たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

俺たちは戦いたいわけじゃないっす「メカクシティアクターズ」第三話

メカクシティアクターズ」三話でしれっと出てましたね。

マリーの内職。
月500円。少ない!
だいたい造花を一個袋詰して5円らしいので、月に100本しかつくれていないことになります。それもマリーらしいのでOK。かわいいのでOK。

シャフトらしいオーバーテクノロジーにも慣れてきました。
そういう世界なんだよここは。テーブルだってディスプレイになる。かっけー。これください。
 

●すべてがつながったメカクシ団の秘密●

周囲の、アニメから入った組の人たちは「これで話がわかった」と言う声が多かったです。
今回は、今までのすべてと、このアニメの内容をがっちりまとめた、解説回でした。
 
 
ざっくり誤解を恐れずいえば、「メカクシティアクターズ」、ひいてはカゲプロすべての作品群は能力ものです。
正確には「持ちたいわけじゃない能力持ってしまった」もの、かなあ……。
 
二話で、理不尽に追いかけられ、人に注目されすぎてみんなを傷つけ、友人のいないモモがなんだったのかはあかされませんでした。
これが、実は「目を奪う」能力だった、と判明します。
具体的には
・目を自分に集中させ、魅了してしまう。作ったものや写真でも同様。
・どこにみんなの目が集中するかわかる。

まさか脳内でこんなメカニカルに見えてるとは思わなかったけどね!これには度肝を抜かれました。
赤いラインが視線で、どこに向くのかの診断をしているところです。
他の子もこうなのかどうかは、ちょっと楽しみです。
 
こう見ると、めっちゃくちゃ便利な能力に見えますが、制御できないとなるとどうなるかは、二話で描かれました。
悲惨です。
 
能力について、メカクシ団団長のキド、団員のカノが詳しく解説します。
 
キドの能力は「目を隠す」。と言っても透明人間になるのではなく、みんなの視界・意識に入らなくなる。
ドラえもんの「石ころぼうし」と同じです。存在しても感覚の範疇に入らなくなる。
これも、かつて制御できなかったことが語られます。
 
カノの能力は「目を欺く」。周囲が自分に対してどう認識しているかを変えて、違う姿をとっているように感じさせる。
変身能力ではないです。今回でいえば「自分が縛られている」ように感じさせて、実際は縛られていない。
モモも含めて三人の能力は、相手の感覚をねじ曲げるタイプです。
 
そして、セトの能力は「目を盗む」。
対象の情報を見ることができる、人の思考を読み取れるという、三人とは別タイプの超能力型。
これについては後述。
 

マリーの能力は「目を合わせる」。
対象者と目を合わせることで、数分間動きを止めることができます。
さすがのマリーもカノには怒るんですね。
 
と、これで1話の謎が全部解けました。
「メカクシ団」という組織があることもはっきりしましたし、目に能力が宿って暴走したり、それを制御したりするのもわかった。
ここからがスタートライン。
……なんですが、別ルート(楽曲・小説・マンガ)を知っている人ならいくつか首をかしげるはずです。
そして、そここそがこのアニメルートの本質でもあります。
 

●みんなひとりぼっちだった●


決定的に違うのが、キドがモモを誘う理由です。
小説とマンガでは「カノの嘘に騙されたキドが、イレギュラー的にモモを引っ張りこんだら同じ能力者だった」という展開。
ところがアニメではキドがモモを意識的に「メカクシ団」に引き入れている。
この差、もんのすごくでかいです。
 
重要な会話の一つが、モモとキドの会話です。
 
モモ「友達と、しゃべったりできるようになりますか?」
キド「お前次第さ。まあ少なくとも俺は、お前を団員に入れる気マンマンだ。最後の質問は嫌がおうににも叶うことになるだろうな」
 
モモはアイドルで、みんなに好かれて、熱狂的にファンがついていた。
でも、友達はいなかった。
孤独でした。
キドもそう。カノもセトもマリーもそう。
みんな孤独だった。
 
モモを「味方」としてではなく、「友達」として引き入れています。
アニメでは、最初からそれが目的なのが、すごいルート変化です。
つまり、メカクシ団の目的は、目に能力を持ってしまった孤独な人間と共にいることだからです。
 
「味方」としてではない、と言ったのは、救出作戦の部分から見てわかります。
キドはモモに戦うようには何も言っていません。むしろそういうのは避けたい、できるだけ安全に兄・シンタローを助けてやりたい、というだけでした。
あくまでも、モモが自分から提案し、動いている。
決して、アニメ版におけるメカクシ団は、何らかの利益を得るための集団ではありません。
 
だから、犯罪者たちを凍りつかせるときも「ごめんね」。
傷つけることも、悲しませることもしたいわけじゃない。
(今後「カゲロウデイズ攻略作戦」がどう描かれるのかもありますが……)
 

このシーン最高にいいですよね。
ぶっちゃけていえば、孤独な集団のメカクシ団の団長のキドは、一人でも多く友達が欲しかった。モモと友達になりたい。ちゃんと言えなくて「目を隠しちゃう」けどね。
ああもう、キドはかわいいなあ!
 

