たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

かわいいは最強の武器『めいしょう』11歳の少女監督の存在は罪深い

めいしょう (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

『めいしょう』は「なんで続いてないの!?」って思ってるマンガの1つ。いやまあ、「ミラクルジャンプ」が休刊したからなんですが。
続き読みたいよー。
 
11歳の金髪美少女、スーザン・ハモンドは、プロ野球の監督でした……という出落ちな一話から始まる。
そこから、スーザン大好きストーカーの11歳・小尾たまこ、ゆるーい感じの社長令嬢10歳・胡桃剣と、ちびっこ監督続々登場。
しかも強い。めっちゃ強い。
 
彼女たちの采配が天才的、というのはまあファンタジーなんだけども。
それぞれの「かわいい」が選手の起爆剤になっているというのは、妙に説得力ある。
 
たとえばスーが乱闘を止めようと突っ込んで行った時。
大人の選手たちはさすがに子どもを巻き込めないと、散り散りになってそのまま乱闘終了。
剣は天才的な知能を時々発揮する名監督。
同時に時間があればお弁当作りをして、選手に配っている、気遣い屋さん。
 
基本選手たちは、彼女たちの実力を認めつつ、「かわいい子ども」としてものすごく愛でている。
周囲の人も彼女の「小さくて可愛い」ところを「最強の武器」と称しています。
勝負に勝つ手立てがある上に、小さくて可愛いのなら、ついていかない手がない。
きちんと作中で、彼女を妬む人間も描かれていることで、逆に(?)安心して読める。
 
スーの格好がまた、あざとい。
短パンですよ短パン。脚!少女脚! しかも時々ノースリーブ。
男子なら大歓喜な格好。野球の始球式とかでよくある野球短パンは、萌え属性の1つだと思う。やっぱり「かわいい」ってのは現実でも虚構でも武器だよ。
 
スーのかわいさは最初から最後まで、一分のスキもなくパーフェクト。
特に最終回、クラスの男子がスーに片思いをしているのがたまらなくキュンキュンくる。
同級生からみたら、彼女は大人びた美人さんなのですよ。
こんな経験しちゃったら、彼は一生この恋ひきずるだろうなあ。罪深い。
ロリコン的視点は、たまこが担ってくれています。こんなかわいい子追いかけちゃうよねえ。
なんとかこの作品、復活してほしい(あるいは続編的なのを!)

『すうの空気攻略』ほんと高校生活で空気読むとか辛くて仕方なかった

すうの空気攻略 1 (少年サンデーコミックス)
すうの空気攻略』、今一巻出てますが、サンデーうぇぶりで全部読めるので、読んだことない人はぜひ読もう。
面白いと思ったらぜひ本を買おう。
 
超絶ど田舎の島に住んでいた、雛(すう)。
本土の高校に行く決意をした彼女は、人と接することを知らない。
そこでお母さんが作った、「空気(フェイズ)攻略マニュアル」をもらい、人間関係のピンチに陥った時に開いて知識を得る。
内容の書き方がまるでカードゲームのようなのが楽しい。
 
もっとも、読んでもうまくいくとはかぎらない。すうが超素直な子なので、すんなりクリアできることのほうが多い。
たとえば「閃剣の初太刀」。要するに自己紹介。この自己紹介でしくじると1年間つらい。
 
「皇廊邂逅」。廊下で人とすれ違う時の気まずさの話。
ばかだなあーと思うんだけど、ほんと廊下ですれ違う時の反応、困る。あいさつするタイミングって、どうするのが正解なの?未だにわかんないんだけど。
 
こういうネタが毎回一話完結で描かれていて、今41話。よくそんなにネタあるな!!
クラスに突然入ってきた他クラスの子への向き合い方。グループ内一人だけ話しかけられている時の気まずさ。自分の知らない「友達の友達」がいる時の折り合いの付け方。
あるある困る。つらい。
 
関心したのは、29話で出て来る、空気を攻略する布陣の話。
「感受者」「道化者」「司令者」「被弾者」「中和者」
確かに! これは場の空気にどう対処するかの役割分担でもあれば、グループ内のバランスを保つポジションでもある。
ギャグなんだと思うし、正解とは限らないけど、自分がどれか考えるだけでも楽しい。
(ぼくは多分「感受者」か「被弾者」)
 
すうはとてもおっちょこちょいで、ビビリ。だから空気攻略をしようと必死。
だけど彼女には、しっかりした「自分」がある。だからビビってはいても、全然流されない。
マニュアルマンガなんだけど、主人公がマニュアルを越えて自分で考えて挑戦しているから、読んでいて嬉しくなる。
 
毎回出てくる人間関係のピンチ、高校生時代の自分ならどうする?と考えると、本当に息が詰まる。つらい。
つらかった。高校時代は。そもそも空気がうまく読めず、怯えて孤独なままだった。
あの頃の自分にこのマンガ見せて「そんな悩むもんでもないぞ」と声をかけてやりたい。
でも、お弁当時に教室のどこに行くかはもう二度と考えたくない。

『大正処女御伽話』のレイニー止めが、ちょっとつらすぎるんだけど

大正処女御伽話 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)
大正処女御伽話』の寸止め力がハンパじゃなさすぎてつらい。
2巻から3巻のときもそうだったよ……続きが気になりすぎてあがく感覚を味わえるぞ。レイニー止めだらけだぞ。
 
レイニー止めって言葉は意外にも今も定着してますよね。
マリア様がみてる』の10巻「レイニーブルー」で人間関係がこじれたところで終了、次の巻まだ、助けてはやく死んじゃう!っていう状態が続いたのが語源。今もそのままの意味で使われる。
同時に「レイニー止め」の語には、「絶対うまく行ってくれると信じています」という祈りが含まれる。バッドエンドはないであろうと思われる作品ほど、不安要素が入った時のブレはでかい。
転じて、寸止め状態で待って心の中が膨れ上がる緊張感と、発売日に買って読んだ時の開放感のすごさを表現する言葉になったんだと思う。
最近だと『けものフレンズ』の最終回前がすごかった。あまりにみんな心配になって、各々が最終回の二次創作をして心を落ち着かせようとするくらい。
 
ってくらい大正処女の4巻もやばい。なんでそこで切るの。
 
大正処女御伽話』は、心に悩みを抱えた青年と、父が金で買った娘の2人が、誠実に向き合ううちにお互いを大事に思うようになる大正恋愛物語。
一切の濁りがない、苦しいことはあっても幸せに向かって2人で歩いていく。極めてピュア。
 
タイトルの「処女」は、性交渉の有無ではなく、当時の可憐な乙女のあり方のような意味の単語。
ヒロインの夕月は、幼く元気で好奇心いっぱい、純情可憐で、かついつも凛としていて清廉潔白。なんでも張り切る小さな大和撫子
彼女との日々の積み重ね、そしてある事件を乗り越えたことで、2人の愛はどんどん強くなり、4巻では皆が祝福するカップルに。
新キャラの歌姫・白鳥ことりとの関係もあって、視点はどんどん前向きに。2人はもう夫婦寸前、祝福の光しか見えなかった。
 
作品が純粋な世界観を持とうとしているかどうかは、「レイニー止め」効果を高めるのに必須。
キャラクターたちが読者に深く愛される存在であることも必須。
悪意によって「びっくりする」のと、善意を欲して「つらい」のは別なのです。
 
夕月たちをみて100幸せな気分になり、3くらい強烈な出来事が起きて心がグラグラになるマンガです。