜きます。見抜けます。
逆に、恋華の中の「真実」を見たときに、彼のD.T.力はそれを評価するのです。

つまり「そのままの方が、ぶってるよりずっといい」と。
もう「師匠」と呼ばせていただきたい勢いですね。
 
あー。
えーと、一応恋華を中心とした、忍者の話はあります。あるんです。
あるんですが、「ベストG(自慰)ニスト」こと栗乃花薫のD.T.力がかっこよすぎて、何もかもどうでもよくなります。
で、こんな読み方失礼!と一瞬最初感じたんですが、たぶんこの作品……今後このD.T.力が、ややこしい自体を華麗に解決していくんじゃないかと感じたので、やっぱりD.T.力最高!ということで締めたいと思います。
さあ、レッツ妄想。レッツオ○ニー。
D.T.力はぼくらの心を救う!
 

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一点、見過ごせない部分があったのでここだけ。

おちんちんのついた女の子って
ようするに男でしょ?

違うよ、違うんだよおおおおおお!!! 
あってるけど違うんだよおおおお!!! ママン!
 

シモネタといえばシモネタですが、それを「かっこいい!」と思わせるパワーに満ちた作品だと思います。
また、前回までのあらすじの部分もよく見るとひどい有様なので、必見。
 

しっかし、「恋忍」といい、「惡の華」といい「嵐の伝説」といい、D.T.力の強い漫画だらけ。
もっと増えてもいい。いいと思う。
ここまできたら、表紙も「萌え」狙いじゃなくて、D.T.力あふれる栗の花くさい表紙にしてください。「惡の華」はそろそろ表紙を飾ってくれないかなー。
 
高本ヨネコHP『ヨネコんち』
ちょ、プロフィールのリンク先!!! この適当感がすばらしい。
12話のあとがたりコメントがひどすぎる(ほめ言葉
別冊少年マガジン連載中、変態漫画の決定版『恋忍』が面白い! DAIさん帝国/ウェブリブログ