●能力バトルじゃない。戦いたくなんてない●

もう一つ、大きなルート変更の一つがセトがすでにここで参加しているということです。

モモのこのポーズは二話でも出てましたし、毎回出て欲しいですね。おこだよ!
それはさておき。セトは普段バイトに精を出しているので、小説とマンガではこの一連の作戦では参加していません。
セトがここにいる理由は色々考えられます。まずは登場解説の簡略化、次にこの作戦の連絡係に適任
この2つは都合の問題でしょうね。だってアニメ1クールだもん。
でもそれだけじゃない。
今回、セトの存在が、最も重要です。
 

セトは自分の能力を使うことを極度に嫌います。
今回は人命が関わるのでやるしかないけど、できればやりたくない。
彼の読心術は、他のメンツと比べても飛び抜けて便利に見えますが、違う。
このカットのセトの表情、フードをかぶって目を隠す彼。
重要なカットだと思います。なんかもうこれ見るだけで辛くなってしまった。
 
孤独とコンプレックスを抱えたメカクシ団。
名前の通り「目を隠したい」。そのためにフードをかぶっています。
できれば目の力は隠して使いたくない。
戦いたくないんです。自分の持っている特別な力なんて、ほしくなかったんだよ。
セトは特にそれが強いので拒絶しています。
キドも、相手に認識されないことを喜んではいません。

カノは使いこなして遊んでいるように見えるおちゃらけキャラですが……。うん、そこからは描かれるかわからないので何も言いません。
 
この物語は、能力バトルものじゃない。
「能力」とコンプレックスを、少年少女が乗り越えるための物語です。
だから、他のルートと違って、セトがこの場にいなければいけなかったんだ。

あとセトマリを見るためにもね。
 

●突き放して見る構図●

今回、奇妙に感じたのはカメラアングルです。
ちょっと抜き出してみますね。
 
 
メカクシ団のアジトのシーン。異常に離れた距離にカメラがある。あ、同じカットじゃないですよ。全部別。
確かに全員を一画面に収めるにはこのくらい離れないといけないし、急に増えたキャラの行動(キドは割りと寡黙、セトはマリーに献身的など)をわかりやすく見せるには、離れて見せるほうがいい。
にしたって離れすぎです。こういうカットがとても多い。
しかも真横です、すべて。斜めからとか上からとかがない
確かにシャフトのお家芸として、真横遠距離カットはありますが、にしても多すぎる。
 
キャラの配置を見て欲しいのです。
特にこれ。

こんなに仲良さそうで、ワイワイやってるように見えるメカクシ団。モモもここに魅力を感じる場所です。
でも実のところ、それぞれバラバラの方向を向いている。
会話はするし、小突きあったりするけれど、ひとりぼっちが一つの場所に集まっている、依存はしていない(マリー以外)。

この距離感がものすごく心地良い。ものすごく安心する。
強制はしない。
ただ、ひとりぼっちが集まって、秘密基地にいるだけ。
キドとカノが、モモをこの場所に呼んだように。
だから二話のモモの孤独の描写からの、三話の賑やかさは必須でした。

君はさ、こう言ったんだ 「孤独だったら、おいでよ」
(中略)
秘密基地に集まって 「楽しいね」って単純な
あの頃を思い出して 話をしよう
(「サマータイムレコード」より)

ちょっと歌詞的にネタバレあるので一部だけの切り抜きです。
メカクシ団のアジト、なんて大げさなことを言ってますが、子どもたちの秘密基地です。
だから、遠くから映し続けている。
広すぎるくらいなのはシャフト空間だからでしょう。その真中に、くっつきすぎず座っている。
これが、彼らの距離感です。
 

●キドとカノのちょっと変わった関係●

セトとマリーのラブラブっぷりにはにやけさせられますが、今回はキドとカノの関係も興味深く描かれていました。
 
おちゃらけすぎるカノ、バシッとシメるキド。
この関係はずーっと続きます。あーもう、仲良くけんかしな。
この二人の漫才がどう描かれるかが、今後のアニメルートのテンションにつながっていくと思います。
カノとモモ、二人の明るさ前向きさが秘密基地を明るくします。
たとえそれが、心に傷を負った連中だとしても。カノは……おっと、うん。な。
 
にしてもねー。

キドはかわいいね!
でもまだ序の口。彼女の本当のかわいさが出てくるといいなあ……ああ、でも小説どおりじゃないのか、どうなるんだろう?

「こいつってやつはほんとバカだなあ、救いようがない」のイントネーションがすっげー、すっげーかわいくてなー。
 
まあ、人間関係や生い立ちは、今のところモモしか描かれていないので、今後どう表現されるのかは気になるところです。
できれば全員分やってほしいですが……次「カゲロウデイズ」なんですよね。話また混迷するぞー。
「ヘッドフォンアクター」はどうなるんだろう?
 
 
余談。
予告なんだよ!?!?どういうことなんだよーーー!?

「でもまぁ夏は嫌いかな」
猫を撫でながら、君はふてぶてしくつぶやいた
(「カゲロウデイズ」より)

そのはずなのに、ヒヨリの一言。
「でも私、夏は嫌いじゃないわ」
これなんなの!?
ひょっとしてループしているうちに別のルートに入った……あ、もう入ってるや。
どこにいるんだ、最初なのか?それとももう何周もして記憶があるのか????
うわー(混乱
 
今日のシャフ度。

もうなんか、意地で入れてきているような気がしてきました。
どんどんやって!!
 
そうです、エネちゃんはかわいいのです!「メカクシティアクターズ」第一話
モモのどうしようもない一人ぼっちの事情「メカクシティアクターズ」第二話
  

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タイトル未定って、「daze」じゃないのかな?